質問日:令和4年3月10日(木)
質問者:木戸 さだかず 委員
1 種苗法改正の影響について
種苗法が改正され、いよいよ本年4月から完全施行される。
種苗法の改正については、令和2年第347回定例会における堀井県議の種苗法改正に係る一般質問において、「許諾制については、種苗法に基づき登録されている品種に限定されており、県内で広く栽培されているコシヒカリや山田錦など、すでに品種登録期間が切れた品種や古くから地域にある在来種などは対象外となっており、従来と変わらず自家増殖が可能なこと。品種登録期間が切れていない米の「きぬむすめ」大豆の「サチユタカ」酒米の「兵庫錦」いちごの「あまクイーン」などの登録品種は、許諾が必要となるが、国において、農家の負担が増えないように、許諾申請手続きの簡素化が検討されている」との県の回答であった。
いよいよ4月に種苗法改正が施行されるわけであるが、改めて県登録品種に関する県内生産農家への影響について伺う。
2 ネオニコチノイド系農薬等の使用について
今、農林水産省は、令和3年5月に策定した「みどりの食料システム戦略」において、2050年までに低リスク農薬への転換等を図り、「ネオニコチノイド系を含む従来の殺虫剤に代わる新規農薬等の開発により化学農薬の使用量を、リスク換算で50%低減する」ことを目指す姿に掲げている。
県はこれまでコウノトリ育むお米に象徴されるように、安心安全な「環境創造型農業」を推進している。
御食国として、「安心安全」な食料生産を追求することはこれからも重要なテーマである。
2018年の改正農薬取締法において、全ての農薬について、定期的に最新の科学的知見に基づき安全性の再評価を行う仕組みが導入され、本年度、ネオニコチノイド系農薬が再評価されようとしている。
県としてこれらの農薬の使用低減に関する取り組みを積極的に推進していくべきと考えるが、現状と今後の方針について県の所見を伺う。
3 有機農業の推進について
有機農業については、これまでも多くの議員が質疑をしており、県も環境創造型農業の大きな柱に据えて取組んできた。
20年ぶりの知事交代となった、齋藤新知事は、従来にない発想、仕組みを取り入れる姿勢を打ち出しておられ、各分野に従事する県民は期待している。
有機農業への今後の展望、取り組み方針について、新しい県政のもと、どのような姿勢で取り組もうとされているか所見を伺う。
4 学校給食における県産食材の供給拡大について
令和4年度から学校給食に県産食材を積極的に利用してもらう取組が始まろうとしている。
学校給食に兵庫県学校給食・食育支援センターが提供する県産食材を原料とする加工品を使用する際、県外産加工品との価格差を補填するといった内容で、来年度は、まずは10か所でモデル事業を実施、予算額は約400万円となっている。
学校給食で県産食材を提供するのは大変良いことであり、さらに「安心安全」な環境創造型農業で作られた食材も積極的に活用していければと誰しもが思うところである。これまでも有機農産物を学校給食にという質疑があったが、調達量やルートの確保が容易ではなく、コストがかかることから、恒常的に実施するのは課題が多いという県の回答であった。
有機農産物においては、その安全性、安心から学校給食への導入を求める声は多い。
丹波市、明石市には「オーガニック給食の実現をもとめる請願」が提出されどちらも全会一致で採択されている。
泉大津市では、令和4年度より保育所や認定こども園、小中学校の給食にオーガニック食材を導入するため、新年度予算案に約4,100万円の事業費を計上した。
小中学校では月に2回程度、保育所と認定こども園では給食のたびにオーガニックの米やみそなどを使う予定。小中学校では公費でオーガニックの米やみそを購入することで、保護者から集めた給食費のうち米やみその購入に充てていた部分をほかの食材の購入に回すことができ、給食の食材全体の充実が図れる見通しである。
県としても、県産食材導入からさらに一歩踏み込んで、有機農産物の導入促進策を積極的に展開していくべきと考えるが所見を伺う。