議会の動き

◆19年12月定例会 議案に対する態度と考え方

概要  代表・一般質問  議案に対する態度と考え方

19年12月定例会

■請願(主なもの)

<請願番号>

第5号

<件名>

人工多能性幹細胞(iPS細胞)の備蓄事業に対する支援の継続を求める意見書提出の件

<会派態度(委員会での議決結果)>

採択に賛成(採択)

<会派としての考え方>

1 iPS細胞の医療への応用は、目の難病「加齢黄斑変性」に対する臨床研究が実施されており、今後も心筋細胞の移植や脊髄損傷の治療などが計画されている。また、難病患者からiPS細胞を使って様々な薬を試せば、新薬開発の効率が飛躍的に高まることから、創薬への応用も期待されている。
2 さらにiPS細胞の備蓄については、今年度9月に「京都大学iPS細胞研究財団」が設立され、大学から独立してiPS細胞の製造や品質評価、保管・管理などを担い、備蓄細胞の販売収入などで事業を継続できる体制を整えている所であり、再生医療や創薬の発展のためには、継続した支援が必要である。
3 以上のことから、請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。

<請願番号>

第6号

<件名>

国民皆保険制度を基盤とした持続可能な社会保障制度の確立を求める意見書提出の件

<会派態度(委員会での議決結果)>

採択に賛成(採択)

<会派としての考え方>

1 医療費の削減のため診療報酬が抑制されれば、医師不足や偏在が進むことで地方では病院や診療所の閉鎖が増える可能性があり、都市部では医師不足で勤務が過酷となっている救急医療や産科・小児科の診療停止につながる可能性がある。
2 今後も高齢化の進展により医療に係る費用は増え続けることから、社会保障制度の安定性・持続可能性を確保するためにも、医療費の削減だけではなく、適切な財源の確保についても検討が必要と考える。
3 以上のことから、請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。

<請願番号>

第7号

<件名>

社会福祉事業の職員配置基準の抜本的引き上げを求める意見書提出の件

<会派態度(委員会での議決結果)>

継続に賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1 介護職員等の配置基準については、国が各サービスに対して一定の質を保つために必要な人員を定めたものであるが、福祉人材が不足する中、職員の配置基準を引き上げたとしても人材の確保は難しく、まずは人材確保のために福祉の仕事に対するイメージアップやICTの活用による業務改善なども進めながら、環境整備を進める必要があると考える。
2 処遇改善については、介護報酬では3年ごとに実態調査を踏まえた介護報酬額の見直しがされていること、障害福祉サービスでは手厚い配置に対して加算評価があること、保育士では1歳児や4・5歳児の職員配置基準の改善加算が検討されていることなど、国においてもその重要性を認識し、一定の改善が行われてきている。
3 そのため、請願の趣旨は一定理解するものの、国等において人材確保の取組を進めているところであり、また実施にあたっては財源についての議論も必要であることから、結論を出さず「継続」を主張する。

<請願番号>

第8号

<件名>

障害児の豊かな教育のため条件整備を求める件

<会派態度(委員会での議決結果)>

継続に賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1 障害のある子供たちが、豊かな教育を受けられるよう教育環境の充実を求める請願の趣旨については、概ね理解できる。
2 県では、これまでも「兵庫県特別支援教育推進計画」に基づき、学校の新設や建替え、老朽化した施設や設備の改善に加え、寄宿舎を置く学校においては防犯用センサーライトや防犯カメラの設置や警察との連携、交通事情にあわせたスクールバスの選定など改善を行ってきた。
3 しかしながら、教育環境の充実を図るには大きな財政的負担が必要となる。そのため、特に義務教育段階においては、日本全体における教育環境の公平性も考慮した上で、国が財政支援を行うべきである。
4 今後、国の予算の状況を踏まえて、さらなる支援の充実が必要であるか判断する必要があることから、本請願については結論を出さず「継続」を主張する。

<請願番号>

第9号

<件名>

教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する件

<会派態度(委員会での議決結果)>

採択に賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1 私立学校は、各々建学の精神に基づき特色ある教育を展開し、公立学校とともに公教育の一翼を担ってきたところであり、あらゆる生徒の就学機会を確保するためには、私立学校の維持発展が欠かせない。
2 現在、国では、私立学校の教育条件の維持向上や保護者の教育費負担の軽減及び学校経営の健全性の向上を図り、各学校の特色ある取り組みを支援するため、都道府県による経常費助成等に対し補助を行っている。
3 しかしながら、保護者の深刻な学費負担を軽減し、私立学校が新しい時代の要請に応えていくためには、私立学校への支援の一層の充実が求められる。
4 よって、私立学校に対する支援の充実を求める本請願の趣旨に賛同し、「採択」を主張する。

<請願番号>

第10号

<件名>

全ての子供たちへの行き届いた教育を目指し、35人学級の前進、教育の無償化、教育条件の改善を求める件

<会派態度(委員会での議決結果)>

継続に賛成(不採択)

<会派としての考え方>

1 県の責任による小・中・高35人学級の実施については、全国的な方向性として理解できるが、35人学級をすべて県の責任で、しかも高校も含む全ての学年で実施することは、現時点の厳しい財政状況の下では困難と考える。
2 しかしながら、すべての子供たちの教育環境の充実を求める請願の趣旨については、概ね理解できる。
3 一方、文部科学省においては、新学習指導要領の円滑な実施と学校における働き方改革に向けて、教職員定数の改善を推進するため、来年度予算の概算要求を行っているところである。
4 また、国では、昨年度から給付型奨学金が本格実施されており、来年度予算においても本制度の着実な実施に向けた予算要求となっている。県としては、こうした国の動向を注視して判断する必要があることから、本請願については結論を出さず「継続」を主張する。

<意見書番号>

第21号

<件名>

女性活躍の推進に向けた取組の一層の充実を求める意見書

<会派態度(委員会での議決結果)>

賛成

<会派としての考え方>

人口減少・少子高齢化が進展する中、社会の活力を維持していくためには、女性の活躍が必要不可欠である。国においても、様々な状況に置かれた女性が自らの希望を実現して輝くことにより、社会の活性化につながるよう「すべての女性が輝く社会」の実現に向けた取組を進めている。

第4次男女共同参画基本計画では、あらゆる分野における女性の活躍を目指し、2020年までにその割合を少なくとも30%程度とする目標を掲げているが、議員の候補者に占める女性の割合、官公庁の幹部職員や民間企業の役職者に占める女性の割合は依然として低水準であり、政策や方針などの決定過程への女性の参画を一層進める必要がある。

本年6月の労働力調査では、女性の就業者数が3千万人を突破するなどその就業者数は増加傾向にあるものの、待機児童問題は解消されず、男性の育児休業取得率や男性の育児・家事関連に費やす時間等は低水準であり、女性の負担が大きい状況がある。

また職場では、セクハラ・パワハラなど深刻な人権侵害が問題となっている。加えて「男女共同参画社会」の周知も十分でないことから、社会において女性がその能力を十分に発揮するためには、さらなるワーク・ライフ・バランスの取組とともに、男女共同参画社会に関する理解の促進を図る必要がある。

よって、国におかれては、働く場面で活躍したいという希望を持つすべての女性が、その個性と能力を十分に発揮できる社会の実現を目指し、女性活躍の推進に向けた取組を一層充実させるために下記の措置を講じられるよう強く要望する。

1 男女共同参画社会の実現に向けて、あらゆる分野における女性の活躍を推進するため、女性の参画拡大の積極的な推進及び女性活躍の視点に立った制度等の整備を進めるとともに、社会全体の理解促進を図ること。
2 女性の活躍促進に関する取組を行う地方公共団体を支援するため、十分な予算額を確保すること。