議会の動き

栗山 雅史議員が質問(企業庁)を実施

令和元年度決算特別委員会 質問要旨(企業庁)

質問日:令和2年10月15日(木)

質問者:栗山 雅史 委員

1 水道用水供給事業について

(1)県営水道への転換について

令和元年度の決算額は、営業収益が138億4763万円、営業費用が116億2170万円で、営業利益は22億2593万円となり、経常利益は28億7770万円で、前年度に比して経常利益は減少したもの、概ね良好な経営状態が継続されていると認識しています。しかしながら、今後の人口減少社会での水需要の減少を鑑みると、水道用水事業を健全かつ継続的に経営していくには、県内市町へのさらなる県営水道への転換や、県営水道の受水率の向上などの取組みが必要となってきます。

そんな中、三田市などからは人口減少に加え、節水機器の普及や節水意識の高まりなどにより水需要が減少しているため、県水受水量を削減して欲しいとの要望もあります。また、県水受水団体からは、責任水量制についての是非や、計画給水量に対する申込水量が市町等によって20%台~100%とばらつきがあることなど、様々な立場からの意見が寄せられています。このような課題にもしっかりと対応していかざるを得ません。

そんな中ではありますが、健全経営を続けていくためには先ほど申し上げた県営水道への転換や、受水率の向上などの取組みが必要となってきます。県水依存率は、合計で18.4%となっています。市町の浄水場の廃止等を契機に、もっと上げていきたいところです。

次に、県営水道への転換ですが、いただいた資料によりますと、平均的な家計消費、月20㎥使用の場合で試算したものですが、県下の市町や事業団の水道料金は、県営水道よりも高いケースが見受けられます。本当にそうであるならば、受水している22市町1企業団以外でも、県営水道への転換の可能性はあるのではないでしょうか。

そこでお尋ねします。県営水道への転換の可能性、そして県水受水率の向上に向けた取組みについてと、市町等からの要望にどう応えていくのか、ご所見をお伺いします。

(2)水道料金について

次に、水道料金についてです。現在は、二部料金制をとっており、令和2年度~5年度の平均供給単価は1㎥120円とされています。二部料金制を採用された平成12年度からは、概ね4年ごとの料金算定期間の収支見込みに基づいて料金を見直し、再設定されていまして、当初の155円から徐々に料金は安価になっています。その経過については、現場の皆さんのご努力に感謝するものですが、兵庫県の県営水道は比較的後発にスタートしたことで、企業債の返還や減価償却費等がまだ大きいことから、全国の府県営水道21団体で、2番目に高い料金設定となっています。一番安いところで44円と、その差はかなり大きいです。

水道用水事業の現在の財務状態から考えますと、急激に料金を下げることは難しいことが予想されますが、今後の経営努力によって、まずは全国平均並みの水道料金を目指していってほしいと思います。平均は91.33円です。そして、その結果、県下の市町の受水が増加するという可能性もあると考えられます。

今後の水道料金についての見通しについて、ご所見をお伺いします。

(3)水道水のボトル販売について

最後に、水道水のボトル販売について、つまりは水道水をペットボトルに詰めての販売の可能性について、提案を含めた質問をいたします。

現代は、ボトリングされた水を買うのが普通になってきました。私も、水を飲むならペットボトルのミネラルウォーターをと、わざわざ購入してしまいます。それは、一時期の水道水に対するイメージ、つまりはトリハロメタンが入っているとか、カルキ臭いとか、そういった水道水に対するあまり良くないイメージが残っているからだと思います。しかし、最近の水道水は安全で、成分的にも全く問題ないとされておりまして、水道水でお酒を造っているところもありますし、昔の水道水に対するイメージを払拭しようと、全国の水道事業者が水道水を詰めたボトルをPRしたり、積極的に販売もしています。

例えば、東京都水道局では「東京水」として500ml、103円で売られています。他には横浜市水道局で「はまっ子どうし The Water」、さいたま市水道局の「さいたまの水」など、全国各地で水道水のPR、販売を行っています。大阪広域水道事業団では水道水のPRのために、タリーズコーヒージャパンと連携し、安全でおいしく、コストパフォーマンスに優れた水道水の良さを再発見してもらうイベントなどを実施しています。

水道水なら500mlでいくらでしょうか。県営水道が1㎥120円ですから、1㎥は1000リットルで1,000,000ml。500mlなら原価は1円どころか、1円の1万分の5です。分かりやすく言うと、120円で2000本分買えます。最低でもつくっている水の原価の2000倍の値段で、ペットボトルに入った水なら買ってくれるという不思議があります。これは行動経済学でという学問で、人間の行動の不思議を紐解いているようですが、ここでは割愛します。

つまりは、企業庁は水屋さんなのだから、もっと別のやり方で、水を売ってはどうですか?という提案を含めた質問です。既に企業庁さんはアルミボトル缶の保存飲料水を作られていますよね?あれはいかにも備蓄用って感じなので、売るんだったら、ペットボトルにしてもらって、飲みたくなるようなデザインのラベルを貼ってもらってね。で、ネーミングもですね、「兵庫県の保存飲料水 水!」ではなくて、例えばダムや浄水場の名前を付けたような「神出の水」とかだったら、どこの水かわからない人でも、名前が「神が出る」ですから美味しそうではないですか?

今後の人口減少社会と考えると、企業庁に新しい切り口、新しい水商売、新事業が必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。