議会の動き

10年2月定例会

地方消費者行政の充実、強化を求める意見書(案)

 昨年9月、国において消費者庁及び消費者委員会が発足し、国民目線に立った消費者行政の実現に向け、その第一歩が踏み出された。これを機に、消費者が全国どこでも消費生活相談を受けることができ、消費者の安全・安心を確保する体制が確立できるよう、国及び地方自治体は万全を期さなければならない。

 地方における消費生活相談体制を充実するため、国の平成20年度補正予算により、「地方消費者行政活性化基金」が各都道府県に造成され、各地方自治体は、地方消費者行政強化のための「集中育成・強化期間」とされる平成23年度までは、この基金を利用した事業を行うことが可能となった。

 しかしながら、平成24年度以降の国の財政的支援が担保されていないことから、各市町村による消費生活相談窓口の設置はなかなか進んでいない。また、基金の使途についても、要件や制約があることから制度が利用しにくく、各地方自治体における基金の充分な活用を阻害している状況にある。

 よって、国におかれては、地方消費者行政の一層の推進に向け、地方自治体の意見を充分に聞き、下記項目を実現するよう、強く要望する。

1.利用しやすい基金とするため、年度ごとの取り崩し限度額の撤廃や相談員の人件費への直接充当を可能とするなど、基金制度の運用改善を図ること。

2.平成24年度以降の財政的支援のあり方について、早急に検討し、必要な措置を講じること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

公共工事における賃金確保法(公契約法)の制定を求める意見書(案)

 建設業は、我が国の経済発展と雇用機会の確保に大きく貢献してきた。
 しかしながら、元請と下請という重層的な関係の中で、建設労働者の賃金体系は恒常的に不安定な状況に置かれ、加えて、今日のデフレ経済のもと建設投資全体の落ち込みにより、賃金・労働条件が大きく切り下がり、建設現場で働く労働者の生活危機がさらに深刻化している。

 既にヨーロッパやアメリカなどの諸外国では、公共工事における建設労働者の賃金確保のための法律、いわゆる「公契約法」の制定が進んでいる一方、我が国においては、平成12年11月に「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」が制定された際、参議院において「建設労働者の賃金、労働条件の確保が適切に行われるよう努めること」との附帯決議が行われたものの、未だ「公契約法」の制定には至らず、建設労働者の生活は依然不安定なままである。

 よって、国におかれては、建設労働者の賃金の適正化、労働条件の安定化を図るため、「公契約法」を速やかに制定し、建設産業の健全な発展に資するよう強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。