予算特別委員会(予算審査・病院局)
質 問 者 栗山 雅史 委員(民主党・県民連合)
1 紹介状を持たずに大病院を受診した時の定額負担について
紹介状を持たずに大病院を受診した時の定額負担について質問します。
厚生労働省は、来月4月から特定機能病院及び500床以上の大病院で、紹介状を持たずに受診した患者から初診時で5,000円以上、再診時で2,500円以上の定額負担を求める方針を決めました。大病院での安易な受診を抑えて、大病院の勤務医が重症患者の治療等に専念できるようにすることが狙いで、診療所との役割分担を図るものであります。また、少子高齢化に伴い高騰化する国民医療費の適正化と、地域包括ケアシステムの構築も期待されます。
この定額負担は以前から200床以上の病院で任意で徴収しており、兵庫県立の9病院でも現状2,600円を、平成24年度から徴収していると聞いております。昨年、私の妻も紹介状がなかったため、西宮病院で徴収されました。
さて、来月からこの定額負担は5,000円以上となることが義務化されるわけですが、これを機会に、これまでの定額負担の取組みの結果、どのような効果がもたらされたのかなどにつきまして質問していきたいと思います。
(1)定額負担制度導入後の現状
1つめは、定額負担制度導入後の現状についてですが、3点お聞きします。
県立病院の9病院では、先ほど申しました通り平成24年度から2,600円の定額負担を徴収してきましたが、この定額負担制度の導入によって、軽症の患者さんがご自身の症状を見極めたうえで、県立病院などの大きな病院ではなく、地域の診療所等を選択するようになったのかどうかです。初診患者の中には紹介状をお持ち出ない方も依然いらっしゃることと思いますが、県立病院9病院で展開している現在の2,600円の定額負担制度を導入した平成24年度以後、紹介状なしの初診患者の受診件数が減少したのかどうか、まずお聞きします。
次に、この定額負担制度によって、県立病院に勤務される医師の負担は軽減され、救急や高度医療に集中できる環境はさらに整ったのか、また重症患者への対応は手厚くなったのかを合わせてお聞きします。
最後に、新規患者に占める紹介患者の割合、いわゆる紹介率でございますが、これは向上したのかどうか、お聞きします。
(2)来年度からの方針
続いて、来年度からの方針についてです。
先ほど申しました通り、来月から5,000円以上の定額負担が義務化されます。5,000円以上の定額負担を求めることになる県立病院は、500床以上の病院ということになりますと「尼崎総合医療センター」のみが対象となります。現在の2,600円から5,000円以上の定額負担となると、今よりも大きな負担になると同時に、このことが周知されていないと支払い時にトラブルになることも心配されます。
定額負担の額は5,000円以上で設定することになるようですが、その額の設定とともに、尼崎市民を中心とした圏域の方々への十分な広報等が必要になるかと思いますが、現在当局はどのような取組みをお考えでしょうか。また、尼崎総合医療センター以外の県立病院では、引き続き2,600円の定額負担を求めていくのかどうかも合わせてお聞きします。
(3)経営への影響
最後に、病院経営への影響についてであります。
この制度が目的通りの結果を出しているとするならば、県立病院の軽症患者の割合は減少し、全体の患者数も減少するはずであります。そしてそれにより患者一人当たりの診療単価が上昇するのではないかと推定されますが、その一方で患者数の減によって収入も低下するなど、経営指標に少なからず影響することがあり得るのではないかと予想されます。
定額負担の導入による財政への影響はどの程度あったのか。平成24年度以前と現在との比較においてどのようになったのか、お聞きします。また来年度以降はどう見通しておられるのかについてもお聞きします。