質問日:平成30年10月11日
質問者:石井 秀武 議員
1.「県民の歌」について
「県民の歌」制定については、平成28年9月定例会で質問したことがある。ほとんどの都道府県に存在する都道府県民歌の中でも、特に長野県の「信濃の国」という県民歌は、県民の9割が歌えるというように普及しているという。学校の運動会、卒業式等行事の際に校歌とともに歌われたり、大人になってからも同窓会やアルプススタンドでの応援で歌ったりするなどしているそうなので、9割という数字もあながち大げさな数字ではないようである。
そこで、私は、県政150周年の節目に、「信濃の国」のように県民に歌い継がれる県民歌を制定することにより、新たなステージへの機運を盛り上げてはどうか、という提案をさせていただいた。
当時、知事からは、「ひょうご県民の日」とともに、県民の一体感やふるさと意識を醸成していくための提案の一つとして、県民の意見を聞きながら今後検討していく、との答弁があった。その後、特段、検討の過程を確認していなかったが、今年2月定例会の山本議員から「県民の日」制定についての質問に対して、知事は、「一つの兵庫としての一体感を育むために何をなすべきか、ご指摘の県民の日の制定、あるいは県の歌の制定なども含めまして広く検討する必要がある、このように考えます。議会も含め、県民の皆さんにも、この点について議論をし検討していただき、この広がりが持たれることを私も期待をいたしております。」との答弁があった。
それを聞いて、知事が山本議員の質問にはなかった「県民の歌」制定にまで踏み込んだ答弁を行ったことは、知事も「県民の歌」制定にかなり前向きな考えになっているのでは、と期待したところである。
しかし、9月18日に開催された150周年記念事業企画委員会の報告を聞くと、「県民の日」は12月に中間報告、来年3月のフィナーレイベントで発表、というスケジュールが示されるとともに、県民モニターや学校等へのアンケート調査まで行われている。さらに、7月12日がいいとか、8月21日がいいのではなど、具体的な日程まで議論されている。
一方、「県民の歌」の方は俎上にものぼっていない。
そこで、「県民の歌」に関する検討の状況と、今後どう取り扱おうと考えているのか伺う。
2.社会増による人口流出対策について
本県は、人口移動において転出超過が多いことは周知のことであるが、今後ますます子どもが減り、高齢化が進行していくという状況の中で、自然増もままならず、社会減が進行していくということになれば、本県の人口はジリ貧になるということである。
先日の一般質問で、自民党の高橋議員が人口増対策について質問されていたが、その際の答弁で知事は、人口の自然増対策が一番重要な課題であること、社会増対策は、東京から移ってもらうような対策を重点化する必要があるという答弁をされていた。
確かに、自然増対策が功を奏し、出生数が上向けばいいのだが、兵庫県地域創生戦略の29年度実施状況報告書を見ると、出生数44,000人確保という目標に対し42,198人にとどまったとある。ここ10年の自然減と自然増の差を見ると、毎年差が開いていっており、平成29年は15,053人となった。平成20年が201人だったことを考えると、わずか10年ほどで、と隔世の感がある。自然減が右肩上がりで増えている状況と、いろいろ手をうっても自然増が右肩下がりである状況を踏まえると、社会増による人口流出対策に重点を置いていくべきではないだろうか。
先程の高橋議員への答弁で、知事は、3年間の取組で評価するのは早計で、今必要とされる事業や施策を継続してやりながら、追加すべき対策を追加していく、その姿勢が必要なのでは、という趣旨のことをおっしゃっていた。しかし、県は地域創生戦略で取り組む以前から、様々な対策をとっていたはずだと思うのだがどうだろうか。
その社会増対策であるが、先程の実施状況報告書では、流出抑制5,140人を目標にしていたところ435人にとどまったとある。平成31年の目標年次まで25,700人の流出抑制を目指しているところであるが、かなり目標達成は厳しくなってきたのではないかと思っている。
確かに、社会経済情勢等の変化により、県がいくら効果的と思われる施策を講じても、なかなか効果が現れないこともあるだろうし、これをやれば絶対効果が出る、という施策もなかなかむずかしいことは承知している。
ただ、やはり決算委員会であるので、実績について分析し、評価した上で次につなげていくということが重要だと思う。
そこで、29年度の社会増対策の実績についてどう評価しているのか伺うとともに、軌道修正なり追加なりの対策をどのように考えているのか伺う。