このたび、平成24年から料金圏のない対距離料金等の阪神高速道路の新たな料金制度を導入するにあたり、阪神高速道路株式会社から事業計画変更の同意申請があった。
今回の提案は、これまでの兵庫県議会の意見を反映し、上限料金の引き下げや本四・NEXCOの乗継割引の導入などを講じており、一定の評価をするものである。
しかしながら、依然として会社間では別の料金体系で利用者には割高感があり、さらに、大口多頻度割引など多くの特別な料金割引制度が平成25年度末までの時限的措置であり、平成26年度以降の料金については大幅な値上げになるなどの課題がある。 また、これまでも阪神高速道路株式会社に対して、高い役員報酬の引き下げや競争入札の導入などによる維持管理コストの削減などを求めてきたが、対応が必ずしも十分ではない状況である。
そこで、9月県議会に提案予定の阪神高速道路の事業計画変更の審議にあたり、下記の事項について、県から国及び阪神高速道路株式会社に強く申し入れるとともに、県としても積極的に対応することを申し入れる。
記
今回の改定案について、すべての議会で同意を得るよう、阪神高速道路株式会社として最大限の努力をすること。
現金利用者について、過重負担の解消策を検討するとともに、円滑にETCへの移行を進めるような方策を講じること。
利用者の利便性を考え、二つの出入口間を結ぶ複数の通行経路が想定される場合には、その経路中の最短距離をもって通行料金の計算を行うこと。
新神戸トンネルを阪神高速道路へ移管するとのことであるが、体制を速やかに整備し、移管を早期に実施するとともに、現在通行が可能な軽車両が、移管後も引き続き安全に通行できるようにすること。
今回の料金改定による一般道路の渋滞状況や国道43号の環境対策の影響を把握し、問題がある場合は、速やかに対応すること。
阪神高速道路株式会社は、天下り人事の廃止や役員報酬等人件費の引き下げ、維持管理コストの削減、子会社等への契約手法の見直し、本社賃料の削減など自助努力に努め、平成26年以降の料金の値下げに反映させること。
平成25年度末に切れる本四・NEXCOの乗継割引や大口多頻度割引など各種料金割引制度について、引き続き国に求めること。
阪神高速道路、西日本高速道路、本州四国連絡道路と会社別の料金となっていることから、一元化した料金体系となるように働きかかること。
料金徴収期間の延長、償還金利の見直し等有料道路制度の見直しを行うよう国に働きかけること。
平成23年9月12日
兵庫県知事 井戸 敏三 様
兵庫県議会自由民主党議員団
幹 事 長 石 堂 則 本
兵庫県議会民主党・県民連合議員団
幹 事 長 永 富 正 彦
兵庫県議会公明党・県民会議議員団
幹 事 長 松 田 一 成