持続的成長につながる安心して働くことのできる労働法制の整備を求める意見書
意見書 第71号
平成25年12月現在、我が国の雇用者数は5,583万人であり、働く者のうち約9割が雇用関係にある。2月の月例経済報告によると、「景気は緩やかに回復」し、「雇用情勢は着実に改善している」とされた。完全失業者数も43ヵ月連続で減少しており、経済成長とともに雇用の拡大傾向が見られる。
平成24年度の経済財政白書で示されているように、人口減少局面においても持続的成長の実現をめざす上で、「雇用・人材」は戦略基盤の一つである。
現在、労働法制については、労使それぞれの立場からの意見を踏まえ、労働者派遣法の改正や限定正社員制度など雇用形態のあり方に関する様々な課題が議論されているが、持続的成長には、生産性の向上が不可欠であり、そのためには、労働者が個々の能力を発揮し安心して働くことのできる安定した労働環境づくりが求められる。
よって、国におかれては、雇用形態のあり方に関する労使双方の意見を十分に踏まえ、持続的成長につながる安心して働くことのできる労働法制を整備されるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99 条の規定により意見書を提出する。
平成26年3月24日
兵庫県議会議長 石 堂 則 本
特別養子縁組の手続に関する法制化を求める意見書
意見書 第72号
近年、児童虐待は大きな社会問題となっており、全国の要保護児童数も年々増加傾向にあり、直近では約4万7,000人に上っている。これら社会的養護の必要な子供の健全な育成にとっては家庭的な養護が必要であるとされているが、子供の多くは施設で養護されているという実態がある。
子供を虐待や育児放棄から守るための家庭的な養護制度として、従来から里親制度や養子縁組制度があったが、昭和62年に創設された特別養子縁組制度は、養子は戸籍上養親の子となり、実親との法的な親子関係は消滅するという点に特徴があり、子供にとって新たな家庭と親が与えられることで、安定した親子関係が育まれる制度であると言える。
この特別養子縁組制度は、これまでの養子制度とは大きく異なり、家庭裁判所の審判により養子縁組が成立し、原則、要保護児童は6歳未満であることや、養親は25歳以上の夫婦であることが条件とされている。
このようなことから、特別養子縁組の成立には、養子と養親のあっせんが不可欠とされているが、根拠としている民法や児童福祉法にもあっせんの統一的な基準など手続に関することは規定されていないため、国の通知に基づいているのが現状であり、法制化によるあっせんの仕組みの整備が必要である。
よって、国におかれては、要保護児童の健全な育成や特別養子縁組制度の普及促進を図っていく観点から、特別養子縁組制度の手続の法制化に取り組まれるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99 条の規定により意見書を提出する。
平成26年3月24日
兵庫県議会議長 石 堂 則 本