第369回(令和6年12月)定例会 代表質問
質 問 日:令和6年12月6日(金)
質 問 者:小西 ひろのり 議員(ひょうご県民連合)
質問形式:分割方式【1(1)(2)、1(3)(4)、1(5)(6)(7)、2、3】

1.県民が安全で安心して生活できる兵庫県政の推進について
(1)県議会、県内市町、関係団体等との信頼関係の構築について (総 務)
私はこの立場をいただき1年9ヶ月が経過しますが、この間、雑談も含めて知事とじっくりと県政の推進についてお話をさせていただいた機会はありません。会派の部屋にも来られる機会は、定例議会が終わったときのみの短時間でそれ以外はほとんどなかったと記憶しています。県内各市町の首長のみなさんや企業をはじめ、関係団体のみなさんの中にも「対話やコミュニケーションが不足している」と感じている方はたくさんいらっしゃると思います。
今回の知事選挙において再選された斎藤知事が、失職をされてから数ヶ月で急に人が変わるようには思えません。
知事は11月19日の就任会見の場で今後の県政運営をすすめるにあたり、「もっともっと丁寧に、皆さんとのコミュニケーションや対話を尽くしていく」と表明されていますが、「皆さん」とは誰のことですか?また、具体的にどのような機会をとらまえて、どのような方法で対話を尽くしていこうとされているのでしょうか。知事のご所見をお伺いします。
(2)風通しのよい職場環境づくり、職員との信頼関係の構築について (総 務)
選挙前の混乱を極めていた兵庫県政のこと、職員や退職者の想いを振り返ってください。
知事は、職員との信頼関係の構築について、どのようなことを意識してこの間取り組んでこられましたか?深夜のチャットでの指示もありました。実際に対面せずに文字だけの一方的な指示、威圧感のある書きぶり、即レスをもとめる行為をしていた方が、「職員との信頼関係を構築する」と今、言われても説得力に欠けます。
7月10日に兵庫県職員労働組合から「齋藤元彦知事に責任ある対応を求める申入れ」がありました。また、7月18日にはひょうご県友会、県職員退職者会からも「県政は前代未聞の異常事態にある」として辞職を含む措置を早急に講じるよう求める要請書が提出されていました。
また、県の職員が二人も亡くなっている状況について何のメッセージも出さないどころか、百条委員会での「道義的責任が何か分からない」という発言をはじめ、知事の一連の言動等に怒り・呆れ・喪失感が蔓延しています。
職員の命を守ることができない状況で、兵庫県職員との信頼関係はどのような方法で構築しようとされているのでしょうか。知事のご所見をお伺いします。
以降は、質問席から質問をさせていただきます。
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(3)今後の県庁舎のあり方について (総 務)
県庁舎については、南海トラフ地震発生の可能性がますます高まる中で、大規模災害の発生時に拠点となる庁舎が必要です。阪神・淡路大震災を経験した兵庫県だからこそ、震災の教訓を生かし、県民が安心できる防災機能を備えた県庁舎の再整備が必要であると考えます。
この問題の我が会派の考え方については、先の予算申し入れや重要政策提言、令和6年2月定例会での我が会派の上野幹事長の代表質問において、「2万平米、5階建てビルで考えると、平米単価50万円として100億円、外構工事等や建設コストの高騰を加味して150億円程度での庁舎建設、有事の際には、フリースペースの部分は防災拠点とすることもできると思われる」と提言をしたことをはじめ、これまでも意見を述べてきました。改めて「職員4割出勤」を前提にした計画の撤回、県民サービスの低下を招かない施設設備の整備、職員のモチベーションの向上と業務の効率化がはかられ、災害発生時の拠点としての機能が備わった防災拠点となりうる新庁舎の整備を求めますが、知事のご所見をお伺いします。
(4)兵庫県立大学授業料無償化の見直しについて (総 務)
令和6年2月議会において兵庫県立大学について、県内在住者の入学金及び授業料を学部、大学院共に、所得に関わらず無償化することとされました。
「県立大学に通うごくわずかな人数の学生だけを対象に、大きな金額を支援する方法でよいのか」、「なぜ、県立大学だけが対象なのか、しかも、大学院の博士後期課程までという長期間、特定の人だけに厚く支援をする必要があるのか」、「税の公平な配分の観点からもその財源をもっと幅広い学生にも支援をおこなうべきだ」という観点から、我が会派は今年度予算について反対しました。
また、当時は記者発表の時点まで一部の幹部のみでしか共有されておらず、大学関係者にも知らされていなかったことが大きな課題でありました。議会関係者にも事前に知らされておらず、議会軽視としか言えません。
9月17日におこなわれた文教常任委員会において、髙坂学長から県内生が増えたことや、オープンキャンパスの参加者の増加等のよい影響も報告されていましたが、「政策の打ち出し方が急であった」、「打ち出したあとも具体的な政策も走りながらつくられていた」、「政策の内容に関して大学でも議論が十分に尽くせなかったことが残念」等、文科省をはじめ、さまざまな関係者からも厳しい意見がありました。
「大学にはすでに道義的、社会的責任が生まれている」と強い口調で話されている学長の姿を拝見し、現場の混乱に対して何ができるのかを検討し、早急に対応しなくてはならないと危機感を感じました。
知事や幹部と政策の中心となる関係者、議会とのコミュニケーション不足、情報提供・共有不足が結局は、現場で対応する大学関係者に混乱を与えてしまっていることは明らかです。政策の内容も、ごく一部の学生のための政策となっており、幅広い学生の支援につながっていません。無償化自体が悪いことであるとは思いませんが、受験の半年前に関係者とも議論されずに急に打ち出されました。より幅広い県民に向けた効果的な予算の使い方について、もっとじっくりと議論することが必要ではなかったでしょうか。
「無償化」という響きのよい政策は、県民のためというよりは知事の自己満足のための打ち上げ花火としか思えません。
現在、この事業の検証はどのようにされているのでしょうか?また、今後も継続的に約20億円もの県単独の予算を投入するおつもりでしょうか。当局のご所見をお伺いします。
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(5)告発文書の対応、公益通報者保護について (総 務)
亡くなられた元県民局長は、「公務員の仕事は県民のためにするもの」、「自分のためや自分の栄達のために仕事をしてはいけない」、「損得勘定で行動してはいけない」、「『あなたと一緒に仕事ができてよかった』、『また一緒に仕事をしましょう』と言ってもらえる職員であってほしい」、「筋を通そうとして挫けることがあっても、理不尽な現実の壁に跳ね返されても、諦めないでほしい」と主張されていました。
消費者庁の公益通報保護法の事業者がとるべき措置に関する指針において、公益通報者を保護する体制整備として、不利益な取扱いの防止に関する措置や範囲外共有・通報者の探索を行うことを防ぐための措置とらなければならないとされています。
9月6日の百条委員会における参考人から、「兵庫県は今、公益通報者保護法の違反状態である」との指摘もありました。告発文書の取り扱いについての対応を協議していた当時、通報者の探索をしてはいけないことを知事は認識しておられたのでしょうか。
我が会派としては、亡くなられた元県民局長に対する県の対応は、通報者に対する人権侵害であり、名誉毀損、守秘義務違反、強引な調査、退職承認の取り消し、公用パソコンの押収、個人所有のスマートフォンの中身をみて撮影する等の対応には、職員や労働者を守る観点が完全に欠落していると考えています。
知事が通報者探索を指示したこと等の初動体制が問題であり、元県民局長の処分は撤回すべきと考えますが、知事のご所見をお伺いします。
(6)正しい情報発信、広報のあり方について (企 画)
9月21日、Xの「ツイッター速報」で「【悲報】兵庫県斎藤知事の公約実現率、脅威の98.8%」という内容の書き込みが拡散されました。閲覧回数は1,000万回を超え、6,000件以上のリポストも獲得されています。
知事は、7月30日の記者会見で知事在任中の課題を問われ、「選挙時に掲げた公約が全体で173項目。そのうち、一定達成、着手した状況は171項目98.8%」、着手できなかった公約として『女性副知事の登用』、『学校における30人学級』の2つを挙げています。
現在も知事の公約集詳細版は閲覧できない状態で個別の公約の正確な内容が分かりませんが、日本ファクトチェックセンターによると、「公約実現率が98.8%は不正確」であるとし、「公約には『力強く』や『エネルギッシュ』などの表現があり、これらは何をもって『達成』と言えるかが不明確」であると発表されています。
また、直近では、「公約達成率は27.7%、48項目」との新聞報道もあります。
公約実現率の考え方として、達成したことと着手していることは分けて考えることは当然です。自治体として正しい情報を発信することこそ、県民に求められている基本的なことと考えますが、「公約実現率98.8%」といった誤った情報がX上に発信、拡散されていたことになります。
この点に関して知事のご所見をお伺いします。
(7)SNS等による差別・偏見、誹謗中傷抑止の条例制定について (県民生活)
知事は昨年10月18日の決算特別委員会においてSNSの危険性について答弁されています。県立明石公園をめぐる事案について、「事実と全く異なる内容をSNS上に投稿し、数十万人に拡散をした。と報告を受けたとき、大変恐ろしく身の毛のよだつ思いをした」として、SNSでの誹謗中傷を防止するための条例制定を進める方針を明言されました。
一方で、今回の知事選挙において、知事は、選挙結果を受けて「SNSのプラスの面」と表現されていますが、むしろSNS上での真偽不明の情報の発信、誹謗中傷・差別・偏見のある表現がひろがり、深刻な「SNSでのマイナス面」が露呈したと考えます。また、自分にとってよい結果が出たときには「プラス面」にとらえ、恐ろしく身の毛もよだつ思いをしたときには「マイナス面」として強調されています。真実はどこにあり、何が真実なのでしょうか。
兵庫県では、インターネット上の人権侵害を防止する取組として、県内すべての自治体でモニタリング事業に取り組まれています。また、たつの市では、県内ではじめてインターネット上の誹謗中傷等の防止に特化した条例が制定されたほか、猪名川町では部落差別解消推進条例にインターネット上の差別への対策を盛り込んでいます。
一方、国においては、「情報流通プラットフォーム対処法」(以下、情プラ法)が5月の参議院本会議において可決・成立し、公布されました。施行は公布後一年以内とされており、インターネット上での「権利侵害情報」への対応をさらに強化していく内容が明記されています。
この法律の施行により、SNSを提供するプラットフォーム(PF)事業者が権利侵害情報の削除を迅速におこなうことで、個人への誹謗中傷等への対応は強化されると思われますが、さらに包括的な差別情報への対応を確立するための条例整備が必要と考えます。
インターネット上での人権侵害は、現実に人の命を奪うほどに深刻化しているケースも増えています。
表現の自由は認められるべきものですが、誹謗中傷や誤った情報の拡散などは許されることではありません。インターネット上の誹謗中傷の抑止と被害者救済のための条例の制定について、知事のご所見をお伺いします。
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2.カスタマーハラスメント等のハラスメント撲滅について (産業労働)
カスタマーハラスメントは、顧客等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等の著しい迷惑行為として定義されています。
ハラスメントをとりまく経緯として、令和元年6月に、労働施策総合推進法等が改正され、職場におけるパワーハラスメント防止のために雇用管理上必要な措置を講じることが事業主の義務となりました。
また、令和2年1月に、「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」が策定され、カスタマーハラスメントに関して、事業主は、相談に応じ、適切に対応するための体制の整備や被害者への配慮の取組を行うことが望ましい旨、被害を防止するための取組を行うことが有効である旨が定められています。
さらに、厚生労働省は令和4年2月に、カスタマーハラスメントを想定した事前の準備、実際に起こった際の対応など、カスタマーハラスメント対策の基本的な枠組みを記載した「対策企業マニュアル」、リーフレット、ポスターを作成し、あらゆるハラスメントの撲滅に向けた啓発をおこなっています。
このような動きに呼応する形で、企業だけでなく、各自治体においてもハラスメント対策に関する方針やマニュアルを作成していますが、現在でもいたるところで過剰なクレームや脅迫、強要事案が発生しており、職場環境をおびやかす社会問題となっています。
労働者側の取り組みとして、日本労働組合総連合会(以下:連合)は、2022年12月に直近3年間で自身もしくは同じ職場の人がカスタマーハラスメントを受けたことがある人1,000人の有効サンプルを集計した「カスタマーハラスメントに関する調査2022」の結果を公表しました。
調査結果からは、勤務先において、研修等の対策がとられていないという意見が67.6%もあり、各事業所の対応についての課題が浮き彫りになっているとともに、生活上で生じた変化として、「出勤が憂鬱になった」、「心身に不調をきたした」、「仕事をやめた・変えた」等があげられ、職場の人材不足にも大きな影響を及ぼしていることが明らかになっています。
また、各産業別労働組合の取り組みとして、2022年4月6日に、UAゼンセンが「カスタマーハラスメントに関する産別情報交換会」を開催しています。連合本部、他産別から14組織が集まり、各組織におけるカスタマーハラスメントの実態を報告し合い、今後の対策について意見交換をおこなっています。
産業別労働組合が現場の実態を経営側へ伝え、対応を求め続けてきたこともあり、基本方針の策定やガイドラインの整備等が進んではいますが、組織全体での対策を講じることができている職場が少ないことも報告されています。事業所や職場単位だけの取り組みではなく、自治体としてのハラスメント防止策や撲滅に向けた取り組み、啓発がますます必要となっています。
国ではこの問題を直接的に規制する法律がまだ整っていません。一方で、重大な社会的課題となっており、顧客・就業者・事業者等、どの立場になっても、安全に安心して働き、生活できる環境を社会全体でつくっていくことが必要です。一刻も早く兵庫県として対策を打ち出すことが急務であると考えます。
例えば、条例を制定して不当な要求に屈しない体制を整備することや、暴言や暴力、脅迫行為などの刑法違反が見られるケースでは警察の介入も含めた対策が必要であると考えますが当局のご所見をお伺いします。
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3.「差別・偏見等の人権侵害のない社会づくり条例」(仮称)の制定にむけて (県民生活)
来週12月10日は、1948年に世界人権宣言が採択された日であり、国連において「人権デー」と定めています。「人権デー」は、基本的人権尊重の原則を定め、初めて人権の保障を国際的にうたった「世界人権宣言」の意義を再確認する日であり、差別と偏見のない、人権が尊重される社会の実現に向け、70年以上経った今日でも、国連「人権デー」は重要な意義を持つと考えるところです。
その国連の活動として、昨年夏、人権理事会に属する「ビジネスと人権」作業部会が訪日調査を行い、その報告書が本年5月に公表されました。
報告書では、世間を騒がせたジャニーズ事務所での性加害問題だけでなく、政府や自治体、企業、学識者などとも対話を行う中で、部落差別やヘイトスピーチ、障害者、女性、性的マイノリティ、アイヌ民族など様々な差別や人権侵害事象が存在することについても取りあげられました。さらに報告書では、こうした様々な差別問題、人権問題の解決のために、国内人権機関の設置も提言しています。
あらためて、現在の日本社会をみると、物価高や円安の影響を受け、貧困と格差の問題が一層深刻化しています。こうした閉塞感が生み出す社会不安や不満を背景に、SNSなどインターネット上での誹謗中傷、部落差別やヘイトスピーチなどの差別事案、職場における様々なハラスメントなど人権侵害が顕著にあらわれていると考えられます。
先ほどの質問でも触れたインターネット上の誹謗中傷の問題では、特に人権意識の大切さを痛感したところです。また、昨年度実施された「人権に関する県民意識調査」において、「日本は人権が尊重される社会である」ということを肯定する割合が減少傾向にあることからも、人権意識の向上など人権を守る取組は、ますます重要であると考えます。
当局におかれましては、これまで様々な人権啓発活動に取り組まれていますが、県民の人権意識の向上に向け、今後、どのように取り組まれようとしているのか。また、兵庫県において、差別の禁止、人権侵害救済の観点を明確に位置づけ、すべての県民が安全で安心して生活できるよう、わが会派から重要政策提言としても要望した「差別・偏見等の人権侵害のない社会づくり条例」(仮称)の制定が必要であると考えますが、当局のご所見をお伺いします。