質 問 者 向山 好一 委員(ひょうご県民連合)
1 神戸電鉄粟生線の存続問題について
神戸電鉄粟生線は乗降客数がピーク時の半分以下に激減し、赤字路線として累積赤字が120億円以上となり存続問題になっているのはご存じのとおりである。
それに対し兵庫県は、これまでもいろんな名目で支援を行い、平成24年度からは沿線自治体と連携し40億円の無利子融資による支援を行っているところである。
そのことに関連して3点質問する。
まず1点目は、兵庫県として神戸電鉄の経営状況をどう見ておられるのかということである。平成27年度の神戸電鉄全線の経常利益が3.8億円、行政支援を除いても
1.6億円程度の黒字となったとのことであるが、平成29年度以降も行政支援がなくても堅調に推移する状況にあるのか、今後とも厳しい状況に変わりがないと思われているのか、所見を伺う。
2点目は、来年度以降の支援スキームについて。
平成24年度から5年期限で行っている40億円の無利子融資による支援スキームが本年度末で終了する。つまり、あと数か月でこの支援を打ち切るのか、継続するのか、形態を変えて支援するのかを決めないといけない。現在の検討状況、内容、方向性なりを伺う。
3点目は、中長期的な視点に立った粟生線のあるべき姿について。
これまで活性化協議会で乗客増を図ったり、最近は形成計画検討部会やあり方勉強会を作って将来の姿を議論しておられるが、今なお全く方向性や持続可能なあり方が見えてこない。現在どのような議論がなされているのか、どのような方向性をもっておられるのか所見を伺う。
2 阪神高速道路の新料金について
阪神高速道路(株)は、来年度から新料金体系を導入しようとしている。さる9月13日、その基本方針(案)が国土交通省の社会資本整備審議会の「国土幹線道路部会」より発表され、それを踏まえた兵庫県料金案のたたき台が県土整備部より示された。
その料金案は、3月の部会に知事が出席して述べられた意見、つまり「名神高速道路料金+100円」による阪神高速道路の新料金に沿ったものであった。
その料金案による兵庫県試算によると、普通車ETC料金で、現行の距離に応じた下限510円~上限930円の階段状の料金が、下限500円~上限1400円となり、来年3月末に廃止される割引も含めた現行料金から比較すると、現在の通行実績から私なりに試算をすると約9割の通行車両で値上げになる。
その主な理由は、早期の整備が必要な大阪湾岸道路西伸部や淀川左岸線延伸部の建設費の利用者負担によるものとなっている。
私が昨年の一般質疑で訴えた現行2区分の料金体系が5区分となっていることは評価するが、その是正分を打ち消す内容にもなり、この「たたき台」は誠に残念としか言いようがない。
日本経済はデフレから脱却できず、県民所得も上がっていないどころか、数々の負担が増している現時点で実質値上げとなると、輸送業者はじめ県民・利用者の皆様に大きな影響を与え、県内の経済や雇用に悪影響を与えかねない。
これまで高速道路の新規建設路線建設費は、償還期間の延長や収支の改善によって対応する、いわゆる料金プール制が基本であった。なぜ、この時期にその考え方を変えてまで実質値上げになる新料金を敢えて地元から提案するのか。当局の所見を伺う。