議会の動き

木戸 さだかず議員が質問(産業労働部)を実施

令和元年 平成30年度決算特別委員会(産業労働部)

日 時:令和元年10月10日(木)

質問者:木戸 さだかず 委員

1 アンテナショップ事業について

兵庫県では、県内特産品の振興を図るため、アンテナショップ事業を展開しており、神戸阪急に「ひょうごふるさと館」を設置し、首都圏アンテナショップとして、一般社団法人兵庫県特産物発信協会が設置している「兵庫わくわく館」に支援しています。

県が設置しているひょうごふるさと館へは、施設管理運営に要する経費として約360万円、兵庫わくわく館へは設置者に対して、観光・物産情報の発信に要する経費として約800万円を支援しています。

本事業は、兵庫の特産品振興、PRであるから、広告費と思えばいいという考え方もありますが、優れた特産品は商業ベースにのり、適正な価格で販売され事業として成り立っています。今は、多くのスーパーで地方食材を取り扱っており、また、ネット販売のビジネスモデルが成り立つなど、流通は多角化しています。

このような時代に、三宮、東京という一等地で店舗を構えることでPRを図るというのは効果も限定的であり、県の支援がなければ、継続的な運営は厳しい状況にあると言え、事業の在り方を見直す必要もあるのではないかと考えます。

多くの自治体が物産館を展開していますが、そこから、どのような展開、拡がりが見られたかが大切です。理想は、アンテナショップから商談が生まれて、物産を扱う企業がどんどん成長するといったことだと思いますが、そういった話はどれくらいあるのでしょうか。

三宮ではそごう神戸店が閉店し、10月5日に神戸阪急が開店しました。その最初のイベントは、北海道物産展です。兵庫県の物産展は、北海道にかなわない状況で、民間は売れるかどうかですから厳しい世界です。しかしながら、本県では優れた特産品を「五つ星ひょうご」として魅力の発信をしていこうとしており、その意気込みには敬意を表します。

北海道ほどネームバリューがないのなら、アンテナショップで一個一個を売るというB2Cのビジネスモデルではなく、B2B、すなわち、商店街などと手を組み、企業に営業をかけ、販路拡大事業に注力した方が、結果として、物産品の魅力発信に繋がるのではと思います。

これらを踏まえ、アンテナショップ事業について、事業効果と意義、そして今後、経営改善の必要性も含めてどのような展開を図っていこうとされておられるのか、当局のご所見をお伺いします。

2 カムバックひょうごハローワークについて

本ハローワークは、カムバックひょうご東京センター、ひょうご出会いサポート東京センターと併設されており、そこでは就労相談の他に、移住相談、結婚相談の機能を備え、ワンストップで移住希望者の様々な相談内容に応えられるようになっています。

この取り組みを見ていますと、非常にターゲットが絞られており、これからも成果を期待するところです。

一方で、ハローワークの開業時間をみてみると、ターゲット層を的確に、がっちりと掴まえようとしているのか、疑問を抱きます。

就職相談のターゲットは現役世代、特に若い層であると思いますが、センターが開いているのは、平日の朝から夕方、そして土曜日の朝から夕方となっています。

働いている人にとっては、平日の昼間はミスマッチングとなるのではないでしょうか。特定の職業の方の休日というのであればまだ分かりますが、それでも、多くの人にマッチングしていくという視点が必要です。

調べると、ハローワークの平日と休日の来訪者の割合は、平日が火曜:19.9%、水曜:18.7%、金曜:23.5%、土曜:35.5%となっており、休日の方が来訪しやすい傾向があることがわかります。そのため、平日についても、ターゲットは働いていることを念頭に、勤務時間が終了した以降の時間帯の開業を検討するなどの工夫が必要と考えます。

また、カムバックひょうご東京センターが実施しているイベント等と連携した取組も重要です。特に若い世代にとっては、移住先でしっかりと仕事につき、そこで住む自分の幸せな状態が想像できるかがとても大切なファクターだと思います。加えて、PRを行うにあたっては、ひょうごに住むメリットや「今、ひょうごが熱い」といった空気を醸し出せるかが重要なのではないでしょうか。

そこで、開業時間帯の延長も含め、開業時間帯に来ていただくための工夫に加え、センターが行うイベントと連携した取組が必要と考えますが、来訪者を増やすためにこれまでどのような取組がなされ、今後どのように展開しようと考えておられるのか、当局のご所見をお伺いします。

3 企業立地の促進について

兵庫県は、全国でも企業立地数は上位に位置しており、これまでの取り組みに敬意を表します。

しかし、県内には、企業立地に適した場所とそうでない場所があるのも事実です。

県内の立地促進については、交通網の利便性や雇用の関係など様々な要因の影響があると思いますが、地域によって、企業立地のしやすさは大きく異なってくるのではないでしょうか。

また、現在、県内各自治体は、それぞれ企業誘致に取り組んでおり、各種アンケートでも、移住定住には働く場所の問題点があげられています。

一方で、通勤圏という言葉があるように、自分の住んでいる自治体外へ通勤している方はたくさんおられることを考えると、自治体が個別に企業誘致をしているのは効率的なのか、考えさせられるところです。もっと、大きな塊で企業誘致に取り組む方が、スケールメリットを活かせる気がします。

また、企業誘致を進めるには、例えば企業誘致達成分配金のようなものを創設し、利益を再配分するなど、自治体同士で争わず、協調して取り組むような必要性が今後あるかもしれません。

ある自治体に企業がくると、別の自治体から通勤して来る人もいます。そのため、労働者の確保も考慮すると、企業誘致にあたっては 各自治体が単独で企業誘致に動くというよりはある程度のエリアで連携して進めるべきではないかと考えています。

そこで、県民局単位等広域的に、その中の市町等とも連携しながら企業立地を展開していく必要性があると思いますが、ご所見をお伺いします。