議会の動き

最終2カ年行革プラン 今後の収支見通しに対する意見開陳

先日の「今後の収支見通し」に関する質疑に対する金澤副知事の答弁において、平成27年度から平成30年度まで一般財源総額が同水準に抑えられる中、社会保障関係費は右肩上がりに増加していくため、平成30年度時点の収支均衡達成は今のところ可能であると見込まれるものの、それ以降、消費税率が据え置かれる中で、健全な財政運営を維持していくことの難しさが指摘されました。

つまり、31年度以降、さらに厳しくなることが予測される財政状況の下、行政運営を持続可能なものにしていくためには、新たな財源の確保が非常に重要となります。そのためには、我が会派としては2つの方策が必要であると考えています。

その方策の1つが、先ほど引用しました答弁でも触れられていましたが、消費税の増税です。これまで2度にわたり増税が見送られてきましたが、高齢化が進展し財源不足がますます明確となる中、社会保障と税の一体改革が本来の目的を達成できるよう、確実な消費税増税の実施を国に求めていく必要があります。

2つ目は真の構造改革の実現です。そのための手段としては3つあります。

第一に、生産年齢人口の見直しを通じた社会の担い手の拡大です。第一次案の意見開陳でも申し上げましたが、地域創生戦略では、団塊の世代が75歳以上となる2025年度以降、生産年齢人口の拡大を目指し、その上限を64歳から74歳に引き上げるという考え方を導入することとしています。第一次案における老人医療費助成事業の廃止や県立施設高齢者減免要件の見直しなどはその考え方の一環であると捉えていますが、健康寿命の延伸を進め、医療・介護費の大幅な削減を目指すとともに、さらなる参画と協働を進め、社会や行政の担い手を増やす施策の充実が必要不可欠です。

第二に、これまで我が会派が指摘してきた組織やハコモノの抜本的な見直しです。これまでも主張してきたことですが、(公財)兵庫丹波の森協会の、丹波県民局との業務の一体化や、地元による多額の運賃補助を必要としている但馬空港については、現実的な認識に沿った抜本的な見直しを行うべきです。また新西宮ヨットハーバー(株)についても、県はいつまで経営に関与を続けていくのでしょうか。第一次案においても今後検討となっている、これらの組織・ハコモノの見直しを本格的に進め、質的な改革を成し遂げなければなりません。

第三に、限られた財源の中での持続可能な行政運営実現のために、スクラップの意味での既存施策の見直しだけではなく、ビルド部分、つまり新規施策展開時における優先順位の明示のほか、既存施策の方針転換を行う際の丁寧な説明が欠かせません。特に投資事業の実施にあたっては、将来にわたって維持管理費が発生するため、その判断には、より一層の慎重さが求められます。我が会派では最近、県政150周年記念事業や、小野市市場地区開発等の企業庁の施策展開について色々と指摘してきましたが、来年度予算の編成に苦慮されている今だからこそ、ビルド部分に関する意識改革をさらに進めるべきです。

最後に、約10年にわたる当局の懸命な努力が結実し、ようやく収支均衡達成が視野に入ってきた今、平成31年度以降の課題についてもはっきりと姿が見えてきました。さらに厳しさを増す財政状況という新たな課題を乗り越え、31年度以降にも持続可能な行財政運営を行うためには、これまでの膨大な議論の蓄積を十分に生かし、真の構造改革実現に向けて歩みを進めていかなければなりません。次期定例会において示される最終案が、真の構造改革に真摯に取り組むものとなっていることを期待して、我が会派の意見開陳を終えます。