予算特別委員会(予算審査・意見表明)
質 問 者 石井 健一郎 委員(民主党・県民連合)
民主党県民連合議員団を代表し、知事提案の第1号議案ないし第21号議案並びに第48号議案の22件の議案に賛成をし、日本共産党議員団提出の平成28年度予算案の編成替えを求める動議に反対する立場から意見表明を行います。
去る2月18日、地域創生戦略を具体化するスタートの年、「兵庫地域創生元年」の予算として、平成28年度当初予案算が提案され、“兵庫創生に挑む”予算として、知事からの強い決意が示されたと受け止めております。
平成28年度の当初予算については、個人関係税や法人関係税、地方消費税の増収などで160億円の歳入の増加が見込まれる一方で、社会保障関係費や地方創生推進交付金事業等で歳出も50億円増加するものの、歳入の増収が歳出増を上回ることから、歳入歳出収支は前年度に比べて110億円改善しました。ただ、未だに320億円の不足額が生じています。
このような厳しい状況のなか、県当局としても「第3次行革プラン」に基づく財政フレームの範囲内での対策を講じ、退職手当債100億円、行革推進債100億円を発行するとともに、県債管理基金120億円を取り崩す方策をとられたところです。財源対策をはじめとした行財政全般にわたる懸命な改革の取組は評価するところでありますが、このような退職手当債の活用、県債管理基金の取り崩しなど、総括審査でも申し上げた県民への財政手法の意図の丁寧な説明を行っていくことが必要であります。
一方、歳出面では、総括審査で取り上げた「少子化対策」「子供の健全育成のための里親委託の推進」「多文化共生社会の推進」等に資する取組みのほか、「防災・減災対策」「商店街の活性化」「障害者雇用の促進」「県産農産物の輸出促進」「治安の維持」などに資する取組みなど、急激な少子高齢化の進展、人口減少社会の到来への対応を図っていくために必要な取組みであります。また、部局・総括両審査で取り上げた「但馬空港の利活用促進」「奨学金制度の充実」など、今後、幅広い視点での検討を要する取組みもあるものの、厳しい財政環境の中にあって、活力を保ち、将来への希望を持てる兵庫の実現に向けての努力がうかがえる予算となっていると考えています。
これに対して、日本共産党議員団から提案された「予算案の編成替えを求める動議」に関しては、ムダや不要不急の公共投資等を削減し、福祉・医療や教育へ重点配分するという趣旨は理解できるものの、一方的に、削除、減額を求める事業が多岐にわたっており、とりわけこれまで継続的に実施してきた事業等について、何らの代替措置も明らかにしておらず、県政や県民生活に多大な損失と大きな混乱を招くことは避けられず、実現不可能であります。
我が会派は、これまでより、県民の生命と生活に直結する医療・福祉、教育・治安等については、極力、行革の対象とすべきではなく、「選択と集中」によってメリハリのある改革を行うとともに、県民誰もが納得できる社会的に弱い立場にある方々に配慮した公平感のある改革に取り組むよう繰り返し主張してきたところであり、改革の対象となった各分野において、残された課題は少なからず残っていると考えます。
しかし、平成30年度の収支均衡達成に向け、行革の最終段階を迎えている中にあって、行政経費全体のゼロベースからの見直しと「選択と集中」を図り編成された知事提案の予算案と言えます。これに賛成し、日本共産党議員団提出の「編成替えを求める動議」には反対を表明いたします。
以上で「民主党・県民連合」の意見表明を終わります。