議会の動き

予算特別委員会◆24年02月定例会

理  事  小西 ひろのり 議員(西宮市選出)
委  員  黒田 一美   議員(神戸市垂水区選出)

小西 ひろのり 議員
財政状況 | 総務部・財務部・危機管理部 | 企画部・県民生活部・部外局 
福祉部 | 産業労働部・労働委員会 | まちづくり部 | 教育委員会
病院局

黒田 一美 議員
保健医療部 | 公安委員会 | 農林水産部 | 環境部 | 土木部 
総括審査

<小西 ひろのり 議員>

●財政状況 
1 令和6年度当初予算で打ち出した「個」の意図について
2 定年引上げの対象となる職員の活躍の場について
3 今後の企業庁各事業の経営の取組について
4 病院事業の収支改善の取組について
5 税収確保対策の取組状況について

全文

1 令和6年度当初予算で打ち出した「個」の意図について

令和6年度予算編成の重点として、「個」の可能性を拡げることより、地域の持続可能性を高めるとあります。また、若者・Z世代応援パッケージの全体像における若者・Z世代を直接支援では、一人一人の「個の力」を伸ばすとされています。「個」の意味するところは、個人なのでしょうか。

私はこれまでの学校現場の経験から、「集団」に対する働きかけをおこなうことで「個」どうしが互いに協力・連携し、「集団」の目標に向かってすすんでいく過程をみてきました。

「個」の成長も大切であるが、「個」が集まった「グループ」や「集団」、「組織」も大切にするようなスローガンが必要ではないかと考えますが、当局の所見を伺います。

2 定年引上げの対象となる職員の活躍の場について

県政改革方針には、新たな行政課題・行政需要の変化に的確に対応できる業務執行体制を確保するとされ、また、定年引上げに伴う職員の幅広い知識と経験を積極的に活用するとしています。震災の経験と教訓を次世代に伝えるとともに、新たなニーズに対応していくことは、重要な役割だと考えます。

そこで、従前の定年年齢を超えて在籍することになった職員の知識や経験をどのように有効活用していこうとしているのか、当局の所見をお伺いします。

3 今後の企業庁各事業の経営の取組について

企業庁では、「経営ビジョン」に基づく具体的な計画として「総合経営計画」を定め、事業の推進を図ることとされていますが、現行の計画は今年度中に終了します。このため、本年度中に企業庁の行う5事業の今後10年の取組方針などを内容とする「兵庫県企業庁経営戦略」が策定される予定です。

このうち地域整備事業については、先日、企業庁経営評価委員会より「地域整備事業のあり方検討についての報告書」が手交され、今後の検討の方向性等についても先の代表質問において質疑されたところですが、残る4事業(水道用水供給事業、工業用水道事業、地域創生整備事業、企業資産運用事業)の健全経営に向け、どのように取り組んでいくのか、当局の所見をお伺いします。

4 病院事業の収支改善の取組について

昨年5月、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が季節性インフルエンザと同じ5類に引き下げられたものの、その後も、物価高騰等による材料費・経費を中心としたコストの増加に加え、コロナ後の受療行動の変化等により病床稼働率がコロナ以前まで回復しないなど、経営面では、厳しい状況が継続していると聞いています。

こうした医療を取り巻く環境の変化等も踏まえ、本年度中に、令和6年度から令和 10 年度を取組期間とする「第5次病院構造改革推進方策」を策定し、同方針に基づき、DPC対応力強化や診療機能に見合った収益確保策を推進し、物価上昇等により増加するコスト削減に努め、経営改善に取り組んでいくとしています。一方、圏域毎の医療需要を考慮した上、県立病院として適切な役割を果たしていくことも重要であると考えます。

そこで、県立病院の役割を果たしつつ、地域に必要な医療を安定的かつ継続的に提供するために、どのような収支改善を図っていくのか当局の所見をお伺いします。

5 税収確保対策の取組状況について

先月公表された県政改革方針の変更案では、令和10年度までに総額215億円の収支不足が生じる見込とされており、非常に厳しい財政状況が続く中、収支均衡を目指していくにあたって、県税収入確保に向けた取組は極めて重要です。

税務当局においてはこれまで、県財政の歳入の基盤となる県税収入の確保に向けて、徴収歩合が全国平均を上回ることを目標とし、収入未済額の更なる縮減に向け、税収確保対策を推進されてきました。その結果、令和4年度決算において、全国平均の徴収歩合と同率の99.1%と過去最高を達成するなど、一定の成果を上げています。

持続可能な行財政基盤を確立するため、今後も収入未済額の一層の縮減、徴収歩合の維持・向上を目指し、税収確保対策に継続して取り組んでいただきたいと考えるが、令和5年度は税収確保に向けてどのような取組を行い、また令和6年度はどのように進めていくのかお伺いします。

●総務部・財務部・危機管理部
1 県立大学の授業料等無償化について
2 県庁舎の今後のあり方について

全文

小西 ひろのり議員が質問(予算審査・総務部・財務部・危機管理部)

質問日 令和6年3月5日(火)

質問者 小西 ひろのり委員

1 県立大学の授業料等無償化について

「学びやすい兵庫」の実現、高等教育等の負担軽減として、兵庫県立大学、芸術文化観光専門職大学について、県内在住者の入学金及び授業料を学部、大学院ともに、所得に関わらず無償化することとされています。

「兵庫の若者が学費負担への不安なく、希望する教育を受けることができるよう高等教育への支援を先駆的に実施」するのであれば、県立大学に通うごくわずかな人数の学生だけを対象に大きな金額を支援する方法でよいのでしょうか。

昨年9月定例会において、我が会派の黒田議員から「県内高校を卒業して大学に進学する者のうち、県立大学に進学した者の割合は2.6%」、「県内高校卒業者全体のうち、県立大学へ進学した者はわずか1.7%」と「県内在住の私立大学生をはじめ、対象にならない圧倒的多数の若者県民との制度の均衡」について指摘がありました。

なぜ、県立大学だけが対象なのか。しかも、大学院の博士後期課程までという長期間、特定の人だけに厚く支援をする必要があるのか。税の公平な配分の観点からもその財源をもっと幅広い学生にも支援を行うべきだと考えます。

県立大学の無償化よりも給付型奨学金の拡充等、より多くの若者が学費の心配をすることなく学べる環境をつくることを優先していただきたいのです。先の2月議会において、斉藤知事自身も300万円程度の奨学金返済には苦労されたことについてお話がありました。無償化の対象範囲について、当局の所見をお伺いいたします。

2 県庁舎の今後のあり方について

組織のパフォーマンスを最大化し、県民本位で質の高い行政サービスを実現するため、「新しい働き方推進プラン」が策定されました。現在、同プランに基づき、「新しい働き方モデルオフィス」で各部が交代で業務を実施しています。

「4割出勤」につきましては、先の一般質問において斉藤知事から「4割出勤絶対ありきではなく、合意形成をしながら県民のみなさんも含めて納得する道をすすめていきたい」と答弁がありました。

一方で、県庁舎のあり方については、大規模地震に対する安全性基準を満たしていないことから、現状では1号館・2号館を解体し、3号館等の既存庁舎を中心に活用し、テレワークを導入しながら、できるだけ出勤率を下げる方針となっています。

教育委員会が住吉へ移転することをはじめ、県の各部局が3号館や生田庁舎等に分散する状態で、県民サービスの充実や、県民の命を守る取組を進めることができるのでしょうか。

私は、県の職員に必要なことは、在宅勤務ではなく、一人ひとりが県庁舎に「居場所」や「拠点」をしっかりと持って県民と向き合うことであると考えます。

今後の県庁舎のあり方について、当局の見解をお伺いいたします。

●企画部・県民生活部・部外局
1 パートナーシップ制度について
2 SNS誹謗中傷等対策強化事業におけるネット上の人権侵害抑止 
に係る条例について

全文

小西 ひろのり議員が質問(予算審査・企画部、県民生活部、部外局)

質問日 令和6年3月5日(水)

質問者 小西 ひろのり(ひょうご県民連合)

1 パートナーシップ制度について

兵庫県でも4月にパートナーシップ制度の運用が開始されます。

2月定例会の一般質問において、パブリックコメントでの賛成意見が約73%である一方、反対意見も約15%あったと答弁がありました。

北海道札幌市においても、2017年6月1日より同制度を開始するにあたり、パブリックコメントを行ったところ、寄せられた否定的な意見の中には「少子化が進むのではないか」とか「家族制度とか結婚制度が崩れるのではないか」といった懸念の声があったそうです。

しかし、この声が制度導入の必要性を改めて認識することにつながったとの記事があります。

制度検討当時の同市男女共同参画課長は、「いわゆるマイノリティの方たちは、本当にあちこちでこんなふうに思われているんだな、こんな偏見のある中で暮らしていらっしゃるんだということが分かった。だからこそ本当に制度が必要だという思いを強めた」、「導入したことで市民の理解が広がったと感じている」と2018年のNHKの取材において語っています。

さらには、「性的マイノリティの方達は、存在を知られていないだけで、みなさんと同様に当たり前に生活しています。生きづらさを抱えながら、声を出して言えない人がいる状況を解消することが必要だと思っています」とも続けています。

兵庫県での制度導入に伴い、神戸市のライフパートナー制度をはじめとした先行市町や近畿各府県との連携、相互利用、ファミリーシップ制度の整備も必要であると考えますが、4月の制度運用開始に伴う現状と課題について当局の所見をお伺いします。

2 SNS誹謗中傷等対策強化事業におけるネット上の人権侵害抑止に係る条例について

新聞やテレビ、マスコミなどでも報道されておりますように、インターネット上の差別や偏見、人権侵害は後を絶ちません。

また、兵庫県においても、県人権啓発協会によせられるインターネットに関する人権相談は、毎年150件を超えています。

このような状況を踏まえ、県ではネット上の差別的な書込み等を抑制するためのインターネットモニタリングを市町と連携して実施し、発見した特に悪質な書き込み年間約200件について掲示板管理者等へ削除要請を行っていますが、それによる削除率は半数程度に止まっています。

しかし、モニタリングの実施や削除要請はあくまで対症療法であり、本来の目的はネット上での人権侵害がなくなること、すなわち差別する人がなくなることです。

あらゆる人権的な差別をなくすために、人権推進行政を強化すること、一刻も早く人権侵害抑止に係る条例の制定が必要と考えますが、どのようなスケジュール感で検討していくのか、当局の所見をお伺いします。

●福祉部
1 「ひょうご困難な問題を抱える女性への支援計画(案)」について
(1)困難な問題を抱える女性支援について
(2)女性自立支援施設の入所につながらなかったケースへの対応に  
ついて
2 ケアリーバー支援におけるワーク・エスコーターの役割について

全文

小西 ひろのり議員が質問(予算審査・福祉部)

質問日 令和6年3月6日(水)

質問者 小西 ひろのり委員

1「ひょうご困難な問題を抱える女性への支援計画(案)」について

(1) 困難な問題を抱える女性支援について

令和6年4月1日より、困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行にともない、①相談支援の強化充実、②安全確保をはじめ、5項目における具体的施策が展開されます。

兵庫県では、県立女性家庭センターにおいて女性相談支援員が来所相談の対応をおこなっています。近年、配偶者からの暴力相談等において、年々相談件数が増えており、よりていねいな対応がもとめられています。一時保護件数は減少傾向にありますが、絶対数としてはまだまだ件数が多く、外国人からの相談や子ども連れの方からの相談等、その内容も深刻さ、困難さが増しているのではないでしょうか。

県では、新たな法律の施行に向けて、支援計画を策定中でありますが、困難な課題を抱える女性への支援について、現状及び課題への当局の所見をお伺いします。

(2) 女性自立支援施設の入所につながらなかったケースへの対応について

近年寄せられる相談内容として、生活困窮、性暴力、性犯罪被害、家庭関係の破綻等に加え、感染症の影響で顕在化している「孤独・孤立」への支援をもとめる内容も増えているとききます。

事例によっては、女性自立支援施設への入所による支援が望ましいと考えられる場合であっても、生活背景等の理由で入所につながらないケース等への効果的な支援をすすめる必要があります。

個別の事例にもよりますが、相談をしただけで事態が解決するわけではなく、その後の行き先や状況が把握できなくなる等、課題がさらに大きくなることが懸念されます。

このような実態をふまえ、国では女性支援連携強化モデル事業が推進されていますが、兵庫県では今後どのようにとりくみを展開していかれるのか、当局の所見をお伺いします。

2 ケアリーバー支援におけるワーク・エスコーターの役割について

こども家庭庁の調査によると、身体的、精神的虐待やネグレクト等の背景を抱え、児童養護施設や里親のもとで生活する子ども等、家族を頼れない子どもは令和3年度末33,157人となっており、依然として高止まり状態となっています。

そのような子どもたちの自立支援にむけ、児童養護施設の職員と学校、地域や行政、福祉関係者、さらにはスクールソーシャルワーカーをはじめとした専門家等との幅広い連携が必要です。そのもとで様々な情報や課題を共有し、解決にむけてとりくみ、安全で安心して過ごすことができる環境づくりが急務です。

そこで、県としてケアリーバー支援を打ち出されていますが、特にケアリーバー応援企業の拡大におけるワーク・エスコーターの役割や意義、期待すること等について、当局の所見をお伺いします。

●産業労働部・労働委員会
1 高校生を含めた若者の県内就職促進について
2 外国人労働者の生活上の支援について

全文

小西 ひろのり議員が質問(予算審査・産業労働部)

質問日 令和6年3月7日(木)

質問者 小西 ひろのり委員

1 高校生を含めた若者の県内就職促進について

今、どの業界も人財不足が深刻な課題となっています。厚生労働省が公表している「新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移」によりますと、高卒生の離職率は、令和5年のデータで37%、大学生は32.3%と、ともに高い率になっています。離職率が高いことは企業にとっても、若者にとっても決してよいことではないと考えます。

兵庫県としてもこれまで、ひょうご・しごと情報広場において専門のカウンセラーがアドバイスをおこなったり、若年者対象のセミナーや面接会を開催したりと、さまざまなとりくみをすすめていますが、仕事をして生計を立てることが初めての経験となる若者にしっかりと寄り添った政策をすすめていただきたいのです。

例えば、就職を希望する高校生を含めた若者一人ひとりに対して、自分がどんな仕事をしたいのか、将来の自分自身の生き方をはじめ、ワーク・ライフ・バランスの観点からも今後の生活について、経験ある専門家といっしょに考えることができる機会の充実をはかっていただきたいと考えています。

兵庫県が打ち出す若者支援策として、兵庫労働局・ハローワーク、ひょうご仕事と生活センターも含めた専門機関とのさらなる連携をはかりながら、就職を希望する側も、受け入れる側も、どちらも前向きになれるよう、高校生を含めた若者と県内企業の効果的な支援のあり方について県の所見をお伺いします。

2 外国人労働者の生活上の支援について

厚生労働省の調査によると、日本で働く外国人労働者は今や200万人を超えており、増加の一途をたどっています。

事業主責任として、「労働施策総合推進法」や「外国人雇用管理指針」に基づき、被雇用者が有する能力を有効に発揮させ、気もちよく職場で働くことができるよう適切に対処するよう定められています。

一方で、外国人労働者の中には、言語の壁による職場でのコミュニケーション不足等の要因から、仕事での困りごとや悩みをうまく相談できずに孤立してしまうケースも見受けられます。

また、地域における関係においても同様の状況がつくりだされ、地域コミュニティーにもうまく入ることができないでいる状況も少なくありません。家族で来日し、日常生活や子どもの就学における困りごとや課題に悩んでおられるケースも増えているとききます。

日本社会においては、外国人に対する差別や偏見が多いということも実態であり、真の共生社会、インクルーシブ社会の構築にむけたビジョンを兵庫県としてもより明確に打ち出していく必要があると考えます。

そこで、県として外国人労働者やその家族に寄り添い、働くことだけでなく、生活も含めた支援策について、県の所見をお伺いします。

●まちづくり部
1 インクルーシブ遊具の整備について
2 「住みやすい兵庫」の実現について
(1)県営住宅のリノベーションとその周知について
(2)県営住宅に入居後のコミュニティ活性化の方策について

全文

小西 ひろのり議員が質問(予算審査・まちづくり部)

質問日 令和6年3月11日(月)

質問者 小西 ひろのり委員

1 インクルーシブ遊具の整備について

今年度、明石公園内にある「子どもの村」では、老朽化した遊具の取り替えに合わせて新たに8種類のインクルーシブ遊具が設置されました。

インクルーシブ遊具とは、障害のあるなしや年齢等に関係なく、子どもたちが楽しく、自由に遊べるように設計された遊具のことです。

例を挙げますと、車椅子でも登ることができる傾斜の緩いスロープを伴った滑り台付の大型遊具、座った姿勢を維持することが難しくても背もたれや安全ベルトがついているため、落ちないように工夫されているいす型のブランコ等、日本国内ではまだ見ることが少ないですが、誰もが安全に遊べる遊具です。

諸外国では、これまでから小さな公園でもインクルーシブ遊具が整備されているところが多く、まちづくりの大切な要素のひとつとなっています。人権の視点からも、兵庫県として整備を進めていただきたいと考えています。

そこで、インクルーシブ遊具の導入に向けた今後の県の取組方針をお伺いします。

2 「住みやすい兵庫」の実現について

全県の県営住宅への入居促進策として、収入要件の緩和や子育て世帯に対する敷金の免除等を進めると同時に、高齢化が進む県営住宅に子育て世帯をはじめとした多様な世代が入居することで、県営住宅のコミュニティの活性化を図ろうとされています。

(1) 県営住宅のリノベーションとその周知について

子育てしやすい住宅環境を作るため、各部屋のリノベーションや共用部におけるキッズスペース等の整備を進めておられますが、その具体的な内容が見えにくくなっていると感じています。

具体的にどのような視点で、どのような工夫がなされているのか、また、入居希望者への効果的な広報の仕方について、当局の所見をお伺いします。

(2) 県営住宅に入居後のコミュニティ活性化の方策について

現状の社会的課題のひとつとして、近隣世帯同士の関係が希薄化し、自治会に入らない世帯も増えています。そのような状況で、多様な世代構成によるコミュニティの活性化を図られようとしています。

これまで入居されている方と、新たに入居された子育て世帯をどのようにつなぐのか、入居者任せではなく、県として具体的な方策があるのでしょうか。

県営住宅入居後のコミュニティ活性化の具体的な方策について、当局の所見をお伺いします。

●教育委員会
1 「教職員の未配置問題」について
2 「教職員の働き方改革」の推進に向けた具体的な方策について
(1)働きがいのある学校づくりの推進(勤務時間の適正化に向けた 
取組)について
(2)部活動の地域移行の方向性について
3 学校問題サポートチームの充実について

全文

小西 ひろのり議員が質問(予算審査・教育委員会)

質問日 令和6年3月12日(火)

質問者 小西 ひろのり委員

1 「教職員の未配置問題」について

本日は3/12。県立高等学校の入学選抜における学力検査が行われていますが、年度末を目前に控え、学校現場では子どもたちの進級に向けた準備や新年度準備などで忙しい日々が続いています。

この一年に限らず、感染症の影響と時期を同じくして顕在化した、学校における「教職員の未配置問題」が深刻化し、喫緊の課題となっています。特に小学校において顕著に表れており、担任の先生がいないため、兵庫型学習システムの加配教員等が担任となり、本来の少人数授業や教科担任による専門的な授業ができない状態が続いたり、産休・育休の代替教員が見つからないため、他の教員が交代で授業を受け持ったりしながら、日々つないでいる状態です。

子どもたちや学校現場から見たこの「未配置問題」は、深刻な問題と捉えていますが、その深刻さが社会全体に伝わっていないように感じます。その理由の一つには、他の教職員が必死の思いで欠員状況を補っていることにあります。そのこと自体は大いに認められるべきことですが、結局、課題が表面化せず、深刻な実態が見えにくくなってしまっており、課題解決にも結びついていないと思います。

「教職員の未配置問題」に関して、教育委員会としての今年度の総括と今後の課題、次年度以降の具体的な対策について、当局の所見をお伺いします。

2 「教職員の働き方改革」の推進にむけた具体的な方策について

(1) 働きがいのある学校づくりの推進(勤務時間の適正化に向けた取組)について

学校現場で働く教職員が笑顔でないと、子どもたちも笑顔になりません。

現在の学校現場が、教職員が笑顔になれる勤務環境となっているとは到底言えません。

一方で、年休取得の促進や夏季休業期間を中心とした学校閉庁日の設定、勤務時間適正化先進事例集の拡充(「GPH50」→「GPH100」)、民間コンサルタントのモデル校導入等、近年の取組をどのように生かし、県内の各学校に拡げていくかが大きな課題となっています。

一人ひとりの子どもたちとじっくり向き合い、「分かる授業」「楽しい学校」をつくるべき教職員が疲弊してしまっており、教職員が魅力ある職業となっていません。結果的に、先ほど質問した「教職員の未配置問題」にもつながっているのではないでしょうか。

モデル校への民間コンサルタントの導入の成果をはじめ、これまでの取組の総括と、今後の勤務時間の適正化、学校業務の削減にむけた具体的な取組について、当局の所見をお伺いします。

(2) 部活動の地域移行の方向性について

中学校、高等学校においては、部活動指導も教職員の多忙化の大きな要因の一つとなっています。本来、部活動は教育課程の外に位置づけられており、そのあり方については各学校で議論されてきました。

2020年9月に中教審答申を受け、文科省が示した「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革」に加え、地域人材の協力も得て、子どもたちのスポーツ・文化芸術活動の機会確保のためにも地域移行を早急に進めていかなくてはなりません。

運動部、文化部の別関係なく、今後の部活動の地域移行に向けた具体的な取組について、当局の所見をお伺いします。

3 学校問題サポートチームの充実について

先ほど、教職員の働き方改革について質問しましたが、その背景に、子どもや保護者だけでなく、社会全体が多様化していることも原因の一つであると考えています。

1クラスに最大40人もの子どもとその保護者がおり、それぞれの生活背景も以前と比べると多様化し、その対応を一手に受けているのは担任を中心とした教職員集団です。また、学校外で発生した子どものトラブルについても保護者と連絡がとれない等の状況から、学校へ連絡が入り、その対応を教職員が担わざるを得ないケースもあります。

その対応の現状は、教職員の熱意や善意に頼っているといっても過言ではありませんし、学校だけで取り組むことは既に限界を超えています。

現在、各教育事務所には、いじめや不登校など複雑化する教育現場の問題に対応 すべく、弁護士や精神科医、臨床心理士などの専門家で編成されている「学校問題サポートチーム」が設置されています。チームが支援する内容には、不登校や生活指導上の課題への対応、学級経営等の教員の悩みごとに関する対応、教職員のメンタルヘルスに関すること、法律等に関する相談など、多岐にわたっています。

学校現場が抱えるあらゆる悩みやトラブルを解決していくためには、専門機関もより深く関わることが必要不可欠となっています。

そこで、各教育事務所に設置されている「学校問題サポートチーム」の役割と今後の取組について具体的にどのようにお考えでしょうか、県の見解をお伺いいたします。

●病院局
1 「第5次病院構造改革推進方策(案)」における県立病院の役割について
(1)へき地医療の充実について
(2)地域医療構想・地域包括ケアシステムへの対応について
2 病院DX推進事業について
3 西宮総合医療センター(仮称)で働く職員の勤務条件等の調整について

全文

小西 ひろのり議員が質問(予算審査・病院局)

質問日 令和6年3月12日(火)

質問者 小西 ひろのり(ひょうご県民連合)

1 「第5次病院構造改革推進方策(案)」における県立病院の役割について

現在、病院構造改革委員会において、「第5次病院構造改革推進方策」が検討されています。「県民と地域から信頼され 安心できる県立病院」を基本理念に、「医療の質の更なる向上」、「変革する医療への的確な対応」、「収支構造の最適化」、「運営基盤の強化」の4つの柱を基本方針とし、令和10年度までの5年間の計画となります。

第5次方策における県立病院の役割について2点、お伺いします。

(1) へき地医療の充実について

兵庫県は県土が広く、県立病院のない地域におけるへき地医療のニーズはますます高まっています。第5次方策では、姫路・丹波・淡路をへき地医療拠点病院とし、様々な工夫のもとで遠隔医療を行い、医療の維持、医師の要請・派遣に貢献するとしています。

地元の病院や医療・介護施設等との連携が必要不可欠となりますが、特に医師の人材確保、一人ひとりのきめ細かなケアがどこまでできるのか等の課題もあると思います。

そこで、へき地医療の充実には県立病院も一定の役割を担うことになると思いますが、第5次方策を踏まえた取組について、当局の所見をお伺いします。

(2) 地域医療構想・地域包括ケアシステムへの対応について

近年、人口減少と高齢化が急速に進んでいます。厚生労働省によると、今後、高齢者しかいない世帯が増加することが見込まれ、2025年には世帯数全体に占める割合が4分の1を超える見込みとなっています。このような状況を踏まえ、厚生労働省は、2025年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進しています。

県立病院には、地域性・専門性に応じた高度急性期・急性期医療を提供する役割があります。地域包括ケアシステムを円滑に機能させるためには、後方病院や保健・福祉等の関係機関との連携、患者の家族等との関係づくりが重要な取組と考えますが、当局の所見をお伺いします。

2 病院DX推進事業について

病院現場で働く職員は、職種を超えた連携のもと、それぞれの専門性を十分に発揮しながら、良質なチーム医療の提供をめざし、日々奮闘されています。しかし、医療現場では超過勤務が常態化しており、病院で働くすべての職員にとって、働きやすく、魅力的な職場環境づくりは喫緊の課題です。

このような状況を踏まえ、病院局としては、ICTを用いた医療の質向上や医療従事者の働き方改革、患者の利便性向上に向けた病院DXを推進することで、持続可能な病院経営に臨まれようとしています。

働き方改革の具体的な内容としては、勤怠管理システムの拡充、薬の院内搬送や食事の配膳等におけるロボットシステムの導入検討、実証実験の項目などが挙げられています。ロボットシステムは職員の業務縮減にもつながることも想定されますが、同時に、ロボットシステムを介することで、スタッフ間のコミュニケーションが困難となり、薬の受け渡し等において、トラブルにつながらないか懸念する場面も想定されます。

人口減少など社会の変化に対応するためにDXを推進することが必要であることは理解します。そこで、こうした課題を踏まえ、どのように病院DXを進めていくのか、当局の所見をお伺いします。

3 西宮総合医療センター(仮称)で働く職員の勤務条件等の調整について

「兵庫県立西宮病院と西宮市立中央病院の統合再編基本計画」にもとづき、令和8年度の開院をめざし、西宮総合医療センター(仮称)の整備がすすめられています。感染症対応機能の充実・強化、災害に強い病院の整備等をすすめることで県民が安心して受診することができ、職員にとっても働きやすい新病院の整備が期待されています。

一方で、新病院については、西宮市立中央病院で働く職員と、県立西宮病院で働く職員が、今後は同じ病院で働くこととなり、給与や福利厚生をはじめとした勤務条件の違いなどについての調整が必要であると思われます。

両病院で勤務する優秀な医療スタッフを確保するため、円滑な移行にむけた調整が行われていると思いますが、調整にあたっての基本的な考え方や調整の状況についてお伺いします。


小西 ひろのり
西宮市

<黒田 一美 議員>

●保健医療部
1 兵庫県感染症予防計画に基づく対策について
2 需要の高まる看護師の養成について
3 健康福祉事務所(保健所)の体制整備について

全文

黒田 一美議員が質問(予算審査・保健医療部)

質問日:令和6年3月6日(水)

質問者:黒田 一美 委員

1 兵庫県感染症予防計画に基づく対策について

兵庫県感染症予防計画については、平成13年3月の策定以降、平成15年のSARS(サーズ)、平成21年の新型インフルエンザ等を踏まえて改定をしてきました。今回の改定では、3年余りにわたる新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、新興感染症への備えとして、発生時の保健・医療提供体制の確保について数値目標の設定等を行い、一層の感染症対策の推進を図るものとなっております。

具体的な主な内容を見ますと、一つに、新興感染症に備え、発生から時系列で、病床数、宿泊施設居室数、発熱外来の実施機関数、PCR検査の実施可能な件数など、医療提供体制の数値目標を設定し、今後は改正感染症法に基づき、医療機関との「医療の確保等に関する協定」の締結を働きかけるとのことであります。また、二つには、新たな感染症に対応できる人材育成の推進や、感染症対策の中核機関である健康福祉事務所・保健所体制の確保等が挙げられております。

感染症については、地震などの自然災害とは違い、全国レベルでの災害に発展し、全ての県民の命や健康を脅かします。本計画は県民の命を守るための指針であり、これらの計画が実効性のあるものでなければいけません。

先般、パブリック・コメントも終了し、特段の反対意見等はなく、ほぼ計画案のまま進めると聞いているところですが、本計画に基づく対策の見通しについてお伺いします。

2 需要の高まる看護師の養成について

看護師については、在宅医療や訪問看護などの需要が高まっている中、これまでも人材確保の課題が問われております。コロナ禍においては、医療現場の逼迫による不安や混乱から離職率も増加し、資格を持っているが、結婚や出産を機に職を離れている潜在看護師の復帰も注目されたところですが、今後の新興感染症の発生に備え、看護師の養成は喫緊の課題となっております。

現在、兵庫県内においては毎年2,500人程度の看護師を養成しており、県内への就職率は約75%で、毎年1,800人程度が県内の病院や診療所などで職に就いている計算となります。しかしながら、来年2025年には、兵庫県内で看護師が約4,000人不足すると見込まれており、少子高齢化に伴うニーズの拡大や、以前のような感染症拡大といった事態となれば、対応に苦慮することが予想されます。

また、感染症に対応する認定看護師や、薬剤投与、呼吸器気道確保、人工呼吸療法など医師の行為の一部である特定行為を行う看護師の養成も重要です。

新興感染症などに備え、将来不足することが見込まれている看護師の養成をどのように考えているのか、ご所見を伺います。

3 健康福祉事務所(保健所)の体制整備について

コロナ禍においては、県内の各健康福祉事務所(保健所)が大きな役割を果たしました。県内で初めて感染者が確認されて以降、保健所では通常業務に加えて、疫学調査や検体搬送などの業務が急速に増加しました。想定を超える患者数が発生し、保健所においてはマンパワー不足に陥り、病院などと同様、逼迫した状態が続きました。

そのような中、現状の保健所体制では対応が困難とのことで、保健師以外の職員が疫学調査等の知識を学ぶため、1,000人規模の養成を行い、本庁を含めて、県民局・県民センターの職員が総出で応援に回りました。その後も、入手した情報のデータ入力などを行うため、保健所業務支援室を立ち上げたり、外部委託をするなどして、幾度となく訪れた危機を乗り切ったところです。

昨年5月の5類移行後については、保健所業務も一定落ち着いておりますが、自然災害と同様、いつ何か起こるか分かりません。先ほどの質問での「兵庫県感染症予防計画」にもあるとおり、今後の新興感染症に備える必要があります。

保健師の人数については、コロナ前の令和2年度の153名から30名以上増員し、現在は186名となっており、人員面での充実は図られておりますが、有事に備えるための平時からの計画的な体制整備も必要です。

そこで、新型コロナウイルス感染症などの経験を踏まえつつ、今後の新興感染症に万全の体制で臨むための保健所体制について、ご所見を伺います。

●公安委員会
1 SNSに起因した子どもの性被害防止対策について
2 兵庫県警硬式野球部「県警桃太郎」の活動と成果について

全文

黒田 一美議員が質問(予算審査・保健医療部)

質問日:令和6年3月6日(水)

質問者:黒田 一美 委員

1 兵庫県感染症予防計画に基づく対策について

兵庫県感染症予防計画については、平成13年3月の策定以降、平成15年のSARS(サーズ)、平成21年の新型インフルエンザ等を踏まえて改定をしてきました。今回の改定では、3年余りにわたる新型コロナウイルス感染症への対応を踏まえ、新興感染症への備えとして、発生時の保健・医療提供体制の確保について数値目標の設定等を行い、一層の感染症対策の推進を図るものとなっております。

具体的な主な内容を見ますと、一つに、新興感染症に備え、発生から時系列で、病床数、宿泊施設居室数、発熱外来の実施機関数、PCR検査の実施可能な件数など、医療提供体制の数値目標を設定し、今後は改正感染症法に基づき、医療機関との「医療の確保等に関する協定」の締結を働きかけるとのことであります。また、二つには、新たな感染症に対応できる人材育成の推進や、感染症対策の中核機関である健康福祉事務所・保健所体制の確保等が挙げられております。

感染症については、地震などの自然災害とは違い、全国レベルでの災害に発展し、全ての県民の命や健康を脅かします。本計画は県民の命を守るための指針であり、これらの計画が実効性のあるものでなければいけません。

先般、パブリック・コメントも終了し、特段の反対意見等はなく、ほぼ計画案のまま進めると聞いているところですが、本計画に基づく対策の見通しについてお伺いします。

2 需要の高まる看護師の養成について

看護師については、在宅医療や訪問看護などの需要が高まっている中、これまでも人材確保の課題が問われております。コロナ禍においては、医療現場の逼迫による不安や混乱から離職率も増加し、資格を持っているが、結婚や出産を機に職を離れている潜在看護師の復帰も注目されたところですが、今後の新興感染症の発生に備え、看護師の養成は喫緊の課題となっております。

現在、兵庫県内においては毎年2,500人程度の看護師を養成しており、県内への就職率は約75%で、毎年1,800人程度が県内の病院や診療所などで職に就いている計算となります。しかしながら、来年2025年には、兵庫県内で看護師が約4,000人不足すると見込まれており、少子高齢化に伴うニーズの拡大や、以前のような感染症拡大といった事態となれば、対応に苦慮することが予想されます。

また、感染症に対応する認定看護師や、薬剤投与、呼吸器気道確保、人工呼吸療法など医師の行為の一部である特定行為を行う看護師の養成も重要です。

新興感染症などに備え、将来不足することが見込まれている看護師の養成をどのように考えているのか、ご所見を伺います。

3 健康福祉事務所(保健所)の体制整備について

コロナ禍においては、県内の各健康福祉事務所(保健所)が大きな役割を果たしました。県内で初めて感染者が確認されて以降、保健所では通常業務に加えて、疫学調査や検体搬送などの業務が急速に増加しました。想定を超える患者数が発生し、保健所においてはマンパワー不足に陥り、病院などと同様、逼迫した状態が続きました。

そのような中、現状の保健所体制では対応が困難とのことで、保健師以外の職員が疫学調査等の知識を学ぶため、1,000人規模の養成を行い、本庁を含めて、県民局・県民センターの職員が総出で応援に回りました。その後も、入手した情報のデータ入力などを行うため、保健所業務支援室を立ち上げたり、外部委託をするなどして、幾度となく訪れた危機を乗り切ったところです。

昨年5月の5類移行後については、保健所業務も一定落ち着いておりますが、自然災害と同様、いつ何か起こるか分かりません。先ほどの質問での「兵庫県感染症予防計画」にもあるとおり、今後の新興感染症に備える必要があります。

保健師の人数については、コロナ前の令和2年度の153名から30名以上増員し、現在は186名となっており、人員面での充実は図られておりますが、有事に備えるための平時からの計画的な体制整備も必要です。

そこで、新型コロナウイルス感染症などの経験を踏まえつつ、今後の新興感染症に万全の体制で臨むための保健所体制について、ご所見を伺います。

●農林水産部
1 底物の漁獲量向上を目指した豊かな海づくりについて
2 漁業における後継者づくりについて

全文

黒田 一美議員が質問(予算審査・農林水産部)

質問日:令和6年3月8日(金)

質問者:黒田 一美 委員

1 底物の漁獲量向上を目指した豊かな海づくりについて

瀬戸内海は、古くから美しさを誇る景勝地として、また豊かな漁場として栄えてきました。しかし、高度経済成長期の都市化、工業化の進展に伴い、赤潮等の被害が発生するなど、一時は「瀕死の海」と呼ばれました。その後、厳しい排水規制や処理施設の整備等により、水質は大きく改善しましたが、一方で海中の栄養、とりわけ窒素が減少するなど、海の生態系に大きな影響を及ぼしております。

海中の栄養は、魚介類のエサとなるプランクトンやノリなどの海藻が育つのに欠かすことができないものであり、海の生き物にとっての生態系の基礎を支えるもので、このため漁業にとって「豊かな海づくり」は欠かせません。令和4年11月には、天皇皇后両陛下ご臨席の下、「全国豊かな海づくり大会」が明石市で開催され、漁業関係者による「豊かな海づくり」の活動が全国に発信されました。

しかし、今、直面している課題があります。それは、イカナゴの漁獲量の減少もありますが、特に海底にいるタコ、貝、カレイ、エビなど、いわゆる「底物」の不漁が続いていることです。私の大好きな明石ダコの値段が上がり、以前のようにしょっちゅう食せません。

これまでも、農業者と漁業者が連携し、ため池の「かいぼり」による栄養を増やす取組をしたり、海中の環境改善のための海底耕うんなど、漁業者の努力は計り知れません。なかなか効果がすぐに現れないのかもしれませんが、しっかりとした原因調査と対策が必要です。

そこで、瀬戸内海における漁獲量の向上、特に底物の漁獲量を増やす対策について、当局のご所見を伺います。

2 漁業における後継者づくりについて

農林水産業の大きな課題といえば、やはり高齢化や人口減少による労働人口の減少が挙げられます。中でも、漁業就業者の人材・後継者不足は深刻な問題であり、人材確保への対策や後継者の育成は喫緊の課題となっています。

私は、漁業の大切さを改めて実感しております。先ほども申し上げたとおり、海中の栄養塩類が減ることによるイカナゴなどの漁獲量が減少するといった多くの課題はありますが、漁業は人間が生きていくためには欠かせない食糧供給元の一つです。

兵庫県内の漁業就業者数は、30年前の平成5年度は約7,700人おりましたが、10年前の平成25年度では約5,300人、そして現在は約4,800人となっており、激減しております。兵庫県漁業協同組合連合会によりますと、漁協の正組合員の年齢構成は、70歳以上が約3割、60歳以上になると半数以上を占めているとのことですが、逆に30歳未満は約5%だそうです。30年前である平成5年度の60歳以上の割合は約3割程度でありますので、若者の割合が減少し、高齢化率が年々進行していることが見て取れます。

設備投資への問題や所得向上など課題は多くあると思いますが、県として、漁業就業者の人材確保、後継者の育成をどのように進めていくのか、ご所見を伺います。

●環境部
1 エメックス(閉鎖性海域の環境保全)の取組について
2 安全安心なアスベスト対策について

全文

黒田 一美議員が質問(予算審査・環境部)

質問日:令和6年3月8日(金)

質問者:黒田 一美 委員

1 エメックス(閉鎖性海域の環境保全)の取組について

瀬戸内海や地中海など世界の閉鎖性海域においては、その恵まれた自然から沿岸域に多くの人が住み、産業・漁業・交通の場として古くから利用されてきましたが、水質の悪化、赤潮をはじめ共通する多くの環境問題を抱えてきました。

1990年には兵庫県が中心となり、神戸市でエメックス会議が開催され、世界中の閉鎖性海域に関わる研究者や行政関係者の間で情報交流が行われるなど、その対策への重要性が認識されたところです。

こうした中、1994年には国際的な組織として国際エメックスセンターが神戸市に設立され、同センターが中心となって行ってきた海域の環境保全に向けた活動は、重要な役割を果たしてきたと考えております。

本県議会においても、翌1995年12月にエメックス議員連盟を発足し、世界各地で開催されるエメックス会議に出席するなど、活動を支援してきたところです。

ここ数年は、新型コロナウイルス感染症の影響や、開催予定地だったロシアによるウクライナ侵攻により、現地開催は見送られている状況でありますが、気持ちを新たに、引き続きエメックスの取組を支援していくことは大変重要です。

そこで、瀬戸内海を中心とした閉鎖性海域の環境保全に向けた活動について、県としてどのように関わり、今後のエメックスの取組を支援していくのか、当局のご所見を伺います。

2 安全安心なアスベスト対策について

アスベストは、これまで問題になってきた吹き付けアスベスト以外にも、内装の天井や床、外壁などの材料でも使用されており、その種類は3000以上とも言われております。我々が日々活動している中でも、身近な存在と言えるでしょう。

環境省によりますと、現在、直面しているアスベストの課題として、今後予想される解体工事等の増加、事前調査の徹底、飛散防止の更なる強化、調査や工事に当たる人材の育成などが挙げられておりますが、ここでは解体工事等の増加に伴う処理への対応についてお聞きしたいと思います。

国土交通省の推計によりますと、民間の建築物等の解体工事については、2028年頃をピークに全国的に増加すると言われております。そして、解体工事に伴いアスベストの除去・撤去を行うときには、大気汚染防止法など環境関係法規などで対処方法が厳しく規定されており、アスベストと解体工事は非常に密接な関係にあります。

今後、増加する建築物等の解体工事に比例して、アスベストを含んだ建築物等の解体も増え続けることとなります。工事関係者や近隣住民に不安を生じさせないよう、飛散防止対策を講じた上で、適切なアスベストの除去・撤去、最終的には産業廃棄物として許可を受けた最終処分場での埋立てなどが行われることとなります。埋立てが終わった際には、県が指定区域として告示することとなっておりますが、資材置き場や公園などで使用される可能性もあります。

最終処分については、府県をまたがることもあると聞いておりますが、今後増加が予想されるアスベストに対応できる最終処分場の処理能力に不足が出ることはないのでしょうか。また、県民の安全安心な暮らしの観点から、アスベストの最終処分について丁寧な啓発も重要だと考えますが、当局のご所見を伺います。

●土木部
1 適切な建設工事の推進について
2 建設工事に携わる担い手の確保について
3 二級河川 山田川河口の防災対策について

全文

黒田 一美議員が質問(予算審査・土木部)

質問日:令和6年3月11日(月)

質問者:黒田 一美 委員

1 適切な建設工事の推進について

令和6年の公共工事設計労務単価については、この3月から適用され、全国・全職種での単純平均で前年度比5.9%引き上げられました。加重平均は日額で23,600円となり、昨年に引き続き過去最高値を更新し、かつ12年連続の上昇となっており、深刻化する人手不足や長期化する物価高騰なども要因の一つとなっております。

建設工事によるインフラ整備については、安全安心な県民生活の確保はもちろんのこと、産業振興や経済活動を支える上で重要な公共資本であり、数十年にわたって利用される県民の財産となります。県の予算執行の面では、経済性が求められる一方で、優れた品質や性能、耐久性を確保することが重要です。

この労務単価は、公共工事の積算などに使用され、予定価格の設定に反映されるものです。入札等によって請負業者が決まれば、下請企業に受注機会を回すのがほとんどです。その際、下請代金に必要経費分を計上しなかったり、下請代金から値引くなどした場合には不当行為となり、労働者の権利や工事の品質にも大きく影響することになります。

県発注工事に携わっているのも、大半が下請企業です。中には元請である大手企業が優越的な地位を利用して下請企業に対して不公正な取引を押しつけるといった事案もあると聞きますが、一人親方のような個人事業主を含め、建設業界すべてが制度等を共通認識した上で、それぞれが適切な契約の上での建設工事を進める必要があります。

そこで、県発注工事の請負業者に対する指導状況をお聞きするともに、業界関係者に対する適正な下請契約の徹底について、当局のご所見を伺います。

2 建設工事に携わる担い手の確保について

地域のインフラ整備やメンテナンスについては、建設産業の労働者が担い手となっており、災害時には地域社会の安全・安心を守る役割を担うことになります。

一方、近年の建設業者を取り巻く環境は厳しい状況であり、建設投資の減少や競争の激化、就業者の高齢化など構造的な課題に直面しております。特に建設工事に携わる担い手の不足は深刻な問題であり、国土交通省の調査では、全国における建設業就業者はピークであった1997年の685万人に対し、2021年には485万人まで落ち込み、約3割減少した計算となります。

また、今後、高度経済成長期以降に整備された社会資本の老朽化に対応するといった大きな課題もあり、長期的な視点に立った人材育成が必要となります。能登半島地震では、建設会社の人手不足の影響もあり、復旧に時間がかかった地域もあると聞きます。

このような人手不足への対応として、長期的な視点に立った建設工事に携わる担い手の確保に向けた対策について、当局のご所見を伺います。

3 二級河川 山田川河口の防災対策について

3月6日付け神戸新聞の1面トップで、全国の二級河川で津波対策が遅れているとの記事を見ました。兵庫県を含めて20都道府県で改修未完了の箇所があり、特に予算確保が大きな課題となっているようです。

改修未完了の二級河川の一つに、神戸市垂水区にある山田川があります。県立舞子公園から西へ約1キロメートル、明石海峡大橋のふもとで風光明媚な地域を流れる河川です。河口がある西舞子1丁目は、国道2号やJR神戸線、山陽電鉄本線の南側に位置し、瀬戸内海に面した地域となっております。

山田川河口部の海岸線については、国土交通省の事業により高潮・津波対策で標高6メートルの強固な堤防が概ね完成しておりますが、山田川の河口で、国道までの住宅が密集しているエリアは河川区域、すなわち県管理となっており、高潮対策での堤防整備が未着手となっております。

地元自治会からも神戸土木事務所に強く要望しており、同事務所は当面実施可能な対策を実施する方針を打ち出しておられますが、工事着手には至っていません。

6年前の2018年9月、神戸・阪神地域を襲った台風21号による高潮被害は記憶に新しいですが、今後、発生が予想される南海トラフ巨大地震に備える上でも、できるだけ速やかな対策が求められます。また、このたび能登半島地震による津波被害もあり、周辺住民の不安が高まっているのも事実であります。

山田川河口の防災対策について、計画の進捗状況と今後の整備に向けたスケジュール等について、当局のご所見を伺います。

●総括審査
1 県立大学の授業料等無償化について
(1)政策立案のプロセスと唐突な公表について
(2)パブリック・コメント等を実施しない理由について
(3)事務事業評価の対象としない理由について
(4)若者県民に対する支援の公平性について
(5)県立大学卒業者が兵庫に定着し活躍する担保について
(6)県が設置者である他の教育機関との比較と無償化の判断基準に
ついて
(7)本来目指すべき県立大学の魅力創出と無償化の関連について(8)高等教育無償化に向けた国への要望、実現の見通しについて
2 本庁舎4割出勤と県庁舎整備について
(1)県庁1・2号館の解体・撤去と4割出勤の判断に至るまでの議
論について
(2)職員の意思を尊重した働き方について
(3)元町山手、県庁舎周辺の賑わいづくりについて
(4)4割出勤を目指したモデルオフィス実施後の分析結果の公表及びその時期について
3 分収造林事業について
4 能登半島地震の被災地支援と今後の災害対応について

全文

黒田 一美議員が質問(予算審査・総括)

質問日:令和6年3月14日(木)

質問者:黒田 一美 委員

1 県立大学の授業料等無償化について

(1) 政策立案のプロセスと唐突な公表について

昨年8月4日、知事は会見で県立大学及び芸術文化観光専門職大学の県内在住者の入学金及び授業料について、所得にかかわらず無償化すると発表されました。大阪府の吉村知事が公立大学の完全無償化を発表してからわずか3か月です。

吉村知事は、昨春、完全無償化を公約に掲げて当選されましたので、府民の負託を受けられたのだと思います。しかし、本県の場合、公約ではなく、議会に事前の情報提供や議論もなく、公表も唐突でした。経緯が全く分かりません。私立大学関係者等の意見も聞いていなかったとも聞きます。

公表時点では、無償化に伴う経費は制度完成時で約23億円とされ、その財源確保は可能との見解を示されたところです。必要経費は、2022年度の県立大学入学者のうち、約5割が県内在住者であるとの実績に基づき算出されておりますが、無償化に伴って入学する県内の学生が増えると、当然、経費負担は増えることとなります。本来なら、県政改革調査特別委員会を中心に、議会ともしっかりと議論する必要があったのではないかと考えます。

県立大学では、既に無償化が決まったかのような状況の中で、募集がされております。しかし、無償化の予算はまだ決まっておりません。

政策立案や公表までのプロセスに問題がないと考えておられるのでしょうか、ご所見を伺います。

県立大学の無償化を含む「若者・Z世代応援パッケージ」は、知事の最重要施策であり、来年度予算として総額91億円が計上されています。経済的環境に恵まれない若者やその保護者などはもちろんですが、多くの県民から注目される施策です。

そのような施策にもかかわらず、1月26日に開催された県・市町懇話会では具体的な議論はされておりません。県民は市民、町民でもあり、情報共有すらされていないのは疑問です。

また、無償化の制度設計にあたっては、一般県民や多くの関係者の意見、すなわちパブリック・コメントを実施しておりません。一部の学生の声は大切ですが、県政としての大きな方向性を決めるプロセスとして、パブリック・コメントの対象事業とすべきではなかったのでしょうか。

知事の独断なのか、それとも他の幹部職員に意見を聞いた上での判断なのか、経緯をお聞かせください。

(3) 事務事業評価の対象としない理由について

事務事業評価については、一般会計で500万円以上の政策的事業を評価の対象としております。令和6年度当初の主要事業としては354の事業が評価を行っておりますが、県立大学無償化については対象外としております。

今回の無償化にかかる経費については、授業料等の無償化により収入減となる財源を補う形で、県立大学の運営費交付金として執行するものではありますが、間違いなく政策的な事業と言えます。

将来の兵庫県を担う若者の県内定着を目指す取組であるならば、卒業生の県内企業への就職率や転出超過の抑制等、兵庫への定着率などを指標として事業評価する必要があると考えますが、いかがでしょうか。

(4) 若者県民に対する支援の公平性について

9月議会の一般質問でも指摘しましたが、県内高校卒業生全体のうち、県立大学へ進学した者はわずか1.7%であり、恩恵を受ける若者は極めて少ないです。財政状況が厳しいからこそ、財源の活用にあたっては公平性を保つことが重要です。これまでの代表・一般質問で多くの議員が、また、本委員会における財政状況での橋本けいご委員や部局審査での小西ひろのり委員、他の委員も指摘をしております。

知事は無償化を決断した理由として、「若者の切実な生の声を聞く中で、早い対応が必要」であると述べられております。切実な声を聞き、早い対応が必要なのは、県立大学の学生だけではありません。少しでも多くの若者を支援するような、給付型奨学金の拡充などは考えられなかったのでしょうか。国公立・私立大学や県立総合衛生学院、その他専門学校などに通う学生の中にも、将来の兵庫県のために活躍する若者が大勢います。

若者・Z世代への支援の趣旨は十分に理解しております。しかし、知事が言われている「県立大学の無償化をきっかけにした多くの若者への支援」が本当に実現するのか疑問です。

無償化に伴う経費は約5.2億円計上されておりますが、知事の決意に相違はないでしょうか、再度お伺いします。

(5) 県立大学卒業者が兵庫に定着し活躍する担保について

県内高校卒業生が、令和4年度に大学等に進学したのは28,004人であり、このうち県立大学への入学者は737人です。大学等進学者の中でもわずか2.6%です。

そして、県立大学の卒業生が兵庫県内で働く割合は約36%であり、県立大学への入学者737人からすれば、県内で働くのは263人ということになります。そこに毎年20億円を超える負担をすることになるわけです。

さきの部局審査での松井重樹議員の指摘にもありましたが、兵庫県立病院の看護師修学資金貸与制度においては、指定された県立病院で一定期間勤務した場合には修学資金の返還が免除されます。防衛医科大学校や自治医科大学の償還金免除も同じですが、県立大学の場合、無償化の条件に兵庫県内での就職などはございません。

総務部からは明確な答弁はなかったと思いますが、県立大学生が卒業後、兵庫県に定着し活躍するといった担保についてどう考えているのか、ご所見を伺います。

(6) 県が設置者である他の教育機関との比較と無償化の判断基準について

部局審査で松本裕一議員も触れられましたが、設置者として無償化を目指すのであれば、なぜ同じ設置者である県立総合衛生学院や農業大学校、森林大学校などは無償化の対象としないのでしょうか。

知事は、県が先駆けて無償化を実施する旨、これまでも発言をされておりますが、対象としていない学校があること自体、税の公平性の観点から問題があるのではないでしょうか。

より多くの若者県民に対するビジョンが見えませんが、他の教育機関とどのような違いがあるのか、無償化の判断基準についてお聞きします。

(7) 本来目指すべき県立大学の魅力創出と無償化の関連について

これまでの無償化に関する質疑に対して、当局は、「選ばれる大学としてブランド力を向上させていく」「兵庫に魅力ある大学を先駆けてつくる」などと述べられています。

一方で、県立大学の国際商経学部グローバルビジネスコースでは、外国人留学生の成績優秀者に対して授業料等の優遇を図るなど、広く県内外から優秀な人材を集めようとしております。県立大学の魅力創出のためには、県内外、世界から広く人材を集めることが大切です。県内在住者のみを無償化することは、魅力づくりになるのでしょうか。ご所見を伺います。

(8) 高等教育無償化に向けた国への要望、実現の見通しについて

県立大学生と他の大学等に通う若者県民との公平性については従来から指摘してきましたが、知事は、国公立大学を含む高等教育の負担軽減の拡充を国に求めていくと答弁されております。

昨年9月8日、大阪府吹田市で開催された「兵庫・大阪連携会議」において、齋藤知事と吉村知事は、両府県で連携して、政府に対して国公立大学の無償化を求めることを確認されております。一部の報道では、10月から11月には揃って上京し、要望先は文部科学大臣など閣僚級を想定しているとのことでした。このことは事実なのでしょうか。そして、実現したのでしょうか。

国による無償化の実現について、見通しをどのように考えているのか、お伺いします。

2 本庁舎4割出勤と県庁舎整備について

(1) 県庁1・2号館の解体・撤去と4割出勤の判断に至るまでの議論について

知事は昨年3月29日の記者会見で、県庁2号館及び議場棟の詳細な耐震診断結果を発表された際、令和7年度に1・2号館部局の移転を開始し、職員の出勤率を4割程度にすると発表されました。これについても県立大学の無償化と同様、突然の発表でした。議会では、令和元年度から県庁舎等再整備協議会を設置し、県庁舎の整備方針について議論を重ね、最終案のとりまとめも行われたりしましたが、知事の突然の発表は、県議会を無視した発表と受け止めます。

本庁舎の職員は、様々な業務を担っております。1・2号館の解体・撤去と同時に4割出勤を表明された経緯として、単にコロナ禍での一時的な実績のみで判断されたのであれば、軽率であったと言わざるを得ません。事前に部局ごとでテレワーク対応の可否についてのヒアリング、調査等も行われていません。知事が先行して発表したという認識でよいのでしょうか。それとも、耐震診断結果が判明してから僅かの間に何らかの議論があったのでしょうか。

現時点では、1・2号館の跡地に庁舎建設はせず、4割出勤を目標としてモデルオフィス等の結果を見ると言われておりますが、発表に至るまでのプロセス、議論の中身が全く分かりません。ご所見を伺います。

(2) 職員の意思を尊重した働き方について

厚生労働省では、「テレワークにおける適切な労務管理のためのガイドライン」を公表しております。その中では、テレワークの制度を適切に導入するにあたっては、労使で認識に齟齬のないように、あらかじめ導入目的や対象業務などの事項について、労使委員会等の場で十分に納得のいくまで協議し、文書にして保存するなどの手続をすることが望ましいとされております。職員の働き方の維持改善を図る観点では重要なことですが、この指針に沿った対応はされるのか、お考えをお聞きします。

また、同ガイドラインでは、「実際にテレワークを行うか否かは本人の意思によるべき」とも記されております。コロナ禍では緊急的な措置として在宅勤務等が実施されましたが、職務上の理由や本人の希望で出勤しなければならない場合もございます。県庁舎のキャパを理由として、職員本人の意思を尊重できない場合があるのでしょうか、併せてご所見を伺います。

(3) 元町山手、県庁舎周辺の賑わいづくりについて

県庁舎の関係については、本委員会の部局審査でも数名の委員から質疑等が行われました。その中で、元町周辺のまちづくりのあり方への問いに対して、「元町山手の地域特性を踏まえると、閑静で落ち着いた雰囲気を活かしつつ、県庁周辺地域の活性化につながる賑わいづくりの創出が必要である」と答弁されております。

1・2号館を解体・撤去し、暫定的に緑地化とする計画ですが、4割出勤となれば、県庁周辺の飲食店等を含め賑わいがなくなります。本庁勤務の職員数は、非正規を含めて約3,000人ですので、仮に4割であれば約1,200人の出勤となり、約1,800人の減少となります。

5年前に竣工した新長田合同庁舎については、阪神・淡路大震災で失われたまちの賑わいを回復させるため、県・神戸市合わせて約1,000人の職員が勤務する計画で整備されました。しかし、元町山手、県庁舎周辺は1,800人が減少すると想定されますが、4割出勤とまちの賑わいづくりの関係について、ご所見を伺います。

(4) 4割出勤を目指したモデルオフィス実施後の分析結果の公表及びその時期について

4割出勤を目標とした「新しい働き方モデルオフィス」の取組については、当初は2月末までの計画で、実施後は速やかに職員アンケート等による分析結果を公表すると、これまで答弁されております。

しかしながら、このたびの当初予算案の中では、繁忙期の課題等を検証するため、6月まで延長する計画が示されました。モデルオフィスの分析結果や、必要とされる県庁舎の規模はいつ示されるのでしょうか。

さきの部局審査においては、新しい働き方では、県民本位で質の高い行政サービスを実現するとの考えをお示しですが、一方で4割出勤を経験した職員からは、「職員間の気軽な相談や伝達がしづらい」といったコミュニケーションや人材育成への課題等もあるとのことでした。それ以外の多くの課題も出ていることと思います。

こういった意見の分析結果について、いつ、どのような形で公表し、県庁舎のあり方検討へつなげていこうとしているのか、ご所見を伺います。

3 分収造林事業について

分収造林事業については、スギやヒノキなどを植林し、林業の発展と森林機能の維持増進を目的に国策として始まったものです。兵庫県でも昭和37年に造林公社を設立し、事業がスタートしました。

現在、ひょうご農林機構の分収造林事業は実質的に破綻状態となり、あり方検討委員会での議論の中で、県民負担の軽減の観点から、速やかな債務整理を行うべきとされ、対策の一部が補正予算として今定例会にも上程されております。代表質問での上野議員や12月議会での竹内議員の指摘にもあったように、不適切な借り入れスキームや当時の意思決定などについては、県行政として県民に対して責任をもった対応を行うよう強く要望しておきます。

令和3年度の包括外部監査においては、当時、事業存廃の是非にまで踏み込んだ検討が行われなかったことが指摘されておりますが、当該事業は土砂災害の防止や自然環境保全など森林の公益的な機能も発揮しており、その役割は重要だと考えます。県内の森林面積の1割である約2万ヘクタール、約1,000地区で分収契約がされておりますが、これまでの風水害において、これらの地区では下流に被害を及ぼす土砂災害は発生しておりません。

また、他府県の状況を見ましても、事業を廃止した府県は皆無であり、3セク債を活用して公社を解散、県営化するなどして事業を継続しているのは、分収造林事業の重要性からではないでしょうか。

1月末に農政環境常任委員会の調査で、ひょうご農林機構の県北事務所を訪問し、事業概要を調査した後、養父市の現地を視察しました。地元の関係者と意見交換をする中で、今後の収益よりも将来の森林管理への不安を訴える声を聞いたところです。長期にわたる事業ですので、子や孫、さらにその先の世代に引き継がれるものもあります。

こういった現状を踏まえ、今後の分収造林事業をどのように考えているのか。また、地元関係者が納得するような方針を示す責任があると考えますが、当局のご所見を伺います。

4 能登半島地震の被災地支援と今後の災害対応について

本県では、関西広域連合と連携しながら、カウンターパート方式により珠洲市を中心に支援を進めており、緊急消防援助隊や警察による災害派遣隊をはじめ、避難所運営支援、震災・学校支援チーム「EARTH(アース)」、保健師による健康ケアなど、様々な分野での活動を行ってきました。2月末時点で、市町等を含め延べ約3,000名を被災地に派遣しているところです。

現在も約100名の職員が石川県内に入り、様々な支援に取り組んでいただいておりますが、時間の経過に応じて現場のニーズも変わってきます。特に珠洲市に対する支援においては、神戸市や福井県との連携、警察や消防との情報共有なども重要となります。

今回の地震では、但馬沿岸である兵庫県北部区域にも津波警報が発表され、最大で2,100名余りの住民が避難をしました。但馬沿岸では約60年ぶりの津波警報の発表だったため、恐らく大半の住民は初めての経験だったのではないでしょうか。市町主体による避難の呼びかけだったとはいえ、課題なども検証しておく必要があります。

また、神戸市の派遣職員の中には、都市部と地方のニーズの違いに戸惑い、阪神・淡路大震災の経験が活かされなかったといった声も聞きます。今回の被災地支援における課題等の検証を含め、次なる災害に備えることも大変重要です。

来年度予算案では、能登半島地震への対応として約12億円が計上されておりますが、年度をまたいだ長期的な支援も視野に入れる必要があります。県として、これからの被災地支援にどのように取り組んでいくのかお聞きするとともに、今後の本県の災害対応について、ご所見を伺います。

黒田 一美
神戸市垂水区