議会の動き

越田謙治郎議員が質問(予算審査・産業労働部)

予算特別委員会質問(産業労働部)

平成26年3月7日(金)

1 商店街活性化における県の役割について

 本年も当初予算には、様々な商店街の活性化に向けた予算が計上されています。来年度予算(案)では「商店街新規出店・開業等支援事業」に約2,271万円、「多様な需要に対応できる商店街づくり」に1億800万円が計上されています。

私は、商店街の意義、商店街が持つ社会的価値を否定するものではなく、頑張ろうとする商店街が、活性化に向けた新しい取り組みを行う際に、それを応援する枠組みがあること、そのものを否定するつもりはありません。

ただ、今回議論をさせて頂くうえで、仮にその必要性があったとしても、県の厳しい財政状況で行うべきかどうかということは、しっかりと議論をしなければならないと考えています。そして、このような財政状況下で必要なのは、「地域の商店街の活性化に対する施策を、そもそも、兵庫県が担うべきであるか」という議論です。

たとえば、阪神淡路大震災のような大災害からの復興を行う際には、必ずしも一つの自治体の枠組みでできるとは限らず、県が支援を行うことは意味があります。また、リーマンショック後のような世界的な経済不況の中であれば、緊急措置として何らかの対策が必要になることも否定しません。

ただ、現在県内の商店街が置かれている状況は、大型店舗や大手チェーン店等との競合による売り上げの減少や、高齢化等による後継者不足といった、いわば構造的な問題です。商店街の地域における貢献度を否定するつもりはありませんが、それはあくまで便益が地域にとどまる課題であり、自治の問題です。つまり、役割分担として県が行う必然性はないと言わざるを得ません。

実際に、多くの自治体では市独自の補助金等で同様の事業を行っており、二重行政と言わざるを得ません。私は、兵庫県として商店街活性化は、人材の育成や情報の提供といった広域自治体としかできないことに特化するべきだと考えますがいかがでしょうか。

2 異業種交流活性化支援事業について

このたびの「ひょうご経済・雇用活性化プラン」の中では、「産官学の連携や異業種交流、IT技術の活用、マーケットインの視点による商品・サービスの高付加価値化等により、本県の強みであるものづくり企業をはじめとする企業の経営革新を促し、競争を勝ち抜く中小企業を生み出す産業構造」を兵庫経済の目指す姿として掲げています。それに基づき、来年度予算(案)では、ビジネスパートナーや事業連携の可能性を発掘する場を提供するため、(公財)ひょうご産業活性化センターを中核に、県内中小企業が実施する異業種交流を支援し、中小企業の連携による新分野進出や新商品開発等を促進するため「異業種交流活性化支援事業」として、5,500万円が計上されています。

事業目的自体は否定しませんが、様々な民間団体が立ち上がり、また金融機関も積極的にビジネスマッチングを行っている中で、あえて兵庫県がこの時期に開催するのかという理由が見えにくい状況です。

そこで、民間団体等が行っている異業種交流、金融機関が行うビジネスマッチング等との違いについてお聞きします。

3 若年者雇用対策について

過酷な働かせ方で若者らを使い捨てるとして問題になっている、いわゆる「ブラック企業」対策は、昨年9月に厚生労働省が調査を行って以降、急速に社会的な注目を浴びています。本県においても、兵庫労働局が昨年9月、労働者らからの情報を基に県内208の企業や事業所を調べた結果、82.7%に当たる172社・事業所で長時間労働や賃金不払いなどの法令違反があったところを公表、違反企業に対し同労働局は是正勧告した。従来、若者の離職率が高い理由を、学生側の職業観やミスマッチといった点ばかりが注目されていましたが、ここにきてようやく企業側の問題点も明らかになってきたことは評価できます。

ただ、このような法令違反を犯している「ブラック企業」であれば、法令に基づき対策が打てるわけでありますが、世間で耳にするいわゆる「ブラック企業」は、ノルマが厳しいとか、離職率が異常に高いとかいう現状ではありますが、必ずしも法令違反を犯しているわけではなく、現在の枠組みの中では県の関与が非常に難しく、社会的な課題でありながらもどかしい思いをいたします。

さて、日本の雇用形態においては、新卒の価値は高く求職活動では有利であるものの、新卒の時期に就職できなかった若者や、3年以内で離職したような若者の求職市場における評価は厳しく、いわゆる「ブラック企業」と呼ばれる企業を離職しても、再就職の結果、再び別の「ブラック企業」に再就職するという笑えない状況や、とりあえず非正規として短期の仕事を行うというのも現実です。本来、職業人としてのキャリアを積むときに、その機会に恵まれない若者に対して支援することは、単なる救済措置ではなく、社会的な投資という観点から必要です。

現在も、国の関係機関や民間の支援機関等とも連携をしながら取り組んでいただいておりますが、若年者支援に対する取り組みについてお伺いします。