【財政状況】
質問者 黒田 一美 委員 (ひょうご県民連合)
1 未利用地の売却促進について
(1)これまでの取り組みの評価について
県有財産のうち、利活用が見込めない未利用地を売却することは、貴重な自主財源を確保できるという点をはじめ、維持管理経費の低減、財政体質のスリム化、さらには、社会資本の活用という点からも非常に有効です。
第3次行革プランにおいても、未利用地については、入札機会の確保や広報・売却情報の提供の強化などの対策により、民間への売却を促進することとされており、平成30年度の収支均衡を達成するうえでも、未利用地の売却促進が早急にかつ着実に進められることが必要です。
平成27年度の管財課所管の未利用地の売却実績は13件、約7.4億円で、一昨年と比較すると4件、約5億円の増となっています。もちろん、その年度にどのような物件が売却されるのか、また、その時の経済情勢によって売却実績は左右されるため、この数字だけでは評価できませんが、さらなる売却収入確保に向けた取り組みが必要なのは間違いありません。
県は、これまで、売却を促進するために、インターネット入札や郵送型入札の実施など県民の利便性を図るとともに、円滑な売却物件の確保にあたられ、そのノウハウを蓄積されています。
そこで、まず、これまでの取り組みとその実績をどのように評価されているのか、お伺いします。
(2)売却促進策と今後の売却見通しについて
入札等に出された物件のうち、利便性や生活環境がいい、また、適当な広さであるなど、県民にとって魅力的な物件については、比較的早期に売却されますが、そうではない物件については、売却が容易に進まず、多くの手間と時間を要することになります。このような売れ残り物件が蓄積されていることが、近年の売却実績の減の一要因になっているのではないかと思います。
このため、様々な売却促進のための取り組みを行っているにも関わらず、売却が進んでいない物件については、インセンティブの付与を含め、効果的な対策を講じていく必要があると考えます。
また、すみやかな売却のためには、売却物件の条件整備を行う段階においても、課題等を的確に洗い出すとともに、県民のニーズを十分踏まえた対応が重要となります。
そこで、これまでの取り組みの評価を踏まえ、より効果的な対策を講じていくべきではないかと考えますが、今後、どのような取り組みを進めようとされているのか、また、未利用地の売却見通しについても、お伺いします。
2 予算節約インセンティブ制度による経費節約効果について
来年度の予算査定において、前年度の予算を節約して執行したことが認められれば、その節約分を翌年の予算に加算される「予算節約インセンティブ制度」が平成20年度にはじまりました。各部局にとっては、財政状況が厳しく、新規・拡充事業の予算確保に苦慮されている状況の中で、貴重な制度ではないかと認識しています。
本県を含めほとんどの自治体は、単年度予算方式であるため、その年度内に予算を使い切らずに余ってしまった場合は、もともと必要がなかった予算とされ、次年度予算を減額されます。このため、年度末に駆け込み的に予算を使うことで、税金の無駄遣いにつながると批判されたことを背景に、この制度は導入されました。
制度の対象は、一括契約や長期継続契約を結んだことによる節約、事業を市・町や民間と共同実施したことによる節約、ペーパーレス化推進による節約など、事業見直しや工夫によって節約された予算額です。
目的が達成できて予算が余れば、それだけ税金を節約できたことで、評価されるのは、言わば当然です。行政運営での意識を、「使い切らなければ損」から「節約すれば得」へ転換し、限られた財源を有効に使うための効果的な制度であり、できるだけ多くの部局で、制度を積極的に活用すべきであると考えます。
そこで、これまで、この制度により、執行段階でどのような工夫や改善が行われ、どれだけの経費節約効果がもたらされたのか。また、制度創設時と比べて、職員に経費節約意識は浸透してきているのか、お伺いします。
3 適正な職員定数の考え方について
社会情勢がめまぐるしく変化しています。県当局においても、地方創生や少子高齢化、災害復興をはじめとする行政課題を担当する部局については、新たな行政事務が必要になったり、業務の更なる増加も見込まれ、より多くの人員が必要になるものと思われます。また、多くのベテラン職員の退職により、同じ業務を行うにも、より多くの時間がかかるようになることも考えられ、多様化する行政サービスに的確に対応できないおそれがあるほか、効率的な行政運営の観点からも課題が生じるのではないかと懸念されるところです。
そこで、行政サービスに的確に対応するための体制の確保が必要であると考えますが、適正な職員定数の考え方について、ご所見をお伺いします。