Ⅰ 県民の「命と暮らし」を守るために (8項目)
①新型コロナウイルス感染症について、重症者・中等症患者の増加に備えた入院体制の充実はもとより、今後も急激な増加が懸念される軽症者等に対し、宿泊療養施設等の医療提供体制を確保・充実させること。
②新型コロナウイルス感染症について、自宅療養者への適切な医療提供や生活支援を行うとともに、感染後の後遺症に悩む人たちへの相談窓口を拡充すること。そのために、市町、医師会等との情報共有や連携が一層円滑に図れるようシステムの構築・改善をすること。
③全国的にワクチン接種が進む中、2023年度以降も継続したワクチン接種が必要になると考えられることから、ワクチンと接種会場の継続的な確保に努めること。
④コロナワクチン接種後の副反応や後遺症についての情報提供を行うとともに、相談窓口での適切な対応に努めること。
⑤飲食店のみならず、コロナ禍で深刻な影響を受けている事業者に対し、県独自の支援策を充実させること。
⑥コロナ禍で、若者・女性・高齢者・障がい者など働く意欲のある多くの人の雇用が切迫する中、労働者の権利が脅かされることのないよう雇用の安定を図るための施策を充実させること。また、キャリアアップの機会提供に努めること。
⑦新型コロナウイルス感染症を含め、新たな感染症の発生や感染拡大に対応するため、有事における保健所等の危機管理体制について、中長期的な視点から検討すること。また、保健師の増員を含めた適切な職員配置や人材育成に注力するとともに、職員が安全・円滑に職務が遂行できるよう労働環境を整えること。
⑧原油価格や物価の高騰は、コロナ禍で既に厳しい環境にある家計や経済活動に大きな影響を与えていることから、県民生活の安定化に向け、物価高騰に直面している生活困窮者や子育て世帯等への支援を強化すること。
Ⅱ 「地域主権社会」の確立に向けて (8項目)
①地方分散型社会の実現に向け、兵庫五国の特性を活かした地域創生の推進を図ること。施策展開にあたっては、自然増対策、社会増対策の効果が十分に出るよう、実施する施策についてよく検討すること。また、必要な特区や規制緩和の実現を含め、地方の声が国の施策に反映されるよう国に強く求めること。
②コロナ禍でのライフスタイルや働き方の変化に対応した効果的な訴求で移住・移転促進を図ること。
③県独自の県内分権を進めるため、「県から市町への権限移譲検討会議」において、移譲事務交付金の増額など財源も含めた移譲を進めること。
④関西広域連合として国の出先機関の移管やさらなる国の事務移譲など、コロナ禍を踏まえて、改めて今後の地方分権型社会のあり方を検討すること。
⑤県規制改革推進会議の関西広域連合への移管を含め、規制改革のワンストップ化・会議体コストの削減・自治体間の課題共有を図ること。
⑥集落の移転や整理など「コンパクトシティ化」を目指す市町に対して、県として財政的支援ができるよう制度を創設すること。
⑦これまで兵庫県が培ってきた「県民の参画と協働」について、後退させることがないよう、これまでのスタンスを維持するとともに、様々な機会を設けて充実を図ること。
⑧幅広い主体の県政参画を促すため、審議会等において、公募による女性や若者の委員の割合を引き上げたり、適宜委員の見直しを行ったりするなど、多様な意見を反映させること。
Ⅲ 「持続可能な行財政基盤」の確立に向けて (25項目)
①持続可能な行財政基盤を確立するため、新たに策定した「県政改革の推進に関する条例」及び「県政改革方針」に基づき不断の改革に取り組むとともに、「選択」と「集中」の徹底により、不要不急または費用対効果の低い事業は中止し、コロナ対策・支援にリソースを集中させること。ただし、県民生活に直結する医療・福祉・教育などに関しては慎重に対応すること。
②自立した行財政運営を目指し、スクラップ・アンド・ビルドの徹底により、 財政基金を増額させ、自主財源の充実を図ること。
③県庁の業務効率の改善と働き方改革を加速させるため、業務の削減、簡素化、効率化を一層推進すること。
④市町とも連携し、許認可や入札、各種の行政手続き等の簡素化、コスト削減に取り組むこと。
⑤部局間の連携の促進、県と市町との役割分担の明確化、適切な人員配置等により、効率的な行政サービスを提供すること。
⑥職員のワーク・ライフ・バランスに配慮し、テレワークを含めた在宅勤務制度の更なる拡充など多様な働き方の推進を図ること。また、有給休暇取得率や男性職員の育児休暇取得率向上のために県庁の職場環境の整備を図ること。
⑦所属長の任期は、原則最低2年とし、目標と成果に責任を持たせるよう人事配置すること。
⑧投資事業を行うにあたっては、人口減少を前提に、「国土強靱化」の名の下での過度な投資事業は慎むこと。また、「つくる」「つかう」「こわす」といった、施設のライフサイクルコストに加え、施設建設等で発生した県債の利子など将来世代に渡って発生する負担額の総額を明らかにすること。
⑨携帯電話基地局を庁舎・学校・県営住宅・警察署等の公共施設に設置することで賃貸収入の確保を図ること。
⑩遺贈寄付や寄付型私募債による収入確保のため、金融機関と積極的な連携を図ること。
⑪県税の超過課税については、コロナ禍に対する県民所得の減少に鑑み、事業の効率化・不急な事業の先送り等を行い、税負担軽減に努めること。
⑫県でさらに、課税自主権の検討を行うこと。
⑬多様な助成に所得制限の条件が設定されているが、助成を受けることで年収の逆転現象を招くなど、所得の不公平が生じないよう、適切な所得制限の設定を行うこと。
⑭各種手続きにおける捺印撤廃やデジタル申請など、県行政のデジタル化を一層推進すること。更にICTを活用し、農業・教育・警察など様々な行政分野の最適化と、オープンデータ化による新しい行政サービスの創出に努めること。
⑮施策を展開するにあたり、幅広い県職員からの意見やアイデアを尊重し、議論を重ねて決定することを通じて、議論重視のボトムアップ県政を推進すること。
⑯全ての公社等外郭団体について、その存在意義や事業の必要性を絶えず検証するとともに、派遣する県職員の退職者に関しては、その必要性について慎重に判断すること。
⑰公社等外郭団体については、県の監査対象とならない団体であったとしても、出資者として監査体制の強化や、十分な情報の開示、透明性の確保と効率的な運営を求めていくこと。
⑱元町周辺の再整備にあたっては、新たに民間投資を呼び込むような将来のグランドデザインを、神戸市が行う三宮の再整備とも連携を図りながらできるだけ早期に描き、街の一体的な魅力を向上させること。
⑲県庁舎等の再整備については、そのあり方を決定するまでの間においても、災害発生時の拠点としての機能が求められるほか、現庁舎で働く職員の安全を確保する必要があることから、現庁舎で働く職員の耐震不足への不安、インフラ設備の老朽化による職場環境の悪化、ストレスの改善などに対する対策を講ずるよう努めること。
⑳議会を含む県庁内のインターネット回線の通信データ容量を拡大すること。
㉑ 公的施設、県有施設については、長寿命化や計画的な補修を図るとともに、人口減少を前提とした中長期的な観点から、総量の適正化を図っていく方向で見直しを進めること。また市町への移譲や国などの施設との集約にも取り組むこと。
㉒ 公的施設の管理運営については、原則として公募により指定管理者を選定するとともに、指定管理期間の長期化を検討するなど、経営の安定性にも配慮した制度運用に努めること。
㉓ 県営住宅において、一部実施したエレベーター保守の競争入札836台は54%の費用減、年間2.9億円の削減となった。庁舎・県営住宅・県立病院・図書館・大学など兵庫県が管理・運営するエレベーター保守契約は、競争入札を進め、引き続き維持コストの削減に努めること。
㉔ 低金利の現状を踏まえ、保有資産の売却も含め、有効活用を図ること。
㉕ 各種選挙における公費負担のあるポスター作成費の上限については、実勢価格を注視し、単価の引き下げなど公費負担の在り方を検討すること。また、不正が発生しないよう対策をとること。加えて、ガソリン代については、契約書を不要にし、領収書払いへ転換するなど、業務の効率化を進めること。
Ⅳ 「健康福祉社会」の実現に向けて (60項目)
①2018年度から2023年度までの第3期特定健康診査等実施計画において、全国目標である特定健康診査実施率70%、特定保健指導実施率45%を実現するために、国民健康保険の加入者(とりわけ40、50歳代)に対して、健診の必要性を啓発するとともに、受診しやすい環境整備に取り組むこと。
②アルコール依存症対策を推進するため、ひょうご・こうべ依存症対策センターの効果的な運営を図り、健康被害の啓発を行うとともに、1次医療機関とも連携を図ること。
③兵庫県ギャンブル等依存症対策推進計画に基づき、家族会や支援事業団体等の関係団体との連携を図り、効果的な予防・支援策を推進すること。
④難病対策については、国の対象疾患の拡大状況を確認しながら、対策のさらなる充実強化を国に働きかけるとともに、県としての施策も検討すること。
⑤がん患者相談支援センターの更なる充実強化と公設民営型の新たながん患者相談支援センターを設置すること。
⑥AYA世代のがん対策については、妊孕性の温存やアピアランスケア、就学・就労支援など、生活の質にも注目した対策を行うこと。
⑦人生や生活の質を指すQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の向上や社会保障費の抑制をめざし、認知症・メタボリックシンドローム・ロコモティブシンドローム対策を強力に推進し、健康寿命全国1位を目指すこと。
⑧スポーツ・運動施設を健康寿命延伸のためのインフラとして位置づけ、スポーツ・運動施設の整備推進や誘致のほか、学校運動施設の一般開放を推進するなど、質・量ともに十分なレベルになるよう、取り組むこと。
⑨地域の医療連携を推進するため、2次保健医療圏域を単位とした医療機関の適切な役割分担、相互連携を進め、新設や再編統合を検討する県内医療機関に県立病院をはじめとする先進病院の知見を生かした技術的・財政的なサポートを行うこと。とりわけ、県内における救急体制の格差解消、かかりつけ医の普及・定着等の在宅医療の推進に向けて取り組むこと。
⑩小児科、産科、麻酔科などの診療科偏在及び地域偏在の解消を図るため、就労環境の整備やインセンティブ付与により、へき地での勤務を可能とする医師の養成に積極的に取り組むこと。
⑪腎疾患対策として、腎移植施設の確保・充実に努めるなど、地域バランスを踏まえた医療体制の充実を図るとともに、災害時の水と電源の確保など対応を万全にすること。
⑫かかりつけ医の普及・定着を基本に、医療機関が効率的に機能するシステムの構築に取り組むとともに、開業医不在地域に対する支援を行うこと。
⑬患者の健康を維持し、残薬の発生を防止するため、かかりつけ薬剤師・薬局の利活用を推進すること。
⑭潜在看護師の活用や、認定・専門看護師の育成、訪問看護の起業支援など看護師の確保対策を図ること。
⑮県立病院の運営にあたっては、適切な公的負担の下で、自立した経営が確保できるよう、医療資源の有効活用や、職員の経営意識の向上及び計画的な経営改善に取り組むこと。また、医師・看護師の確保に努め、特に女性医師の再就職にも配慮すること。さらに、診療単価の向上には十分留意し、患者の経済的負担に配慮すること。
⑯県立病院において、インシデントや医療ミス、医療事故の発生予防に向けた、医療安全対策に取り組むこと。
⑰市町介護保険事業計画に24時間の訪問介護が実施されるよう働きかけるとともに、ケアプラン作成時における医療職、ケアマネージャーとの連携を促進させ、地域医療と介護事業の連携を強化すること。また、介護保険の運用上の解釈等多様な課題を抱える市町並びに事業者への支援、相談体制を充実させること。
⑱地域包括ケアシステムの更なる取組や、制度上の課題を明らかにするための調査を実施し、積極的に市町に情報提供すること。
⑲介護人材を確保するため、介護福祉士を含む介護職員の処遇改善やキャリアアップへの支援策を講じること。
⑳認知症高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、認知症疾患医療センターの拡充と、認知症サポート医の養成、かかりつけ医の対応能力向上など、地域医療体制を早急に構築すること。
㉑ 若年性認知症について課題を検証するとともに、職場や地域社会における理解の促進を図ること。
㉒ 家族の介護やケアを行うヤングケアラー等が必要な支援を受けられるよう、学校や医療機関、福祉機関、地域でのヤングケアラーの早期発見、相談支援や福祉サービスへの円滑なつなぎ等、市町や関係機関との連携・支援体制の強化に取り組むこと。
㉓ 精神障がい者が社会的入院から退院し、地域での生活をスタートするための訪問看護の充実とともに、ピアサポーターの活用を図ること。また、関係団体の支援も得た上で、地域ごとにピアサポーターの育成を図ること。
㉔ 障がい者・難病患者の就労については、福祉的就労から一般就労への移行に対応するため、教育機関・福祉関係機関やハローワーク、企業との連携を図ること。また、個人の特性や希望に応じた職業訓練、職業指導に積極的に取り組むとともに、障害者応援企業支援員による積極的な企業の開拓に努めること。
㉕ コロナ禍による販売機会の減少のみならず原材料価格の高騰による収入減等により苦境にたたされている作業所に対し、販路拡大等必要な支援を行うとともに、引き続き授産商品の高付加価値化等により、障がい者就労施設の工賃の向上を図ること。
㉖ 県の物品調達等においては、障がい者就労事業所への発注や、同事業所へ仕事を発注している企業等への優先的な配慮を行うこと。
㉗ 成年後見制度を利用する知的障がい者について、判断面における支援の充実を図ること。
㉘ 重度障害者医療費助成事業を引き続き実施するとともに、現在助成の対象となっていない身体障害3級の腎疾患患者へも拡大すること。
㉙ 障害者差別解消法について、県民への周知に引き続き取り組むとともに、ヘルプマーク及び譲りあい感謝マークの普及を図ること。また、聴覚障がい者のコミュニケーションツールである手話通訳の機会の確保のため、派遣費用の助成等を行うこと。
㉚ 障がい児を持つ親が子育てと仕事を両立できるよう、長時間受入れ可能な施設を整備するなど、支援を拡充すること。
㉛ 知的障がい者の高齢化・重度化に対応できるよう、居室や風呂場・便所などの改修に対して補助を行うこと。
㉜ 障がい者施設において、1日のうちで特に多忙となる夕方から夜にかけての支援の質の低下を防ぐため、十分な支援職員を配置できるよう、補助を行うこと。
㉝ 子育て世代の経済的負担軽減と、市町が実施する子育て支援策に対する支援を拡充すること。特に県が独自に実施する「ひょうご保育料軽減事業」や「不妊治療ペア検査助成事業」などは所得制限を撤廃すること。
㉞ 産後うつや児童虐待の防止につながる「新生児訪問指導」「乳児家庭全戸訪問事業」について、市町と連携して質の向上を図ること。
㉟ 妊娠期から子育て期まで、切れ目なく支援する「子育て世代包括支援センター(ネウボラ)」の整備やマイ助産師制度のモデル実施に向けた支援に取り組むこと。
㊱ 病院・診療所に勤務する助産師が自律した助産師として継続ケアを実践しうる能力を向上させるために、助産所に出向して研修を受けられるように支援すること。その後、助産師が病院・診療所に戻って継続ケアを実践しうるように支援すること。
㊲ マタニティハラスメントの実態を把握し、安心して妊娠・出産・子育てできる体制を構築すること。また、児童虐待との関連性が指摘されている未受診出産の増加を食い止めるため、市町、保健所等との連携を図ること。
㊳ 若年者に対し「ワーク・ライフ・バランスの取組」や「妊娠・出産の知識・リスク」についての啓発を行い、十分に情報を届けること。
㊴ 少子化対策としての晩婚化・晩産化対策に積極的に取り組むこと。
㊵ 県単独助成金支給の所得要件の緩和や不妊治療休暇の導入など、企業の理解を進め不妊症・不育症に対する支援をさらに拡充すること。
㊶ 保育所の待機児童解消や「認定こども園」の設置促進、休日保育の充実、病 児・病後児保育、24時間保育など、保護者ニーズに応じた保育サービスを拡充、支援すること。
㊷ 学童保育の充実を図るため、放課後児童支援員の処遇改善、第三者評価の推進など放課後児童クラブへの支援を質・量ともに拡充させること。
㊸ シングルマザー、シングルファーザーへの支援など、多様な家族形態に配慮した子育て支援を積極的に拡充すること。
㊹ 男性の家事、育児シェアを推進し、さらなる育休取得を促すなど、子どもを産み育てやすい環境づくりを行うこと。
㊺ 認可外保育施設の質と安全を確保できるよう、適切な指導監督を行うとともに、コロナ禍の状況を踏まえ、必要な財政支援を図ること。
㊻ いわゆる「小1の壁」(小学校低学年児童を含む)といわれる課題について、働く親の労働環境に支障が生じないよう、課題解消に向けた取組を推進すること。特に、登校時間前の早朝預かりや、警報発令時の預かりの体制について、早急に検討すること。
㊼ 「自殺者ゼロ」に近づけるため、いのちと心のサポートダイヤルの周知、 ひきこもり相談支援センター等での相談体制の充実、精神科医療の適切な受診環境の整備など、実効ある対策を推進すること。
㊽ 児童虐待通報件数が増加する一方で、児童虐待の恐れのある児童の一時保護先の確保が困難になってきていることに鑑み、一時保護施設の質の確保を含めた拡充やこども家庭センターの更なる機能強化を実施するとともに、児童福祉司の確保・育成にも積極的に取り組むこと。また、虐待した親への支援及びアフターフォローを行うこと。
㊾ 市町における配偶者暴力相談支援センター設置などへの支援を十分に行うこと。また、市町、警察、NPO等の民間団体などとの連携のもと、相談体制及び被害者へのサポート体制の強化と、加害者への教育の充実を図ること。
㊿ 乳児院・児童養護施設の質のばらつきを是正し、よりきめ細かな支援を 実現すること。
51 里親となる家庭と子どもとのマッチングがスムーズに図られるよう、家庭養護促進協会と緊密に連携し、きめ細かなサポートを行うこと。また、里親との適切なマッチングを進めるため、幅広く里親を募るとともに、推進員のコーディネート力を強化すること。
52 特別養子縁組を普及促進するため、経費面での負担を軽減する「養親希望者手数料負担軽減事業」を早期に実施すること。
53 生活困窮者自立支援法に基づき、生活困窮者等への支援体制を強化するため、中間的就労などの支援策を展開すること。また、改正法により努力義務化された就労準備支援事業、家計改善支援事業について、県内市町での完全実施を目指して取り組むなど、県内市町間における格差を是正し、全体的な底上げを図ることで、生活困窮者の自立支援の強化を図ること。
54 「貧困の連鎖」を断ち切るため、地域における居場所づくりやすべての子どもへの学習機会の提供などの対策を講じること。また、「子ども食堂」については、民間の取組を経費面も含めてさらに支援するとともに、県としての支援策を検討すること。
55 高齢化する被爆者の医療・介護などの相談支援を充実させること。
56 被爆二世健康診断事業の周知をより丁寧に実施すること。
57 障がい者やその家族が新型コロナウイルス感染症に罹患した際の受け入れ施設、体制の整備・強化を行うこと。
58 障がい者の、いわゆる「親亡き後」の課題を研究し、生涯にわたり地域で安心して生活できる施策の整備・拡充に努めること。
59 社会福祉法人連絡協議会(ほっとかへんネット)の活動強化に向けて、県として活動助成制度を創設する等の支援策を講じること。
60 県立病院において、ホスピスへの参入を検討すること。
Ⅴ 「子どもが輝く社会」の実現に向けて (33項目)
①少人数学級の着実な推進などにより、読み・書き・計算をはじめとする基 礎・基本の学力の確実な定着や、一人ひとりの個性・能力を伸ばすことなど、児童生徒の発達段階に応じた教育環境づくりを推進すること。
②学校における読書教育をさらに推進すること。また、司書の配置の推進にも努めること。
③土曜チャレンジ学習事業をはじめとする、専門家や民間企業の知見を活用した出前授業をさらに推進すること。
④シチズンシップ教育の実施については、参加型民主主義を理解、実践するために必要な価値観やスキルが身につくよう努めること。
⑤あらゆる人が教育を受ける機会を確保できるよう、奨学金制度は貸与型ではなく給付型への転換を検討すること。また、貸与型奨学金の利用に関しては、生徒や保護者に対し、返済にかかるリスク等について十分説明を行うこと。
⑥いじめの未然防止、早期発見、早期対応に資するPTCA教育支援の実効的な活動方法を検討すること。
⑦不登校児童・生徒については、相談・指導体制を充実し児童生徒・保護者に寄り添った対応を行うこと。フリースクールについてはガイドラインを周知・活用するとともに、経済的支援や養護教諭の増員についても検討すること。
⑧学校管理職特別研修や主幹教諭実習等を通じて、教職員やスクールカウンセラーの対応力・生徒指導力の充実を図ること。
⑨全中学校区に配置済みのスクールソーシャルワーカーについて、更なる充実を図り、児童生徒が抱える課題の社会的側面からの解決を進めること。
⑩将来にわたって充実した職業生活を実現するため、最低限のワークルールを学んでから社会に出られるよう取組を進めること。
⑪ギガスクール構想に加えてコロナ禍で加速した教育におけるオンライン活用について、全ての子どもが活用できるようなハード整備、デジタルを活かした授業研究などのソフト整備、さらにオンライン授業やデジタルシチズンシップの推進に努めること。
⑫戦後77年を経過し、戦争体験者が少なくなるなか、戦争体験の継承と平和の大切さの教育を充実させること。
⑬ブラック校則撲滅と学校ガバナンスのため、校則の学校HPへの掲載を実施すること。
⑭LD、ADHD、高機能自閉症等の発達障がいに対する県民の理解を深めるため、学校行事の地域への開放や、地域行事への児童生徒の参加を促進させること。
⑮LD、ADHD等の児童を支援する学校生活支援教員について、配置の拡充に取り組むこと。
⑯特別支援学校の過密解消、医療的ケア児のスクールバス利用など教育環境の整備を進めること。
⑰特別支援教育を必要とする児童・生徒への教師による虐待の撲滅、再発防止を徹底すること。
⑱増加する医療的ケア児を学校や社会でサポートできる人材を育成すること。
⑲高等学校において、地域ボランティアとの創意工夫を凝らした取組や、その他多彩な活動を推進していくため、学校運営費の維持・増額を図ること。
⑳ SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校は、地域の教育力向上のための協働事業を積極的に行うこと。
㉑ ギフテッドの特性の理解に努め、適切な教育環境を整えること。
㉒ 部活動の一部民間委託やスクールサポートスタッフの充実、管理職の意識改革の実施など、教職員の勤務時間適正化に向けて着実な取組を行うこと。
㉓ 部活動の地域移行に関して、その行程や大会運営の取り扱い等、現場に混乱が生じないよう最大限の配慮を行い情報提供に努めること。
㉔ 給食費等の会計事務や大規模清掃作業など、本来教職員の職務でない事柄や、教職員へのアンケートなどが現場への負担となっていることから、事務職員の増員・学校内の業務改善の取組を推進すること。
㉕ 教職員の研修や交流会、打ち合わせなどについて積極的に在宅ワークおよびWeb技術の活用を推進すること。
㉖ 児童養護施設の入所児童の進路について、自立するために必要な支援を充実させること。
㉗ 日本語指導が必要な児童生徒に対する日本語習得の機会の充実と、高校進学率の改善に取り組むこと。
㉘ 公教育の一翼を担う私立学校については、経営の安定に資する経常的経費の支援に加えて、入学金や授業料の軽減措置の拡大を図ること。また、部活動の全国大会出場など特別な活動にかかる臨時的な経費についても配慮すること。
㉙ 私立高校の授業料軽減について、年収590万円以上世帯への補助を充実させるとともに、私立小中学校への助成、県外私立高校通学者への補助についても充実させること。
㉚ 兵庫の知の拠点としての県立大学については、多様化する社会ニーズに対応できるよう不断の大学改革を行うこと。また、学生の県内就職を後押しする取組を行うこと。
㉛ 県立大学の優秀な学生の確保と教育機会の提供拡大のため、入学・在学時の成績に応じた給付型奨学金へ制度拡充を図ること。
㉜ コロナ禍における子どもたちの心理面での不安等について、引き続き実態把握に努めるとともに、子どもたちの心のケアが図られるよう、十分に配慮すること。
㉝ 質の高い教職員を充分に確保するため、労働環境改善に一層配意するとともに、教員採用試験のあり方を見直すこと。
Ⅵ 「危機管理型社会」の実現に向けて (29項目)
①南海トラフ巨大地震や山崎断層帯地震、台風などによる津波、高潮、洪水、土砂崩れ、集中豪雨等の自然災害に備えて、基盤整備とそれに係るシステムの構築を進めること。ただし、新型コロナウイルス感染症の動向、原油価格や物価高騰等、内外の不透明な経済状況に鑑み、緊急度の高い防災対策を優先するなど、全体的なバランスを考慮すること。
②集中豪雨が頻発していることから、河川においては総合治水条例に基づく計画的な掘削作業や貯留施設・水位計の設置などの対策に早急に取り組むこと。また、土砂災害対策として、住民への危険情報の周知徹底を図ること。
③「減災」の観点からのソフト対策として、適切な間隔で避難訓練等が実施されるよう市町と連携すること。また、コロナ禍における実効的な避難所管理、運営、利用のあり方を多くの県民が共有できるようにすること。
④災害に備え、市町や企業の業務継続計画策定への支援を行うなど、災害対応力の底上げを図ること。
⑤障がい者や高齢者などの災害時要援護者に対する支援体制を構築すること。また、在日外国人や増加する外国人観光客のために、やさしい日本語や英語、中国語、韓国語など多言語でのアナウンス体制の構築を図ること。
⑥広域防災拠点等における備蓄倉庫の被災者用物資については、防災会議等の意見を踏まえ、内容を臨機応変に変更し、十分な量を確保すること。
⑦県有施設の耐震化工事にあたっては、県民の安全・安心という観点から、特に災害時の活動拠点や避難等の拠点となる施設について、優先順位を明確にして早急に取り組むこと。
⑧ホテル・旅館等多くの人が利用する民間集客施設については、耐震診断や工事等に助成制度がある大規模施設だけでなく、資金面に余力のない中規模の施設についても支援を充実させること。
⑨計画停電時や大規模停電の際の交通インフラの機能停止・ライフラインの 途絶等による混乱を回避するため、セーフティネットの構築を図ること。
⑩大規模災害時には医療現場で大きな混乱が予想されることから、医療機関のみならず警察、消防などと機動的な連携が図れるよう、訓練等を通じ、平素から役割分担の確認等を行うこと。
⑪大規模災害に対応できる福祉支援体制を一層強化するともに、県が実施する「大規模災害ボランティア活動応援プロジェクト」の寄付を広く求め、災害ボランティア活動を支える仕組みづくりを全国に発信すること。
⑫持続可能な救急搬送体制を維持するため、#7119の全県化を検討すること。
⑬関西広域連合の防災対応能力の充実等をもとに、関西が首都機能を代替す る最適な都市圏であることを、国に対して具体的に提案していくこと。
⑭リスク分散の観点から、企業の本社機能の関西誘致について積極的に進めること。
⑮警察は、犯罪のハイテク化や国際化、また巧妙化・複雑化するサイバー犯罪など、社会の変化や犯罪の性質の変化に柔軟に対応するため、専門的知識・技能、語学力を有する者など専門性の高い人材を確保、養成すること。
⑯オンライン警告は援助交際以外にも誹謗中傷や闇バイトなど対象範囲を拡大させること。
⑰交番・駐在所等の再編方針については、地元住民の意見と理解を十分得ながら、できるだけ早期に策定すること。また、引き続き繁閑差の解消を図るための定員の見直しについて検討すること。
⑱安全性向上と経費削減の効果が見込まれる信号灯器のLED化について一層推進すること。
⑲「暴力団対策法」や「暴力団排除条例」の適切な運用を通じ、暴力団による組織犯罪への対策や、薬物・銃器の密輸・密売事犯の徹底検挙を推進すること。
⑳特殊詐欺については、取締りを強化するとともに、実際の手口を実践的に紹介する啓発を絶えず行い、被害の未然防止・拡大防止対策に取り組むこと。
㉑ 再犯防止に向け、出所後の社会復帰を踏まえた取組を行うこと。また「エモーショナルリテラシー」(感情を正しく理解・認識し表現できる力)についての調査研究を進め、施策展開にその理念を活用すること。
㉒ 改正刑事訴訟法の施行を踏まえ、録音・録画などの客観的記録を保管し、取り調べの適正化に取り組むこと。
㉓ 女性警察官が働きやすい環境を整備すること。
㉔ 犯罪被害者等の精神的負担並びに経済的負担を軽減するためのピアサポーターの育成や医療費助成など諸施策を推進すること。
㉕ 性犯罪・性暴力の根絶に向けた取組を強化すること。
㉖ 自転車保険への加入促進を図るとともに、自転車利用に係る交通安全教育、自転車走行レーン等の通行環境の整備も並行して進めること。
㉗ 県内道路の速度規制について、交通実態等に応じた随時の見直しを図るとともに、道路事情の変化や新基準に合わせた信号機の廃止も含めた最適化を図ること。
㉘ 駅のホームドア設置については、国、市町、鉄道事業者との協議を進め、着実に取り組んでいくこと。
㉙ 「万引き」についての取締りを強化するとともに、防止に向けた啓発に取り組むこと。
Ⅶ 「産業活力社会」の実現に向けて (27項目)
①新型コロナウイルスの影響に対する経済・雇用対策を進めるとともに、中小企業の振興に関する条例に基づき、雇用環境の整備や事業承継の推進、新たな事業展開の促進等に対し、具体的な支援策を講じること。
②コロナ禍において、甚大な打撃を受けた飲食業界、観光業に引き続き支援を行なうこと。県民への利用を促すキャンペーン等は時期と感染状況を慎重に見極めた上で実施すること。
③コロナ禍で廃業・倒産件数や失業者数が増加していることを踏まえ、対策を早急かつ強力に進めること。
④中小企業に対する多様で円滑な資金供給のため、融資条件緩和や新しい金融サービスの創出に努めること。
⑤起業創出を促進させるため、裾野の広いコミュニティビジネスの創業・育成支援を行うこと。また、ビジネスコンペの開催などにより、業として成り立つコミュニティビジネスの誕生を促すこと。
⑥中小企業の人手不足の解消、及び若者の県内定着を図るため、中小企業奨学金返済制度の支援期間の延長と、支援額の拡充について検討するとともに、公立高校の職業学科の定員について、一定の維持を実現すること。
⑦効果のあるUターン就職を推進するため、県内学生の高校卒業時及び大学卒業時の進学先、就職先を調査して状況を把握すること。また、Jターン、Iターンについては、兵庫県の魅力を高めて就職、県内定着に結び付けていくこと。
⑧建設業を支える担い手の確保・育成にあたり、熟練の建設技能者を維持するため、認定訓練校への支援や周知に取り組むとともに、熟練した高度な技能振興のための施策を検討すること。また、技能と経験に応じた適正な評価や処遇を受けられる環境を整備するため、建設キャリアアップシステムの活用や普及について支援すること。
⑨コロナ禍で直接的な交流が制限されるなか、海外事務所がハブとなり、県内企業の海外進出、外国企業の兵庫県誘致など県内雇用・投資を生み出す機能を担うこと。また、他府県との連携によって、海外事業展開時のネットワークの拡大を図ること。
⑩離職に伴い、住む場所を失った人たちの住宅確保や生活資金・能力開発資金の貸付け等、離職者支援制度の拡充に取り組むこと。
⑪就職氷河期世代や若年層等の雇用の安定につなげるため、雇用・福祉・教育分野における連携体制を構築し、就労につなげるきめ細やかな支援に取り組むこと。
⑫「県契約における適正な労働条件の確保に関する要綱」で定める労働者保護について、下請負者に雇用される労働者及び派遣労働者においても実効あるものとなっているか、県として不断の検証を行うこと。
⑬中小企業・小規模事業者における長時間労働の是正、生産性向上等、「働き方改革」の実現に向けた取組を支援すること。また、出産・育児・介護休業や休暇制度の実効性について検証するとともに、利用が促進されるよう支援すること。
⑭関係団体と連携を図りながら、建設工事従事者の安全及び健康の確保に関する兵庫県計画の推進を図ること。
⑮介護・育児休業の取得率向上や時間単位の有休取得など、より柔軟な働き方を支援すること。
⑯ひょうご仕事と生活センターについては、四者合意を踏まえ、ワンストップサポートの事業体として、企業における多様な働き方の取組を引き続き支援すること。
⑰いわゆるM字型カーブを緩やかにするため、出産、育児による不利益が生じないよう、企業に対する働きかけを強化するとともに、相談体制を充実させるなど、女性が働き続けられる環境を整備すること。
⑱障がい者の法定雇用率を達成するよう、企業に対して制度の普及・啓発や先進事例の紹介、採用後のサポートや特例子会社設立への支援に取り組むこと。
⑲正規雇用と非正規雇用の均等待遇・均衡処遇の実現に向け、賃金のみならず、教育訓練機会の充実についても、公的教育訓練機関と企業内教育訓練との連携により取り組むこと。
⑳兵庫県内の多彩な地域資源を十分に生かした「魅力ある観光地づくり」を 進めるとともに、目標を定め、県内観光産業の振興に努めること。
㉑ 六甲山の賑わい創出により、交流人口の拡大による地域活性化を図るため、神戸市と連携して六甲山の魅力向上に向けた取組を推進すること。
㉒ コンテンツツーリズムや温泉地での浴衣体験などの日本文化体験、スポーツツーリズム、アグリツーリズム、特にサイクルツーリズムなどニューツーリズムの振興を通じて、兵庫の新しい観光資源の開発に努めること。
㉓ 一般旅券の申請受付・交付について、県民へのさらなるサービス向上のため、旅券事務所が閉庁となった月・火曜日についても開庁できるよう検討すること。
㉔ グランドニッコー淡路の県民優待制度を更に充実させ、県民にも広報すること。
㉕ グランドニッコー淡路をはじめとする御食国をアジアの食のメッカとする取組を進めること。
㉖ 兵庫デスティネーションキャンペーン(以下DC)の成功に向けて、より多くの国民や海外客に兵庫を訪れてもらえるよう、目標数値を掲げた上で、プレDCでの成果や反省を活かした取組を推進すること。
㉗ 2025年大阪・関西万博の開催に合わせ、県全体をパビリオンと見立てる「ひょうごフィールドパビリオン」の展開を計画し取り組まれているが、万博を目的に来た国内外のお客様が、「兵庫県にもぜひ行きたい!」と思えるようなコンテンツの磨き上げや、二次交通の充実も含めた実効性のある取組を推進すること。
Ⅷ 「環境循環型社会」の実現に向けて (27項目)
①節電につながる設備・システム等の改修に対する補助制度を導入すること。
②エネルギー分散化の観点から、民間の発電設備の導入について、助成や融資の要件緩和など、インセンティブによる積極的な導入を後押しすること。
③県庁や学校、警察署などの行政施設において、エコガラスなどの高気密・高断熱化を新築時の設計や改修で推進することで、省エネ対策を進めること。
④2050年カーボンニュートラルに向けて、エネルギー多消費事業者等の温室効果ガス排出抑制の自主的な取組を一層促進するなど、産業部門における企業の排出抑制対策の強化を図り、実効性を高めるとともに、再生可能エネルギーへの転換を促進すること。
⑤第5次兵庫県環境基本計画に基づき、リサイクル運動を推進し、廃棄物の最終処分量を減少させること。
⑥環境負荷低減のため、低公害車の普及を図ること。
⑦力強い農林水産業を確立するとともに、環境創造型農業推進計画に基づき、 ひょうご安心ブランド農産物の生産・消費拡大を図ること。また、消費者にとって身近な小売店の協力を得て幅広いPRに努めること。
⑧県産農畜水産物の中からブランドとしてふさわしい品目の選定や品質の 改善、新品種の開発を進め、ブランド商品としての優位性を明らかにして、生産から流通、販売までの一連のブランド戦略を確立すること。また、「ブランド指導相談室」を中心に、専門家を6次産業化プランナーとして派遣し、生産から加工、流通までの一貫した取組に必要な技術支援や人材育成を進めること。
⑨農薬の適正使用に関しては、更なる安全使用に取り組むとともに、農薬管理指導士の認定についても引き続き推進すること。
⑩近年、環境への注目が高まっていることから、兵庫県が誇る環境配慮型農業(有機・減農薬)の更なる展開に注力すること。
⑪生産履歴の記帳やトレーサビリティシステム、農業生産工程管理手法(GAP)の一層の導入促進を図ること。
⑫生産者・事業者に食の品質管理を徹底させるため、兵庫県版HACCP認定制度の更なる拡充を行うこと。また、消費者から誤解を受けない食品表示のあり方について、事業者と行政、消費者団体等で検証・検討し、食の安全を確保すること。
⑬米をはじめ、野菜、大豆などの県産農畜水産物を、学校、老人福祉施設、病院などの給食に導入するため、学校関係者や市町教育委員会、関係団体との協議を続けること。
⑭フードバンク運動やドギーバッグ運動などの取組への支援やソーシャルベンチャーとの連携を通じて、食品廃棄物の発生を抑制するとともに、食品残さの飼料化、たい肥化など、食資源の有効利用を推進すること。
⑮整備した優良農地を適切に確保するため、土地の利用関係を調整すること。
⑯農地や農業用水は、農業生産の基盤としてだけでなく、水源涵養等の公益的機能を有しており、これらの機能を維持する観点から、農地、農業用の水路、井堰、ため池等の整備・保全等の取組に対して支援を行うこと。
⑰耕作放棄地対策として、農地の集約を進めるにあたり、市町の農業委員会や農政担当課、特に地域の実情を把握しているJAや民間企業等との新たな連携の中で、必要な支援策を検討すること。
⑱農業者の高齢化が進んでいることを踏まえ、新規就農者の育成・確保に取り組み、就農前研修や就農給付金の交付など、円滑な就農と早期の経営確立の促進を図ること。あわせて、就農支援センター機能の充実・強化によるきめ細やかな支援を図ること。
⑲企業の農業参入に対する技術支援・指導を積極的に行うこと。
⑳将来の担い手候補である兼業農家としての参入を支援する施策を検討すること。
㉑ 農山漁村で経験を積む外国人研修生の就労状況を調査し、受入れ等への支援を的確に行うこと。
㉒ 野生鳥獣による農作物被害は依然として大きく、営農意欲の減退にもつながることから、侵入防止柵の設置や捕獲の強化、ジビエの利用拡大に向けた取組等、総合的な鳥獣被害対策を実施すること。
㉓ 都市から地方への移住、都市と地方の交流の促進、集落の維持・活性化を 推進すること。とりわけ、県内の多様な風土を生かしたアグリツーリズムの機運醸成を図ること。
㉔ 兵庫楽農生活センターの学習・交流機能を十分に活用するとともに、魅力ある市民農園の確保と一層の利用促進を進めること。
㉕ 従来型の集落活性化のみにとどまらず、地域住民の判断として集落の発展的な移転・統合を選択肢の一つとして可能とする地域のあり方を検討すること。
㉖ 県民が自然を身近に感じ触れ合うことができるよう、里山や登山道の整備を進めること。
㉗ 兵庫県の日本酒をアピールするため、オクトーバーフェストに比肩するイベントの開催を検討すること。
Ⅸ 「快適で潤いのある社会」の実現に向けて (17項目)
①バリアフリー新法に基づき、公共交通、公共施設等の社会基盤の整備・リニューアルを進めること。また、民間施設についても同様の協力を求めること。
②年齢、性別、障がいの有無、文化などの違いにかかわりなく、全ての人が安心して暮らし、支え合い、社会参加できるユニバーサルデザインのまちづくりを推進すること。
③「ひょうご21世紀交通ビジョン」実現のため、公共交通の利用促進、交通安全対策、交通事故防止、渋滞の緩和、高齢者の移動性確保、交通アクセスの円滑化、バス運転手の確保支援など、地域の課題やまちづくりなどの政策と関連付けた総合的な交通政策を推進すること。特に、コロナ禍で利用者が減少している公共交通については、適切な支援を行うこと。
④交通政策基本法に基づき、市町との連携を深め、県のまちづくり・教育・福祉・観光施策推進のため、地方自治体・事業者・市民の役割を明確にした「県交通基本条例」の制定について検討すること。
⑤コロナ禍や人口減少を理由に、厳しい経営環境に陥っている公共交通事業者の状況と課題を把握・共有し、国交省の有識者会議で提言された内容にも配慮しながら、地域にとって持続可能な公共交通のあり方にはどのような手段・方法があるのかを共に検討し、公共交通機関の利用促進策だけでなく、将来を見据えた方策について、適切な支援を行うこと。
⑥県のインバウンド対策、危機管理対策などの観点から、関西3空港の最大活用を基本の考え方とし、神戸空港は運用時間の延長など国際化に向けての状況整備、伊丹空港は騒音対策を支援すること。また、コウノトリ但馬空港の今後のあり方については、費用対効果を十分に考慮し、県民の納得する方向性を示すこと。
⑦通学時の交通事故を減少させるため、警察、道路管理者、地域住民一体となって安全対策を実施するとともに、危険箇所に関する地域への周知徹底と道路改良工事を着実に進めること。
⑧「兵庫県ニュータウン再生ガイドライン」や明舞団地再生に取り組んだ経験を生かしながら、住宅の高付加価値化や大学、企業と連携した再生に向けた取組を、市町との連携をさらに強化し、同様の悩みを抱える県内団地に拡充すること。
⑨安全・安心で持続可能な住生活が実現できるよう、環境配慮住宅や長期優 良住宅の普及、既存住宅の省エネ化、バリアフリー化、耐震化、リノベーションの促進を図るため、各種事業、助成制度の充実に取り組むこと。
⑩生活・住宅困窮者にとって、公営住宅は重要な「セーフティネット」であることを踏まえ、新婚・子育て世帯の優先入居や、低所得者、高齢者への支援に努めること。また、中長期的な視点から、効率的で効果的な県営住宅の整備、維持管理を進めること。
⑪県営住宅の規模の適正化を進めるとともに、借り上げなどを活用しながら長期リスクの軽減と空き家対策を図ること。
⑫県営住宅の入居者が行なう住宅改修費用の助成制度を創設すること。
⑬県が管理する河川、道路等の公共施設等について、地域住民との参画と協働による維持補修活動を推進すること。
⑭都市緑化対策の充実のため、県民緑税の都市部への更なる充当を検討すること。
⑮県民が芸術文化に触れる機会を増やし、豊かな感性の涵養に資するため、美術館・博物館等芸術文化に係る県有施設の入館料について、県民無料日や20歳未満無料などの施策を検討すること。また、県の収蔵品を活用したパブリックアートの普及促進を図ること。加えて、「ひょうごプレミアム芸術デー」の対象館の拡大や年2回実施を検討すること。また、企業スポンサーの確保やチャリティパーティーなどの実施により財源を確保すること。
⑯競技団体に対する競技力の向上に向けた強化費及び国体派遣等に関わる経費を十分に確保し、「スポーツ立県ひょうご」の実現をめざすこと。
⑰コロナ禍で危機的状況となっている芸術文化活動への支援を行うこと。
Ⅹ 「こころ豊かな共生社会」の実現に向けて (12項目)
①障がい者、被差別部落関係者、在日外国人、性的マイノリティ等への差別撤廃に向けた取組を推進するとともに、インターネット上の新たな差別的書き込みなどについても、市町と連携してモニタリングの更なる拡充と積極的な対策を講ずること。また、「人権に関する県民意識調査」から得られた課題点等を今後の施策に反映すること。
②新型コロナウイルス感染症にかかる人権侵害と風評被害の防止のため、啓発の強化をはじめとする対策を講じること。
③就職差別について、採用試験の応募における不適切な応募書類の提出や面接時の不適切な質問等の実態を把握し、差別撤廃に向けてさらに取り組むこと。
④「戸籍謄本等第三者取得に対する本人通知制度」の県内実施を進めるため、県民への制度周知に取り組むとともに、実施を検討している市町を支援すること。また、関連士業による職権の不正使用の防止に向けた対話を進めること。
⑤地域の人権啓発センターとして隣保館の継続的な運営充実を図るとともに、地域に開かれたコミュニティセンターとしての整備を促進すること。
⑥性別にかかわらず全ての人が個性や能力を発揮できる社会づくりに向けて県が率先した意識改革を推進するために、全庁的な意識共有を図り、職員研修等を通じて推進に取り組むこと。
⑦外国にルーツを持つ県民が日本人と同様に能力が発揮できるよう、生活面、教育面などの課題解決に取り組み、誰もが暮らしやすい生活環境の整備を進めること。また、コロナに関する情報も適切に届けること。
⑧外国人学校の独自性を尊重し、支援の充実を進めること。とりわけ、朝鮮学校への外国人学校振興費の減額については、県民の理解を得ながら見直すこと。
⑨幼児教育・保育無償化の対象から外国人学校に付属する各種学校が外れているため、人道的な観点から国へ見直しを要望すること。
⑩兵庫県一般事務職等の採用における国籍条項を撤廃すること。
⑪「ひょうご多文化共生社会推進指針」に基づき、社会情勢の変化に対応しながら、これまで以上に日本人県民と外国にルーツを持つ県民とがともに地域の構成員として支え合い、協働して地域づくりを進めることができるよう支援すること。
⑫「パートナーシップ制度・ファミリーシップ制度」導入を図ること。