平成30年度決算特別委員会(財政状況)
日 時:令和元年10月7日(月)
質問者:前田 ともき 委員
1 パチンコ税の創設について
以前、宿泊税の創設を提言しました。答弁では価格弾力性や消費税との整合性など問題点を指摘しながら、創設しない答弁がされました。その後、大阪・京都などで導入され、兵庫県でも導入すべきと考えています。
今回は、パチンコ税の創設を提言します。パチンコは娯楽施設利用税として課税されていたこともあります。
消費税の創設に伴い廃止されましたが、IR導入を契機としてギャンブル依存症などの社会的コストが明らかとなっています。厚生労働省の調査では、生涯で3.6%、320万人の成人がギャンブル依存症が疑われる状態になったと推計しています。
お金を費やした対象はパチンコ・パチスロが最多で、2.9%。競輪・競馬などを抑えてダントツ1位。ギャンブル依存症はパチンコ・パチスロ依存症といっても過言ではありません。精神保健福祉センターや保健所におけるギャンブル等に関する相談件数は、平成 29 年度で 4,843 件に留まっており、適切に依存症患者が受診した場合、そのコストは飛躍的に増加する。そのコストを事業者に負担させることは当然ではないでしょうか。
競輪・競馬などは公営事業であり、収益は税収となる。カジノは売り上げの30%が税収となります。
しかし、完全民間事業であるパチンコ・パチスロはギャンブル依存症対策のコストを支払っていません。例えば、熱海市では別荘等所有税を創設し、ゴミ処理や消防梯子車、上下水道の整備などの行政需要・外部不経済の内部化を図っています。
今年、兵庫県ギャンブル等依存症対策推進計画(仮称)の策定が検討され、今後政策が実行されます。
ギャンブル依存症対策の財源を確保するために、その大半の発生原因であるパチンコ・パチスロ事業者に対して県独自の課税を行うべきと考えますが見解を伺います。
2 超低金利・フラット化する金融情勢を活かした超長期債の発行について
超金融緩和と景気後退懸念から、逆イールド・長短金利逆転は7年物まで、マイナス金利は15年物、新発5年債は過去最低の利回りを更新しました。また、10年国債と1年国債のスプレッドがほぼ0でフラット化が進んでいます。
金利低下と逆イールドで目下の金融情勢は資金調達、超長期債を発行する有利なタイミングです。国債ではアルゼンチン、オーストリア、メキシコ、ベルギーなどで100年債が発行され、ドイツは30年物のゼロクーポン債を発行しています。
ちなみに、オーストリアの100年債の利回りは1.2%程度まで低下。日本においては、地方債も暗黙の政府保証があるといわれ、金融機関にとってもリスクウェイトがゼロとされます。
兵庫県も超長期債の発行で有利な資金調達を図るべきでないでしょうか。
例えば、建設国債ならぬ、新県庁舎債の発行も行うべきでないでしょうか。
イールドハンティングが活発化する中で、長期間の安定的な債券投資に対するニーズが高まっています。
しかし、国内ではようやく今年に入り、三菱地所が最長かつ初となる50年、150億円、1.132%で調達した程度。民間はもちろん公社債でも投資家に対して債券投資先を供給できていないと考えています。
このような超長期債は国内で競合は少なく、先駆的に行うことで有利な条件で起債できると考えます。
そこで、超低金利・フラット化する金融情勢を活かした超長期債による資金調達についての方向性を伺います。
また、現行制度では地方債は、一部の例外を除き30年が最長となっていますが、最低でも建設国債並みの60年を最長とするよう国に規制緩和を働きかけるべきでないでしょうか。