令和元年度決算特別委員会(農政環境)
質問日:令和2年10月12日(月)
質問者:向山 好一 委員
1 県民緑税を活用した「災害に強い森づくり」について
先日の代表質問で知事とやり取りさせて頂きましたが、今なお合点がいかないので本日も質問させて頂きます。
私がなぜ「県民緑税」を第4期事業では減額すべきと訴えているかといえば、これが目的を決めて県民に負担していただいている税だからです。その意味で、県民緑税は目的税に似ており、目的税と同様に受益者負担が原則で、ある目的達成のために時限的に課税していくべきではないでしょうか。
しかし、一旦導入されると目的がどんどん膨れ上がり、受益と負担が不明確になり、終わりなき税になることがよくあります。つまり、目的達成のために税額はいくらが適正かを判断するということが、本来の姿でありますが、安定的収入にあぐらをかき、逆に税額に合わせて事業を決めるという本末転倒のことが起こっているように感じます。これでは納税者の理解が得られるはずがありません。私は県民緑税がこの典型になっているのではとの懸念を持っているし、特にコロナ禍で県民の所得が減少している状況だけに、より厳しく事業について精査すべきだと思っているのです。この懸念のもとに、数点質問します。
(1)「災害に強い森づくり」の事業計画について
まず、先日の代表質問時の知事の答弁で、「山地災害危険地区が約5,600か所残っている。最初に計画したときの対象面積がその後の調査等で増えてきている」とのことでした。まさしく目的税が拡大・継続する典型的パターンとなっているのではないでしょうか。一体どこまで膨れ上がるのですか?それともこれが最終目的ですか?約5,600か所の整備に何年程度かかる見通しなのか、まず確認させて頂きます。
(2)第4期にむけた検証委員会の検証内容について
つぎに、4期目をどうするかを決める前に3期事業を検証委員会でしっかり議論してもらうと知事も答弁されていました。しかし、その検証委員会でどんな議論があり、なぜ4期も同様の事業を継続すべきとの結論を得たのか我々は詳しく知らされていません。まずは結論ありきで説明責任を果たしていないのではないでしょうか。検証委員会での検証内容を伺います。
(3)県民緑税と森林環境譲与税との使途の整理について
3点目は、やはり「森林環境譲与税」との関係です。度重なる私の質問に対し、当局は「災害に強い森づくり」事業と「森林環境譲与税」事業は仕分けをしていると答弁されていますが、私は先日、加東農林振興事務所に協力を頂いて、急傾斜地の間伐の現場調査に行きました。そこは、いわゆる条件不利地の間伐を「森林環境譲与税」で実施し、その切り落とした丸太を「県民緑税」で土留め処置したとのことでした。
令和6年度以降は市町へ約17億円の譲与が見込まれる「森林環境譲与税」は森林吸収源対策のほかに、災害防止等を図るための森林整備にも使えると聞いています。何も、県民緑税を使って土留工をしなくても、森林環境譲与税を活用して約5,600カ所の山地災害危険地区の対策が可能と考えますが、当局の所見をお伺いします。