議会の動き

上野 英一議員が質問(決算審査・企画県民部②)を実施

決算特別委員会 [ 10月12日(金)企画県民部②・上野議員 ]

1 過去の大規模災害(自然災害、火災等)から学ぶ消防団員・職員等の災害救助関係者の安全対策・学習啓発について

 9月29日午後2時半ごろ、姫路市網干区興浜の「日本触媒姫路製造所」で、アクリル酸を貯蔵するタンクが爆発した。出動した消防隊員1人が死亡。消防¬隊員24人と従業員10人、警察官2人の計36人が重軽傷を負った。
 この事故の報道を聞いたときに、化学工場だけにタンクの爆発ということがなぜ想定できなかったのかと率直に思いました。
後日の報道では、両手にやけどを負った消防司令は「爆発の危険性は知らなかった。」とし、市消防局は、爆発の危険性について「日本触媒からは『熱が上がってきている。最悪の場合、爆発の危険性がある。』との内容で説明を受けた。」としており、また市消防局次長は「(爆発危険)周知されていたはずですが…」と肩を落とし、「隊長の指示がどうであったか不明ですが、結果的にそうならば、(情報伝達の在り方を)見直さねば」と話していたとしています。
現場に市消防が到着したときには、自衛消防がタンクのすぐ傍で放水を行っており、その後方に下がって安全確認を行う状況ではなかったとも思えます。
また、過去の大規模災害として、9.11ニューヨークのテロによるビル崩壊でも多くの消防職員が被害にあっています。平成21年の台風9号水害では、水防指令発令で庁舎に駆け付けようとした役場職員が冠水した道路で水没死しました。昨年の3.11東日本大震災・津波災害では、最後まで住民に避難放送を続けた役場女性職員をはじめ多くの災害避難対策に従事した役場職員や消防団員・職員や教職員が犠牲となりました。
いずれにいたしましても十分な検証を行い二度と繰り返さない安全教育が必要と考えます。
そこで、過去の大規模災害(自然災害、火災等)からどのように学び、消防団員・職員等の災害救助関係者の安全対策・学習啓発について行ってきたのかについてお尋ねいたします。 

2 均衡ある県政の推進について(医療資源の整備)

 特に我が会派の越田議員が県と市町の二重行政についてよく質問いたしますが、私は適切に役割・任務分担を行い県民生活の向上につながっていればよいと考えます。
 その中の一つに病院の運営があります。病院は、独立行政法人化もありますが国立、県立、大学付属、赤十字病院や労災病院、公立・自治体病院、民間医療法人等々がありますが、多くは阪神から姫路にかけての海岸線沿いにあり、それ以外の地域では医療資源が限られており、公立・自治体病院が多くを担っております。しかし、西播磨や但馬地域、中播磨の神崎郡では決して十分とは言えません。また、小さな市町での病院経営は大きな住民負担ともなっています。
医療・診療提供や医師・看護師の確保等については健康福祉部でお尋ねをいたしました。ここでは、小さな市町での病院経営にかかる大きな住民負担についてお尋ねいたします。平成23年度の決算から各市町の一般会計から交付税措置額を引いた実質的な住民負担の額は、神河町では2億54百万円、ちなみに国勢調査による人口は13,077人、1人当たり約2万円です。宍粟市では、99百万円、43,302人、相生市は、49百万円、32,475人、加西市は、1億63百万円、49,396人、香美町は、1億91百万円、21,439人、新温泉町では2億13百万円、17,467人で、交付税措置率も21市町・組合立病院で25.6~110.1%、県全体で53.5%となっています。また、平成19年度比の交付税措置率は110.9~209.5%、県全体で140.7%となっています。交付税措置には病院建設費の償還分に対するもの、近年の医師・看護師確保に対する特別交付税措置など、一定の配慮が行われていますが、それでも大きな住民負担となっています。
そこで、民間等の医療資源が限られており、市町で病院設置をせざるを得ない小規模自治体に対する地方交付税措置の拡充などの財政支援についてのお考えをお伺いします。

3 フェニックス共済の推進について

 フェニックス共済は、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、全国に先駆けて住宅再建共済制度を平成17年9月からスタートし、その内容・特色として、1.小さな負担(年5千円)で、大きな安心(住宅の再建に600万円)を確保。2.住宅の規模・構造や老朽度に関係なく、定額の負担で定額の給付。3.異常な自然現象により生じる、あらゆる自然災害を対象。(例)暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火 等 4.財産の損失補てんの考え方にもとづく損害保険制度(地震保険など)と異なり、被災後の住宅の再建を支援する仕組み。(地震保険等との併用可)と非常に有利な制度だと考えます。
 しかし、当初の加入目標の15%には達せず、平成23年度末で住宅共済が8.5%、家財共済が1.9%と遠く目標には及びません。また、住宅再建共済制度加入促進本部は平成23年度に廃止をされました。
しかし、その23年度の共済制度の加入促進活動は、21・22年度と比較をすると推進会議構成団体への多様な働きかけや、マンション共用部分再建共済制度の加入促進を県民局でマンションローラー作戦を行ったり、取りまとめ団体を通じた加入促進、郵便局・共済団体等との協調した啓発、フェニックス共済加入促進員を14名から延べ24人に増員して戸建・賃貸住宅等175,050戸、マンション 1,157棟、団体等については 9,820団体を訪問するなど今までにない取り組みが展開され、住宅共済10,272戸、家財共済5,387戸の加入が図られています。一方、それらに要した費用は決算額150,772千円であり、それは住宅共済掛け金5千円の30,100戸に相当します。単純にこのようなことで費用対効果を論じるつもりはありませんが、阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、全国に先駆けて作られた私は兵庫県の大きな誇れる住宅再建共済制度と思っています。
そこで、24年度の取組状況と今後の方針についてお伺いします。