議会の動き

大塚 たかひろ議員が質問(決算審査・県土整備部)を実施

質問日:平成25年10月16日(水) 質問者:民主党・県民連合 大塚たかひろ委員

1 公共交通について

(1) ひょうご公共交通10カ年計画について

道路や上下水道といった社会基盤は、行政が計画に基づいて整備し、年々利便性が向上しているものの、大都市以外の地方の路線バスや鉄道、旅客船などの地域公共交通は、近年、自家用自動車の普及拡大等に伴って、利用者数が低迷しており、運行本数の減少による利便性の低下はもとより、運行地域からの撤退により、地域の衰退に拍車がかかることが危惧されている。

一方で、自家用自動車を運転しない子どもや高齢者等にとっては、地域公共交通の利便性が低下することは、自らの移動が制約されてしまうこととなり、さらには今後、社会の高齢化が急速に進展する中で、公共交通利用の需要が増え、生活交通確保の観点から、また、地域活性化、観光振興、環境問題への対応の観点からも、地域公共交通の維持・確保は非常に重要な課題となる。

市町や地域住民等が、この課題に取り組もうとした場合、そのまま適用できる訳ではないが、全国各地におけるさまざまな先進事例が非常に参考になると考える。

県においては、「地域でつくる今後の公共交通」をテーマに、それぞれの地域にとってふさわしい公共交通の実現に向けて、平成17年度に「ひょうご交通10カ年計画」を策定した。また、昨年度には同計画を見直して「ひょうご公共交通10カ年計画」を策定した。

そこで、今回の計画の見直しにあたって、地域公共交通についてはどのような課題認識を持たれ、どのように見直されたのか伺う。

(2) 公共交通の維持・確保について

平成19年、「社会経済情勢の変化に対応し、地域公共交通の活性化及び再生のための地域における主体的な取組及び創意工夫を総合的、一体的かつ効率的に推進し、もって個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現に寄与することを目的」に「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」が制定された。そして、同法の第四条で、「都道府県は、市町村、公共交通事業者等その他の関係者が行う地域公共交通の活性化及び再生を推進するため、各市町村の区域を超えた広域的な見地から、必要な助言その他の援助を行うよう努めなければならない。」と定められている。

県においては、「ひょうご交通10カ年計画」の基本戦略「既存鉄道の安全確保と輸送サービスの向上」「だれもが使いやすい公共交通のネットワークの形成」「徒歩と公共交通で健康に生きるライフスタイルの普及」に基づいて、鉄道やバスなど公共交通の維持・確保のため、神戸電鉄粟生線存続のための無利子貸付36億円やJR山陰本線・播但線の地上設備改善費用の一部負担約5億円、その他、路線バスの維持確保のための補助など、さまざまな事業に計画的に取り組まれている。

しかし、これが財政的に充足しているならば、より効果的な施策を実施することはさほど難しいことではないが、現に財政状況が厳しい中、多額の投資は困難と考える。また、社会経済情勢など公共交通を取り巻く環境が変化していく中にあっては、新しい計画に基づき、施策が最も効果的に実施されることが重要である。

そこで、県として公共交通の維持・確保に向けてどのような視点を持って取り組んでいるか伺う。

2 歩行者・自転車分離大作戦について

近年、健康志向、あるいは環境保護の観点などから自転車を利用する人が増え、それに伴って自転車と歩行者との間で重大な事故が増加しており、歩行者・自転車通行空間の安全対策が喫緊の課題となっている。

自転車の通行については、道路交通法等では次のように規定されている。

「Ⅰ.自転車は、車道が原則、歩道は例外、Ⅱ.車道は左側を通行、Ⅲ.歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行、ただし歩道通行できるのは①道路標識等で指定された場合、②運転者が児童、幼児等の場合、③車道又は交通の状況からみてやむを得ない場合 」となっている。

しかしながら、私が見る限りでは、たいていの自転車は歩道を通行し、車道を走る自転車はごくまれで、走っていても自転車同士のすれ違いをかわすために一方が車道によける場合や、ロードレーサーと呼ばれるスポーツタイプの自転車がほとんどで、歩行者は自転車が近づくと申し訳なさそうによけており、法律とは逆の「車道が例外」となっている。

県では24年度、新規事業として「歩行者・自転車分離大作戦」として650,000千円を計上し、歩道や路肩のカラー舗装などによる自転車通行空間の確保と歩行者の安全対策を実施している。

そこで、この「自転車・歩行者分離大作戦」事業の進捗状況と効果について伺う。

3 空港の利用促進について

(1) 関西国際空港・大阪国際空港(伊丹空港)の利用促進について

昨年4月、「関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律」が施行され、「新関西国際空港株式会社」が設立された。そしてその3カ月後の7月には、関空と伊丹空港が経営統合され、両空港は新会社によって一体的に管理運営が行われることとなった。

また先月には、県が持っていた大阪国際空港ターミナル株式会社の株式を新会社に約16億7千万円で売却することが決定したとの報道があった。新会社では今後、運営権売却に向けて、ターミナルビル改修によって集客を図り、収益の向上に取り組もうとしている。

今後、県においては、両空港のさらなる活用に向け、新会社との連携を引き続き図っていくことが重要と考える。

そこで、県では平成24年度予算で、「関西国際空港・伊丹空港の利用促進」に3千50万円を計上しているが、その実績について伺う。併せて、県として、新会社との現在及び売却後の関わり方と、また、来年度実施を目指す空港運営権の民間売却の見通しについてどのような考えをもっているのかについてもお聞かせいただきたい。

(2) 関西3空港一体運用に向けた神戸空港のあり方について

昨年3月の関空におけるピーチ・アビエーション就航などLCCの増加に伴い、関空の利用者数が急増しており、つい先日も新聞報道によると、以前関空で就航していた香港エクスプレスが来月からLCCを就航するとの発表があったところである。一方で、神戸空港の利用者数が減少に転じているという話も聞こえてくる。

県では県内から神戸空港へのアクセス充実、航空路線・便数の拡大、神戸空港利用者の拡大を図るため、利用推進事業等を展開するとして、平成24年度予算として450万円を計上している。事業の内容は、主には路線情報のPR、航空会社に対する広報PR支援、県内及び就航都市でのキャラバン活動、県民向けイベントなど「神戸空港の新たな活用方策の検討」ということであるが、神戸空港に関して言えば地元の神戸市や近隣の市町と連携しながら対策に取り組んでいくべきと考える。

また、将来的には関空、伊丹、神戸空港の関西3空港の一体運用を見据えた取り組みも推進していかねばならないと考える。

そこで、神戸空港のこれまでの取り組み実績と、これからの神戸空港のあり方について当局のご所見を伺う。