質問日:令和3年3月12日(金)
質問者:栗山 雅史 議員
1 コロナ禍における公共交通機関の維持と支援について
新型コロナウィルスの影響を受け、ご承知の通り、県内の公共交通機関も大変な打撃を受けており、非常に厳しい経営状況が続いています。
兵庫県内に広く路線を持つJR西日本では、昨年4~12月期の連結決算で最終損益が1618億円の赤字となりました。主力の鉄道事業で利用の減少が続き、同期間の売上高は44%減ったそうです。新幹線など長距離路線を中心に落ち込みが続いたほか、非運輸部門の物販・飲食やホテル、旅行業も振るわず、2021年3月期では、最終損益で2400億円の赤字を見込んでいます。県内の指定公共交通機関としては、JRの他に阪急・阪神もありますが、同様に大変厳しい経営状況が続いており、阪急阪神ホールディングスの2021年3月期の見通しでは360億円の最終損益が見込まれています。
「JRや大手民鉄は体力があるから大丈夫」と思われがちですが、関係者によると「コロナ禍は次元が違う」とのことで、国の雇用調整助成金の特例措置延長なども受けながら、日本経済を根底から支える役割を担い続けるため、懸命に地域の路線や雇用を守ってきています。兵庫県においてもすべての公共交通事業者が地域の足、地域の観光を守るため、大変厳しい経営環境にありながらも、一時帰休の活用など働き方を工夫もしながら日々の安全運行に努めておられます。そのことをぜひご理解いただきたいと思います。
そんなすべての公共交通事業者の状況を鑑み、兵庫県として、コロナ禍の状況においては、様々な分野で必要かつ適切な支援をお願いしたいところです。例えば、鉄道・バス・タクシーなどの公共交通機関は「安全な移動手段であること」を行政から発信するなど、風評被害の払拭に努めていただくことや、ウィズコロナ、アフターコロナの社会を見据えて、「新型コロナウィルス感染症対応地方創生臨時交付金の活用」を通じた各種支援などについてご検討をいただくとともに、ぜひとも強力なご支援をお願いしたいところです。
県民の日々の生活や経済活動に欠かせない公共交通事業者を支える意味からも、また県内の観光産業を支える意味からも、公共交通機関への支援をさらに強化すべきだと考えていますが、今後の県の考え方についてご所見をお伺いしたいと思います。