予算特別委員会質問(企画県民部②)
平成26年3月5日(水)
1 私立高校授業料軽減補助について
今回の第3次行革プラン(案)では、いくつかの大きな論点がありました。一つは県民局の在り方、もう一つは福祉や医療・教育に係る事務事業の見直しをどうするのかという点であったかと思います。
私は限られた財源の中で「集中と選択」が強いられている以上、これらの分野に関しても何らかの検討が必要だという事は否定しませんし、仮に優先順位が高い政策・効果がある政策であったとしても、財源以上の行政サービスはあり得ないと考えていますので、見直しの結果、場合によっては削減されることもあるということは理解しています。
したがって何でも削減は反対というスタンスはとりませんが、それぞれに見直しを行う上では、当然のことながらそこに十分な説明責任が果たされなければなりません。
そして、その際に必要なのは論理的に整合性があるのか?社会正義の観点からフェアであるのか?ということです。
そのような観点から、私立高校等授業料軽減補助について、以下3点お聞きします。
(1)事業目的について
私立高校生徒授業料軽減補助事業の概要及びその目的についてお伺いします。
(2)第3次行革プランにおける見直し理由について
第3次行革プランにおいて、授業料軽減補助単価及び隣接府県の私立高校への通学生の取扱いについて見直しが行われました。このうち、隣接府県の私立高校への通学生の取扱いについて、通学先の隣接府県に助成制度がない場合は、ある場合の2分の1としましたが、このような相互主義的な内容に見直した理由はどこにあるのかお伺いします。
(3)第3次行革プラン見直しにより影響を受ける対象者について
県外の私立高校に通学する生徒の多くは、居住地の地理的要因によるところが大きく、この措置によって影響がある地域は、私の住む旧伊丹学区をはじめ県境に近い地域に限定されるものと考えますが、この度の見直しにより影響を受ける対象者について、どのように見込んでおられるのか、お伺いします。
2 権限移譲に向けた市町の受け皿づくりについて
地方分権の推進、身近な問題は身近な行政で行うという権限移譲、事務移譲は、現在の政権になりややインパクトは薄くなったものの、基本的には党派を問わず、地方政治家が強く求めてきたものだと認識しています。地域主権改革推進一括法施行後、その趣旨を生かし、県営住宅の入居基準の緩和など独自の取り組みも進められるなど、国から都道府県の権限移譲は十分でないにしても、地方分権は一定の推進が見られます。
一方で、県から市町への権限移譲について、本県でも先進的な取り組みとして行ってきたわけではありますが、一度権限移譲された社会福祉法人の監査業務を県が受託することとなり、議会でも議論になりました。県内各市町においても大幅な定数の削減を現在進めているなか、市町が理想として権限を求める部分はあるが、現実として必ずしも十分に対応できないという難しい局面を迎えているのだと考えます。
しかしながら、地方分権による権限等の移譲は避けることのできない流れであり、県としても権限移譲に向けた具体的な取り組みがさらに必要です。
そのような中、活路を見出す可能性があるのは、市町の広域連携による事務の共同処理を進めていくことだと感じています。
例えば、大阪府の豊能地域では、府内市町村への特例市並みの権限移譲を受け、平成23年1月と平成23年10月の2回に分けて、府から全70事務の権限移譲について一部を除き移譲を受けたうえで、池田市、箕面市、豊能町、能勢町の豊能地域の2市2町が連携して事務を処理しています。
また、同4市町は、平成22年12月24日には、事務の共同処理に関する協定書を締結し、翌平成23年8月1日に施行された改正地方自治法に基づく、新たな仕組みである「内部組織の共同設置」を活用した「共同処理センター」を平成23年10月1日に全国で初めて設置しました。
もちろん、市町の意思に基づくものでなければならないのは言うまでもありませんが、県としても真剣に、権限移譲を行うにあたって、市町の受け皿づくりについて、検討するべきだと考えていますが、ご所見をお伺いします。