議会の動き

越田謙治郎議員が質問(予算審査・農政環境部)

予算特別委員会質問(農政環境部)

平成26年3月10日(月)

1 暮らしの中の温暖化対策の推進について

最初に、「暮らしの中の温暖化対策の推進」についてお伺いします。

より良い環境を次世代に残していきたいという思いは、今の時代を生きるすべての人の共通する願いだと思います。本県においても、今月3日に「第4次環境基本計画」が可決され、平成35年度までの概ね10年を計画期間として県の施策の方向性が示されました。なかでも、地球環境問題、地球温暖化対策は、大きな政策課題の一つであると考えています。

「第4次環境基本計画」で示された数値によると、平成22年度の県の温室効果ガス排出量は、基準年である平成2年度比で8.2%削減と目標は達成しており、行政はもとより産業界の貢献などもあり、大きな成果が出たものと考えています。しかしながらその一方、民生家庭部門に関しては、県内全体の排出量の10%程度しか占めていませんが、平成2年度比で約15%も増加しており、家庭を含めた民生部門の排出効果ガスの削減は、今後対応すべき大きな課題のひとつであると認識しています。

このような課題を抱えながらも、着実に進みつつあった地球温暖化対策は、東日本大震災を契機として、火力発電所等への依存度が高まり必然的に温室効果ガスの排出量は、産業界でも増加し、大きな転換点を迎えており、温暖化対策に対する世論の動向、県民の意識に変化があるのではないか懸念しています。平成24年9月に県の広報課広聴室が実施した「第18回県民意識調査」によると、地球温暖化に対する関心は71.8%と高い水準を保っているものの、平成19年度調査と比べて約9ポイント減少しています。

第4次環境基本計画でも、地球温暖化の防止を進めるためには、日常生活や経済活動に「低炭素」の仕組みが組み込まれた社会が必要であるとしていますが、家電の省エネ化や住まいの断熱化など家庭での取り組みについては、意識の上で必要性を感じても、実際に行動するまでは至っていないのが現状です。

そこで、本県でも、来年度予算においても「うちエコ診断」など様々な施策が進められていますが、現状を鑑みますと家庭部門に対して温暖化対策の推進を働きかけていくには、自動車の低燃費指標や住宅の断熱性の指標(エネルギーパス等)など、県民にとってわかりやすい形で普及していく必要があると考えますが、この点について、来年度以降どのように取り組んでいくのかお伺いします。

2 フラワーセンターにおける受贈品の展示について

次に、「フラワーセンターにおける受贈品の展示」についてお伺いします。

「県に寄贈“世界一のコレクション”古代中国鏡 加西で公開」。これは2月21日の神戸新聞朝刊社会面の記事の見出しです。ある県民のご厚意により、非常に文化的価値の高い古代中国鏡を寄贈いただけるとのことで、非常にありがたいことです。

ただ、この報道紙面を見た際に「なんて素晴らしいことだ」ということと同時に、違和感を覚えたのは私だけでしょうか。その理由は、展示先が考古博物館であれば、理解できるのですが、「県立フラワーセンター」をわざわざ改修して新たに整備する展示施設だからです。

先日の農政環境常任委員会の中でも、わが会派に所属する委員よりこの点について質疑したところ、当局より「寄贈者の方が加西市出身で、地元のフラワーセンターでの展示を希望されたこと、一方でフラワーセンター本館の耐震工事が必要となっていたことから、同施設の改修と併せ展示スペースを作ることとなった。」という内容の答弁でした。

今回、私が危惧しているのは、寄贈者の意向があれば、設置目的とは異なる寄贈物を展示するだけではなく、そのための施設の新築・改築が可能にとなってしまうのではないかという点です。

フラワーセンターは、「県民の花に関する知識の普及及び栽培技術の向上を図るとともに、県民に憩いの広場を提供するため」に設置されたものであり、今回の展示は明らかに目的外の使用であり、将来にわたって県民の共有財産となるものを県が保存・管理し続けるのに、果たして「県立フラワーセンター」が適切なのか疑問を感じざるを得ません。

そこで、この度の受贈品について、なぜ、フラワーセンターへ展示することとなったのかお伺いします。

3 県内のごみ処理施設の現状と今後の対応について

最後に、「県内のごみ処理施設の現状と今後の対応」についてお伺いします。

ごみ処理施設は、ダイオキシン問題が大きく取り上げられて以降、国の通達に基づき、広域化が進められてきました。通達には、「今後新たに建設されるごみ焼却施設は、原則として、ダイオキシン類の排出の少ない全連続炉とし、安定的な燃焼状態のもとに焼却を行うことが適当であり、そのために必要な焼却施設の規模を確保することが必要である」とされており、本県でも、平成10年度に策定した兵庫県ごみ処理広域化計画に基づき、これまで県内市町のごみ処理施設の広域化を進められてきました。

川西市でも、猪名川町・大阪府豊能町・能勢町と1市3町で一部事務組合を結成し、広域ごみ処理施設の運営を行っていますが、今では、地域において環境問題を考えたり学んだりする拠点となっています。

ただ、広域化をする中で、気づかなかったのか、それとも気づかないふりをしたのかは分かりませんが、後世に対して大きな課題が残っています。

それは、川西市で2か所、猪名川町で1か所ある広域化する前に整備されたごみ処理施設が活用されることも取り壊されることもなく放置をされていることです。来年度から当分の間、公共施設の除却に対して地方債の特例措置が認められるようになりました。この問題を放置することは、間違いなく後世への負担の先送りとなり、その対応については非常に困難な問題であります。

そこで、先ほども触れましたように、川西市と猪名川町という私の選挙区には放置されたごみ処理施設が3箇所ありますが、県内の他地域でも同様の事例があるのではないかと思っていますが、県として現下の状況をどのように認識し、今後どのように対応していくのか、お伺いします。