平成30年度予算特別委員会<総括審査>
質問日:平成30年3月15日
質問者:前田 ともき 委員
1 予算編成の改善について
常任委員会や予算・決算特別委員会でこれまで様々な事業の議論を行ってきました。
しかし、評価に必要な資料が1回で提出されたことはありません。投資家として、様々な業種・規模の事業評価を行ってきましたが、必要な情報がこれほど乏しい状況はありません。資料にはPDCAやKPIなどそれらしい言葉は踊っていますが、実態を調べるとどう判断して予算化につながっているのか疑問に思います。
まずは原課の自己評価、事務事業評価資料の中身を見ても、KPIの設定や総コストの定義などこれでいいのか疑念が残ります。例えば、クラウドファンディングは「低コストで資金調達」と記載がありましたが、いろいろ調べると実質的な金利は20%。企業にとって有利な資金調達であれば、メザニンローンで5年数ヶ月の一括返済、金利0%の事業を使う方がいいのではないでしょうか。
国は、フルコスト情報開示の取組みをしています。例えば入国時の検疫1人あたりのコストを算出しています。しかも、コストの定義は、土地建物や減価償却費、退職金引当金も含んだ数字で実態に近いものです。なお、県の事務事業評価資料上のコストは、人件費と事業費で先ほどの減価償却等は含まれていません。
また、財政部局による全体最適・部局横断・客観的な視点によるスクリーニングが必要ではないでしょうか。例えば、SOSキャッチ事業は同じ役割の♯9110への機能集約を部局別審査で提言しました。役割が重複し、5年で相談件数が半減している事業を存続する必要性・合理性はどこにあるのでしょうか。
県も様々な相談事業、民間で言うコールセンターを運営しています。相談1件あたりのコストを各事業で算出して、比べてみてはどうでしょう。大きな違いに驚くでしょう。ちなみにSOSキャッチは1件あたりの相談コストが8万円。小児救急医療相談は800円台、100倍近い差です。部局審査のその数倍は電話しているとの説明に対し、数倍ではなく数十倍レベルで足りないと申し上げた趣旨はこういうことです。相談人員の多能工化を図り、人員の共有化も必要です。
当然、知事や各部長は業務多忙で制約条件の中で、最良な判断を下す必要があります。従って、予算化に向け、的確に判断できる資料やデータのもと、原課による立案と自己評価、財政部局によるスクリーニングを経ていく必要があります。
井戸知事は自治省時代に中央で、政府で様々な事業の立案にも携わったと思います。そのような経験を踏まえて、予算編成にあたりどのように課題を分析し、予算化の必要性を判断されているのでしょうか。立案プロセス改善についての知事の考えを伺います。
2 課税捕捉率の強化と適正納税を推進する仕組みについて
社会保険料の増加や各種控除の減少など、年収に対する手取り額はどんどん減少しています。例えば、年収700万円の会社員は、15年間で手取りは587万円から537万円に減少しています。世界的な国民負担率を考えると、このトレンドはある種仕方ない側面があります。
しかし一方で、納税者の納得感がこれまで以上に求められます。いわゆるクロヨンの放置は、納税者の納得感を著しく毀損します。従って、県・市町は税の捕捉率を向上させる仕組みを税務署と連携し構築していくべきではないでしょうか。
例えば、キャバクラなどの性・風俗産業等は、他の業界に比べて、営業の許可や届出制度がゆるいと考えます。建設業であれば、許可は更新性であり、申請時には納税証明書の提出まで求められます。提出がなければ、許可の更新は認められません。
一方で、性風俗営業は変更事項がない限り、更新手続は存在せず、納税証明書も必要ありません。法律改正が必要ですが、例えば1年更新に変更し、新規は税務署向け開業届けを、更新は確定申告書や納税証明書、従業員への報酬支払書の添付、マイナンバーの活用などで、事業者はもちろん従業員の捕捉率を向上させることが可能です。
納税不正率が高いその他業界も同様ですし、民泊などCtoCの所得捕捉も地方自治体で何かできないでしょうか。また、部局別審査ではコンテナ倉庫の建築確認について議論しました。これも、建築確認しなければ、固定資産税の捕捉・徴収が難しいのではないでしょうか。事前の議論では、固定資産税は管轄外とお話しされましたが、その意識改革こそが、この質問の核心部分といえます。
さらに、税の未払いによる徴収コストも増加しています。1件徴収するのに相応の費用がかかっていますが、徴収コストは未払い者に請求すべき金額です。これらを可能にする法改正も国に求めていく必要性はないでしょうか。
そこで、県の有する情報や許認可・届出などを活用した課税捕捉率向上の取組みの現状と対策について伺います。また、県として、市町、警察や税務署との情報連携による徴税・捕捉率向上に向けた取組みについて伺います。
3 公的不動産(PRE)の活用について
国交省の推計によると、日本の不動産約2400兆円のうち、地方公共団体は約420兆円を保有しています。これまでの活用論は未利用地をどうするか、稼働率をどうするかというもの。
昨年策定の、最終2カ年行革プランでは、職員公舎の場合、平均入居率 50%未満は見直す、ですが50%は低すぎではないでしょうか。加えて、部局別審査でも指摘した、東京職員公舎の場合、入居率は90%近い数値で一見よく見えます。
しかし、土地の容積率・建蔽率は法定上限の数分の1しか使っていません。売却する場合、道路幅が狭く、幹線道路沿いと比較すると土地の値段が安値になるとの話も頂きました。しかしながら、不動産の活用とは、数年単位で隣接地を買い進め、土地の形を綺麗にして、道路付けをよくして役所と交渉し、容積・建蔽率上乗せを狙い、不動産の価値向上を図ることです。そこまでやりきって、「有効活用」と呼びます。自力で無理なら、単純売却や等価交換で民間に任せるべきでないでしょうか。
仮に民間に任せる場合も工夫が必要です。土地活用は、事業検討から公募までの全てを内部検討すると、アイデア不足や市場と乖離した公募条件となり、事業者の参入不足や事業の失敗に至るケースがあります。案件の内容や公募条件の決定前に民間事業者から広く意見や提案を求め、条件設定を行う、対話型市場調査も必要ではないでしょうか。また、魅力アップという観点では、今定例会の代表質問で石井健一郎議員が指摘したPark-PFIの積極的な活用も求められます。
更に、県営住宅は直接建設だけでなく、民間空家を借り上げる手法、準公営住宅も積極的に活用すべきです。目標管理戸数48000戸のうち、これら手法や土地価格が高い県営住宅は売却し、安価な地域に設置するリバランスも必要ではないでしょうか。
最後に、一般的な定期借地権や民間施設との合築・併設はもちろん、不動産保有にこだわらない、証券化も検討を始めるべきです。アメリカでは政府系施設に特化したREITが2500億円規模で組成されており、長期の施設利用の低減リスクをヘッジしています。国交省は今年度PRE証券化ガイドの作成を予定し、県も勉強会を昨年度実施していますが、参加メンバーを見ると、土地を所管する全ての部署は参加しているでしょうか、市町への呼びかけももっとすべきです。
兵庫県が保有する土地・建物の利用効率や県民サービスの高度化、土地・建物の保有に限らない様々なスキームの検討などについて、見解を伺います。
4 次期「ひょうご経済・雇用活性化プラン」について
(1)規制改革の推進について
来年度から新たなひょうご経済雇用・活性化プランの改定を進めると伺いました。現行プランにはおよそ必要な事項は網羅されていますが、重視すべき点を提言します。
まずは、昨年の代表質問でも指摘した規制改革の推進です。現行プランは、特区・国の規制緩和を活用、とあります。しかし、国の規制だけでなく、県・市町の規制も問題だと指摘しました。
今回の部局別審査でも実態に合わない規制への指摘が相次ぎました。
私からは、コンテナ・トランクルームなどの収納サービスについて、新たな土地利活用、税収確保、県民サービスの向上のために建築基準、都市計画の規制改革の必要性を指摘。また、上野委員からは無届け有料老人ホームへの対応。更に、いそみ委員からはスナックの接待基準についての指摘がありました。その通りだと思います。キャバクラが夜1時以降も繁華街で営業して何が悪いのでしょうか。
具体的な規制は市町で設けることも多いですが、規制改革の必要性などは単独市町での検討は難しく、県が調査・研究し、ガイドラインを示すべきでないでしょうか。
4月設置予定の兵庫県規制改革推進会議の案を拝見すると、規制の支障事例を市町等から収集するとありますが、何かの間違いではないでしょうか。私が求めるのは、年に数回のレク中心の会議ではありません。月1ペースで実務家・市町・企業などから規制改革のプレゼンを受けるといった、利用者・外部を巻き込む、オープンイノベーションが必要です。それくらいしなければ、実態に即した規制改革案は生まれません。兵庫県版規制改革推進会議の実効性確保に向けた取組みについて伺います。
(2)次期プランの改定方針について
次期プランの改定で重視すべき柱、まずは、企業誘致です。現状の補助金中心の支援から、支援体制で優位性を発揮させる仕組みを考えるべきです。
例えば、神戸医療産業都市と病院局が連携して、次世代医療基盤法のフル活用を打ち出します。同法では、医療分野の研究開発のために個人データを匿名処理して利活用できますが、例えば県が保有する医療情報の積極開放を打ち出す。
また、既にアプリで初めて保険適用された医師間の情報共有アプリJoinや臨床試験中の禁煙アプリなど医療ICTが進んでいます。このような開発は、病院・医師の積極的な協力が必要ですが、企業にとって開拓する労力は大きなハードルとなります。その協力体制を構築するだけで企業立地の十分なインセンティブになります。そこにひょうご新産業創造ファンドで投資、神戸市のアクセラレータープログラムの活用もありです。
次に対日投資の強化。国目標である2020 年の倍増を超えるチャレンジが必要です。インバウンド誘致に取り組む韓国の旅行会社ハナツアーの日本法人が昨年上場しましたが、インバウンドには、外国系企業の誘致が手っ取り早いのかもしれません。
カプコン創業者の辻本氏はナパバレーでワイナリーを起業し、ボトルは1本1万円から、国際コンクールで金賞の受賞など成功しています。日本の酒蔵でこのような外国人の成功例は出せないものでしょうか。
外国人に対する起業支援や事業承継もどんどん進めていきたいが、外国・外資系企業誘致策にはあまり利用されていないものもあり、改善すべきです。また、兵庫県は多くの海外拠点を有していますが、今後も維持するならば、外国系企業の誘致に重点をおき、ジェトロだけでなく情報を有する外国銀行などと連携を行うべきです。
最後は豊富な人材供給を打ち出すことです。特にICT人材。経済産業省は現在でも17万人不足、2030年には79万人不足と予想しています。介護人材の不足も指摘されますが、2025年で38万人ですから、実はICT人材の供給不足の方が強いのです。
2020年に初等教育でプログラミング必修が始まりますが、次の県立高校や大学での整備は大丈夫でしょうか。県立大学なら、中途半端な偏差値の文理融合コースより、ICTに振り切ったコース設定が求められます。AIを謳うなら東大の松尾研究室に対抗できるスター研究者を採用すべきです。今後の企業誘致はどのような人材を採用できるのかがポイントになるのではないでしょうか。
そこで、次期活性化プランの改定方針を伺うとともに、指摘した諸課題の現状認識と改善策について伺います。
5 世界日本酒博覧会~SAKE summit in HYOGO~の開催について
ここで、兵庫に大量の観光客を呼び込み、世界に名を馳せるアイデアを提案します。それが、世界日本酒博覧会(sake summit in HYOGO)です。これは、日本全国から酒を集め、10日で50万人を集客する、試飲会・即売会。
その必要性を3点述べます。1点目は、観光資源の開発。世界には色々なイベント・祭があり、十分な観光資源になります。阿波踊りは集客120万人、音楽イベントではアメリカのサマーフェストが100万人。お酒で日本最大は広島西条市の酒まつりで20万人。幸い、人が飲める量には限界があるので、全てを飲むには宿泊して次の日も、となります。宿泊、購買と大きな消費額が期待できます。
なお、世界最大の祭でもある、ビールの祭典オクトーバーフェストは年間600万人。ビールにできて、日本酒にできないわけがありません。
2点目は、日本酒の聖地化。日本人には酒の産地といえば、伏見・西条・灘。生産量や山田錦の影響で兵庫県のイメージは強いと考えますが、外国人にはその認識は薄いでしょう。日本酒の輸出量は右肩上がりなので、今のうちに日本酒=兵庫県というイメージを強化し、販売増・単価増につなげる必要があります。
それには、生産量以外の日本酒と兵庫を結びつけるシンボリックな何か、大量の人が楽しく酒を飲むフォトジェニックな素材が欲しいのです。それが、このイベント。当然、酒蔵ツーリズムにもつなげます。ワイン生産では新興国のアメリカはナパバレーだけで約300万人を集めますが、世界一の産地「兵庫」はそれを凌駕して当然です。
3点目はIWC誘致。IWCの開催を兵庫県に固定化させるには補助金や営業だけではなく、IWC側が兵庫県で開催したいと思わせる何かが必要です。それがこのイベント。前回のような、クローズドな審査会と兵庫県産限定の小さな試飲会では話になりません。生産量世界一HYOGO、日本酒イベント世界一HYOGO、そんな兵庫でこそIWC開催というストーリーにつながるのです。
こういったものは2位ではダメです。1位、しかもダントツ1位を目指さなければなりません。したがって、兵庫県が主導して、世界日本酒博覧会~SAKE summit in HYOGO~を開催すべきと考えますが、ご所見を伺います。
6 多様で身近で低コストなスポーツ・運動環境の整備について
昨年、国のスポーツ基本計画が策定されました。そこに、自治体スポーツ推進計画の改定を、とありますので、重視すべき点を提案し、改定について伺います。
やはり重視したいのが「するスポーツ」。健康寿命の延伸と医療費削減という実利的な側面もあるため、週1・3運動実施率の大幅な増加が必要です。
そのためにも、多様で身近で低コストなスポーツ環境の整備が何より求められます。
一つは、学校・公園のスポーツ環境としての再整備です。
スポーツ基本法第13 条では、「学校教育法は学校のスポーツ施設を一般のスポーツの利用に供するよう努めなければならない」規定を引用し、地域住民が運動で利用する施設は、学校施設の開放による対応を積極的に図っていくことが望ましいとされています。しかし、現行の単なる開放実施率ではなく、日数・時間、対象設備、情報発信など開放の質にも目を向ける必要があります。加えて、社会体育施設への転用や、利用料金等の運用の在り方も検討すべきです。
また、公園にはブランコ、滑り台、砂場の3種の神器があり、子供向けに最適化されています。海外では公園に筋トレ器具が設置され、大人の利用を目にする機会がありますが、年齢分布を考えると、大人向け設備も必要で、市町支援も検討課題ではないでしょうか。
そして、民間スポーツ施設の誘致が必要です。公共施設は自発的に運動する人が中心となりますが、重要なのは受け身な人、興味のない人。民間は積極的な宣伝とインストラクターの存在でそこを補完します。例えば、女性専用のカーブスは1回30分の簡単フィットネスで拡大し、80万人の会員を獲得しています。立地はスーパーの近く、運動を応援するインストラクターがウケているそうです。
現状では、スポーツ施設は学校・公共が9割以上を占め、民間は7%前後。公共スポーツ施設や総合型地域スポーツクラブだけでは賄えない消費者ニーズを補完し、スポーツ実施率を大幅に向上させるには、独自の支援策で民間スポーツ施設の誘致が必要ではないでしょうか。最後に、見る・支えるスポーツで一言。平昌オリンピックでは大きな感動をいただきましたが、選手の活動費用の不足を目にしました。東京オリンピック・パラリンピックに出場する、兵庫県出身の個別選手支援にふるさと納税を活用してはどうでしょうか。
そこで、提案したことを踏まえて、兵庫県スポーツ推進計画の改定に向けた考えを伺うとともに、多様で身近で低コストなスポーツ環境の整備に向けた取組みについて伺います。
7 これまで取り組まれていない対策に焦点をあてた「がん対策」について
平成27年、厚労省は「これまで取り組まれていない対策に焦点を」と題し、「1持続可能ながん対策」、「2がん患者が尊厳を持った生き方を選択できる。」、「3小児・AYA世代・高齢期などライフステージに応じたがん対策」をあげました。部局別審査では、AYA世代の妊孕性温存について質問をしましたが、それ以外にも就労支援・職場の理解促進などが求められます。また、医療費助成は20歳まで、介護保険は40歳から、と給付を受けられない世代がこのAYA世代です。横浜市は、20歳以上40歳未満で訪問介護や福祉用具の貸与経費の9割を助成していますが、この経済支援の薄さをどう対応していくのかも重要な課題です。
また、県がん対策の「適切な医療を受けられる環境の整備」では、がん治療に対する情報不足も課題です。妻は治験に参加し、ラジオ波や塞栓術を行いました。どれも医師の技量によって手術が可能か不可能かの判断が別れる状態でしたが、たまたま、彼女は知人や医師からの情報提供で存在を知り、治療を行うことができました。
しかし、情報に受け身であればもっと短い命だったと思います。彼女のブログには標準治療を終えた多くの患者から、治療の情報提供を求めるメッセージが寄せられていました。「これ以上、できる治療はありません。」という医師の言葉。事実であるものの、患者は心に大きなダメージを受けます。
そんな時に治療できるわずかなチャンス、例えば、治験に参加できれば希望になりますし、被験者不足に悩む製薬業界、ひいては医薬品開発のスピードアップとなり、全ての人により良質な医療を届ける手助けとなりえます。どこの病院でどのレベルの医療が受けられるか、治験はどのサイトがわかりやすいか。そんな小さな情報提供も患者には力になります。
最後に、精神疾患や認知症、視覚・身体など障害を抱えるがん患者への支援・対応です。検診や支援メニューが視覚障害者の方に提供されているのでしょうか。通院へのサポートはどうすればいいのか。認知症の場合、適切に服薬しているのか。様々な細かい、でも大事な問題があります。
国としても問題意識、課題の積み残しがあるこれらがん対策。
今月、兵庫県のがん対策計画が策定されましたが、患者の声・医療現場の声を拾い上げ、より効果的な施策を実現するための考えをお聞かせください。
8 兵庫県の道路のあり方について
道路は作ると50年以上は最低利用するわけで、超長期の人口動態、交通需要、自動運転や隊列走行など技術開発による道路利用の効率化と需要の変化を見据えながら計画と整備を行う必要があります。
まず大切なのは、今ある道路を活かす視点。特に民間負担型を含めたスマートICの整備です。
日本は世界の中でもIC間の距離が長く、中でも兵庫県は平均間隔が12キロ。近畿圏は平均9キロであるため兵庫は最長となっています。民間負担によるスマートIC整備が可能となり、昨年第一号が三重県で整備認定がなされました。
国交省が自治体を通じて民間企業に無利子融資する制度も始まりますが、公益性があると県が判断した場合はさらなる支援も検討してはどうかと考えます。市町が実務上の申請業務を行うものですが、県が企画・立案・企業との折衝を主導すべきでないでしょうか。眠っていた土地の復活につながるかもしれません。
また、維持修繕に必要な財源の確保策では、論点として道路を廃止する選択肢も必要ではないでしょうか。20年後にはほとんど利用されないと考えられる道路は、舗装のレベルを落とす判断も必要があるのではないでしょうか。
約50カ国を旅して思うのが海外の舗装の悪さ。逆に言うと、日本はどんなところでも異常に綺麗。整備されすぎている側面もあるのではないでしょうか。もちろん、この舗装はタダではありません。計画保全がトータルコストを下げることは理解するものの、利用の程度や将来予測を踏まえて、舗装レベルにメリハリをつける判断が必要ではないでしょうか。
加えて、都市計画決定後長期未着手となっている道路をどうするのか。区域内での建築等が制限されている状況を忘れてはいけません。
最後に、技術開発を見据えた計画。関西国際空港を神戸市が拒否したのは、飛行機の技術開発のロードマップ、静音性向上を見極められなかったことも要因の一つではないでしょうか。
トラックの新東名高速道路での後続無人隊列走行は2020年を目指しています。時速80キロでは80メートルの車間距離が隊列走行なら車間4メートル。当然、道路の高度利用は進み、渋滞の緩和につながるし、夜間利用も進むでしょう。そのような中で、今ある渋滞だけに目を向けて、50年以上の超長期投資を実行すべきかどうか。技術開発に伴う、交通需要への詳細な分析が求められます。
これら指摘を踏まえた道路のあり方や高度利用・管理をどのように図っていくのか、ご所見を伺います。