決算特別委員会 [ 10月19日(金)企業庁・越田議員 ]
1 総合経営計画の進捗状況について
人口減少社会の到来や県民ニーズの変化、さらには公的部門の役割分担の見直しの必要性が高まる中、企業庁では、平成15年度に「経営ビジョンを策定」、平成16年度から平成20年度までの「企業庁総合経営計画(前期5カ年)」を定め、それに沿った事業運営を進めてきました。
その後、平成20年度に県の新行革プランにあわせ、平成20年度からの6カ年にわたる「企業庁総合経営計画(後期6カ年)」を策定するとともに、第二次行革プランの改革内容に基づき改定され、平成23年度からは後期6カ年計画の後半戦がスタートするという1年でした。
本県の財政状況が厳しいのは言うまでもなく、とかく一般会計に目が行きがちではありますが、企業庁が取り扱う事業規模は大きいことから、議会においてもしっかりとチェックをしていかなければならないと考えています。
そこで、「企業庁総合経営計画(後期6カ年)」で示した目標と、平成23年度の事業成果を合わせ、どのように評価し、総括しているのかをお示しください。
2 産業用地の分譲と今後の方針について
私自身は、兵庫県地域整備事業の在り方に対し、問題意識を持っています。
「兵庫県地域整備事業は、阪神地域、播磨地域及び淡路地域において、土地造成、施設整備等を行い、調和のとれた県土の発展に寄与するもの」とされていますが、そもそもこの事業をいつまで兵庫県として取り組んでいくべきであるのかを議論する時期に来ていると思います。
たとえば、平成23年度1年間の事業実績をみてみると、4社に11.5haを分譲していますが、これは売却可能面積112.8haの10%であり、後期6カ年で示された平成23-25年度で41.4haを分譲するという計画に届いておらず、このままの売却ペースで果たしてこの事業が成り立つのか心配になります。
とりわけ、この事業の大部分を占める産業用地が売れていない状況は深刻だと考えます。企業庁としては、10000社のアンケート、300社の訪問などの目標を立てて企業誘致活動にも取り組んでいるようですが、昨年度に関しては大きな成果が上がっているとは言えません。
少なくとも工場誘致に関しては、産業労働委員会への審査でも明らかになりましたが、兵庫県は全国で最も誘致に成功している自治体であることを考えれば、企業庁が主張する立地特性や魅力は、民間企業にとって必ずしも魅力的な条件となっていないのではないかと懸念しています。
そこで、平成23年度の実績をどのように評価しているのでしょうか?
とりわけ、決算書等の資料によると、平成23年度現在で、住宅用地など産業用地以外も含めて売却可能な約176万平方メートル存在し、その中で10年間売れていない土地が、44万平方メートル、約25%を占めています。
この大部分が産業用の用地であるということですが、10年間売れなかった土地があるということの問題は、何も売却益が入らないという問題にとどまりません。維持管理に関するコスト、営業に関するコスト、さらに、売却したことにより派生する固定資産税などの収入が失われていることなど、売れない土地を抱えていること自体が大きな損失だと考えます。
この状況をどのように分析し具体的にどのような対策を行うのか?見解をお伺いします。
3 水道用水供給事業における建設改良積立金について
第二次行改革プランにおいて、水道用水供給事業については「料金収入の確保、工事コストの抑制により経営の健全化を維持する」とともに「料金の低減化及び施設の耐震化、アセットマネジメント推進計画に基づく老朽管路等の計画的更新を推進する」と述べられています。
料金を低減しながら、中長期的に経営の健全化を維持するという野心的な目標ではありますが、平成23年度においては非常に皆さんの活動の成果が出ていると感じています。水道事業といいながら、直接住民に水道水を供給する事業ではないため、県民の皆さんに努力が伝わりにくいのが残念ではありますが、ここの努力が、市町の水道料金の値下げにつながったり、現時点で値下げにつながらなかったとしても、中長期的には料金の安定化に寄与するものと感じています。
しかしながら、将来の施設の更新を考えるときに、平成36年度から55年度が更新のピークを迎えるため、現時点の経営状況に一喜一憂することはできません。とりわけ、更新費用は積み立てたとしても、人口減少社会の中、どれだけの負担がその世代に押し寄せるかわからないのが現状です。
企業庁としては、アセットマネジメント推進計画に基づき、平成22年度から建設改良積立金を設置し、将来世代の負担軽減に取り組んでいます。
そこで、建設改良積立金の現状ならびに今後の資金運用をどのように考えているのかお伺いします。