予算特別委員会質問(総括)
平成25年3月15日(金)
それでは、民主党・県民連合議員団を代表して、早速、総括質問をさせていただきます。
1 県債残高の上限管理について
はじめに、来年度予算の財政状況に関わる質問として、「県債残高の上限管理」についてお伺いします。
この質問は、財政状況の審査において、我が会派の栗山委員より、本県の適正な県債残高について、お尋ねしましたが、再度、井戸知事のご所見をお伺いしたく、質問させていただくものであります。
来年度の当初予算資料によりますと、県債残高は今年度当初予算時に比べて約2,327億円増加し、今回も過去最高額を更新する4兆6,680億円になるとされています。償還に要する費用が後年度の地方交付税で措置される臨時財政対策債等を除いた残高でみても、前年度に比べて823億円増加し、3兆2,639億円となる見通しとなっています。
この点については、735億円の収支不足額とともに、新聞でも大きく報道され、県民の皆様に対して、大きな不安とご心配をおかけしているのではないかと思います。将来世代に多くのツケを残すことに対して、我が会派としては大きな不安と責任を感じています。
さて、本県では、人口減少が既に始まっています。これは、単なる人口減少ではなく、高齢者数の増加と生産年齢人口(15~64歳)の減少という「人口構造の変化」を伴うもので、県内GDPや県民所得の低下など、本県歳入に関わる不安な要素を抱えていますが、県債残高は増加の一途をたどっています。
栗山委員の質問に対する答弁によりますと、県債残高は平成28年度までは増加すると見込まれており、それをピークに平成29年度から減少に転じると答弁されています。さらに、「平成28年度の県債残高見込みが、本県のアッパー、上限額と認識しておいて良いか」との再質問に対しても、「限度額のアッパー、このフレームの中でお示ししているところの範囲の中で財政運営に努めていく」と財政課長から力強い答弁を頂きました。
国の動向は、まだまだ不透明な面も多くあり、本県財政にどの程度影響するかはわかりません。先般、財務省より、国債残高が10年後の平成34年度末に1000兆円を超えるという試算が発表されました。国債残高も右肩上がりであり、国頼みについても、もう限界であるといわざるを得ません。
しかしながら、このような状況下にあっても、県民に安心を与えられる財政運営を進めていかねばなりません。我が会派も、県当局と同様にこれまでより、「県民サービスの確保」について、度々主張してきたところですが、もはや、そのようなことも言っていられない状況になってきているように感じています。
知事が県民の痛みを伴う施策を徹底していくことは難しいかもしれませんが、県民に対して、多少の我慢をお願いしてでも借金を減らすという意識がないと県債残高の上限を管理していくことは難しいと思います。そこで、改めて、県債残高の上限管理についてどのように考えておられるのか、井戸知事のご所見をお伺いします。
2 チャレンジ枠の意義と効果について
次に、「チャレンジ枠の意義と効果」についてお伺いします。
新年度の予算編成では、21世紀兵庫長期ビジョンの実現を目指し、時代を的確にとらえ又は先取りする施策を実施するため、新規事業枠に5億円の「チャレンジ枠」が新たに創設されました。
チャレンジ枠の要件としては、「既存事業にとらわれない、先進性、創造性、斬新さ等を有する新規事業」とされ、本庁分、県民局分計27事業が打ち出されています。
私たち民主党・県民連合議員団が先日、井戸知事に対して提出しました「県政評価・検証委員会報告書」においても指摘しましたが、組織を活性化していくには、リーダーのトップダウンと組織のボトムアップのバランスを常に配慮することがより一層求められると考えています。そのような観点から、チャレンジ枠の創設は、多いに可能性のある取り組みだと考えています。是非とも、これまでの殻を破り‘チャレンジ’をしていただきたいところです。
本県の経常収支比率は、23年度決算時点で99.3%であり、県が自由に裁量の効く額としては、経常一般財源収入約1兆362億円の0.7%に相当する、たった71億円しかありません。そのような中にあって5億円の貴重な財源を投入するわけですから、この5億円の使い道が、事業効果を上げることはもとより、組織の活性化にも資するような取り組みでなければなりません。
さらに、新規事業枠にチャレンジ枠を創設するわけですから、通常の新規事業との違いを明確にし、それを県民に対して説明するプロセスも必要であります。
しかしながら、財政状況の審査でも他会派の委員より指摘がありましたが、ユニークな事業が挙げられている一方で、特に県民局事業では、既存事業の延長線上の事業であり、チャレンジとはとてもいえないようなものが多く含まれていました。その答弁では、「これまでやりたくても十分には出来なかったことに取組むことで、地域の課題解決が進むことが期待されるなど」一定の意義があるとのことで、昨年度創設された、「地域の夢推進事業」と共通している部分が認められるものであります。この際、県民局分については、「地域の夢にチャレンジする事業」として、チャレンジ枠と地域の夢推進事業と統合する方が、県民に対して分かりやすいのではないかとさえ感じています。
そこで、チャレンジ枠として井戸知事より打ち出された27事業について、その事業要件に照らして、どのように評価していますか。また、チャレンジ枠と地域の夢推進事業の関係についても併せてお伺いします。
3 地方分権を推進するための地方交付税の確保について
次に、「地方分権を推進するための地方交付税の確保」についてお伺いします。
井戸知事は今定例会の提案説明で「さらなる義務付け、枠付けの見直しや、国からの地方への権限移譲など、分権改革を加速するよう、全国知事会や地方六団体と連携し、積極的に主張してまいります。」と述べられました。
「地方分権の推進」は私たち県民にとって重要な課題ですが、その推進のためには、「地方交付税の確保」が欠かせません。
知事は、全国知事会や地方六団体等のあらゆるチャンネルを使い、地方交付税の確保を国へ要請されており、心よりエールを送るものです。
しかし、この度、国から東日本大震災にかかる臨時的措置として国家公務員の給与の引き下げに準じ、本来国に強制されるはずのない地方公務員の給与についても同様の措置を実施するよう求められ、地方交付税の削減が決定されました。
知事は「地方交付税を政策誘導の手段として用いることは、地方の自主性、自立性を損なうものであり、地方交付税の補助金化の危険があり」、「平成25年度当初予算では、これに対応した予算計上は行っていません」と述べられました。
地方は、すでに独自の給与削減や人員削減を行っており、兵庫県でも阪神・淡路大震災からの創造的復興を行う中で、「行財政構造改革推進方策」を策定し、定員、給与については国に先行して削減を実施しています。
これまでの地方の取り組みを踏まえずに、国家公務員の2年間限定の給与削減をもとに、本来、条例で決めることになっている地方公務員の給与に対して、一方的に地方に関与し、地方交付税を削減することは、中央集権を益々強めることにつながります。全国知事会、地方六団体も一致して、地方との十分な協議を経ないまま、地方交付税を一方的に削減する今回のような措置を二度と行うことのないよう、国に強く申し入れております。
知事は「今後の対応を慎重に検討する」としており、いま、懸念されるのが、一部の地方自治体において何らかの理由で足並みをそろえないところが出てこないか、不安に思うところです。
地方分権を進めていくにあたっては、本来は、地方自治体が自主財源によって自立できる体制を整えていくことが必要ですが、現行制度では、地方固有の財源である地方交付税を確保していくことがまずもって必要であります。
そこで、地方交付税の確保にあたり、兵庫の知事として、また関西広域連合の連合長として、全国への影響力が大きい井戸知事には、リーダーシップを発揮していくことが求められていると考えますが、知事のお考えをお伺いいたします。
4 教育委員に求められる資質について
次に、「教育委員に求められる資質について」お伺いします。
今年度は、かつてないほどに教育委員会の在り方が問われた1年だったように思います。
4月の京都府亀岡市で発生した、通学中の児童の列に自動車が突っ込んだ事故や大津市の中学生や川西市の県立高校生がいじめを苦に自殺した事件など、痛ましい事件が後を絶ちませんでした。さらには、大阪市立桜宮高校のバスケット部における体罰を原因に生徒が自殺した事件をきっかけに、クラブ活動に限らず教師による指導の在り方自体が大きな問題となっています。
いずれの事件や事故でも共通しているのは、学校や教育委員会の対応のまずさで、問題が大きくなってからあわてて対応するという印象を受けます。しかも、矢面に立たされるのは、教育委員会事務局の職員であり、教育行政の重要事項や基本方針を決定するとともに、事務局の事務執行を担う教育長を指揮監督する役割を担う教育委員の顔はほとんど見えません。
教育委員会制度は、首長からの独立、合議制、レイマンコントロールにより、政治的中立性の確保、継続性・安定性の確保、地域住民の意向の反映を図るものとして我が国に導入され、地方教育行政の基本的な制度として定着しています。
しかしながら、一般的には教育委員会の現状については、会議が形骸化しており、教育行政に対する基本的方針が決定されているとは思えず、国の示す方針に従う縦割りの集権型の仕組みになっています。そのほか、合議制のため、責任の所在が不明確となっていることや迅速な意思決定ができないことなど、多くの問題が指摘されているところです。
地方教育行政の組織及び運営に関する法律第4条では「委員は、当該地方公共団体の長の被選挙権を有する者で、人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有するもののうちから、地方公共団体の長が、議会の同意を得て、任命する。」とされています。
現在、国において教育委員会のあり方を見直すことについて検討されています。にもかかわらず、教育委員の資格や任命する方法は、この4条のほかに、定められたものはありません。これでは、県民からは、どのような基準で教育委員が選ばれているのか全く見えません。
また、議会においても、教育委員の同意を行うにあたり、経歴書だけで同意の是非を判断しなければならず、委員に対する十分な判断材料がないまま決断を求められてきた経緯もあることから、例えば、同意する前に所信表明や質疑を行う場を設けていくことも検討していくことも必要です。
そこで、任命権者である知事は、教育委員に求められる資質について、どのように考えておられるのか、ご所見をお伺いします。
5 健康寿命の延伸に繋がる「ロコモ運動」の推進について
次に、「健康寿命の延伸に繋がる『ロコモ運動』の推進」についてお伺いします。このことについては、健康福祉部の部局審査において、我が会派の前田委員より、質問いたしました。
「運動器症候群」、「ロコモティブシンドローム」とは、骨、関節、筋肉、神経などの「運動器」の障がいにより、要介護またはその一歩手前の状態のことを、通称「ロコモ」と呼ばれており、近年、大きくクローズアップされてきております。
老後に要介護・要支援状態に至った原因のトップ3は、脳血管障害、認知症、加齢による衰えの順となっていますが、それに次いで、4番目の関節疾患と5番目の転倒・骨折の占める割合を足せば、トップの脳血管障害を上回っており、運動器障がいへの対策の必要性を窺うことができます。
東京大学22世紀医療センターの調査によると、ロコモの推定有病者数(40才以上)は4700万人に上るといわれてます。衰えは、40代から始まり、若い世代への対策が必要なことから、来年度から始まる健康推進の国民運動「健康日本21(第2次)」では、この「ロコモ」が取り上げられています。
しかしながら、この「ロコモ」自体、あまり知られておらず、ロコモの認知度アップについては、もっとスピード感をもって取り組むべきであると部局審査において指摘したところです。
最近では当たり前のようにいわれる「メタボリック症候群」も2000年から始まった「健康日本21」で取り上げられましたが、その普及にはかなりの時間を要しました。
ロコモ運動の推進により、早い段階から運動習慣の定着を図り、運動機能の低下をできるだけ遅らせ、健康寿命を延ばしていくことは、一人一人の幸せはもとより、増え続ける医療費の抑制にも大きく寄与するものであり、運動を含め、スポーツを所管する教育委員会とも連携を図りながら取組んでいただきたいところです。
そこで、来年度の予算案では要介護・要支援状態に至る原因のトップ2である「認知症」に対する施策の充実が図られていますが、この「ロコモ運動」についても県民運動としてスピード感と危機感をもって取り組むべき重要な課題であると考えご所見をお伺いします。
6 各種ツーリズムを活用した観光振興について
次に、「各種ツーリズムを活用した観光振興について」お伺いします。
この点については、来年度の産業労働部のチャレンジ事業でも「テーマツーリズムを核とした兵庫誘客促進事業」が掲げられており、ツーリズムを通じて地域の観光振興を図っていくことの必要性については、誰しも異論はないと思います。また、昨年度からスタートした「ひょうごツーリズム戦略」も3か年計画のうち2年が経過し、そろそろ次期計画の策定に着手する時期が来ているのではないかと思います。
国では、ビジットジャパンキャンペーンやクールジャパン戦略を推進し、積極的にインバウンドを図ってきた甲斐もあり、先週発表された観光競争力ランキングでは、日本は8ランク上昇し14位となりました。その一方で、昨年秋に発表されました都道府県魅力度ランキングでは、我が兵庫県は11位となっており、前年度から順位を2つ下げています。海外旅行をする際に、その国で訪れたい都市の名前を11番目まで挙げろといっても、ほとんどの方が、出てこないわけであり、相当のテコ入れが必要な状況ではないかと理解しています。
HISが見事に再建させたハウステンボスに会派で調査に伺いましたが、担当者からは、「日本1位、アジア1位、世界1位のナンバーワン・オンリーワン」に拘ったとお聞きしました。
また、お隣の大阪では、来年度から府・市・経済界で合同の「大阪観光局」を設立し、7年後の平成32年には外国人客を現在の4倍の650万人を目標とする取り組みがスタートすることとなっています。来年度7億5千万円の事業費で公衆無線LANの整備、国際会議や展示会の誘致を行っていくとのことで、観光振興に向けたテコ入れがなされようとしています。
幸い本県には、神戸ビーフや灘五郷等の日本酒などの食資源、国内2位を誇るゴルフ場、さらには世界遺産の姫路城やミシュラン・グリーンガイド・ジャポン2つ星の城崎温泉など数多くの観光資源があります。
そこで、国内外から多くの旅行者に来県してもらえるよう、各種ツーリズムを積極的に展開し、ナンバーワン・オンリーワンの観光資源を創出していくことにより観光産業の振興を図っていくことが必要だと考えますが、次期ひょうごツーリズム戦略を策定していくにあたって、この点についてどのように取組まれようとしているのか、現時点の方針について、ご所見をお伺いします。
7 競争に強い農林水産業の確立について
次に、「競争に強い農林水産業の確立」について、お伺いします。
農業は、食料生産にとどまらず、水、緑、環境、そして地域コミュニティの維持にも大きな役割を果たしていますが、今後ともこのような役割を果たしていくことができるのでしょうか。
平成22年現在で、本県の農業就業人口の平均年齢は67.8歳となっており、全国平均の65.8歳を上回り、超高齢化が進んでおります。これまで農業を支えてきた昭和1けた生まれの方が、来年末には80歳を迎え、農業従事者の減少はさらに拍車がかかり、農業の担い手、特に新規就農者の確保・育成そしてその定着は喫緊の課題となっています。
また、今定例会の代表質問において我が会派の岸口幹事長が指摘いたしましたように、ここ10年で甲子園球場約1000個分の耕作放棄地や休耕田が県内で発生しており、「産業」としての農業への転換が急務です。関西広域連合でも、農業をはじめとする第1次産業も広く産業振興に寄与する分野の一つとして、地産地消運動など新たな連携の具体策の検討等を行うため、広域産業振興局内に農林水産部を整備して取り組みが進められています。
私も、今回の農政環境部の部局審査では、産地間競争に打ち勝つため、兵庫県独自の魅力ある作物やオリジナル品種を積極的に市場に提供すること、その一方で、既に栽培方法が確立された作目や品種については、生産力の強化に加えて、多様化する消費者のニーズに応じた適時・適量・適質の作物を安定的に供給できるように組織体制の強化をはかることを指摘いたしました。
さらに、新規就農者の経営作目の偏りや地域偏在を解消し、今後は、必要なところに必要な人材を育成していくよう、政策的・戦略的に新規就農者を育成していくことの必要性についても併せて指摘させていただいたところであります。
農業を取り巻く環境は厳しい状況が続きますが、ブランド戦略の推進、6次産業化など農業の付加価値を高め、「攻め」の農業を戦略的に展開し、魅力ある農業を確立していく必要があると考えます。
そこで、農政環境部の来年度の当初予算の大項目として「競争に強い農林水産業の確立」が掲げられていますが、「競争に強い」、「攻め」の農業を展開していくことについて、来年度の予算編成のなかで、どのように反映されたと考えておられますか、特徴的な点や広くアピールされたい点についてご所見をお伺いいたします。
8 公共事業の量的確保と経済の活性化について
次に、公共事業の量的確保と経済の活性化についてお伺いします。
来年度の当初予算では、投資事業のほか、農林漁業の基盤整備対策、中小企業資金繰り対策等を事業化するため、今年度12月補正予算と2月補正予算を合わせた16か月予算として一体的に進めようとされています。
なかでも、投資的経費については、昨年度2月補正予算と今年度当初予算を合わせた14か月予算と比べて、約30%上回る2,450億円の事業費が確保されています。増加分のほとんどは補助・直轄事業なので、国の補正予算に依存している状態ともいえます。
当初予算の記者発表資料では、「国の補正予算に即応し、県内経済の活性化を促すため、需要創出効果の高い公共事業等の投資事業を中心として補正予算を編成した」とされており、公共事業による県内経済の活性化を示唆されています。
今定例会における我が会派の代表質問では、増加する公共事業に対する執行力の確保について、質問したところですが、単に、公共事業の事業量を確保することが経済の活性化に繋がるのか、かつての自民党政権下では、バブル崩壊以降、200兆円を超える公共事業を行ってきましたが、結果としては経済再生に繋がらず、借金の山を残すことになりました。
公共事業によって、経済が活性化するということは、その直接効果として、従業員を含め、受注企業が公共事業を通じて潤うことがまずもって必要であり、直接効果が薄いとそこから波及する効果も当然薄くなります。しかしながら、入札制度は、適正な競争のもと、価格を可能な限り抑制しようとする立場から設定されています。そのうえ、公共事業の価格競争が激化している現状では、工事の受注による黒字もさほど見込めない状況も続くことが予想されます。公共事業の量的確保は、需要・雇用の創出面においては一定の効果が認められるものの、果たして経済の活性化に繋がっているのか、疑わしい面もあります。
そこで、公共事業の量的確保を通じて経済を活性化していくためには、受注企業が活性化できる「適正価格」を確保していく必要があると考えますが、この点を含め公共事業の執行にあたって、どのように取り組んでいかれるのか、ご所見をお伺いします。
9 有能な女性警察官の確保に向けた取り組みについて
最後に、有能な女性警察官の確保に向けた取り組みについてお伺いします。
今定例会で、我が会派の徳安議員が行いました『女性警察官が働きやすい職場環境づくりについて』の質問に対して、塩川県警本部長からは、女性警察官の需要、期待の高まりについて改めて認識が示されるとともに、「その確保のために女性専用の仮眠室・シャワー設備などのハード整備をさらに進めるとともに、また職員の倫理教養も再度徹底し、女性が働きやすい職場づくりを進めていく」との答弁がありました。
質問の中でも紹介がありましたように、女性警察官の活躍が求められる場面がますます増大していくことが見込まれるなか、県警では「兵庫県警察における女性警察官の採用・登用拡大に向けた計画」に基づき、6年後には全警察官に占める女性の割合を現状の6.8%から9%とするべく、年間採用予定人数を拡大するなどの取り組みを進めていますが、そう簡単には増えません。結婚、出産、育児、介護などを理由に退職した警察官の再採用についても積極的に取組んでいただきたいところであります。
また、さらに深刻な状況なのは、現状で限りなく皆無に近い女性警察官の幹部への登用についてです。指導的立場に女性がいないことにより、組織が硬直化し、問題が潜在化しがちなのは、女性理事の不在がフォーカスされた全日本柔道連盟の問題と重ね合わせることができるように思います。
女性警察官の幹部への登用について、県職員と同様に目標を設定し取組むべきであるとともに、各人の意向を確認したうえで、意欲のある女性を、将来の幹部候補生として育成する取り組みも必要です。
本部長の答弁では、セクハラ問題について「現時点で常識とされることについて欠如している」とのことでした。まさに、県警察への幹部への登用状況についても当てはまるのではないでしょうか。
女性警察官が就職し、働き続けられる環境整備に向けて、先ほど質問しましたチャレンジ事業と同様に、既成概念を打ち破っていただきたいところですが、女性警察官の登用に取り組んではいますが、一般の視点からすれば、進んでいるとはいえない状況であります。
そこで、今後、兵庫県警におかれては使命感を持って、女性警察官の採用数や幹部への登用拡大をはじめ有能な女性警察官の確保に向けた環境整備に取り組んで頂きたいと考えますが、本部長の不退転の決意も含め、改めてご所見をお伺いします。