議会の動き

前田 ともき議員が質問(教育委員会)

質問日:令和5年3月9日(木)

質問者:前田 ともき 委員

1 高校の始業時間は原則9時以降!~睡眠不足を解消せよ~

ランド研究所によると日本の睡眠不足による経済損失は15兆円でGDP2.9%。

睡眠時間はOECD最下位の7時間22分。平均より1時間近く短い。

朝、駅で県政報告をしていると眠そうな高校生の通学を目にする。

高校生に必要な睡眠時間は8~10時間だが、平均起床時刻は「6時36分」、

就寝時刻「23時50分」と睡眠が足りていない。

児童期から思春期にかけては生体リズムが一生の間で最も夜型化するという。

つまり、大人の朝7時と子供の朝7時は全く異なっており、気合で早起きせよは拷問。

睡眠不足は成長不足、学業の効率、ストレスと百害あって一利なし。

また、学区の拡大で遠距離通学への対応、始業時間が遅くなれば遠距離の高校でチャレンジしたい子供の増加も予想され、学びの選択肢を増やすことにもつながる。

そこで提案したいのが始業時間は原則9時以降とすること。

現状、県立高校で一番早い始業時間は豊岡高校の8時15分、遅いのは西宮北9時開始。

概ね8時半前後が多い。ショートホームルームや部活の朝練を含めるとさらに早まる。

米国小児学会は中高の始業時間を8時半以降とするよう提唱したそうです。

アメリカの社会実験では1時間遅らせたことで、睡眠時間が平均34分延び、成績も4.5%上昇。イギリスでも6万人を対象に始業時間を10時にする取り組みがなされています。漫然と登校時間を決めていないか。科学的知見に基づいて、生徒たちに最適な始業時間をゼロベースで検証すべきだと考える。

県教委は高校の始業時間を原則9時以降とし、そのうえで学校長が実情に応じて決定すべきでないか。

2 県立高校の入試特別枠~帰国子女から外国人まで~

兵庫県には153ヵ国・地域、約11.2万人の外国人県民が居住し、外国人労働者の受け入れ拡大やグローバル化により、今後も拡大する。

日本人の高校進学率がほぼ100%である一方で、外国人の進学率は、60%前後。

このテーマは藤井訓博議員や山本知恵議員が提言し、外国人生徒向け入試特別枠が平成27年度に創設された。

日本人生徒の帰国子女も含め、日本語が得意でない生徒にとって一般入試は容易でない。問題文に平仮名のルビを振る、国語は「基本的な日本語能力」などの特別入学枠は県立高校5校、15名である。

しかし、更なる改善が必要だ。

文部科学省は指針で自立には「高校教育が重要」と指摘。特別枠の設定や試験教科の軽減などを求めている。例えば、試験教科の変更や面接・作文の導入、特別枠の対象者は最低でも外国語の表現を十分理解するに必要な来日5年以内へと拡大すべきでないか。

更に受け入れる高校数も少ない。

広島県や岐阜県などでは全県立高校に外国人枠を設定しているが、兵庫県はたったの5校。

受け入れ体制や費用の観点から全校ではなく拠点校方式で運用するとしても、高校数はもう少し増加させるべきだ。また、本制度に対する認知度についても懸念が残る。

現在の県立高校は外国人からみて、SDGSの誰一人取り残さないとは言い難いのではないか。

これら指摘を踏まえた入試特別枠の検証と今後について伺う。

3 ギフテッド特化型 県立小中一貫校の創設

2021年の本会議でギフテッド教育について大きな方向性を提言した。

その後、国の有識者会議は、教師への研修、学校外の機関の情報提供、事例の蓄積など五つを提言した。なんだそれ。国の予算は8000万ぽっち。

インクルーシブ型というが、35人学級で対応できるのか。

多忙を極める数多くの教師に研修程度で実効性はあるのか。

学校生活の一部だけを取り出し型で対応してもギフテッドの悩みは解消されず、飛躍に足枷。社会実装を考えた場合、課題は山積。

重要政策提言で知事に申し上げたが、国の動向を注視するのではなく、注視される存在になれ。

兵庫県が選抜型の英才・エリート教育で突き抜けよう。

100人に1人ではなく、数千人に1人レベルを対象に県立ギフテッド小中一貫校を創設しよう。世田谷区は学ぶ意欲や才覚がありながら学校に通わない児童生徒むけに、芸術や科学など個々の適性に合わせた教育を行う新たな区立校をつくる方針。大東市も不登校生徒を対象とするオンライン主体の中学校を構想するなど、小中学校でも特色ある学びが試行されていく。数少ない選抜型ギフテッドを対象とするなら、広域の県が実施主体となるべきだ。

特異な才能が芸術なら芸術文化観光専門職大学との連携でインクルーシブ型はいけるかも。しかし、知力・想像力などの分野では難しい。

5歳で地球温暖化を憂うような子供が小学校に入って一斉授業は才能がつぶされるだけ。わずかな時間だけ外部に取り出しても誤差。

また大きな方向性としてインクルーシブとしていくにしても、教師の研修や事例の蓄積には選抜型を核とした研究も必要だ。

このような観点から、県立のギフテッド小中一貫校を創設すべきと考えるがどうか。