質問日 令和6年3月12日(火)
質問者 小西 ひろのり委員
1 「教職員の未配置問題」について
本日は3/12。県立高等学校の入学選抜における学力検査が行われていますが、年度末を目前に控え、学校現場では子どもたちの進級に向けた準備や新年度準備などで忙しい日々が続いています。
この一年に限らず、感染症の影響と時期を同じくして顕在化した、学校における「教職員の未配置問題」が深刻化し、喫緊の課題となっています。特に小学校において顕著に表れており、担任の先生がいないため、兵庫型学習システムの加配教員等が担任となり、本来の少人数授業や教科担任による専門的な授業ができない状態が続いたり、産休・育休の代替教員が見つからないため、他の教員が交代で授業を受け持ったりしながら、日々つないでいる状態です。
子どもたちや学校現場から見たこの「未配置問題」は、深刻な問題と捉えていますが、その深刻さが社会全体に伝わっていないように感じます。その理由の一つには、他の教職員が必死の思いで欠員状況を補っていることにあります。そのこと自体は大いに認められるべきことですが、結局、課題が表面化せず、深刻な実態が見えにくくなってしまっており、課題解決にも結びついていないと思います。
「教職員の未配置問題」に関して、教育委員会としての今年度の総括と今後の課題、次年度以降の具体的な対策について、当局の所見をお伺いします。
2 「教職員の働き方改革」の推進にむけた具体的な方策について
(1) 働きがいのある学校づくりの推進(勤務時間の適正化に向けた取組)について
学校現場で働く教職員が笑顔でないと、子どもたちも笑顔になりません。
現在の学校現場が、教職員が笑顔になれる勤務環境となっているとは到底言えません。
一方で、年休取得の促進や夏季休業期間を中心とした学校閉庁日の設定、勤務時間適正化先進事例集の拡充(「GPH50」→「GPH100」)、民間コンサルタントのモデル校導入等、近年の取組をどのように生かし、県内の各学校に拡げていくかが大きな課題となっています。
一人ひとりの子どもたちとじっくり向き合い、「分かる授業」「楽しい学校」をつくるべき教職員が疲弊してしまっており、教職員が魅力ある職業となっていません。結果的に、先ほど質問した「教職員の未配置問題」にもつながっているのではないでしょうか。
モデル校への民間コンサルタントの導入の成果をはじめ、これまでの取組の総括と、今後の勤務時間の適正化、学校業務の削減にむけた具体的な取組について、当局の所見をお伺いします。
(2) 部活動の地域移行の方向性について
中学校、高等学校においては、部活動指導も教職員の多忙化の大きな要因の一つとなっています。本来、部活動は教育課程の外に位置づけられており、そのあり方については各学校で議論されてきました。
2020年9月に中教審答申を受け、文科省が示した「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革」に加え、地域人材の協力も得て、子どもたちのスポーツ・文化芸術活動の機会確保のためにも地域移行を早急に進めていかなくてはなりません。
運動部、文化部の別関係なく、今後の部活動の地域移行に向けた具体的な取組について、当局の所見をお伺いします。
3 学校問題サポートチームの充実について
先ほど、教職員の働き方改革について質問しましたが、その背景に、子どもや保護者だけでなく、社会全体が多様化していることも原因の一つであると考えています。
1クラスに最大40人もの子どもとその保護者がおり、それぞれの生活背景も以前と比べると多様化し、その対応を一手に受けているのは担任を中心とした教職員集団です。また、学校外で発生した子どものトラブルについても保護者と連絡がとれない等の状況から、学校へ連絡が入り、その対応を教職員が担わざるを得ないケースもあります。
その対応の現状は、教職員の熱意や善意に頼っているといっても過言ではありませんし、学校だけで取り組むことは既に限界を超えています。
現在、各教育事務所には、いじめや不登校など複雑化する教育現場の問題に対応 すべく、弁護士や精神科医、臨床心理士などの専門家で編成されている「学校問題サポートチーム」が設置されています。チームが支援する内容には、不登校や生活指導上の課題への対応、学級経営等の教員の悩みごとに関する対応、教職員のメンタルヘルスに関すること、法律等に関する相談など、多岐にわたっています。
学校現場が抱えるあらゆる悩みやトラブルを解決していくためには、専門機関もより深く関わることが必要不可欠となっています。
そこで、各教育事務所に設置されている「学校問題サポートチーム」の役割と今後の取組について具体的にどのようにお考えでしょうか、県の見解をお伺いいたします。