議会の動き

◆16年9月定例会 代表・一般質問

概要  代表・一般質問  議案に対する態度と考え方

代表質問  栗山 雅史 議員

一般質問  前田 ともき 議員 石井 秀武 議員

代表質問

(栗山 雅史 議員)[発言方式:分割]

1 若者に選ばれる兵庫県について

(1)Uターン就職施策の展開と効果の測定について

(2)県内定着に向けた新たな施策について

2 ホームドアの設置促進について

3 児童相談所の体制強化について

4 都市農業の将来像について

5 瀬戸内海国立公園六甲地域のブランド向上による活性化について

6 学校ホームページによる情報発信について

7 県民の安全を脅かすインターネット上の犯罪について

質問全文

■1 若者に選ばれる兵庫県について

(1)Uターン就職施策の展開と効果の測定について

兵庫県は、地域創生戦略に基づいて2020年までの5年間に25,700人の流入増加を目標に、人口の社会増対策、流出抑制策を展開しています。その中でも特に、高校・大学卒業時における若者の東京圏、大阪への転出を何とか食い止めようと、各種施策に力を入れているところであります。私は、兵庫の将来的な活力の確保という点において、その考えと方向性に理解を示すものであります。しかしながら、それらに基づく施策の展開で、果たして十分な成果や効果が得られるのかと考えると、幾ばくかの不安とひ弱さを感じてしまいます。

まず、県内高校の卒業生の進路についてですが、学校基本調査によると、平成28年3月卒業の生徒は46,229名で、大学等への進学率は60.6%で28,026名、専修学校等への進学率は20.6%で9,533名、就職者は14.2%で6,567名となっています。兵庫県内に就職した者は86.7%、5,696名で、高卒の就職者は高い割合で県内就職しています。問題は大学・専修学校に進学した人たちです。既に兵庫県を出て、様々な地域の大学・専修学校に通っている人々も多くいるでしょうが、果たしてどの程度の学生が兵庫県内企業に就職してくれるのでしょうか。

それではまず、東京で展開しているUJIターン就職施策をみていきます。私は特にUターン就職について注目しています。その効果、結果はどうでしょうか。測定はできているでしょうか。一定の成果はあると言えるのかも知れませんが、兵庫県では高校を卒業した生徒の学年ごとに、「何人が東京圏の大学等に進学したか」、「その学生が兵庫県内の会社に就職したか」などというUターン調査をしておりませんので、結局のところ、「何人がUターンしたか」という結果は得られていないのではないでしょうか。

先日、産業労働常任委員会で視察させていただいた長野県では、「何人が東京圏の大学等に進学したか」、「何人が長野県内の会社に就職したか」などというUターン調査を継続してやっておられて、「昨年のUターン率は38%でした」という回答がすぐに出てきたことには大変驚きました。東京圏でUJIターン就職施策を展開している以上、長野県のように効果の測定が必要ではないでしょうか。

一方、東京圏の大学等ではなく、兵庫県を含む近畿圏の大学等に、兵庫県内の自宅から通う学生も多数います。彼らの多くが東京圏や大阪に就職等で転出することも問題となっています。

現在進めている「流出抑制」としての県内企業への引き留め施策に力を入れていただくとともに、しっかりと結果を出さねばなりません。施策の効果はもちろん測定せねばなりません。そして、それでも尚、東京圏や大阪に就職し、兵庫県から転出していく人たちがいる場合、その人たちをどうやってUターン就職させられるのかについても考えねばなりません。

兵庫県出身者の高校卒業時、大学卒業時の進学先、就職先などの調査を実施し、そのデータに基づいて効果のあるUターン就職施策を展開すべきだと考えます。今後のUターン就職施策の展開と効果の測定について、知事のご所見をお聞きします。

(2)県内定着に向けた新たな施策について

一つ目は、今年度の新規事業である「県内高校2年生全員に企業ガイドブックを配布する事業」についてであります。

今回の補正予算案で掲載企業数を10社増やして80社に、作成部数も5千部増やして55,000部に増やすとありました。県内の素晴らしい企業の情報を、県内高校2年生全員に提供することは大変有意義だとは思います。しかし、先ほどご紹介した通り、高卒で就職する生徒の9割近くは県内就職しています。課題となっている大学生等ですが、実際に就職活動を行う時期はガイドブック配付時から4年~5年後になると思われます。その時までこのガイドブックの内容を記憶してくれているでしょうか。就職活動の時に、このガイドブックのことを思い出してくれるかと想像するとき、私はその効果について頼りなさを感じてしまいます。

しかも、大学受験を目指す多くの高校2年生にとっては、受験勉強が本格的になっていく時期です。どれだけの生徒に「働く」ということを意識してもらい、県内企業に関心を持って読んでもらえるだろうかと考えると、やはり一抹の不安を覚えます。また、この施策の効果は、今から5年~6年後にようやく現れますが、県はこの施策効果の測定ができるのでしょうか。

二つ目は、今回の補正予算案として提出されました「中小企業奨学金返済支援制度事業」です。

我が会派は、給付型の奨学金制度を兵庫県独自で持つべきだとの主張をしておりました。そんな中、私は各種調査の中で、県内の中小企業で人手不足が続いているという状況を把握し、実は私もこの「奨学金」と「中小企業の採用」を組み合わせた制度ができないかと考えておりました。

そんな中提出された補正予算案ですが、この補正予算案は私が考えていた内容よりも少し控えめな内容でした。

まず、「会社が奨学金を負担する」ことです。標準事例で年額1人あたり6万円の負担ですが、会社側から確証を得られている予算案ではありません。私は、会社には負担させず、また学生の返済についてももっと県が負担するべきとの考えでした。奨学金の平均返済期間は約18年と言いますから、例えばその半分の9年間、県内企業に勤務することを条件に、県が奨学金返済総額の半分を負担するというぐらいの思い切ったものを考えていました。3年程度の支援期間では、支援期間終了後に転職してしまう可能性もあります。現在の新卒は、就職後3年以内に1/3が転職や退職をする時代です。会社に長い期間定着し、結婚や子育てなどで県内にも定着する可能性がある年限まで、県が支援する制度の方が良いのではないかと考えていました。これらは、へき地での医療人材の確保・養成事業からヒントを得ました。

これらの施策を含めて、今後の若者の県内定着に向けた施策展開について、知事のご所見をお伺いします。

■2 ホームドアの設置促進について

先月8月15日、東京メトロの駅で、盲導犬と歩いていた目の不自由な男性がホームから転落し、電車にはねられて死亡するという事故が発生しました。視覚障碍者のみならず、駅を利用される方がホームから転落するというニュースは、これまで幾度となく報じられてきましたので、いよいよ本格的な対策が必要になってきているのではないかと感じました。

ご承知のように、視覚障碍者にとって駅のホームを歩くことは「欄干のない橋」を渡るようなもの、と例えられます。日本盲人会連合の調査によると、ホームから転落したことがある視覚障碍者は36.5%、全体の3分の1以上という結果もあり、これまでに進めてきた点字ブロックの対策では限界があるのではないか、事故防止策として有効とされているホームドアの設置を検討していく必要があるのではないかと感じました。

さて、ホームドアの設置数ですが、全国の約9,200駅のうち、2016年3月末現在で665駅だそうです。約7%程度です。

政府は2015年2月の閣議決定において「交通政策基本計画」を策定し、東京オリンピックが行われる2020年までに、ホームドア設置駅を800駅にするという目標を定めました。JR東日本では、今年4月までに山手線23駅にホームドアを整備し、また関西においても、JR高槻駅で国、大阪府、高槻市、鉄道事業者が、それぞれ費用を負担して昇降式ロープ柵を設置したところです。

一方、兵庫県内では県内383駅のうち、ポートライナーで12駅、六甲ライナーで6駅、山陽新幹線の新神戸駅、JR六甲道駅の20駅で設置されているものの、1駅当たりの事故件数が多い1日平均利用者数10万人以上の7駅、これはJR、阪急、阪神、神戸市営地下鉄の三宮4駅と、JR神戸駅、明石駅、姫路駅ですが、これらについてはホームドアが設置されておりません。

現在、兵庫県はエレベーター、スロープなどによる公共交通のバリアフリー化を推進しています。ホームドア設置は次の段階となるかも知れませんが、福祉のまちづくりの先進県として、そろそろ本格的に検討すべき時期が来たのではないかと考えていますが、いかがでしょうか。

鉄道利用者の安全確保、事故の防止、定時運行の確保などに繋がるホームドアの設置について、知事のご所見をお伺いします。

■3 児童相談所の体制強化について

先月公表された厚生労働省の集計によると、全国の児童相談所が昨年度に対応した児童虐待の件数は初めて10万件を超え、過去最高を更新しました。1990年度の調査開始以来、25年連続で増加しています。児童虐待が年々増加の一途をたどる中、現場で対応する児童相談所の人手不足は深刻化しています。相談案件によっては一刻を争うケースもあり、児童相談所の体制強化は待ったなしの状況です。

県は、こども家庭センターや市町の児童福祉所管課などと支援体制を整え、速やかな相談と適切な対応に努め、同時に児童虐待防止対策も積極的に進められています。その成果もあって県民の意識も高まり、児童虐待の通報や相談件数が増加傾向となっています。

昨年度、こども家庭センターが受け付けた児童虐待相談件数は3,281件で、市町での相談件数を合わせると9,287件になり、それぞれ前年度から2割程度増加しています。この数字だけ見ても、こども家庭センターの職員が担当する業務量が増えていると容易に想像ができますし、地元西宮のこども家庭センターの現場でも、以前より業務の負担感が増しているとの声を耳にしました。

そのような中、本年5月に児童相談所の体制整備を柱とした改正児童福祉法が成立しました。国は、中核市が単独で児童相談所を設置し、急増する通報や相談に、迅速かつきめ細かな対応ができるよう、施行後5年を目途として、必要な支援を実施するとしています。

中核市は平成16年の法改正で、既に児童相談所を設置できるのですが、県内の姫路市、西宮市、尼崎市では現在設置されておりません。一方、中核市を目指している明石市は、平成31年に児童相談所の設置を決めているようであります。

法改正を好機と捉えて、県内全域の児童相談所の体制強化に取り組むとともに、姫路、西宮、尼崎の3中核市に対して、県から児童相談所の設置を求めるべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

また、県の資料によると、児童相談所への虐待通報・相談件数は増加している一方、虐待を理由とした一時保護件数については、450件程度で横ばいとなっています。現場からのヒアリングによりますと、一時保護できる場所が限られており、一時保護先の確保に苦慮していると聞きました。子どもを一時保護できずに、事件事故に繋がるようなことがあってはなりません。今後の一時保護体制の充実について、県はどのように考えるのか。併せてお伺いします。

■4 都市農業の将来像について

県は現在、「兵庫県都市農業振興基本計画」の策定作業を進めておられます。都市農業への捉え方が変化する中、今後の都市農業、都市農地はどうあるべきかと思い、今回取り上げることにしました。

都市農業は、歴史的に見ていきますと、農業の継続と住宅等の開発需要との競合の中で、結果的には衰退をしてきました。高度経済成長期では旺盛な宅地需要があり、広大な土地を抱え込む都市農業への風当たりが強まり、宅地化が進んでいきました。

都市農業を都市政策の面から見ると、市街化区域内にある農地は、「宅地化すべきもの」として位置付けられてきました。一方、農業政策の面では、農業振興地域に計画的・集中的に実施され、市街化区域内の都市農地には、農業振興施策はあまり講じられてきませんでした。

そんな中、近年の都市農業に対する都市住民の意識が大きく変わりつつあります。食の安全への意識の高まりとともに、身近な農地で生産された新鮮で安全・安心な野菜が手に入ることが高く評価されています。また、都市への人口流入の収束による開発需要の低下や防災意識の向上等により、都市農地は良好な生活環境を形成する貴重な緑地として、その役割が見直されています。

しかしながら、都市農業の従事者においても高齢化や後継者不足の問題が深刻化しています。農業をやめて土地を売却したり、あるいは不動産賃貸事業に取組まれたりするなど、結果的には農地は減少しています。都市農地の存続については、結局のところ土地所有者の意向に委ねられてきたわけですが、将来の都市像を描きながら、都市農業が継続的に営まれるために、今こそ行政の強力な支援策が必要なのではないでしょうか。

このような中、平成27年4月に、国において都市農業振興基本法が制定されました。都市農業の振興に関して、国や地方公共団体、都市農業者等の責務等などを明確にし、各主体が施策を講じることを求めています。

法を見ますと、これまで「宅地化すべきもの」とみなされてきた都市農地の位置付けを、都市農地は「あって当たり前のもの」、さらには「あるべきもの」へと大きく転換しました。また、都市住民から見えるところで農業が営まれることが、食の安全に対する信頼や安心感につながるのみならず、厳しい状況にある農業・農村そのものへの理解を深めることにも繋がっているとされ、環境共生型の都市を形成する上で、都市農地は重要な役割を果たすとして、都市農業を支援する方向に転換しています。

農業政策、そして都市政策の双方の方向転換がなされた今、都市農業と都市住民との新たな関係を育てながら、農業者や住民、行政機関や農業団体等が連携して、都市農業の振興及び都市農地の保全を図るべきだと考えています。また、安定的な都市農業の継続に向けた施策を充実させることが必要と考えています。

今後の都市農業の将来像についてどうお考えか、ご所見をお伺いします。

■5 瀬戸内海国立公園六甲地域のブランド向上による活性化について

本年5月、六甲山上にある企業保養所や利便施設等の閉館・休館が進んでいることを受けて、六甲山の自然公園としての魅力を維持しつつ、土地建物の利活用を図り、賑わいを取り戻すことを目的として、兵庫県と神戸市が合同で「六甲山土地利活用プロジェクトチーム」を立ち上げられました。私としても、六甲地域の状況については以前から心配しておりましたので、県と神戸市、関係者が一丸となって取り組むことになったことは大変喜ばしいと感じています。

さて、このプロジェクトチームですが、取り組みの一環として、本年6月から遊休施設等を利活用した「賑わい創出モデル事業」の提案募集を実施され、7月には3事業を選定されました。保養所や研修施設、寮だったものを、外国人旅行者をターゲットにしたゲストハウスや森林空間を体験できる休憩施設へと転換、活用するもので、今から完成が楽しみであります。

また、プロジェクトチームでは、六甲山にある171の企業保養所等の対象物件について、現地調査や所有会社訪問等を行っているとのことで、今後の展開に大いに役立てていただきたいと考えております。

一方、国においても「明日の日本を支える観光ビジョン」に基づき、日本の国立公園を世界水準の「ナショナルパーク」としてブランド化を図ることを目標に、「国立公園満喫プロジェクト」として8カ所の国立公園を選定しました。残念ながら六甲山を含む瀬戸内海国立公園は選定されませんでしたが、国へ提案された「地方自治体による国立公園内の行為の許可基準に係る特例の設定」、簡単に言うと、国立公園内の既存の建築物の増改築等について、地域の実情に精通した自治体が、地域独自の特例基準を定め、許可することを可能とする内容ですが、今後引き続き、国と協議しながら実現に向けて取り組んでいただきたいと考えております。

六甲山は大都市に隣接する手軽に自然を楽しめる国立公園です。歴史ある避暑地でもあり、各種のレクリエーション施設や観光資源も多数あります。日本三大夜景にも選ばれている神戸の夜景を含めて、六甲山の魅力がさらに増すことを願っておりますが、今後の取り組みと展開について、ご所見をお伺いします。

■6 学校ホームページによる情報発信について

近年、各学校では「開かれた学校」を目指して、学校の情報公開、児童生徒の学習成果の発表の場など、ホームページを学校の情報発信窓口として活用してきております。ホームページの運営は、どの学校においても必要な業務として定着しており、その重要性は今後も高まるだろうと感じています。

そんな中、我が会派の議員から「学校によってホームページの更新頻度、掲載項目数、内容に差があるのではないか」との意見をいただきました。私はその意見を受けて、独自に調査し、当局にもヒアリングをさせてもらいましたが、その結果、学校によってホームページに差があることは紛れもない事実で、各学校の運営体制や、掲載目的などについても課題があると気づきました。

そして、調べていくうちに、平成19年度の兵庫県立教育研修所の研究紀要の中で、「学校ホームページによる情報発信の方法に関する研究」という研究レポートを見つけました。非常に素晴らしい研究結果が記載されておりました。これを活用されて課題に取組まれているならば、平成19年当時よりも現在の状況は改善しているのではないかと思いましたが、ヒアリングによりますと、残念ながら課題の改善、解消には至っていないとのことでした。

では、その研究の中で課題とされてきたことで、私も問題視している3項目を紹介したいと思います。

1つ目はホームページの運営体制です。ホームページの更新技術を持った職員が、学校に1人しかいないなど少数で、特定の職員に負担が集中しています。そして、その職員が異動した後の引継ぎに不安が残ることも課題とされています。このような業務の負担や引継ぎなどの課題を解消するためには、教育委員会としての適正な人員配置、異動、育成など、組織的な対策が必要ではないかと感じました。

2つ目は掲載内容です。学校ホームページに求められているのは、漠然と学校の様子を伝えることではなく、教育目標の達成を意識して情報を発信することではないでしょうか。それぞれの掲載内容が「誰に対して、どのような目的で」発信されるのかを整理する必要があります。現在は、掲載内容のすべてを学校に委ねており、その結果、自ずと学校間で差が出てきています。教育委員会として、ホームページの掲載内容がどうあるべきかなど、指針を定めるべきではないでしょうか。

3つ目は更新頻度です。更新頻度の多い学校は、ほぼ毎日2~3ページを更新しているようですが、更新頻度の少ない学校は、ある一定期間で2回しか更新をしていなかったようです。次にホームページの閲覧回数ですが、一番多い学校では1日約2,500回、一番少ない学校では1日約80回と、大変差があります。研究によりますと、更新頻度が多いほど閲覧回数も多くなるとの結果が出ていますから、どの学校においても、一定程度の更新が必要ではないかと考えています。

学校ホームページは、保護者に学校の様子を知ってもらうだけでなく、学校で直接顔を合わすことのできない外部の人にも開かれた情報発信の手段です。外部の人材から協力を得て、学校教育を充実させることが求められている今こそ、学校の教育方針や活動の結果などを知ってもらうホームページの重要性がさらに増しているのではないかと感じていますが、いかがでしょうか。

県教育委員会として、学校ホームページによる情報発信の運営体制や方法、掲載内容などについて、今後どのように取組まれていくのか、ご所見をお伺いします。

■7 県民の安全を脅かすインターネット上の犯罪について

本年4月末、私の地元西宮市の関西学院大学など大学周辺の高校、中学校、小学校5校を、5月2日に爆破するとの予告がインターネットの掲示板に書き込まれました。「たくさんのプラスチック爆弾を仕掛けさせていただきました」とか、「早く逃げたほうがいい」などと記されていたそうで、学生、生徒、学校関係者はもとより、周辺地域住民の方々に対しても大きな恐怖と不安を感じさせました。

結果、各校に不審物はなく、爆破されることはありませんでしたが、「5月6日にも仕掛ける」との予告もあったということで、巷ではGW期間中の平日を狙った爆破予告であることから、授業を休講にさせたいという想いで、何者かがいたずらで行ったものではないかと言われています。

多くの学校関係者や地域住民を不安に陥れたこの事案ですが、現在の時点でこの書き込みをした人物は捕まっておらず、大変悔しく、憤りを感じています。

インターネット上では、匿名性、秘匿性が高いことを背景に、電子掲示板におけるこのような爆破予告の書き込みや誹謗中傷をはじめ、SNSによるストーカー行為、標的型メール攻撃など、県民の平穏な生活を脅かす事案が多発している状況にあります。警察当局におかれては、このようなインターネット上の事案の増加にも関わらず、真摯に取り組んでいただいていることに敬意を表するところです。しかし、最近ではこのような書き込み行為をした人物の特定が難しくなってきていると聞いており、大変心配しております。今回の関西学院大学を中心とした爆破予告の書き込みをした人物を特定するためには、IPアドレス等を辿ることなどから捜査を始められたと思いますが、現時点で人物の特定ができず、捜査は継続中であると聞いています。

また、話は変わりますが、平成25年以降、インターネットバンキングに対する不正アクセスによって、預貯金が他人の口座に送金されるといった事案も急増しております。警察庁の発表では昨年1年間に全国で約30億円、兵庫県内でも約3億円の被害が発生するなど、その対策が強く求められているところであります。

ご承知の通り、インターネット上の犯罪に対する捜査は、従来の捜査手法とは異なり、専門的な知識が必要となります。悪質化、巧妙化、複雑化しているインターネット上の犯罪に対して、県警本部としてどのような対策を講じることができるのか、捜査員の育成等についてどう考えているのか、ご所見をお伺いします。

栗山 雅史

(選挙区:西宮市)

一般質問

(前田 ともき 議員)[発言方式:分割]

1 兵庫県立大学の成績優秀者優遇策について

2 県立集客施設の運営について

(1)料金体系の改善について

(2)県立美術館無料化の検討について

3 花粉症被害の抑制に向けた取り組みについて

4 動画配信を活用した新しい学習環境の整備について

5 パチンコ台の不正改造防止について

質問全文

1 兵庫県立大学の成績優秀者に対する優遇策について

子育て・教育への予算を厚く配分していく流れができつつある。

みなさんご存じのことなので、その意義や細かいことはここで申し上げることはしない。

大学の学費でいうと、既に県立大学でも昨年度約9%の学生が受けている授業料減免がある。更に国の給付型奨学金も来年度から計画されているが、それでもまだまだ足りないと考える。

日本学生支援機構の調査によると、下宿生の場合、授業料以外でかかるお金は月約10.5万円。授業料を無償化しても、相当苦しい学生がいることは事実だ。現に中途退学した人の理由の1位は「経済的理由」。ここで今回提案したいのは、国の動向を見守ることではなく、今、県が実行できること。

その1つは、兵庫県立大学の成績優秀者トップ1%に授業料相当の奨学金給付を実施することである。給付型奨学金には基本的な2つの考え方があるが、それは、1つ目は、学業等が優秀な人に提供するメリットベース。2つ目は、経済困窮者に提供するニーズベースである。

本提案にはこれに加えて、3つ目の優秀な人材を兵庫に集める地域創生ベース、さらに、県立大学の競争力を高めるという4つの意思を込めている。

実はこの奨学金の創設に、必要な金額はたった3,300万円弱である。

これは兵庫県立大学の学生数は約6,500名で上位1%は65名程度、これに授業料約50万円をかけた概算値であるが、やる気と工夫で何とかなる数字だと思われる。外から集める、予算配分を組み替えることで捻出できるレベルではないだろうか。

既に、県立大学は約1億円の寄付金を原資に学生飛躍基金を創設し、各学部・学年成績最優秀の20名程度に25万円の奨学金を給付している。しかし、恒久制度ではない上、20名・25万円ではインパクトが不十分である。

インパクトがなければ、全国の高校生・保護者に認知してもらうのは困難であり、認知されなければ存在しないと同じである。また、優秀な人材を全国から集めるという意義も薄れ、「所得に関わらず進学できる!」という希望を持ってもらうこともできない。

私大は既に多様な給付型奨学金を整備しており、例えば、早稲田大学は校友会や個人からの寄付とその運用益を原資に、100種類の学内奨学金による年間20数億円規模の給付型奨学金を創設。著名私大はどの大学も、数百名規模を対象に、1人あたり年間50万円程度の給付型奨学金を創設しており、学生の経済面への支援はもちろん、いかに優秀な人材を呼び込むかに腐心している。

私大に比べて遅れを取っていた公立大学も、岩手県立大学はIT企業スターティアをスポンサーにするなど、徐々に取り組みが進んできている。

そこで、兵庫県立大学においても、特色のあるエッジの効いた学部・学科再編はもちろん、他の公立・有力私大に負けない給付型奨学金の創設をしなければ、大学として埋没してしまうのではないかと懸念するがゆえの提案だ。

2つめの提案は、住居面の支援だ。先ほど述べた日本学生支援機構の調査では、下宿生が授業料以外でかかるお金約10.5万円のうち、その3分の1の約3.7万円が住居・光熱費用となっている。そのような状況の中では、例えば児童養護施設・里親出身者はどうしているのだろうか。

そこで私が主張したいのは、生活に困る中でも、努力してトップ1%という優秀な成績を修めている学生には、県営住宅やさらには市町とも連携した空き公営住宅の提供を行うことを検討すべきということだ。公営住宅には、住宅に困窮する低額所得者に対し低廉な家賃で住宅を供給するという基本的な使命があることは承知している。

しかし例えば、明舞団地では地域再生法の認定を受け、学生シェアハウス事業が展開されている。このスキームなども活用しながら、優秀な学生に住居を提供すれば、学生の生活支援はもちろん、公営住宅の効果的運用、地域に若者を呼び込む活性化にもつながると考える。

この2つの提案の実現によって、学生に希望を、兵庫に人材を呼び込むことができれば素晴らしいことだと思うが、県立大学の成績優秀者に対する優遇措置の実施について所見を伺う。

2 県立集客施設の運営について

(1)料金体系の改善について

県会議員になって約5年半。視察で県立の集客施設を数多く視察してきた。

そこで感じたことが二つある。

1つは、お客さんの圧倒的な少なさ。平日昼間ということを差し引いても、お客さんより係員の方が多いなと思うことがままあった。2つ目は、高齢者優遇の料金体系。例えば、一定規模の集客実績があるフラワーセンターの料金は一般510円、高校生250円に対して、65歳以上は260円と、高校生と変わらない金額となっている。

内閣府と総務省の統計によると、65歳以上の高齢者の年間所得は年金を中心に約300万円、貯蓄は中央値で1,500万円程度であり、これで高校生と同じ料金しか払わなくてもよい価格設定というのはいかがなものか。

そこで、高齢者優遇の料金体系を廃止して一定の増収を確保したうえで、県民の方は月に1度入場料無料とするように料金体系を変更するべきと考える。高齢者の方は比較的時間もあるだろうから、どうしても高いと思われる方には、月に1度入場料無料の日に来場していただければいいのではないだろうか。

しかし、無料化となると気になるのが入場料の減収だ。

ただ、多くの県立施設の収入は入場料収入がメインではなく、県負担金の割合が高い。先のフラワーセンターの例でいうと、1億9、000万円の県費負担に対して入場料収入は4,000万円。したがって、仮に入場料収入が減少しても個別施設の収支悪化に大きなインパクトを与える内容ではない。更に、月に1度無償化を実施しても、入場料収入は減少しない可能性すらある。

なぜなら、フラワーセンターの入場料収入は昨年度で約4,000万円、うち高齢者料金枠での売上は約900万円。価格弾力性や県民比率を考慮せずにざっと試算すると、月に1度無料化で150万円以上の減収に対して、高齢者の値上げで最大900万円の増収となり、月に1度無料化を行っても収支への悪影響はほとんどないのではないだろうか。

ちなみに、他の都道府県も無料開放日を設定しているところは意外に多く、神奈川県だと県民スポーツ週間中の概ね2週間はスポーツ施設無料、東京都だと都民の日に無料、滋賀県だとこどもの日は親子無料などとされている。しかし、年に1度や一部施設の無料ではインパクトは薄く、広く県民に周知・覚えていただくことは困難で、政策効果も薄くなる。

ちなみに、私が長年住む神戸市も10月3日をKOBE観光の日と称して10年以上前から施設を無料開放していることを、先週初めて知った。私が月に1度にこだわるのは県民への定着度を考えた結果でもある。

今ある県立施設は県民の税金を使ってせっかくつくった施設、県民の財産であり、より多くの人に使ってもらうことが大事だ。また、高齢者に限らず、大家族・所得の低い方など、様々な状況の方に使っていただける料金体系に改めるべきである。

そこで、県立施設の入場料無料日の設定を含めた料金体系の改善について伺う。

(2)県立美術館無料化の検討について

続いて県立美術館を対象に質問を行いたい。

美術館も対象にした博物館法では、入館料等は徴収してはならないが、やむを得ない事情がある場合は対価を徴収してよいとしている。2009年に文科省の審議会で作成された「新しい時代の博物館制度の在り方」においても、入館料については同趣旨の内容だった。理念として、基本は無料が当たり前なのだ。しかし、日本博物館協会の調査によると、常設展が有料の施設は約7割、そして兵庫県立美術館も有料である。財政状況や受益者負担を考えると、有料化は仕方ないのだろう。

しかし、芸術文化立県ひょうごを標榜する本県としては、知恵と工夫で県立美術館の月に1度の無料化に取り組んではどうかと提案したい。ただ、単純に無料化すべきだと主張しても、財源は?という話になるため、いくつか私からもアイディアを示したうえで、無料化の実現可能性についてお伺いする。なお、県立美術館の常設展を例に挙げると、1日の観覧料収入はざっと2万円であるから、月に1度の無料化をしても年間では24万円程度である。

そのことを指摘した上で、対策を3つ述べる。

1つ目は、65歳以上の料金を一般料金に変更する。先に述べたことに加えて、高齢化につれ、現行の料金体系では一般料金で入場する比率はどんどん低下し、減収トレンドが続いてしまう恐れも指摘したい。

2つ目は、企業スポンサードの強化。

ニューヨーク近代美術館、世界的にも有名なMOMAはアパレルのユニクロからスポンサードを受けて、毎週金曜日4時以降はユニクロナイトと称し、入館料無料で運営している。以前、私もニューヨークに行ったときに、金曜日を狙ってMOMAを訪れ、その恩恵にあずかった。

既に、県立美術館も寄贈や直接的な寄付を法人・個人を問わず受けている。これをもう少しブラッシュアップできないだろうか。

ユニクロナイトのような命名権に近いアプローチでも十分まかなうことは可能と考えるし、企業版ふるさと納税を活用すれば寄付単価が数千万円単位へ向上できるかもしれない。

3つ目は、プライマリーギャラリー展の開催。

ギャラリーは美術品を購入する画廊のようなもので、プライマリーギャラリーとは作家が商品を発表し、即売するギャラリーという意味である。

これには設営費がかかるため、売上高が単純に増収になるわけではないが、常設展・特別展ともにこれまでの収蔵品・レンタル可能作品にとらわれない作品展示の多様化や集客力の向上にもつながる。

更には、若手アーティスト支援にもつながる。一般的なプライマリーギャラリーではアーティストとギャラリーの取り分は、フィフティーフィフティーが相場といわれている。商品売り上げのうち、アーティストの取り分を増やす、県立美術館という立派な建物で自身の作品を展示できるといったメリットを訴求することで、県立美術館を若手アーティストの聖地・登竜門にすることもできるかもしれない。また、学芸員の調査研究・収集保存に過度にとらわれないマーケットインの発想を涵養していくことにもつながっていく。

以上、3つの対策を申し上げたがこれにこだわっているわけではない。

1960年に採択されたユネスコ勧告でも、観覧料はできるだけ無料とすべきこと、常時無料でない場合は、1週間に1日相当は無料にすること、低所得者・大家族には観覧料を免除すべきことが謳われている。

どうすれば、全ての人に県民共有の財産である、芸術文化に触れていただく機会を作ることができるのかという観点から、芸術立県ひょうごの県立美術館の月に1度の無料化に向けた考えを伺う。

3 花粉症被害の抑制に向けた取り組みについて

大気汚染対策や水質汚染対策は、既に行政で積極的に取り組まれているが、花粉症はどうだろうか。今回は、患者数の拡大と大きな経済損失を招く、花粉症の被害軽減に向けた取り組みについて伺う。

スギやヒノキの花粉が飛んできて花粉症になる。自然による被害だから仕方ないと思っている方も多いかもしれない。しかし、花粉症の大きな要因は、戦後の植林政策によるスギの大量植林とされ、公害といっても過言ではない。

2008年の全国疫学調査では既に国民の約3割が花粉症。1998年の調査では約2割であったものが、たった10年で患者数は1.5倍増と被害は急拡大している。

花粉症はスギやヒノキ、ブタクサなどによって引き起こされるアレルギー疾患で、くしゃみ、鼻水、頭痛などといった症状が中心である。しかし、実は経済損失が非常に大きい問題でもある。

2000年発表の科学技術庁の調査では、医療費や労働力低下といった経済損失は2,860億とされているが、調査後の患者の増加状況等の条件を加味すると、この調査を元とした私の試算では、現在8,500億超の損失が想定できる。

第一生命研究所の調査では、花粉により外出が控えられることで、個人消費が約4,000億円の減少。様々な機関の調査でも集中力や生産性が2割~3割近く減少する報告もされており、たかが花粉症とは言えない状況だ。

国は、本年5月閣議決定の森林・林業基本計画において、スギ人工林等の利用を進めるとともに、花粉症対策苗木の生産や植栽、広葉樹の導入などで、花粉の少ない森林への転換を図る方針を示している。

花粉発生源対策の予算は2015年度の約1億2,000万円から2016年度は約4億円と大幅に増額されており、政府においてもようやく対策を本格化させる見込みである。

地方自治体でも、鳥取県は2008年に10か年計画である「スギ花粉症発生源対策推進プラン」を策定したほか、中国地方知事会でも花粉症対策に広域連携で取り組む動きも見られる。とはいえ、対象となる森林は広大で民有林もあり、更には都道府県域をまたぐため、一朝一夕にできる対策ではなく、数十年という時間軸で考えていく必要がある。

そこで、まず兵庫県における花粉症被害に対する認識、次に、本県においても2008年度にスギ花粉発生源対策推進プランを策定しているが、その進捗状況と効果について伺う。あわせて今後、少花粉スギの植栽などの花粉症対策を推進していく上で、課題は何か、また財源上の問題があるということであれば、例えば県民緑税条例の改正による対応も視野に入れた検討が考えられるが、当局の所見を伺う。

4 動画配信を活用した新しい学習環境の整備について

2年半前にも本会議で同内容の質問をしたが、動画配信を活用した、新しい学習環境の整備について、改めて伺う。

時間・場所・費用・教師の指導力に依存しない教育動画の配信による学習環境の整備こそが、家計の教育費用軽減、長期の入院生活や不登校の子供たちへの学習機会の提供、人口減少で地域に専科教員や学習塾がなくなった子供たち、日本語が不自由な外国の子供たちに低コストで高品質な学習環境を提供する、そして公教育をアップグレードする唯一の方法だと確信している。

既にタブレット・電子黒板を導入したICTを活用した授業もあるが、それよりも放課後学習に動画配信をするほうがより効果的と考える。

兵庫県は地域未来塾とひょうごがんばりタイム事業による放課後の学習支援を行っているが、費用が掛かる割には効果が薄いと考える。なぜならば、国語・算数・社会という教科数の軸。小1から高3という学年の軸。偏差値という軸。この3つの軸に60万人の児童・生徒がおり、それに合わせた学習環境の整備となると児童生徒の個々に対応した学習を展開するためには、予算・教える人材の面などから限界があるからだ。

また、学習動画の配信は家計の大きな負担となっている学校外の学習費負担軽減にもつながる。学習塾全体の年間売上は9,000億円とも言われているが、塾に行かなくても学力を向上させることができる学習環境を整備することで、2割でも塾に行く生徒が少なくなるとすれば、この9,000億円のうち1,800億円をカットできる。

更に、株式会社リクルートホールディングスの調査では、大学新入生で塾や予備校に通わなかった人は65%。その理由は経済的事情が約半分。すなわち、学校外の学習費負担軽減はもちろん、そもそも負担できない世帯にも学習環境を提供する必要がある。

既に動画配信は民間が先行しており、同社が運営するオンライン学習塾スタディサプリは月額980円で3,000講座を提供している。有料会員は25万人を突破し、700の高校で活用され、生徒側だけでなく教師側のニーズでつまずきポイントの可視化や生徒個別の学習管理にも活用されているようだ。本来であれば、このようなサービスは公教育で提供するべきで、文科省が先導して取り組みを行うべきだと考えるが、残念ながらその動きはいまだ見えない。

そこで、兵庫県として、様々な環境の子供たちに高品質な学習環境を提供し、そして教育費の負担軽減に向けて動画配信を活用した新しい学習環境の整備を行う事について、所見を伺う。

5 パチンコ台の不正改造防止について

パチンコ・パチスロ市場は1995年から2015年の20年間で、遊技人口は2,900万人から1,070万人と約3分の1に減少している。一方で、売上げは30.9兆円から23.2兆円の減少にとどまっており、ヘビーユーザー化が進み、遊戯レベルでなくなり賭博に近づいている状況に懸念している。

この要因の一つとして考えられるのが、大当たり用の釘間を広くするなどしてくぎを不正に改造し、射幸性を向上させることである。従来からくぎの調整は、へたれた釘のメンテナンスという名目もあり、暗黙の了解のもとで行われていたようだ。しかし、釘の調整で著しく射幸心をそそっていたのであれば、遊戯ではなく賭博、刑法や風営法の重篤な法令違反であると考える。

これまで、本音と建て前的な管理がなされてきたが、適正管理の強化が求められる調査結果が昨年から続々と明らかとなっている。

昨年の遊技産業健全化推進機構の調査では、全国161店舗の調査で風営法に適合したパチンコ台は1台も存在しなかったという結果であった。

また、別の調査では、この不正改造が個別ホールで実施されているものだけでなく、メーカー出荷段階から不正改造された状態で納品されているとの指摘がある。

このような調査結果もあり、業界団体は、日本全国の店舗に設置されている約290万台のパチンコ台のうち、23メーカー、72万台、実に25%を年内に回収させる方針を示した。

不正改造は、個別の店舗やメーカーの問題だけでなく、業界全体に及ぶ大規模かつ構造的な問題である。

本年4月の内閣委員会でも河野太郎国家公安委員長は違法な機械が大量に出回っていた認識を示した。そして今後は、メーカーに対しては型式検定の取り消し、ホールに対しては営業停止を含む行政処分を科すという警察の意思を明確に出していく方針を明らかにした。

各都道府県警レベルでも取締り体制の強化が図られており、福井県警では昨年6月から全ホールを対象に独自の釘調査を開始した。

パチンコ・パチスロ業界に関しては、ギャンブル依存症対策や青少年立ち入り防止に対する実効性など、外部不経済に対する取り組み不足。を問題視している。

そこで、県警察ではこれまでどのような方針の下、パチンコ店の調査を行い、指導監督を行ってきたのか。また、昨年の調査結果に基づく、業界団体による年内72万台回収の方針に対してどのように実効性を求めていくのか伺うとともに、今後の再発防止策についても併せてお聞きする。

前田 ともき

(選挙区:神戸市東灘区)

一般質問

(石井 秀武 議員)[発言方式:一括]

1 ふるさと意識を醸成する兵庫県民歌の制定について

2 兵庫県立大学の改革について

3 兵庫に外国人観光客を呼び込む取り組みについて

4 神戸西部地域における東西交通の円滑化に向けた取り組みについて

5 日本スポーツマスターズ2017兵庫大会に向けた取り組みについて

6 警察力の強化を図る神戸西警察署を含めた警察署の整備について

質問全文

1 ふるさと意識を醸成する兵庫県民歌の制定について

都道府県を代表するシンボルといえば、「県樹(けんじゅ)」や「県鳥」、「県花」が有名です。ご存じのとおり、本県では、「県樹(けんじゅ)」「県鳥」として「クスノキ」「コウノトリ」を制定しています。また、「県花」として、NHKが郷土の花を募った時に、兵庫県の花として選ばれた「ノジギク」を選定し、郷土愛や連帯感の醸成に一役買っています。この「ノジギク」については、告示が行われていないとのことですので、正式に「県花」として位置づけてもいいのではないかと考えています。

これらのシンボルは、学校教育等で紹介され、子どもから高齢者まで幅広く県民に愛され続けています。そして、これらに続く兵庫県の新たなシンボルとして、私が提案したいのが兵庫県民歌の制定です。

現在、ほとんどの都道府県において、公式の都道府県歌が制定されています。主に昭和20年代から40年代にかけて、国体の開催に合わせて、都道府県旗と同様に定めたものが多いとのことです。しかしながら、その住民への認知度は、低いか、無いに等しいのが実態ではないかと思います。

そのような中、県内で圧倒的な認知度を誇っている県歌として有名なのが、長野県歌の「信濃の国」です。長野の人々は、国歌「君が代」のように、「県民なら誰もが歌える」と自負し、長野県の調査によると、県歌を「歌える」と回答した県民は9割に上ります。

県内のイベントや自治体の行事はもちろん、全校生徒が集まる朝礼、運動会、終業式、卒業式などの節目の行事に校歌とともに歌われます。また、同窓会や甲子園のアルプススタンドでの応援でも、みんなで歌うといいます。

一方、兵庫県では、兵庫を愛する多くの方々に歌い継がれていくようにと、昭和55年に紙ふうせんの後藤(ごとう)悦(えつ)治郎(じろう)さんから本県に寄贈され、のじぎく兵庫国体、のじぎく兵庫大会の式典音楽になった「ふるさと兵庫」が、県広報テレビのオープニングなどで活用され、県民に親しまれていますが、公式の県歌は存在しません。

平成19年9月定例会で、公明党・県民会議の岸本議員は、この「ふるさと兵庫」を県歌として制定すべきとの質問をされましたが、知事は、直ちに県歌を定めることについては慎重に取り扱わねばならないとのご見解を表明されたところです。

少子高齢化が進展し、地域創生の取り組みが本格化する中で、県民の一体感やふるさと意識のさらなる醸成が求められるようになりました。私は、今だからこそ、兵庫県として、長野県の県歌のように、多くの県民に、いつまでも、様々な機会に歌われる県歌を制定すべきではないかと考えています。

2年後の2018年には、兵庫県発足から150 年の節目を迎えます。100年の節目には県民会館などが建てられ、県民の文化活動の交流拠点としてその機能を果たしています。しかし、今は、維持管理にも将来にわたってコストのかかる箱モノよりも、県民のふるさと意識の醸成に向け、「県歌」を広く公募することにより、県民の関心を高め、兵庫の新たなステージへの機運を盛り上げる時代であると考えますが、知事のご所見をお伺いします。

2 兵庫県立大学の改革について

大学をめぐる環境は、激しく変化し続けています。一段と進む少子化により、18歳人口の減少が加速している一方で、大学数は高止まりのまま推移し、定員割れの大学も大幅に増えており、大学は淘汰の時代に突入しています。

私は、厳しい状況の中で、学生に選ばれる大学であるためには、他の大学にはどこにもない強烈な個性、大きな魅力が大学に不可欠であると考えます。

日本経済新聞が昨年発表した、上場企業の人事担当者によるイメージ調査総合ランキングで、県立大学は全国15位、公立大学ではトップにランクされ、同じく大学の地域貢献度ランキングでは、全国3位と躍進しています。

しかしながら、現在の県立大学が、大学受験生に進学したいと思わせるような魅力を持っているかといえば、私は疑問です。

特に教育面について言えば、このたびの法人評価委員会の評価結果を見ても、他大学におけるグローバル人材育成に向けた取り組みに比べ見劣り感があると指摘されており、今後、県立大学における海外留学の拡大や留学生の受入促進などを通じた国際人材の育成を一層強化する必要があります。そのためには、海外留学をカリキュラムに取り入れ単位を付与するなど、留学しやすい環境を作っていくことが必要と考えます。

また、研究面では、高度な科学技術基盤を活用した先端研究が推進されているが、今後、県立大学の特色を一層アピールするためには、総合大学としての利点・特徴を最大限に生かし、学部・学科の垣根を越えた研究活動を一層推進していく必要があります。

県立大学は、平成25年に公立大学法人へと移行し、自主的な取り組みを進めてきました。平成26年11月には、創立10周年・創基85周年を迎え、さらなる発展に向けて、兵庫県立大学創基100周年ビジョンを公表し、努力を続けていくことを学内外に宣言しました。

これを実現し、日本を代表する大学を目指すためには、経営面での安定化を図ることはもちろんのこと、教学面についても新たな視点で強化していく必要があります。

そのために、県立大学の執行体制について、理事長と学長を分離する方針が提案されているところですが、このことはわずか3年で方針を大転換することであり、そのことの意義を当時議決した議員の一人として真摯に受け止め、分離されることによって、今後は、学長が教学に専念し、グローバル化への対応や学生ニーズに合った教育研究改革を行うとともに、理事長については、経営面について斬新な経営感覚を有する人材が担うなど、ガバナンスの強化を一層図っていくことが必要であると考えます。それ故に新たな体制のもと、大学改革を担う人材にはかなりの見識が求められ、期待されるものも大きいのではないでしょうか。

そこで、県立大学が時代の変化に対応し、大学間競争に打ち勝ち、生き残っていくためには、今こそ大胆な大学改革が必要ですが、具体的にどのような取組を進めていくのか、ご所見をお伺いします。

3 兵庫に外国人観光客を呼び込む取り組みについて

昨年、日本を訪れた外国人観光客は、日本政府観光局及び観光庁の調査によると、一昨年に比べ47%増の1,974万人に上り、滞在中の飲食や買い物、宿泊等で消費した金額が3兆円規模に達したとのことです。

このような中、関西広域連合では、関西を海外から見て魅力ある文化観光圏とするため、「関西観光・文化振興計画」に基づき、関西が一体となって戦略的に事業を進められています。その結果、昨年の関西の訪日外国人訪問率は、観光庁の調査によると40%となっており、海外から年間約790万人、延べ宿泊者数1,592万人が来訪する、首都圏に次ぐ国際観光圏になっています。

一方、京阪神3府県の外国人観光客の動向を見ると、観光庁の調査では、昨年の大阪府への外国人観光客の来訪数は91%増の716万人、京都府が64%増の481万人、兵庫県は54%増の128万人、うち神戸市は108万人で、兵庫は大阪、京都に比べて、大きく遅れをとっています。

また、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの推計では、近畿2府4県の外国人観光客の消費額は、2014年に約4,138億円で、このうち大阪府が約2,420億円と6割近くを占め、京都府は約1,134億円、兵庫県は約359億円と1割にも満たないという厳しいデータもあります。

府県の枠組みを越え、関西をひとつとして捉える観光振興は、当然、大きな意味があり、今後も積極的に進めなければなりません。しかし、これと同時に、今以上にこの外国人観光客の流れを兵庫に導く努力を行う必要があると考えます。東京、京都、大阪間の「ゴールデンルート」に、兵庫も乗せる仕掛けが必要です。

幸い神戸は、異人館など近代的で異国情緒あふれる町並みや、ジャズ、洋菓子をはじめとする数多くの神戸発祥文化を育み、港町神戸として多彩な魅力があります。六甲山も、夜景の名所だけでなく、身近な登山ルート、避暑地としての機能をはじめ、六甲山牧場や六甲高山植物園、冬季には外国人が好む六甲山人工スキー場など、神戸中心部から比較的近距離にあることによる、高いポテンシャルを有しています。

さきに触れましたように、兵庫のインバウンドの8割以上が神戸に集中しているということを踏まえると、まずは兵庫県と神戸市、そして地元観光業界が強力なタッグを組み、民間資源なども活用しながら、専門的な知見を活かしていく必要があるのではないのでしょうか。県下に総花的にインバウンドの対策を施すよりも、まさに「選択と集中」による戦略的な手法を取ることにより、徐々に県下にその効果をもたらしていく、2段構えの手法を取っていくべきではないかと考えます。

5年前より産業労働部に観光監というポストを設置し、観光に力を入れてきた本県において、インバウンドでは出遅れ感が否めない中、現実を直視し、いかに効果を上げていくのか。また、それを検証できるような仕組みを構築し、強気な数値目標を設定すべきであると考えますが、ご所見をお伺いいたします。

4 神戸西部地域における東西交通の円滑化に向けた取り組みについて

神戸西部地域は、関西地域と九州・四国地域を結ぶ東西交通の要衝で、交通混雑が著しい地域です。慢性的に渋滞が発生している国道2号や第二神明道路の交通を分散させ、神戸西部地域の道路ネットワークを強化するため、昭和63年度より、神戸市の垂水ジャンクションから明石市の石ケ谷(いしがたに)ジャンクションを結ぶ神戸西バイパスの整備を進めています。

平成10年には、明石海峡大橋開通に合わせて、第二神明道路北線とその側道部分が供用され、これと並行する第二神明道路の伊川谷JCTから東側の区間では、渋滞回数が約9割減少し、交通混雑が緩和されるとともに、死傷事故率も伊川谷JCTから西側の区間に比べて約半分程度に抑えられています。

しかしながら、永井谷JCT以西が未だにミッシングリンクとなっており、バイパスとしての役割が十分果たせていない状況にあります。今年度事業化が決定した大阪湾岸道路西伸部と一体となった道路ネットワークの構築により、関西都市圏が持つ産業・経済のポテンシャルを十分発揮するために、また、災害発生時の救助・救援活動や物資輸送のルートの確保のためにも、少しでも早い事業推進が不可欠です。

私の地元神戸市西区の櫨谷地区では、3年ほど前に、神戸西バイパスの一部となる西神地区への橋梁と数本の橋脚の工事が行われ、完成しました。地元住民は、地域の利便性が向上すると喜ばれていましたが、その橋梁は現在に至っても供用されず、橋脚はそのまま放置されているという状況で、地元の強い期待を裏切る結果となっています。

一方、神戸西部地域の東西交通を確保するという観点から、神戸市域は玉津大久保線及び明石市域は江井ヶ島(えいがしま)松陰(まつかげ)新田(しんでん)線(せん)として昭和41年11月に都市計画決定されている道路も、重要な役割を果たすと考えられます。この道路のうち、未整備である国道175号の神戸市西区玉津町小山と明石市大久保町大窪を結ぶ区間を整備することにより、現在、地域内を通る狭隘(きょうあい)道路(どうろ)しか確保されていない東西交通を補強し、国道2号と県道神戸明石線の渋滞緩和等の地域課題を解決することが期待されています。

神戸市と明石市に跨がって道路が計画されており、神戸市西区平野町で圃場整備の一環として、一部の道路用地を確保しているものの、事業が進んでいない状況にあります。神戸市と明石市は、平成26年から神戸西部地域の渋滞緩和を図るための連絡調整会議を設け検討を進めているとのことでありますが、その目処はついていないと聞きます。私は、県として、広域的な交通政策の観点から、神戸市と明石市に対して関与し、渋滞の緩和に努めていくべきであると考えます。

先ほどの広域交通を担う神戸西バイパスと、補完的幹線道路である玉津大久保線及び江井ヶ島松陰新田線を整備することで、神戸西部地域の東西交通の円滑化が図れると考えられ、関西の経済成長を加速させるとともに、県民生活においても、アクセスの向上、事故の未然防止、災害発生時対応の確保などが期待されます。

そこで、これらの事業が円滑に進むよう、広域的な観点から、県として積極的に関わっていく必要があると考えますが、ご所見をお伺いします。

5 日本スポーツマスターズ2017兵庫大会に向けた取り組みについて

昨年の12月定例会に引き続き、私は開催種目の1つである自転車競技の団体の会長でもありますので、そのことを中心に、現段階で抱える問題点などを指摘し、また昨年の12月にご答弁いただいたことについても確認しながら質問いたします。

今年の秋に関西ワールドマスターズゲームズ2021の競技種目別の開催地決定が正式発表されます。私は、その開催に向けて手を挙げ、また、関西広域連合議会においても受け入れについて手を挙げてきました。自転車競技では、3会場がその候補に名乗りをあげていますが、交通利便にも恵まれた県立明石公園内にある自転車競技場での開催は、先般行われました日本スポーツマスターズ2016秋田大会の参加者からも大変期待されたところです。全国規模の大会が開催されることにより、県内唯一の自転車競技場に対して、国体以降老朽化する施設の大規模改修にも目を向けていただけるものと期待しています。なお、会場決定に至るプロセスを透明化していただくのは言うまでもありません。県としてもさらなる誘致への働きかけをお願いします。

また、昨年の12月定例会において、私は、日本スポーツマスターズ2017兵庫大会が行われるこの機を捉え、施設の管理運営の方法について、関係者が協議を行っていただきたいと質問しました。高井教育長からは、「競技団体の考えを当該施設の運営に反映させることが大切であるという趣旨であるので、そうした趣旨であれば、これは例えばですが、競技団体、体育協会、園芸・公園協会などの関係者の施設運営に関する協議の場づくりが有効ではないかと考え、今後関係機関とともに、そのありようを検討してまいりたいと考えている」との答弁をいただきました。しかしながら、この協議の場づくりは、本年6月に付け焼き刃的に1度開催されたものの、その後も今日に至るまで、競技団体との協議の場を持てていません。このような状況の中で、来年行われる兵庫大会に大変不安を持っています。

さて、日本スポーツマスターズ2017兵庫大会までいよいよ1年となり、県民の参加機運を醸成する取り組みが行われています。私は、9月24日、25日に、本年度開催の秋田大会を視察しました。シニア世代のアスリートによる真剣勝負や頑張りを目の当たりにし、自らも元気や勇気を与えられ、生涯スポーツのすばらしさを改めて実感しています。私が訪れた美郷町立自転車競技場も、町立とは思えないほど整備が行き届き、レースがプログラムに沿って速やかに進められていました。また、競技を観戦された高円宮妃久子さまへの対応も粗相無く行われ、本県においても、周到な準備が必要であると感じたところです。

一方、大会本体とは別に、関連事業としての「スポーツ教室」や大会の開催趣旨に賛同した競技団体が実施する「協賛競技会」、また、2002年サッカーワールドカップ大会の日韓共同開催を機に、幅広い年齢層を対象に各種のスポーツ交流を実施することによって、日韓両国の親善と友好をより一層深める「日韓スポーツ交流事業」なども行われる予定で、昨年の石川大会や今年の秋田大会を参考にしつつ、早急に準備を進めなければいけない段階にきています。

本年6月には実行委員会が、7月には企画運営委員会が立ち上がったとはいうものの、開催経費を含めまだまだ不確定な要素が多く、大会1年前を迎え、やるべきことが山積しています。国体の時のような体制は取れないまでも、県が一昨年開催県として手を挙げ、決定した経緯も踏まえ、役割と責任を明確にしていく必要があります。

特に、大会本体と日韓交流事業とは分けて対応すべきところであり、競技団体、開催市ごとの個別事情に加え、体力差や温度差もある中で、大会を成功に導いていくためには、県が率先して、競技・開催地ごとにきめ細やかなサポート体制を構築していく必要があると考えますが、ご所見をお伺いします。

6 警察力の強化を図る神戸西警察署を含めた警察署の整備について

本県の治安情勢を見ると、六代目山口組と神戸山口組の対立抗争をはじめとする暴力団情勢、振り込め詐欺などの特殊詐欺、ストーカー・DV事案などの人身安全関連事案など、厳しい状況が続いており、県民の安全安心な生活の実現に向けて、引き続き警察力の強化が求められています。

私は、この警察力を強化していくためには、治安対策の拠点となる警察署の充実が不可欠であると考えています。

地元の神戸西警察署管内では、刑法犯認知件数や人身交通事故件数は減少傾向で推移しているものの、ストーカー・DVや児童虐待などの事案が増加し、平成28年から過去10年間において、警察官の定員数は25人の増員となり、繁忙な警察署となっています。このため、別館を増築するなど、施設の充実に努めているものの、警察活動そのものに支障をきたすことはないのかと危惧しているところであります。

私は、過去、平成18年11月定例会の一般質問で当局に対して、警察事案の発生増加に伴う警察官の増員等により、神戸西警察署が狭あいとなっていたことから、対策を講じるよう指摘したところ、警察本部長から、県全体で警察業務に必要なスペースの確保という観点から検討を進めたいとの答弁をいただきました。

しかしながら神戸西警察署における現状は、増築を行い、若干の狭あい化の解消を図っていただいたものの、神戸西警察署の利用者からは、駐車スペースが不十分であるなどの声を聞いており、来庁者への利便性、狭あい化への解決に至っていないのが現状であると思います。

さらに、神戸市において、本年度当初予算に、現在、玉津地区にある西区役所の地下鉄西神中央駅前への移転に向けた基本計画の策定が新たに盛り込まれ、西区新庁舎整備について本日までパブリックコメントが行われています。当然、西区役所の移転により、人の流れが変化したり、地区の賑わいが減少したり、治安が悪化するのではないかと不安を感じている住民も多数いると考えます。

私としては、神戸市西区の10年先、20年先を見据えることや、南部地区に犯罪が多発している現状を踏まえると、治安を確保するために拠点となる警察施設も必要ではないかと考えています。

ところで、県内には、昨年、新設された小野署を含めて49の警察署がある。施設の老朽化が進んでいる警察署も多く、現在、耐震改修や尼崎東署の建替、三木署の設計など整備が進められているところであります。

また、県内の犯罪情勢等についても、西区同様で、平成28年から過去10年間において、警察官の定員数も11,685人から11,921人と236人と増員し、体制や機動力の充実強化を図っているが、警察官の定員数が増えることは、すなわち警察署施設が狭あいになっているということでもあります。

そこで、県内の警察署施設の老朽化、狭あい化が進んでいるなか、今後、県民の安全安心を確保するためには、警察力の充実、すなわち警察署施設の確保が必要であると考えていますが、このたびの西区役所移転も見据え、神戸西警察署のあり方を含めた、今後の警察署整備について、どのような方針で進めていくのか、ご所見をお伺いします。

石井 秀武

(選挙区:神戸市西区)