急速に進展する少子化は、今後の我が国の国民生活に深刻かつ多大な影響を及ぼすものである。
急速な人口減少は、経済産業や社会保障の問題にとどまらず、国や社会の存立基盤に関わる大きな問題となる。
我が国経済社会が今後とも持続的に発展していくためには、急速な生産年齢人口の減少を緩和させる必要があり、そのためには、子育て世代が安心して子どもを生み育てることができる社会を構築していかなければならない。
昨年の本県の合計特殊出生率は、全国平均1.39を上回る1.41となってはいるものの、県内における20~30代の女性人口は、今後5年間で13%もの減少が見込まれており、速やかな対応が求められる。
一方で、内閣府の調査によると、子ども一人を育てるために要する費用は、未就学児で年平均104万円、小学生で115万円、中学生では156万円にものぼるという結果が出ており、こうした経済的負担が、子育て世代に、子どもを生み育てることをためらわせる大きな要因にもなっている。
本県では、こども医療費助成事業の拡充をはじめ、子育て家庭への各種の経済的支援策を講じてはいるものの、我が国の未来を考えたとき、こうした支援策のさらなる充実が不可欠である。
そこで、来年度当初予算において、特に経済的負担の大きい多子世帯対策をはじめとする子育て家庭の負担軽減に向けた方策を充実させるよう、強く申し入れる。
平成24年2月8日
兵庫県知事 井戸 敏三 様
兵庫県議会自由民主党議員団
幹 事 長 石 堂 則 本
兵庫県議会民主党・県民連合議員団
幹 事 長 永 富 正 彦
兵庫県議会公明党・県民会議議員団
幹 事 長 松 田 一 成