議会の動き

越田 謙治郎議員が質問(企業庁)を実施

ひょうご県民連合 越田委員  10月18日(火)

■平成27年度企業庁

1 青野運動公苑事業の目的について( 総務課 )

昨年度、企業庁県では、青野運動公苑のリニューアルに向けて7億円の投資を行いました。

リニューアル後の新しい運営スキームでは、10年契約で、事業者から年間年平均3,500万円の納付金を得ることになっており、最終的には納付した総額から維持改善補修費等の運営費を支払った残額を県に納付するということになっています。

しかし、年額3,500万円の中から、60万円以上の修繕に関する費用を賄っていくとなると、たとえ上積みの契約があるとはいえ、収支見通しは厳しいのではないか、企業庁としてのメリットは本当にあるのかと考えます。

そもそもなぜ、このような契約内容になったかといえば、運営公募が一度不調に終わっており、このくらいの良い条件を出さないと受託先が見つけられないような案件であったということです。とは言え、過去に100億円以上の損失がある中、今回のような条件での契約に基づいた事業運営を行っていては、さらに傷口を広げることになるのではないかと懸念しています。

そこで、企業庁としては、青野運動公苑事業の目的は何だと考え、その目的を達成できる見込みについてどのような見解をお持ちなのか伺います。

2 地域整備事業について

(1)事業別の採算と評価について ( 総務課、立地推進課 )

平成28年2月定例会で地元市の協力を前提に、小野市において産業団地の整備に取り組む方針が示されました。大口の工業団地がないということは、企業誘致の機会を失うということでもあり、県の産業誘致にかける思いは理解いたします。

実際に、群馬県は企業誘致件数上位の常連でしたが、今年上期は11位に後退。その理由はそもそも大口の工業団地の在庫減少が影響したと報道されているように、団地を整備する必要性は感じます。

ただ、現在進度調整地という名称の「不良資産」を抱えている企業庁の現状を考えると、新たに事業をスタートする際には、過去の地域整備事業をどのように評価しているのか、何が課題なのかを明らかにしなければならないと考えます。

特に、長期にわたる地域整備事業に関しては、1年1年の決算だけでは成果が見えません。長期にわたるこれらの事業について、播磨地域、淡路地域はどのような事業収支になっているのでしょうか? また、多くの未分譲地のある播磨科学公園都市、淡路津名地区の産業用地について、計画や見込みと何が違って、現状に至ったのか企業庁としての見解をお伺いします。

(2)播磨科学公園都市の整備目的について( 地域整備課 )

播磨科学公園都市については、当初先端技術等を活用したものづくり産業の集積を図り、新たな研究拠点の形成などを見込んでいたものの、残念ながら依然として進度調整地を抱えるなど、満足できる現状にはなっていません。

しかし、平成27年度には交流人口の拡大を目指し、サッカー場の整備に向けた調査費が計上されるなど、当初見込んでいたものと異なる新たな目的で町づくりが行われようとしているように思えます。本来、都市とは何かを実現するための手段であるはずですが、この場合、手段が目的化している印象を受けます。あらためてどのような目的で播磨科学公園都市の整備を行うのか、企業庁の見解を求めます。

(3)小野市産業団地における収支と成果目標について( 地域整備課 )

小野市の産業団地整備は、小野市の17億円の負担、企業庁が67億円の整備費をねん出、100%販売ができた場合は、72億円で収入見込みであるとのことです。成功を心からお祈りいたします。ただ、単に収入だけが目当てなのであれば、民間企業に任せればよいのであって企業庁が関与する必要はありません。企業庁として、この産業団地建設にかかわる具体的な成果目標をどのように設定しているのでしょうか、見解をお聞かせください。

3 県水への切り替え促進について( 水道課 )

企業庁の皆様の経営努力により、平成27年度中に料金改定が行われ、平成28年に大幅な料金値下げが行われました。ただ、県の水道事業の今後を見据えたときに、改めて県と市町の関係における課題を整理しなければならないと考えます。

その課題とは計画給水量と申込水量とのギャップです。計画水量は22市町と1水道企業団に給水されていますが、一日の計画給水量は480,400立方メートルですが、平成27年度の申込水量は、計画給水量の84%となる404,130立方メートルとなっています。

計画水量を100%受水しているのは7市、80%以上の受水団体は6市となっていますが、一方で、50%を切る団体も4団体あります。県水以外の水源がある自治体や人口見込みが当初と異なった自治体等その理由は様々ですが、計画給水量に基づいて設備を整備してきたことを考えると、計画給水量を受水していただける取り組みをしなければなりません。

県も2部料金制を採用し、一定の誘導策をしていただいていますが、正直ほとんど効果がありません。まして、今後人口減少を迎える中、水需要の増加は見込めませんが、平成21年度から60年度までの40年間に施設の更新等で約2,100億円の財源が必要であることを考えると、さらに県水への切り替えを促進することが求められます。県の取り組みと今後の方針についてお伺いします。