20年12月定例会
■請願(主なもの)
<請願番号>
第25号
<件名>
選択的夫婦別姓の導入へ、一日も早い民法改正を求める意見書提出の件
<会派態度(委員会での議決結果)>
採択に賛成(不採択)
<会派としての考え方>
1 内閣府が2018年2月に公表した「家族の法制に関する世論調査」では、選択的夫婦別姓制度の導入に向けた法改正について、賛成が42.5%と反対の29.3%を上回る結果となっており、特に、60代以下は賛成が多数となるなど、1996年の調査開始以来賛成意見が最も高くなっている。
2 様々な意見があり、導入にあたっては十分な議論が必要と考えるが、内閣府の調査結果からも、導入に関する意識が変わってきていることに加え、女性が苗字を変えることが多い現実や、苗字が変わることによる手続の発生、結婚に対する障壁にもつながることから、請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。
<請願番号>
第26号
<件名>
日本政府に核兵器禁止条約に署名・批准を求める意見書提出の件
<会派態度(委員会での議決結果)>
継続に賛成(不採択)
<会派としての考え方>
1 2017年7月に核兵器禁止条約が採択されたが、核兵器国は交渉会議にも参加せず、特に、その一部の国々は共同で、条約に署名することも、批准することも、加入することも意図していない、という声明を出した。
2 我が国は、世界で唯一、核兵器による被爆国であり、二度とその悲劇を繰り返さないよう、核兵器のない世界の実現に向けて粘り強く努力を重ねていくことが日本の使命である。事実、我が国は2000年から継続して国連において核兵器廃絶決議を提出すなどの取組を行っている。
3 なかなか進まない核兵器禁止に向け、核兵器禁止条約に基づき、我が国が先頭に立って条約に否定的な核兵器保有国に働きかけるといったアプローチも探っていくことは有効な方策であると考える。
4 以上のことから、請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。
<請願番号>
第27号
<件名>
米軍基地負担軽減と日米地位協定の見直しを求める意見書提出の件
<会派態度(委員会での議決結果)>
継続に賛成(不採択)
<会派としての考え方>
1 日米地位協定は、1960年に締結されて以来、60年近く一度も改正されず、その間、2015年の環境補足協定、2017年の軍属補足協定といった法的拘束力のある補足協定が締結されたほかは、運用のあり方を在日米軍と調整する運用改善で対処されてきている。
2 しかし、2003年(平成15年)に兵庫県議会として提出した「日米地位協定の見直しを求める意見書」において指摘した、米軍人等による事件、事故、航空機による騒音・振動等諸問題に対して、現在までの間、根本的な改善には至っていない現状があることを鑑みると、国民の生命・財産と人権を守り、米軍基地に起因する諸問題の解決を促進するためには、日米地位協定の抜本的な見直しが必要だと思われる。
3 日米地位協定の改定や米軍基地負担の軽減を求める動きは、全国知事会及び全国都道府県議会議長会地方自治委員会が国に対して提言や要望を行っているほか、米軍提供施設等が所在する15都道府県で構成する渉外関係主要都道府県知事連絡協議会も「基地対策に関する要望書」を提出しており、基地が存在するか否かにかかわらず、自らの身に置き換えてこの問題に真摯に向き合おうとする姿勢を打ち出しており、むしろ基地のない本県であるからこそ、声を上げるべきと考える。
4 以上のことから、今回の請願の趣旨には賛同できるため、「採択」を主張する。
<請願番号>
第28号
<件名>
精神保健医療福祉の改善を求める意見書提出の件
<会派態度(委員会での議決結果)>
継続に賛成(採択)
<会派としての考え方>
1 精神障害者が、地域の中で自分らしく生活していくためには処遇改善など更なる支援が重要であると考える。
2 よって、本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。
<請願番号>
第29号
<件名>
精神保健医療福祉の改善を求める件
<会派態度(委員会での議決結果)>
継続に賛成(採択)
<会派としての考え方>
1 請願第28号と同趣旨のため、同様の理由により「採択」を主張する。
<請願番号>
第30号
<件名>
コロナ禍における福祉職場に関する件
<会派態度(委員会での議決結果)>
継続に賛成(不採択)
<会派としての考え方>
1 PCR検査については、県では現在一日あたり2,900件の処理能力を確保しており、社会福祉施設等の職員が発熱等の体調不良の場合には、陽性者の有無に関わらず、関係者に対して幅広く迅速かつ積極的な検査を実施する体制をとっている。
2 また、それぞれの施設ごとに国が「感染拡大防止ガイドライン」等を作成しており、それに基づき対応に取り組んでいただくようお願いをしている。施設整備については、感染防止のための環境整備を行った費用や、感染防止のために発生する追加的人件費など施設ごとにさまざまな補助メニューを設けている。
3 さらに、県は、感染症対策に一定の役割を果たした保健所、放課後児童クラブ等の児童福祉施設等への慰労金について、支給対象に加えるよう国へ要望しているところである。
4 以上のことから、一定の支援が行われているものと考えるが、一部について国の動向を注視する必要があることから、結論を出さず「継続審査」を主張する。
<請願番号>
第31号
<件名>
教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する件
<会派態度(委員会での議決結果)>
採択に賛成(不採択)
<会派としての考え方>
1 私立学校は、各々建学の精神に基づき特色ある教育を展開し、公立学校とともに公教育の一翼を担ってきたところであり、あらゆる生徒の就学機会を確保するためには、私立学校の維持発展が欠かせない。
2 現在、国では、私立学校の教育環境の維持向上や保護者の教育費負担の軽減及び学校経営の健全化の向上を図り、各学校の特色ある取組を支援するため、都道府県による経常費助成等に対し補助を行っている。
3 しかしながら、保護者の深刻な学費負担を軽減し、私立学校が新しい時代の要請に応えていくためには、私立学校への支援の一層の充実が求められる。また、コロナ禍においては、状況に応じた更なる支援が必要とされる。
4 よって、私立学校に対する支援の充実を求める本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。
<請願番号>
第32号
<件名>
全ての子供たちへ行き届いた教育を目指し、35人以下学級の前進、教育の無償化、教育条件の改善を求める件
<会派態度(委員会での議決結果)>
継続に賛成(不採択)
<会派としての考え方>
1 現在の学校現場の状況を見ると、子どもたちの基本的な生活習慣、規範意識、学習意欲・態度などに課題があり、いじめ等の問題、指導が困難な児童生徒や特別支援教育の対象となる児童生徒への対応など、子どもたち一人一人に目の行き届いた指導を行うことがより一層求められている。
2 文部科学省の調査では、小中高生の保護者の約8割が30人以下の学級規模を求めており、少人数学級を望んでいる。
3 我が国の教育環境は、個別の教育課題に対応するための教職員配置の充実により改善されてきているものの、1学級当たりの児童生徒数は国際的に見て依然低い水準である。
4 加えて、新型コロナウイルス感染症対策として生徒間の物理的距離を確保する必要があり、当面は新型コロナウイルスと共存していかざるを得ず、また、新たなウイルスの出現・感染拡大の可能性もある以上、これまでの学級編制では対応できないことが見込まれる。
5 一方、少人数学級の実施にあたり、相応の予算確保が必要となるが、新型コロナウイルス感染症対策では、臨時休業の長期化や段階的な学校再開を見据え、退職教員や教職課程の学生をはじめとする大学生等、幅広い人材を雇用し緊急的に追加配置し、子供たちを誰一人取り残すことなく最大限に学びを保証するため、318億円の令和2年度第2次補正予算案が可決されている。県としては、こうした国の動向を注視して判断する必要が一定程度ある。
6 さらに、学級の規模については、20人以下であると少なすぎると約半数の教員が感じたとする意識調査もあり、また、「社会性の育成」の観点からも「20人学級」が適正であるかどうか、十分な検証が必要であり、県として、こうした検証結果を注視して判断する必要がある。
7 その他の請願項目については、税収の大幅な減少に伴い、県の財政が一層逼迫することが予想される中でも、その実現に向け、県が取り組むべきであると考えられ、概ね趣旨に賛同する。
8 以上のことから、県としては、状況を注視して判断する必要があることが含まれることから、本請願については、「継続審査」を主張する。
<請願番号>
第33号
<件名>
コロナ禍の中で3密を避けるためにも小学校5年生・6年生・中学校の35人学級実現を求める件
<会派態度(委員会での議決結果)>
採択に賛成(不採択)
<会派としての考え方>
1 現在の学校現場の状況を見ると、子どもたちの基本的な生活習慣、規範意識、学習意欲・態度などに課題があり、いじめ等の問題、指導が困難な児童生徒や特別支援教育の対象となる児童生徒への対応など、子どもたち一人一人に目の行き届いた指導を行うことがより一層求められている。
2 文部科学省の調査では、小中高生の保護者の約8割が30人以下の学級規模を求めており、少人数学級を望んでいる。
3 我が国の教育環境は、個別の教育課題に対応するための教職員配置の充実により改善されてきているものの、1学級当たりの児童生徒数は国際的に見て依然低い水準である。
4 加えて、新型コロナウイルス感染症対策として生徒間の物理的距離を確保する必要があり、当面は新型コロナウイルスと共存していかざるを得ず、また、新たなウイルスの出現・感染拡大の可能性もある以上、これまでの学級編制では対応できないことが見込まれる。
5 以上のことから、県としては、一人一人の児童生徒に向き合う時間を十分確保するとともに、きめ細やかな指導が展開できるよう、また、感染症対策の観点からも義務教育における35人学級実現を推進する必要があること等から、本請願については、「採択」を主張する。
<意見書番号>
第55号
<件名>
教育予算の拡充を求める意見書
<会派態度(委員会での議決結果)>
賛成
<会派としての考え方>
これまで、子供たちに豊かな教育を保証すべく教育現場の改善はもとより、教育費の保護者負担を軽減し、誰もが等しく教育を受けることができるように様々な取組が行われてきた。
しかし今、新型コロナウイルス感染症の拡大が続くことで、企業・個人事業主らの事業縮小や倒産・廃業といったニュースがたびたび報道されるように、雇用情勢は悪化し先を見通せない社会状況となっている。
このような状況下にあっても、子供たちに教育の水準・機会均等を保証することは何よりも重要であり、いまだ新型コロナウイルス感染症の収束が見通せないことも踏まえ、保護者の就労や所得に関わりなく子供たちが安心して教育を受けられるよう、教育予算を一層拡充するとともに制度を充実することが求められている。
よって、国におかれては、下記事項に取り組まれるよう強く要望する。
記
1 高等学校等就学支援金制度の所得制限を一層緩和するとともに、新型コロナウイルス感染症の影響による家計急変など経済的な理由により就・修学を断念することのないよう、奨学給付金制度、入学支援金制度の創設を行うこと。
2 就学援助については、自治体間格差を是正するため十分な財政確保を行うこと。