議会の動き

永富 正彦議員が質問(予算審査・県土整備部)

平成27年度予算特別委員会(県土整備部)

質問日 : 平成27年3月10日(火)

質問者 : 永富 正彦

1 安全なふるさと兵庫の実現に向けた取組みについて

本定例会における提案説明で、「ポスト震災20年」の県政運営においては、安全の確保、つまり「安全なふるさと兵庫」を第一の目標にすると、井戸知事は述べられました。そのために重要なことは、自然災害などに対する施設の老朽化対策と防災インフラ等と考えます。そこで、安全なふるさと兵庫の実現に向けた取組みについて、まず、3点伺います。

(1)「ひょうごインフラ・メンテナンス10箇年計画」の推進について

まず、施設の老朽化対策についてであります。施設の老朽化対策は、目立たない所も含め、定期的に点検し、目標を立てた計画を策定し、着実に修繕・更新することが、住民の安全を確保するうえで非常に重要であります。

本県では、県管理の社会基盤施設の多くが、今後、築50年を迎えることから、主要施設を平成24年度までに点検を行い、その結果を踏まえ、計画的・効率的に老朽化対策を推進するため、「ひょうごインフラ・メンテナンス10箇年計画」を昨年度策定されました。これは全国に先駆けて策定した計画であり、非常に注目されています。施設の長寿命化等の取組みにより、今後50年間で施設の維持管理・更新費を約8,000億円も削減するという計画であり、財政的な効果も含め、この取組に大いに期待をしています。今年度は、本県にとって、その計画を実効に移す「維持管理元年」と言ってもいい重要な年であります。

そこで、「ひょうごインフラ・メンテナンス10箇年計画」について、今年度は計画通りに進んでいるのか、その取組み状況と併せ、来年度の取り組みについて伺います。

(2)市町の老朽化対策への支援について

県以上に、市町施設の老朽化対策には大きな課題があります。市町の技術職員は、技術面でも、マンパワーでも不足しており、ノウハウの蓄積も少なく、指導する者も少ない状況にあります。そのため、様々な観点からの県の支援が必要と考えます。特に、橋梁への対策などには高度な技術が必要であることから、県からの支援・指導を期待する声を聞きます。

先月、高砂市道の谷川橋で、一部に腐食が見つかり、安全が確保できないとの判断から通行止めになったと新聞にも報道されていました。こういったことが頻発しないように、点検と修繕・更新を確実に実施していくことが必要でありますが、先に述べましたとおり、市町の職員だけではどこまで対応できるか疑問であります。

そこで、市町の老朽化対策に当たっては、市町のこのような現状を踏まえ、県として、具体的にどのように市町支援を実施していくのか伺います。

(3)一級河川水田川改修事業の推進について

次に、風水害に対する防災インフラの整備として、加古川市と播磨町を流れ別府川に至る、一級河川水田川改修事業の推進について伺います。

水田川の河川改修は、昭和60年度から、加古川市と播磨町によって用地買収に着手し、事業促進に取り組んでいましたが、平成2年9月の台風19号に伴う集中豪雨により、甚大な被害が生じ、住民からの河川改修の早期整備の強い要望を受け、平成4年度から県事業として着手されました。

着手以降、下流部の高潮対策事業、上流部の広域基幹河川改修事業等を行い、町道浜幹線阿閇橋(はまかんせん あえばし)までの河川改修が平成14年度に完成しました。その後、未整備区間を3工区に分け、順次整備を推進していますが、第2工区で山陽電鉄とJR山陽新幹線の横断があり、事業費が多額で工期も長期間を要すると聞いています。

一方で、水田川流域では、平成16年、23年、26年の台風、平成25年の大雨など、河川氾濫や低地浸水が頻発しており、地域住民からは早急な浸水対策の切実な要望が寄せられています。

そこで、水害から流域を守り、安全なふるさと兵庫を確保するため、河川改修等の早急な推進が必要と思いますが、第2工区の事業費が多額となる箇所の事業進捗状況と、今後の改修完成に向けたスケジュールを確認します。

2 東播磨道について

東播磨道は、東播磨地域と北播磨地域の連携を強化し、沿線市町の活性化を図り、東播磨地域における交通渋滞の緩和などの円滑な移動を確保することを目的とした「地域高規格道路」として、平成11年度より整備が始まりました。そして、昨年3月に第一期事業、国道2号~八幡稲美ランプ間、延長約6㎞が供用開始されました。

事業費は569億円要しましたが、救急車や消防車等の緊急車両の到着時間の短縮、バスの定時性が確保されたことによる路線バスの東加古川駅への乗り入れ本数の増加、加古川市役所から県立加古川医療センターまでの所要時間が22分から12分に短縮されるなど、稲美町や加古川市北東部からの加古川市内へのアクセスが大きく改善されたほか、様々な効果が生じていることが検証されています。

交通面での様々な効果が検証されている一方で、巨大な道路工作物はまちの原風景を一変させました。供用区間の高架下には利用可能な土地が約5.4ヘクタールもあります。地域の要望に応えながら、緑のミニ公園や光のオブジェなど、地域に根ざした最高にオシャレな高架下に生まれ変わる取組みが期待されます。

そして、今年度からは、北播磨医療センター近くの国道175号までの供用を目指し、第2期事業がスタート致しました。事業推進に当たっては、地域の期待感を醸成する意味でも、第一期の成果を含め、第二期完成後の全線供用時の様々な効果を、地元住民をはじめ県民の皆さんに、わかりやすくPRしていくことが重要と考えます。

そこで、まず、東播磨道について、供用部分の高架下の利活用推進に関する県としての考え方をおたずねします。さらに、第二期事業の進捗状況とその課題、平成27年度の実施計画、並びに全線供用後の役割・効果を伺いますとともに、県民の皆さんへの効果、役割のPRについて、いかに取り組んでいこうと考えているのか伺います。

3 市街化調整区域における計画的なまちづくりの推進について

県では、市街化調整区域における計画的なまちづくりを推進するため、地域の土地利用が円滑に図られる取組みが行われています。私の地元であります稲美町等におけるモデル検討を通じて、市町に対する地区計画制度の活用促進を図るとともに、特別指定区域制度の見直しを進め、地域の実情に応じた魅力あるまちづくりを積極的に推進しています。

稲美町は町域の9割が市街化調整区域であり、それらの地域は年々人口が減少していく状態にあります。先に述べたように、地区計画の策定を行い、計画的なまちづくりを行うことによって、地域に元気を取り戻そうと取り組んでいます。ただ、まちづくりの過程において、制度が複雑でわかりにくい、開発許可・申請書類等が膨大かつ複雑だ、頑張って取り組んでも本当に効果があがるのか疑問に感じるなどの、住民の間から様々な声が聞かれ、進捗に影響が出ていると感じます。

地域の将来設計とも言えるまちづくりでありますので、すぐ肌に感じる効果が出るものでないことは一定理解するところですが、地域一丸となっての取組みが重要であることから、住民へのまちづくりの効果などの理解促進に向け、県からの市町への一層の支援を望むところであります。

そこで、稲美町、猪名川町をモデルとして進める「市街化調整区域における計画的なまちづくりの推進」について、県として現状をどのように把握し、モデル地区への支援も含め、今後どのようなビジョンを描いて推進していこうと考えているのか伺います。