議会の動き

石井 健一郎議員が質問(財政状況)を実施

質問日:平成29年10月6日

質問者:石井 健一郎 委員

1 県及び公社等の積極的な資金運用について

県及び公社等の資金運用については、平成25年に県が策定した「兵庫県及び関連公社等資金運用指針」に基づき、より一層の運用効率性と安全性の向上を目指す取組が行われています。

その結果、同指針の運用対象とならないリスクが高いと考えられる金融商品による資金運用は減少し、公社等の資金運用業務の透明性が向上したことは、学識者や格付機関の有識者、公認会計士等で構成する「兵庫県資金管理委員会」においても一定の評価がなされているところです。

もちろん、安全性に留意した資金運用がなされることが大前提ではありますが、現在の超低金利環境が長期化している状況を踏まえますと、中長期的には運用資産が減少し、事業の実施に支障が生じる恐れもあります。

県の健全な財政運営、公社等の安定的な経営を継続するためには、より有利な資金運用のあり方について検討すべきと考えますが、見解をお伺いします。

また、資金運用にあたっては、「兵庫県資金管理委員会」の指導、助言を受けていますが、資金運用を担当する県や公社等の職員は、専門職ではなく、異動もありますので、ノウハウが継承されるのかといった懸念もあります。

私としては、例えば適切な資金運用を提案するアドバイザーを県に設置すること等を検討してもいいのではないかと考えますが、あわせて見解をお伺いします。

2 先行取得用地の地元市町における利活用について

県では、ゴルフ場の乱開発防止をはじめ、さまざまな理由から土地の先行取得を行ってきましたが、先行取得用地の中には、地元市町の強い意向を受けて取得したにもかかわらず、社会経済状況の変化によって利活用が困難となっているものがあります。

私は、平成28年度予算特別委員会において、こうした地元市町の要望で県が先行取得した土地については、地元市町にも何らかの負担を求めていく必要があるのではないかと質問をしました。

その際、第3次行革プランの総点検に取り組む中で、こうした先行取得用地については、地元市町と十分に協議を行い、利活用方策の検討を進めるとの答弁をいただいたところです。

そこで、地元市町と土地の利活用に向けた協議が進められているのか、その状況についてお伺いします。

3 超過課税活用事業の理解促進について

法人県民税法人税割の超過課税は、現在の9期目の事業において、充当事業の重点化を図りつつ、勤労者の仕事と生活の調和を推進するという観点から、勤労者の能力向上と労働環境の整備への支援や子育てと仕事の両立支援、子育て世代への支援に充てられているところです。

しかしながら、今までのCSR事業と違い、9期目の事業が超過課税から拠出されているという感覚があまりないのではないでしょうか。

企業の立場からみると、地域貢献しているという実感に乏しいのではないかと思います。これからも超過課税を活用した事業を推進していくならば、少し工夫が必要ではないかと考えます。

また、県民税均等割の超過課税である県民緑税は、企業はもとより一般の県民からも徴収している税金です。これにより、災害に強い森づくりや都市緑化において成果を上げていますが、これも県民からその成果が見えにくくなっています。

県民緑税を活用した事業が広く認識されるよう、例えばより多くの人口を抱える都市部での緑化事業を一層推進すること等により、県民緑税の見える化を図る等の工夫が必要ではないでしょうか。

いずれにしても、課税自主権を活用した超過課税は、その事業に対し、企業や県民の理解を深めることにより安定した事業継続につながっていくと思います。税を納めていただく企業や県民への理解促進への取組について当局の見解をお伺いします。

4 課税自主権の活用について

平成12年4月の地方分権一括法による地方税法の改正により、法定外普通税について許可制から協議制に改められるとともに、新たに法定外目的税の創設が可能となったことから、産業廃棄物税や宿泊税などが創設されたところです。

兵庫県では、県民税均等割超過課税として、先程質問いたしました「県民緑税」を平成18年度に創設し、最終2カ年行財政構造改革推進方策でも自主財源を確保する手段として「法定外税等の導入の可能性を検討する」とされています。

一方で、県税の平成28年度決算額は27年度決算額を若干下回る見込みであるほか、平成29年度の県税収入は当初予算計上額の確保が厳しいことが見込まれ、臨時財政対策債を含む普通交付税総額も当初予算額を下回っているなど、本県の財政は引き続き厳しい状況にあります。

これらを踏まえると、自主財源を確保するためには、課税自主権のさらなる活用に向けた取組を進めるべきと考えますが、当局のご所見をお伺いします。