議会の動き

栗山 雅史議員が質疑を実施

質問日:平成30年2月16日
質問者:栗山 雅史 議員
質問方式:一括

1.児童養護施設等ICT化推進事業について

児童虐待相談受付件数は、兵庫県内でも年々増加しています。全国的には死亡事故に至るような事案もあり、まだ物ごころもついていない幼い子どもたちの心のうちを推し量りますと、大変心を痛めております。そのような状況下、一人でも多くの子どもたちを救いたいという一心で、虐待の未然防止や子どもの一時保護など、日々の職務を懸命に全うされているこども家庭センターの職員、あるいは乳児院、児童養護施設の職員のご精励に、心から敬意を表する次第であります。

さて、今回の補正予算案では、これらの職員の業務負担の軽減や、虐待を受けた子どもに対する養育の質を向上させるために、タブレット端末を購入し、保護委託中の子どもの情報等を、こども家庭センターと委託施設間で一元管理できるシステムを導入するという提案になっています。私は、この取り組みは大変意義深いものと考えています。

新たなシステムによるタブレット端末の活用は、まず「外出中であっても利用できるポータブル性」をはじめ、「子どもの情報の提供や閲覧」、「一時保護可能な施設の情報の入手」、「即時性」などの効果が期待されます。また、これまでは1施設に1~3台程度の専用パソコンしか設置されていないため、使用機会が制限されていましたが、タブレット端末を複数台備えることで、多くの職員がリアルタイムに情報を入手、閲覧できる機会が格段に増えます。早急に整備を完了され、情報セキュリティに気をつけていただくとともに、新しい機械の導入がかえって現場の方々の負担にならないよう十分な配慮をいただいた上で、しっかり活用が図られるように取り組んでいただきたいと願っているところです。
当局としては、この取り組みを通じて期待できる効果についてどのようにお考えか、ご答弁ください。

2.日本酒の品質向上支援事業について

国税庁が毎年発行している「酒のしおり」を見ますと、消費される酒類の
中で、日本酒は平成元年度にビール(71.0%)に次いで2位の15.7%でし
たが、平成27年度ではビール(31.5%)、リキュール(24.0%)、焼酎(10.
1%)、発泡酒(8.9%)、その他の醸造酒等(7.0%)に次ぐ第6位、6.6%
となっています。消費量で見ても、ここ3年間毎年下がっているほか、これは清酒に限ったことではありませんが、酒類の一人あたりの消費数量が減少傾向にあるとされているところです。

そのため、各酒造メーカーなどは、スパークリング仕様にして女性ファン
獲得に努めたり、和食ブームに合わせて海外への輸出に取り組んだりと、様々
な取組を行っておられます。
日本三大酒処の一つである灘五郷をはじめ多くの酒造会社を抱える本県としては、日本酒は重要な地場産業であり、特に地酒ブームを担う各地の酒蔵を、地域創生の観点からも支援していくことが必要であり、そのためにもできることから取り組んでいく必要があろうと考えます。

今回補正予算案として挙げられた本件は、国の平成29年度補正・地域新成長産業創出促進事業費補助金を利用して、全額国庫で香気成分の分析を行うガスクロマトグラフ-フーリエ変換赤外分光光度計(GC-FTIR)と、アルコール分析装置を購入するものであり、日本酒生産過程のデータを分析・蓄積し、新たな品質の開発や生産工程の効率を図るための分析が目的とされています。

新商品の開発というものは、酒造メーカーや蔵元が、それぞれ独自に研究、開発されるものではないかと認識しておりましたが、この香気成分の分析を行うGC-FTIRの導入により、既存商品の味や香りの数値化をして、品質の一定化、安定化に寄与することにつながるのはもとより、特に地域の酒蔵にとっては、この機械を活用して、新商品の開発に積極的に取り組もうという意欲が喚起されるのではないか、と考えています。
そこで、GC-FTIRを今後どのように活用して、どのような効果を期待しているのか、さらに、日本酒を守っていくために、この機械の導入を機にどう展開していこうと考えているのか、お伺いします。