議会の動き

向山 好一 議員が質問(公安委員会)を実施

平成27年度決算特別委員会部局別審査

平成28年10月13日(公安委員会)

ひょうご県民連合 向山 好一 委員

1 高齢社会に対応する高齢者講習について

平成27年中の交通事故死者数は171人と、統計を取り始めた昭和22年以降で最少となったものの、近年、交通事故死者数の減少幅は縮小傾向にある。

その要因の一つになっているのが、高齢運転者による交通事故である。

高齢社会の進展に伴い、75歳以上の運転免許保有者数は、平成27年には

180,300人と10年前と比べ約2.1倍に増加し、75歳以上の運転者が起こした交通事故についても1,449件と約1.4倍に増加している。

現在、高齢運転者の交通事故を防止する一つの対策として、加齢に伴って生ずるその者の身体機能の低下が自動車等の運転に影響を及ぼす可能性があることを理解してもらうために、道路交通法において、70歳以上の高齢運転者が免許の更新を受けようとするときは、公安委員会が行う高齢者講習を受講しなければならず、また、75歳以上の高齢運転者は、これに加えて認知機能検査を受けなければならないこととされている。

この高齢者講習については、公安委員会から自動車教習所に委託されているが、地元の高齢者の方から、「予約しても待たされる期間が長い」、「住居地付近の自動車教習所では予約することも出来ず、遠く離れた教習所まで行って受講しなければならない」などという声を聞いている。

また、将来的観測をすると、自動車教習所のキャパシティが限られる中、「団塊の世代」があと数年で、高齢者講習の対象者となる。

加えて、来年3月には道路交通法の改正により高齢者講習制度を始め、高齢者に対する運転免許制度が大きく変わることとなることから、高齢運転者に対する対策は、警察が最優先に取り組むべき課題の一つと言える。

そこで、平成29年3月12日に施行される道路交通法の一部を改正する法律の高齢者講習にかかる改正内容と、今後、高齢社会の進展に伴い、更に高齢者講習の実施に困難が生じることが予想される中、県警察として、高齢者講習の円滑な実施に向けてどのように取り組んでいくのか、お伺いしたい。

2 道路使用許可のあり方について

道路は本来、人や車が通行する目的で作られたものであり、それ以外の目的で使用することは一般に禁止されているが、公益上または社会慣習上やむをえないものについては警察署長が必要な条件を付すなどして許可しており、たとえば道路工事や祭礼行事などは、この許可を得て道路を一時的に使用していると承知している。

ただ、私自身の経験をお話しすると、以前、街頭演説をするため、警察署に許可申請を提出した際、既に他の申請がなされていたため、その場所での申請を受理してもらえなかったことがある。

行政機関として、複数の申請者に対して、同一時間、同一場所の道路使用を許可することはできず、申請が複数あったときには、先に受理した案件を優先せざるを得ないことは理解できる。

しかし、道路使用許可の申請における事務手数料は、道路を使用する時間の長短に関わらず同額であると承知しており、一般の感覚からすると、「同じ金額なら、できるだけ長い時間を申請しよう」とならないかと思う。

そして、必要のない長時間の申請が出ると、他の申請者が許可を受ける機会が減り、ひいては、道路という公共の空間の使用に、不公平が生じているのではと懸念する。

このような状況を改善するため、たとえば1日を午前、午後、夜間など、時間で区分して、それぞれの時間帯ごとに事務手数料を徴収する方法はできないかと考える。

この手法をとることで、長時間の許可申請を抑制することができる。また、先に長時間の許可申請があったため、自らの申請を受理してもらえなかった場合でも、先に申請した者が時間相応の手数料を支払っているならば、納得せざるを得ないと思う。

今申し上げたのは、あくまで私個人が考えた解決案であるが、県警察においては、道路使用許可を適正に推進するため、どのように取り組んでいるのか当局の所見を伺う。

3 放置違反金の未収対策について

平成18年6月に改正道路交通法が施行され、駐車対策に係る現在の制度が始まってから、本年で10年が経過した。

この制度は、放置駐車違反をした車両について、運転者の責任を追及できない場合に、車両の使用者に放置違反金の納付を命ずる制度と、放置車両の確認等に関する事務を民間に委託する駐車監視員制度の2つの柱から成り立つものである。

また、放置違反金の納付義務の履行を効果的に担保する仕組みとして、放置違反金を納めない者に対する車検拒否制度が設けられているほか、放置違反金の納付命令を受けても車両の運行管理を改善せず、常習的に違反を繰り返すような車両の使用者については、その車両の使用が制限されるというペナルティも科すことができると承知している。

この制度が始まる前の平成17年と平成27年を比較すると、駐車車両が関係する人身事故の件数が約8割、駐車関連の110番件数が約4割減少しておりますことから、違法駐車の防止に一定の効果があったものと考える。

しかし一方、放置違反金の中には、車両の使用者が転居により所在が掴めない、個人間の転売などによって違反当時の使用者が判明しないなどの理由により未収となっているものがある。

本制度の導入から平成27年度末までの累計でみると、収納件数が約79万

4,000件、金額にして約118億4,000万円である一方、収入未済件数については約1万5,000件、金額にすると約2億2,000万円となっており、収入未済率は金額で全国のワースト10位となっている。

また、滞納者の中には、支払い能力があるにもかかわらず納付をしない悪質な者もいるとも聞いている。

このような未納者を放置すると、制度に対する不公平感が生まれ、駐車秩序を維持する上で、悪影響があるのではないかと危惧している。

そこで、県警察における未収金の縮減に向けた取組について伺う。