質問日:令和4年3月7日(月)
質問者:向山 好一 委員
1 ウクライナ支援の行動について
ロシアによるウクライナ侵攻は、世界秩序を壊し、武力による制圧といった断じて許されない行為であります。戦火は収まるどころかどんどん拡がり、連日の報道を見るにつけ心が痛むばかりです。
このロシアの行動に対し全世界から非難が集中し、兵庫県議会でも3月1日に「ロシアのウクライナ侵攻を非難する決議」を全員一致で採択しました。
私たちは決議をするだけでなく、その意思を何らかの形であらわすことこそが重要ではないでしょうか。
神戸市は神戸市会と共同でユニセフを通じて1,000万円の支援金を拠出すると同時に、ポートタワー等をウクライナ色にライトアップしています。
兵庫県も、まずは公館をウクライナ国旗色である青色と黄色にライトアップして、ウクライナへの思いを発信してはいかがか。当局の所見を伺う。
2 行財政運営方針見直しの事業について
行財政運営方針の具体的見直しとして58事業を挙げています。その中で、なぜこれがと疑問に思う事業について質問します。
海外事務所の見直しで、ワシントン・香港・パリが維持、ブラジルとオーストラリアが廃止となっています。その理由は県産品の海外販路拡大や中小企業の海外展開、商談・マッチング支援で効果があるかどうかが判断基準だと書いてあります。
正直、私は真逆だと思っています。ワシントン・香港・パリは世界を代表する都市で日本の海外拠点が集中しています。言い換えれば情報は安易に入り兵庫県が独自のルートや人脈を開拓しアドバンテージを発揮するには困難な都市といえます。つまりミッションが曖昧でそれこそ存続の価値が見出せないのです。
一方、西オーストラリア州には、都道府県事務所は本県事務所しかなく独自のルートを開拓しやすいのに加え、齋藤知事が最も力を入れている水素エネルギーの原産地で現に兵庫県の企業がその関連で積極的に経済活動を行なっている国であり、今後さらに関係を強化すべき国のはずであります。文化交流センターは廃止してでも経済支援拠点として残すべきと考えます。
また、ブラジルと兵庫県の関係は歴史が深く明治 41年「笠戸丸」が 781 人のブラジル移民を乗せて神戸港を出航したのがブラジル移住の始まりであり、25万人のブラジル移民の出発点の役割を担ってきました。つまり現在の200万人程度の日系ブラジル人のルーツ地が神戸・兵庫であり現にブラジル各地に兵庫県人会が存在しています。またその関係から加古川市とマリンガ市、西宮市とロンドリーナ市、姫路市とクリチーバ市、淡路市とパラナグア市が姉妹都市提携を結んでいます。このようにブラジルと兵庫県は地球の裏側で人的交流も困難な地ではありますが、歴史的にも切っても切れない関係の深い国であります。
この見直し案の取りまとめを行った新県政推進室に対し、ワシントン・香港・パリを残して何を成果として期待し、一方、ブラジルとオーストラリアに存続の価値がないと判断された理由はどこにあるのか。当局の所見を伺います。
3 洲本市のふるさと納税の違法性について
以前からふるさと納税の返礼品の過当競争が本来の趣旨から逸脱していると社会問題となり、兵庫県議会でもわが会派は何度も是正を求め他会派からも指摘がありました。そして、ようやく政府も「返礼品は寄附額の3割以下にする」と定めて全国一律のルールになりました。
しかし、先日、ある新聞の記事によると兵庫県洲本市の「ふるさと納税の返礼品」が、この3割以下を逸脱していると報道しています。具体的には、10万円の寄附で洲本温泉観光旅館連盟に加盟する11旅館で使用できる利用券5万円分貰えるというものです。つまり、3割を超え5割になっているとのこと。さらに、そのからくりは、返礼品の金額の基準が調達金額になっていることを逆手に利用し、1万円分の利用券を5,500円で仕入れ、残額4,500円を「手数料」の名目で支払うという仕組みにしているとのことでした。つまり、調達金額を低く抑え実質の不足額を別名目で補填している疑いがあるということです。
これは紛れもなく実質法律違反ではないでしょうか。現にこうした過剰な返礼品等のお陰で洲本市へのふるさと納税の寄附額は2020年度54億円にのぼり全国で8位に位置しています。洲本市の市税収入は約57億円、ふるさと納税とほぼ同額で完全にふるさと納税頼りの財政になっており危険極まりない状態と言わざるを得ません。
新聞報道によると国と県は実態調査を始めているとなっていますが、兵庫県はこの事実に対し、どのような対応をされようとしているのか。当局の所見を伺います。
4 選挙公報の未配布問題について
昨年10月施行の神戸市長選挙および衆議院議員選挙等において、神戸市須磨区において「選挙公報」の未配布が何と19,000世帯に及んだとのことです。その数は須磨区全世帯約80,000軒の約25%に及びます。これは公明かつ適正に選挙を行ううえで定めた公職選挙法及び神戸市選挙公報配布条例に明らかに違反するものであり選挙を無効としてもおかしくないくらいの出来事です。
その原因は、選挙公報の配布方法を須磨区の場合、全数民間委託しその民間業者が配布を怠り、さらには虚偽の報告を行っていたとのことでした。
今回、このような失態が明らかになった理由は、未配布世帯があまりにも多く、届いていないとの苦情が相次いだからであって、逆に言えば、これまで何度も見過ごされてきたのではないかとの疑念が生まれます。現に、この須磨区の受託業者は衆議院選挙の前の知事選挙でも受託し、1万部程度が未配布だったこともこの調査を契機に判明しているのです。つまり、知事選挙の未配布は把握できていなかったのです。
兵庫県内の各自治体の選挙公報の配布方法はまちまちですが、全部か一部かに違いがあるにしても須磨区同様民間業者に委託している自治体が複数存在しています。
過去の検証は困難かもしれませんが、兵庫県選挙管理委員会として可能な限り過去に同様な事例がないかを改めて調査し、またこの須磨区の教訓を活かし、このようなことが2度と起こらないような対策を行うべきではないでしょうか。当局の所見を伺います。