議会の動き

◆24年12月定例会 会派提案の意見書案

 概要 / 議案に対する態度と考え方 / 会派提案の意見書案 

意見書案 第52号

SNS等インターネット上の誹謗中傷等の抑止と被害者救済についての意見書

 インターネットは、誰もが自分の意見を自由に表明でき、多くの人々とコミュニケーションを図ることができる場として定着しているが、SNS等においては、匿名の発信者による激しい誹謗中傷や差別的言動などが後を絶たず、被害者が自殺に至るなど、深刻な社会問題となっている。

 国は、これまで、表現の自由とのバランスに配慮しつつ、被害者の救済を図るため、インターネット上の誹謗中傷等による権利侵害について、権利侵害情報の削除や発信者情報の開示請求等を規定するプロバイダ責任制限法を制定・改正するなど、プロバイダ等における円滑な対応が促進されるよう環境整備を行ってきた。

 しかし、発信者の特定にはSNS等運営事業者に加えて携帯電話等通信事業者への開示請求を必要とする場合が多いほか、権利侵害の明白性が認められる場合に開示請求を受けた事業者が任意で発信者情報を開示できる制度も十分に活用されていないことから、発信者情報の開示請求が被害者の大きな負担となっており、実効性のある仕組みを速やかに整備する必要がある。

 よって、国におかれては、インターネット上の誹謗中傷等の抑止と被害者救済を図るため、下記事項を実現するよう強く要望する。

1 SNS等インターネット上の誹謗中傷等を抑止し、迅速かつ円滑な被害者救済を実現するため、開示対象となる発信者情報の追加やプロバイダ等による発信者情報の開示の円滑化など、被害者の負担軽減につながる制度改正を速やかに行うこと。

2 誹謗中傷等を受けた被害者を救うため、警察や各自治体、支援団体等との連携による相談窓口体制の強化と周知を行うこと。

3 インターネット利用者の情報モラルを向上するため、広報啓発活動を更に積極的に行うこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

 令和6年12月13日

兵庫県議会議長  浜 田 知 昭 

 衆議院議長  額賀 福志郎 様
 参議院議長  関口 昌一  様
 内閣総理大臣 石破 茂   様
 内閣官房長官 林  芳正  様
 総務大臣   村上 誠一郎 様
 法務大臣   鈴木 馨祐  様
 財務大臣   加藤 勝信  様
 警察庁長官  露木 康浩  様

意見書案 第53号

カスタマーハラスメント対策を求める意見書

 カスタマーハラスメントは、顧客等からの暴行、脅迫、ひどい暴言、不当な要求等の著しい迷惑行為として定義され、深刻な社会問題となっている。

 日本労働組合総連合会が公表した「カスタマー・ハラスメントに関する調査2022」によると、「仕事をやめた・変えた」と回答した人のうち、勤務先において「対策が取られていない」とした人の割合は、社内規則の制定について47.9%、マニュアルの作成について56.3%、研修について67.6%もあり、各事業所の対応についての課題が浮き彫りになっている。

 また、生活上で生じた変化として、「出勤が憂鬱になった」、「心身に不調をきたした」、「仕事をやめた・変えた」等が挙げられ、職場の人材不足にも大きな影響を及ぼしていることが明らかになっている。

 厚生労働省は「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」の策定をはじめ、「対策企業マニュアル」、リーフレット、ポスターを作成し、あらゆるハラスメントの撲滅に向けた啓発を行っている。

 企業だけでなく、各自治体においてもハラスメント対策に関する方針やマニュアルを作成しているが、現在でも至るところで過剰なクレームや脅迫、強要事案が発生しており、職場環境をおびやかす社会問題となっているが、この問題を直接的に規制する法律はまだ整っていない。一方で、重大な社会的課題となっており、顧客・就業者・事業者等、どの立場になっても、安全に安心して生活できる環境を社会全体でつくっていくことが急務である。

 よって、国におかれては「仕事の世界における暴力及びハラスメントの撤廃に関する条約」(ILO第190号条約)の批准も視野に入れ、法制化を含めて検討するとともに労働者を守るため、下記事項を実現するよう強く要望する。

1 国全体でカスタマーハラスメント対策を推進するため、消費者団体、経営者団体、労働者団体等の参画のもとで法案の策定を進めること。

2 事業者が、カスタマーハラスメントによる健康被害等について労働者の保護のための措置を講じるよう義務付けること。

3 正当な苦情の申出は事業者、消費者双方にとって利益があることも踏まえつつ、カスタマーハラスメントから適切に労働者を守る通報等の制度を整備すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

 令和6年12月13日

兵庫県議会議長  浜 田 知 昭

 衆議院議長  額賀  福志郎 様
 参議院議長  関口  昌一  様
 内閣総理大臣 石破  茂   様
 内閣官房長官 林   芳正  様
 総務大臣   村上  誠一郎 様
 法務大臣   鈴木  馨祐  様
 財務大臣   加藤  勝信  様
 厚生労働大臣 福岡  資麿  様