予算特別委員会(部局審査・企業庁)
質 問 者 竹内 英明 委員(ひょうご県民連合)
1.企業庁の独立採算維持について
(1)進度調整地の338億円の借入金対応について
今議会に提案されている「最終2カ年行革プラン」の中で、企業庁・地域整備事業に含まれる「播磨科学公園都市及びひょうご情報公園都市の中で、未だ土地造成を行っていない、いわゆる進度調整地については、(中略)長期的には環境林としての活用も含め、引き続き事業進度を調整する」としている。この進度調整地は28年度末現在1379ha496億円である。うち今後借入金への対応を要するのが、338億円ということである。この土地を取得する際に起債した企業債の償還に充当する現金が不足する見込みがあるということだろう。
企業庁が昨年10月に発行した「兵庫県企業庁五十年史」という記念冊子を読ませて頂いた。その中で発足当初の職員の方の苦労や高度経済成長時代の企業誘致などの成功、バブル崩壊時の対応などOB職員の座談会など興味深い内容もあり、特に、播磨科学公園都市に関して、「あの山の中になぜ都市を作ったのかという素直な質問」「あの位置に全域2000haの計画をしたのは東急電鉄です。
レクリエーション都市を造るという提案で、当時の地元の三日月町と新宮町と上郡町が賛同され、用地買収を3町の職員が担当しました。しかし、昭和48年のオイルショックが大きな契機になり、東急電鉄が事業から撤退してしまいました。」(中略)「三日月町長を筆頭に、県政として応援してほしいと県知事に強く要請されました」
その後のSPring-8の立地決定や現在の県の関わりや状況は、もう皆さんのご存知の通り。
座談会当時の荒木管理者は「(SPring-8の周辺に)研究機関が張りつかなかったのは、情報発信手段の進歩ではないかと。あそこに行かなくてもSPring-8などの先端科学技術基盤は使えるということです。そうだとするならば、交流人口を増やすことが効果的だと考えています」としている。
29年度の予算には交流人口を増やす施策も盛り込まれているところです。
この冊子には、企業庁の前段の企業局創設S41年以来の全職員の名簿も掲載されている。関わってこられた職員にも思い入れのある事業だと思う。
私がこれまで企業庁の審査にあたってきた中で一番印象に残っているのは、岡田 元公営企業管理者の『企業庁は財政的には誰にも迷惑をかけていません。独立採算でやってきました。』という言葉だ。先に述べた「長期保有土地の県有環境林特会への移管」は、自らによる資金手当を断念すると共に、これまでの企業庁の独立採算という金看板を降ろすことになる話であり、避けるべきだと考える。まず確認したい。進度調整地に関して338億円の借入金対応が必要となるのはいつなのか?
(2)県有環境林特会の活用回避について
企業庁が管理する全公営企業会計を調べ、特に潤沢な資金がある企業資産運用事業会計を調べた。ここには約240億円の資本があり、これに対応する資産として185億円の貸付金や50億円の現金を有している(H29末B/S)。企業資産運用事業の240億円の資金を活用する他、一般会計との債権債務の解消、他の会計等の資本を活用しても尚、県有環境林特会を活用しなければ資金繰りに窮するということなのか教えてほしい。
2.地域整備事業「神戸三田国際公園都市」の分譲見込について
最終2カ年行革プランでも地域整備事業のうち「神戸三田国際公園都市」はH32年度末に分譲率100%と記載されているが、これでいいか。