議会の動き

予算特別委員会◆23年02月定例会

理   事  中田 英一 議員(三田市)
委   員  小池 ひろのり 議員(神戸市中央区)
委   員  前田 ともき 議員(神戸市東灘区)

中田 英一 議員
 財政状況 | 環境部 | まちづくり部 | 企業庁 | 教育委員会

小池 ひろのり 議員
 企画部・県民生活部・部外局 | 福祉部 | 農林水産部 | 土木部 | 病院局 

前田 ともき 議員
 総務部・財務部・危機管理部 | 保健医療部 | 産業労働部・労働委員会 | 公安委員会 | まちづくり部 | 教育委員会 | 総括審査

<中田 英一 議員>
●財政状況
1 令和5年度当初予算編成について
(1)予算編成における「県民ボトムアップ型県政」について
(2)新しい組織体制の予算編成への影響について
(3)知事の判断と部局マネジメント強化の関係について
2 シーリングカットについて
3 県民局予算(地域躍動推進費)の考え方について
4 予算編成過程の県民公開について
5 個人住民税の徴収支援に係る取組状況について
6 ふるさと納税における県広報や広告収入等の取組について

全文

中田 英一議員が質問(予算審査・財政状況)

質問日:令和5年3月1日(水)

質問者:中田 英一 委員

1 令和5年度当初予算編成について

(1)予算編成における「県民ボトムアップ型県政」について

予算質疑の冒頭にあたり、本定例会でも知事が度々口にされている「県民ボトムアップ型県政」というキーワードについてまずは明確にさせて頂きたいと思います。

学研国語大辞典によると、「ボトムアップ」とは「下級部門の担当者からの意見・情報・企画などがトップに流れる職場管理の方法」であると掲載されており、私もそのような意味の理解をしておりました。

しかし、知事の「県民ボトムアップ型県政」が使われている文脈においては、あわせて「現場主義」という言葉が使われていることからも、「自身が現場に足を運び、直接見聞きされた内容を県民の声として県政に取り入れる」というような意味にも受け取れるように思います。

もし知事が見聞きされた、その中で重要だと考えられたことを「これやりましょう」と言って予算化されていく…のだとすれば、この意思決定の方式はボトムアップと対義語である「トップダウン」に近いように思えてしまい、私の中で明確な理解ができておりません。

そこで、まずはキーワードである「県民ボトムアップ型県政」が、政策決定、予算編成過程においてどのような意味で用いられているのか、私たち県民がどのように理解すればいいのか当局のご理解をお聞かせ頂きたいと思います。

(2)新しい組織体制の予算編成への影響について

知事の肝いりで、部局の細分化や各部局に総務課が設置されるなど組織体制が一新され、その意図としても部局ごとのマネジメント、日本語にしますと「経営管理」や「組織運営」といった意味かと思われますが、そこに重きを置かれるものと理解しております。

すなわち、全ての決定をトップである知事が行うのではなく、一定程度までは部局ごとで決定できる裁量があり、特に重要な事項について知事が判断・決定をしていくという組織運営の方式だと理解しています。

部局マネジメントの強化と聞けば、県の組織内における意思決定が知事によるトップダウンではない方式にしようという意図が感じられるのですが、来年度予算案をみると、(この財政状況の質疑時間では具体的な事業をあげることができませんが)その中に特徴的な、言い換えればこれまでとは異なりそこにスポットライトがあてられているような事業がいくつかあるように思います。

偏見かも知れませんが、これまで「縦割行政」といわれてきた組織においては、部局内においても各課・各係を公平に取り扱うという意識が働き、なかなか各課・各係から上がってくる政策・予算に差をつけにくく、結果としてバランスが重視された、言い換えると総花的な予算編成になりやすいと理解していました。

そこで、一つには今回の予算編成案の評価について、私が感じたようにバランス重視型からいっそうメリハリのある、言い換えれば明暗の分かれるものになったとお考えでしょうか、もしそうであるとするならば、部局マネジメントの強化を含めた新しい組織体制が1年を経過して今回の予算編成に影響をもたらしたのでしょうか。当局のご所見をお伺いします。

(3)知事の判断と部局マネジメント強化の関係について

知事をトップとする行政組織でありますから、当然のことながら知事の思いを一人ひとりが理解し、その元に施策の立案や予算編成に取り組んでおられるものと思いますが、現場主義をとられ臨機応変に対応できる知事の判断と、年間を通しての綿密な準備・計画のうえに組み上げられる部局の政策とでは、齟齬が生じることも起こりえるものと考えられます。

さきほども述べさせていただいた、スポットライトがあたったような事業のなかには、知事の意向が強く反映されているものがあるようにも感じています。

そこで、部局として導いた結論と知事の判断が異なるような状況が生じた場合に、どのような経過をたどり最終的な予算決定がなされるのでしょうか。

2 シーリングカットについて

まずは行政経費に関する予算を一律に削減する、いわゆる「シーリングカット」について伺います。

この項目はこれまでの予算特別委員会においても度々取り上げられてきましたが、特に令和3・4年度はコロナ禍による急激な財政悪化を主な理由として、「シーリングカット」を強化されたとあります。

令和5年度当初予算において当局は、新型コロナウイルス感染症が5類相当へ引き下げられることなどコロナの影響が和らぐこともあって、地方消費税などを中心に県税収入の合計で令和4年度当初予算額から294億円の増と見込んでいるが、それでも引き続き経常的経費、政策的経費に対して15%のシーリングカットを実施している。

兵庫県ではこれまで様々な行政改革により「乾いた雑巾を絞るような取組」をしてきたとされるうえ、さらに続くシーリングカットは「無駄の削減」というよりも、もはや現場の忍耐・我慢につながっており、県組織のボトムである現場からの自由な発想やアイデアによる取組みが湧き起こりにくいように環境であったり、カットにより当初想定していた効果が出せない状況が生じているのではないかと感じています。

そこで、令和5年度当初予算におけるシーリングカットの意義とその効果をどのように位置づけているのか当局のご見解を伺います。

3 県民局予算(地域躍動推進費)の考え方について

県民局とは県ホームページにおいて「県民の皆さんに身近なところで総合的な施策を推進し、現地解決型の行 政を展開するため、保健・医療・福祉、産業振興、社会基盤整備などの分野の業務 を幅広く所管する、県下に10か所設置された総合事務所」である旨掲載されています。

この記載を見れば、広大な県土において県民の身近で、最前線の現場で展開される県行政であり、現場主義・県民ボトムアップ県政の要になるとも思われます

しかし、その県民局予算のなかでも、県民局の自由度が高い、すなわち地域の実情にあわせた現場判断の施策が期待される「地域躍動推進費」の予算が縮小され、かつその内容についての本庁査定が強まったと聞いております。

そこで、「地域躍動推進費」の予算が縮小され、かつその内容についての本庁査定を強めることとなった理由についてお聞かせください。

4 予算編成過程の県民公開について

知事が交代されて早々、兵庫県はそれまで慣習的に行ってきた各種基金の県債管理基金への集約を解消する方針を示され、今定例会でも補正予算が議決されたところであります。

この集約は、資産運用で規模のメリットを確保することなどを目的に実施された独特な手法でしたが、本来の目的である県債の償還に充当しない資金も合算されるなど、基金の積立不足が実態よりも少なく見えたり、他府県との比較が困難で県民や投資家に理解されにくかったりしたことから「財政状況の見える化」を進める方針に転換されたものと理解をしております。

県民や投資家のための勇気ある決断であったと賛同しておりますが、そうした知事および新体制において予算編成過程の見える化を前に進めることは、ごく自然なことだと考えます。

予算編成は、「県民や投資家からお預かりしたお金をどう使うか」という計画であり、県民の関心が高く、特に廃止される事業や新規事業はそれにより大きな影響を直接受ける県民もいることから、「県民ボトムアップ県政」の視点「県政の透明化」の視点からも、廃止・新規の各理由を含めて開示することができれば大きな前進になるものと考えますが、当局のご所見をお伺いいたします。

5 個人住民税の徴収支援に係る取組状況について

兵庫県における県税の徴収歩合は毎年向上を重ねられており、収入未済額も着実に減少している状況ではありますが、令和3年度個人県民税の収入未済額は未済額全体の79.4%と高い割合となっており、厳しい県財政が続く中において、県税収入をしっかりと確保していくためには、この個人県民税を如何に徴収していくかが大きな課題となっております。

しかし、個人県民税は市町が個人市町民税と併せて賦課徴収することになっているため、県だけの徴収対策で収入確保が実現できるものではありません。

そのため県では、「個人住民税特別対策官」を設置し、市町の徴収能力を向上させ、ひいては個人県民税の徴収を確保するという支援を行っているとお聞きしていますが、どのような取組を行い、どのような成果があったのか、そして今後どのように進めていくのかお伺いします。

6 ふるさと納税における県広報や広告収入等の取組について

兵庫県では、県庁内でお昼休みに流れるコマーシャルもそうだと思われますが、県で発行・発信するさまざまな媒体に広告の募集を行ったり、反対に他者の媒体に兵庫県の魅力をPRする広告の掲載を検討したり、県の収入増加やイメージアップを目指されていると思います。

その中で、ここでは県の収入に直結する広告収入について取り上げさせて頂きたいのですが、まずは県の発行・発信する媒体における広告収入への取組みの全体的な現状についてお伺いさせて頂きたいと思います。また、あわせてふるさと納税に関する戦略についてもお伺いしたいと思います。

年末は確定申告の算定期間の末ということもあって、多くのふるさと納税に関する宣伝が登場し、私もその中のサイトでたくさんの自治体の魅力自慢ともいうべきページを閲覧し、いくつかの自治体について調べてみました。

ふるさと納税寄付を行うとそれに対して、後日返礼品と寄付控除の書類が郵送されてくる仕組になっているところがほとんどですが、郵送されてくる書類が自治体によってさまざまであるようです。

簡易なとじ込み式のはがきタイプのところもあれば、長三封筒に送付状と寄付控除書類だけのところ、そこに広告や自治体のPR広報が入っているところ、A4が入る封筒にPR冊子が送られてくるところなどです。

兵庫県でも力を入れておられると思いますが、ふるさと納税は何らかの興味や関心、つながりがあって我が県に寄付された方に的を絞ってメッセージを送ることのできるという絶好の機会であると考えられ、県の広報だけでなく民間企業にとっても大きな広告効果が期待できると思われます。

そこで、兵庫県で行われている広告収入確保の取組の現状と、兵庫県のふるさと納税寄付者への広報発信やそこにかかる広告収入に関する取組について今後どのように進めようとしているのか、当局のご所見をお伺いします。

中田 英一
三田市

●環境部
1 不法投棄の監視に関するドローンの導入について
2 次世代自動車の普及促進について
(1)電気自動車の普及状況について
(2)水素ステーションの整備について

全文

質問日:令和5年3月1日(水)

質問者:中田 英一 委員

1 令和5年度当初予算編成について

(1)予算編成における「県民ボトムアップ型県政」について

予算質疑の冒頭にあたり、本定例会でも知事が度々口にされている「県民ボトムアップ型県政」というキーワードについてまずは明確にさせて頂きたいと思います。

学研国語大辞典によると、「ボトムアップ」とは「下級部門の担当者からの意見・情報・企画などがトップに流れる職場管理の方法」であると掲載されており、私もそのような意味の理解をしておりました。

しかし、知事の「県民ボトムアップ型県政」が使われている文脈においては、あわせて「現場主義」という言葉が使われていることからも、「自身が現場に足を運び、直接見聞きされた内容を県民の声として県政に取り入れる」というような意味にも受け取れるように思います。

もし知事が見聞きされた、その中で重要だと考えられたことを「これやりましょう」と言って予算化されていく…のだとすれば、この意思決定の方式はボトムアップと対義語である「トップダウン」に近いように思えてしまい、私の中で明確な理解ができておりません。

そこで、まずはキーワードである「県民ボトムアップ型県政」が、政策決定、予算編成過程においてどのような意味で用いられているのか、私たち県民がどのように理解すればいいのか当局のご理解をお聞かせ頂きたいと思います。

(2)新しい組織体制の予算編成への影響について

知事の肝いりで、部局の細分化や各部局に総務課が設置されるなど組織体制が一新され、その意図としても部局ごとのマネジメント、日本語にしますと「経営管理」や「組織運営」といった意味かと思われますが、そこに重きを置かれるものと理解しております。

すなわち、全ての決定をトップである知事が行うのではなく、一定程度までは部局ごとで決定できる裁量があり、特に重要な事項について知事が判断・決定をしていくという組織運営の方式だと理解しています。

部局マネジメントの強化と聞けば、県の組織内における意思決定が知事によるトップダウンではない方式にしようという意図が感じられるのですが、来年度予算案をみると、(この財政状況の質疑時間では具体的な事業をあげることができませんが)その中に特徴的な、言い換えればこれまでとは異なりそこにスポットライトがあてられているような事業がいくつかあるように思います。

偏見かも知れませんが、これまで「縦割行政」といわれてきた組織においては、部局内においても各課・各係を公平に取り扱うという意識が働き、なかなか各課・各係から上がってくる政策・予算に差をつけにくく、結果としてバランスが重視された、言い換えると総花的な予算編成になりやすいと理解していました。

そこで、一つには今回の予算編成案の評価について、私が感じたようにバランス重視型からいっそうメリハリのある、言い換えれば明暗の分かれるものになったとお考えでしょうか、もしそうであるとするならば、部局マネジメントの強化を含めた新しい組織体制が1年を経過して今回の予算編成に影響をもたらしたのでしょうか。当局のご所見をお伺いします。

(3)知事の判断と部局マネジメント強化の関係について

知事をトップとする行政組織でありますから、当然のことながら知事の思いを一人ひとりが理解し、その元に施策の立案や予算編成に取り組んでおられるものと思いますが、現場主義をとられ臨機応変に対応できる知事の判断と、年間を通しての綿密な準備・計画のうえに組み上げられる部局の政策とでは、齟齬が生じることも起こりえるものと考えられます。

さきほども述べさせていただいた、スポットライトがあたったような事業のなかには、知事の意向が強く反映されているものがあるようにも感じています。

そこで、部局として導いた結論と知事の判断が異なるような状況が生じた場合に、どのような経過をたどり最終的な予算決定がなされるのでしょうか。

2 シーリングカットについて

まずは行政経費に関する予算を一律に削減する、いわゆる「シーリングカット」について伺います。

この項目はこれまでの予算特別委員会においても度々取り上げられてきましたが、特に令和3・4年度はコロナ禍による急激な財政悪化を主な理由として、「シーリングカット」を強化されたとあります。

令和5年度当初予算において当局は、新型コロナウイルス感染症が5類相当へ引き下げられることなどコロナの影響が和らぐこともあって、地方消費税などを中心に県税収入の合計で令和4年度当初予算額から294億円の増と見込んでいるが、それでも引き続き経常的経費、政策的経費に対して15%のシーリングカットを実施している。

兵庫県ではこれまで様々な行政改革により「乾いた雑巾を絞るような取組」をしてきたとされるうえ、さらに続くシーリングカットは「無駄の削減」というよりも、もはや現場の忍耐・我慢につながっており、県組織のボトムである現場からの自由な発想やアイデアによる取組みが湧き起こりにくいように環境であったり、カットにより当初想定していた効果が出せない状況が生じているのではないかと感じています。

そこで、令和5年度当初予算におけるシーリングカットの意義とその効果をどのように位置づけているのか当局のご見解を伺います。

3 県民局予算(地域躍動推進費)の考え方について

県民局とは県ホームページにおいて「県民の皆さんに身近なところで総合的な施策を推進し、現地解決型の行 政を展開するため、保健・医療・福祉、産業振興、社会基盤整備などの分野の業務 を幅広く所管する、県下に10か所設置された総合事務所」である旨掲載されています。

この記載を見れば、広大な県土において県民の身近で、最前線の現場で展開される県行政であり、現場主義・県民ボトムアップ県政の要になるとも思われます

しかし、その県民局予算のなかでも、県民局の自由度が高い、すなわち地域の実情にあわせた現場判断の施策が期待される「地域躍動推進費」の予算が縮小され、かつその内容についての本庁査定が強まったと聞いております。

そこで、「地域躍動推進費」の予算が縮小され、かつその内容についての本庁査定を強めることとなった理由についてお聞かせください。

4 予算編成過程の県民公開について

知事が交代されて早々、兵庫県はそれまで慣習的に行ってきた各種基金の県債管理基金への集約を解消する方針を示され、今定例会でも補正予算が議決されたところであります。

この集約は、資産運用で規模のメリットを確保することなどを目的に実施された独特な手法でしたが、本来の目的である県債の償還に充当しない資金も合算されるなど、基金の積立不足が実態よりも少なく見えたり、他府県との比較が困難で県民や投資家に理解されにくかったりしたことから「財政状況の見える化」を進める方針に転換されたものと理解をしております。

県民や投資家のための勇気ある決断であったと賛同しておりますが、そうした知事および新体制において予算編成過程の見える化を前に進めることは、ごく自然なことだと考えます。

予算編成は、「県民や投資家からお預かりしたお金をどう使うか」という計画であり、県民の関心が高く、特に廃止される事業や新規事業はそれにより大きな影響を直接受ける県民もいることから、「県民ボトムアップ県政」の視点「県政の透明化」の視点からも、廃止・新規の各理由を含めて開示することができれば大きな前進になるものと考えますが、当局のご所見をお伺いいたします。

5 個人住民税の徴収支援に係る取組状況について

兵庫県における県税の徴収歩合は毎年向上を重ねられており、収入未済額も着実に減少している状況ではありますが、令和3年度個人県民税の収入未済額は未済額全体の79.4%と高い割合となっており、厳しい県財政が続く中において、県税収入をしっかりと確保していくためには、この個人県民税を如何に徴収していくかが大きな課題となっております。

しかし、個人県民税は市町が個人市町民税と併せて賦課徴収することになっているため、県だけの徴収対策で収入確保が実現できるものではありません。

そのため県では、「個人住民税特別対策官」を設置し、市町の徴収能力を向上させ、ひいては個人県民税の徴収を確保するという支援を行っているとお聞きしていますが、どのような取組を行い、どのような成果があったのか、そして今後どのように進めていくのかお伺いします。

6 ふるさと納税における県広報や広告収入等の取組について

兵庫県では、県庁内でお昼休みに流れるコマーシャルもそうだと思われますが、県で発行・発信するさまざまな媒体に広告の募集を行ったり、反対に他者の媒体に兵庫県の魅力をPRする広告の掲載を検討したり、県の収入増加やイメージアップを目指されていると思います。

その中で、ここでは県の収入に直結する広告収入について取り上げさせて頂きたいのですが、まずは県の発行・発信する媒体における広告収入への取組みの全体的な現状についてお伺いさせて頂きたいと思います。また、あわせてふるさと納税に関する戦略についてもお伺いしたいと思います。

年末は確定申告の算定期間の末ということもあって、多くのふるさと納税に関する宣伝が登場し、私もその中のサイトでたくさんの自治体の魅力自慢ともいうべきページを閲覧し、いくつかの自治体について調べてみました。

ふるさと納税寄付を行うとそれに対して、後日返礼品と寄付控除の書類が郵送されてくる仕組になっているところがほとんどですが、郵送されてくる書類が自治体によってさまざまであるようです。

簡易なとじ込み式のはがきタイプのところもあれば、長三封筒に送付状と寄付控除書類だけのところ、そこに広告や自治体のPR広報が入っているところ、A4が入る封筒にPR冊子が送られてくるところなどです。

兵庫県でも力を入れておられると思いますが、ふるさと納税は何らかの興味や関心、つながりがあって我が県に寄付された方に的を絞ってメッセージを送ることのできるという絶好の機会であると考えられ、県の広報だけでなく民間企業にとっても大きな広告効果が期待できると思われます。

そこで、兵庫県で行われている広告収入確保の取組の現状と、兵庫県のふるさと納税寄付者への広報発信やそこにかかる広告収入に関する取組について今後どのように進めようとしているのか、当局のご所見をお伺いします。

●まちづくり部
1 市街化調整区域における土地利用の促進について
(1)区域区分の見直しについて
(2)開発許可制度の弾力的な運用について
2 地球アトリエ構想について
3 県営住宅地の敷地内における中低木の所有と管理の整理について

全文

1 市街化調整区域における土地利用の促進について

(1)区域区分の見直しについて

人口減少が進む中、地域の活力維持が必要。

県においては、市街化調整区域においても特別指定区域制度や地区計画制度等を活用し計画的なまちづくりを図ってきた。

昨年度、市街化調整区域等の土地利用の推進方策について有識者等の意見を聴取する「兵庫県土地利用推進検討会」を設置し昨年4月に報告書が取りまとめられた。

報告書では、令和7年度の都市計画区域マスタープランの見直しに向け、今年度から都市計画審議会に専門委員会を設置し、市町の意向も踏まえ、区域区分の要否を含めた検討を進めることとしている。

そこで、県として、区域区分の廃止について、どのような場合に廃止し、これにより地域にどのような効果が見込めると考えているのか、当局の所見を伺う。

(2)開発許可制度の弾力的な運用について

県で区域区分の見直しの検討を進めているが、法律上、区域区分が廃止できない地域や、現行の区域区分制度を維持する意向の市町もあると考える。

区域区分を維持した場合であっても、地域活力の維持に資する土地利用は進めるべきであり、そのためには、開発許可制度の更なる規制緩和・運用の弾力化が必要と考えるが、当局の所見を伺う。

2 地球アトリエ構想について

大規模な箱物を計画廃止し、「サンダリーノの里」(仮称)として園路や楽描きウォール等の整備と、「風の庵」のテラス拡充にとどめることとなった。30億円から約3千万円に削減したと聞けばコストカットと思えるが、3千万円だけ聞けば大きな金額である。大切なのはそれが有効に使われる県民のためになることである。

すなわち使われなければ無用の長物となる。

地球アトリエ構想の時点から主張してきたが、運営について見通しが明確でないように感じる。未だに特定の財団での運営を想定しており、そこにはご高齢の方や実働が想定されない名誉会員的なポジションの人物が目立つ。

そこで地球アトリエ構想の変更について、予算以外に何がどう変わったのか、改めて伺う。

3 県営住宅地の敷地内における中低木の所有と管理の整理について

地元で県営住宅敷地内の木の枝が風で折れ同じく敷地内の駐車場に止めてあった住民の車を破損させるという事故があった。

誰が責任を負うかが問題になったが、その際に、県営住宅敷地における、木の管理権限について明確な整理がなされていないことが判明した。

台風などの被害の予見できない自然災害によるものであれば、所有者や管理者にも責任が原則的に生じないが、例えば木が折れかかっているのを管理者が知っていたという状況であれば、管理者は管理責任と権限、事故の予見可能性があったことから責任を負わなければならなくなるかもしれない。

現在県営住宅においては「中低木の管理については自治会が行う」旨の内規があると聞いているが、管理委託契約の有無や費用の問題などが整理できていないと感じるため、この際整理すべきと考える。

当局の所見を伺う。

●企業庁
1 まほろばブレッツァの倒産について
(1)県(企業庁)の関係者への対応について
(2)再発防止に向けて
(3)新店の成功に向けて
(4)住民参加について

全文

1 まほろばブレッツァの倒産について

(1)県(企業庁)の関係者への対応について

三田市のカルチャータウンに企業庁で設置して頂いた商業施設にテナントとして入居していた「三田まほろばブレッツァ」の運営会社が昨年末に突然営業を停止し倒産手続きに入りました。

あとから、家賃の滞納や、従業員への賃金の未払い、納入業者への買掛けや野菜を委託販売で納めていた農家さんへの売上金の未返還など、数々の不払いなどが発覚する事態となりました。

その中には人生で初めてのアルバイトだったが数カ月の勤務のうちほとんどの賃金が支払われておらず、雇用契約書なども交わされておらず、面接を受けただけで働いていたという衝撃的な事実を耳にしました。

企業庁としては、法的には建物の所有権者というにとどまり、それを第三セクターである(株)北摂コミュニティ開発センターに賃貸し、そこが今回のテナントに転貸する形式をとっているため、倒産した事業者とは直接の契約もなければ法的な関係性はないと言えます。

しかし、一般県民・消費者から見ればそこは「県の施設」であり、「内部の事業者についても県と何らかの関係性があって、だからこそ安心できる」思ってしまうという側面もあるように思われます。今回の事案はそれら一般県民の県(外形)への信頼を覆すこととなりました。

これを回復するためには、法的に無関係だからといって放置するのではなく、積極的に説明責任を果たすべきと考えますが企業庁としてこの問題にどのように取り組まれるのでしょうか。

(2)再発防止に向けて

今回の例でもそうでありましたが、事業者の資金繰りが苦しくなると徐々に支払いが遅れるようになります。今回のような事態を回避するためには、そうした兆候を察知し、関係者に迷惑をかけないように予防する仕組みが必要ではないでしょうか。

現在はテナント入居者に対して毎月の売上や購入者数の提出を義務づけているが、例えば、毎年の決算書についても提出を義務付けたり、従業員への賃金の支払い状況などを直接照会できる制度を設けたり、利害関係者の相談窓口のようなものを作ることも有効であると考えられます。

今回の事案発生を受けて県として再発防止に向けてどのような実効的な対策がとれるかご所見をお伺いします。

(3)新店の成功に向けて

当該テナントについては、すでに新たな募集および入居者の選定まで終わっているとお聞きしていますが、昨年11月14日に突然の閉店が始まってから、年末年始をまたいで1月25日には新事業者が決定・発表されている。

個人的には非常に早い経過をたどったと感じているが、閉店から募集案内や期間はどのような考えのもとに決定されたのでしょうか。

前身のまほろばと2事業者連続で短期間のうちに閉店にいたっているだけに、次も同じ轍を踏まないか心配するところでありますが、これまでの検証は十分にできているのか、それを踏まえて次期事業者は大丈夫といえるのか、ご所見をお伺いいたします。

(4)住民参加について

まほろばブレッツァ跡を含め、南側に新設される関西学院大学の学生寮およびインキュベーション施設は、カルチャータウン地域の中心部に位置し、まちづくりの当初から地区センターとして住民への視点が盛り込まれてきた。

県(企業庁)が開発に関係したまちづくりの継続についてこれまでも発言させてもらってきたが、答弁には常に地域への言葉があった。

地区センター計画が前に進むこのタイミングで、企業庁としてさらに一歩前に踏み出し、地域に入り、具体的に自治会やまちづくり団体の会合に定期的に参加したり、団体との積極的な意見交換の場を設けるであったりといった取り組みを期待したいと考えるが、県民ボトムアップを目指す企業庁としての見解を伺う。

その際に、積極的に地域に入っていかれる職員の所属が「企業誘致課」というのはいささか違和感を感じる。

課名が職員の意識や仕事内容、あるいは周囲の関係者に潜在的に影響を及ぼすことも考えられるし、仕事内容も、企業を誘致するために必要な知識・経験や日々の動きと、一旦誘致した企業と地域住民のコミュニティ構築やコミュニケーションの円滑化など地域を回る動きと、想像しただけで複雑かつ多岐に渡る内容であるため、分割整理することも重要でないかと感じる。

もちろんこれにぴったりと適応した職員もおられると思うが、適性や業務のつながりに合わせて分担するために職名を変更・新規追加することも検討してはどうか。あわせて所見を伺う。

●教育委員会
1 子供への投資とシビックプライドについて
2 高校における不登校問題について
(1)相談体制の整備状況
(2)長期欠席した際の授業・学校への参加方法の確立
3 遠距離通学する学生定期の補助について

全文

1.子供への投資とシビックプライドについて

1月5日の定例記者会見において、知事は、新年度から県立学校の施設整備に集中的に予算を投入し、今後6年間でおよそ300億円を投じて、校舎の増築や冷暖房の設置などを進める考えを示されました。これまでの議論の中でもそれが県下の子供達にとって最良の使い方であり、これにより子供達にシビックプライドを醸成する旨の説明がなされてきました。

確かに、兵庫県では厳しい財政状況が続き、高校設備の老朽化についても現場からの声をお聞きしております。

しかし、令和5年度予算案を見ると、特別支援学校建設にかかる費用を除く、校庭の芝生化や部活設備、空調設備などに使われる予算が32.5億であるのに対して、学校現場の人的支援、すなわち業務支援員やスクールサポートスタッフの強化については2.6億円にとどまり、人より物に重点が置かれているように感じてしまいます。

また、これまでも述べさせて頂いてきましたが、小中学校現場における教員の多忙化は深刻で待ったなしです。

例えば、児童生徒が学校にいる時間帯は給食時間も含めて休憩が取りにくく、児童生徒の下校後に会議や部活指導、翌日の授業準備を行うといった長時間残業が常態化するなかで、小学校での外国語の教科化やプログラミング教育の必修化で負担が増加、さらにはコロナ禍において、ICT活用のための研修や準備、消毒作業ものしかかり教員の負担はさらに重くなっている。

また、コロナが収束に向かっても不登校児童生徒の急増があり、ただでさえ子供や家庭環境自体が多様化しており、教員への負担や求められるものは大きくなる一方であり、教職員の業務負担の軽減を図るための対策はかかせない。

令和5年度の当初予算では、全国的にも問題となっている教員の多忙化よりも、シビックプライドを醸成するため、多くの予算をかけて高校設備老朽化の対策をするというように見えるがシビックプライドとはどのようなものを想定されているのか。また、老朽化対策の重要性は理解できるが、教員の多忙化対策の方が緊急性・優先順位が高いと思われるが、未来への投資というには、子どもに時間を費やすべきと思うがそのためにどのような対策を行うのか当局の所見を伺う。

2.高校における不登校問題について

(1)相談体制の整備状況

これまで議会でも不登校児童生徒の問題は多く取り上げられてきたがここでは高校に焦点を当てたい。

コロナを経てその数はさらに増加傾向にあり、不登校になる要因はさまざまで本人すらわからない場合もあると聞くが、いずれにせよその要因を1つでも和らげることが私たち大人の責務であると考える。

1つには、相談できる場所と人の設置・充実である。適しているのは本人がリラックスできる場所で気兼ねなく話せる専門的な知識経験を有する人物である。

高校で考えると、保健室やカウンセリングルームで、養護教諭やキャンパスカウンセラーなどが想定されているが、そうした場所での相談体制の整備状況について伺う。

(2)長期欠席した際の授業・学校への参加方法の確立

次に教室でできる取組みについて提案したい。

相談を受けた事例では、通学がしんどくなり一時自宅で休んだが、一度休むとクラスの雰囲気がわからなくなり不安が増し、戻れなくなってしまったというものである。

高校で不登校となると、義務教育と異なり進級するには、決められた必要な時間数の授業に出席し、履修することが必要で、数カ月休むと進級できない仕組みとなっているため、じっくりと学校を離れ休養してからというわけにいかず、なるべく学校から離れきる前に気づきつなぎとめられる必要がある。大人から見れば「あわない学校に無理して通うより通信制や他校への転校」や「高等学校卒業程度認定試験から大学受験を目指せばいい」と思うかもしれない、友人たちとの青春真っただ中の高校生時代に、当事者でもそう言えるか。通いにくくなった生徒が戻れるサポートが重要と考える。

そこで、コロナをきっかけにGIGAスクール構想をはじめ学校現場でのICT化が飛躍的に進み、コロナ休校の際に実施されていたオンラインによる学習支援を行えば、登校できなくとも授業の遅れが防げるだけでなく、学校やクラスの雰囲気を感じることもできると考えるが、当局の所見を伺う。

3.遠距離通学する学生定期の補助について

学区再編に伴い、学生にとってはより広い範囲の中から高校を選択することが可能となり可能性が拡がった反面、高校生の通学距離・費用も延長・増大していないか

そのせいでかえって可能性が狭められるような事態が起きていないか危惧される。

神戸市は子育て世帯応援また子供の進路選択の幅を広げるために昨年9月から独自で通学定期の半額補助をスタートしたが、その際の調査では3か月定期で最大約84000円かかっていた生徒がいたとのことである。

神戸市とは比較にならないほど広大な県土を誇る兵庫県では、多い生徒でどのくらいの定期代がかかっているか。

県の学区再編に起因するものであることからも県で補助できないか合わせて伺う。

<小池 ひろのり 議員>
●企画部・県民生活部・部外局
1 刑務所出所者支援について

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1 刑務所出所者支援について

刑務所出所者の再犯率が非常に高く、社会復帰のために就労支援について、以前、産業労働部にお願いしました。その後も出所者支援が定着しておらず、犯罪の大きな要因となっています。安心・安全な社会にするためには、この再犯抑制が大変重要な今日的課題であると考え、再度取り上げます。

刑務所を出所する場合、主に仮釈放と満期出所の2通りがあります。受刑態度が良好で、身元引受人がいる場合に刑期満了前に、約半数が仮釈放で出所しています。そして、仮釈放から刑の終了までの期間、保護司が寄り添い大きな成果を上げています

一方、更生意欲に乏しく身元引受人がいない等の事情を抱えた満期出所者がいます。この場合、出所した途端に一般人になるため、保護観察のような支援制度がありません。職も住宅も自分で見つけねばならず、社会も出所者を温かく迎えるという状況ではないため、多くの問題を抱えていると言えます。実際に、再入所者のうち7割以上が再犯時に無職というのが現状です。

また、身寄りがなく福祉的支援もない高齢者や知的障碍者の再入所が問題になっています。65歳以上の満期出所者に限って言えば、2年以内の再入率は20.7%で、知的障碍者の再犯の動機は生活苦が42.9%、無職が84.6%です。出所者にとって最も大きな課題は、住宅支援と就労支援です。更に仕事が出来ない人には、福祉支援が必要な場合もあります。しかし、このような人たちの中には、支援の受け方すら知らない人も多く、行政の方から積極的に支援の手を差し伸べる必要があると思います。

こういった人達に、行政がもっと就労支援・住宅支援・福祉支援をしていかねばなりません。

「なぜ出所者に、そんな手厚い支援をするのか?」という意見もあります。しかし、一般人が刑法犯に触れる割合は、0.1%、つまり約1,000人に一人に対し、犯罪歴のある人が再犯する割合は、約50%、2人に一人と比べ物にならないほど高い数値です。

更に、犯罪者を逮捕してから刑務所を出所するまでの更生に要する税金は、犯罪1件当たり400万円以上と言われています。この税金の1割でも犯罪予防に廻せれば、犯罪を激減させることが期待できます。しかも、犯罪被害者を減らせます。安全な街になれば、警察官の増員も必要なくなり、観光客も増える等、私たちの生活環境の改善にも繋がります。税金の費用対効果を考慮すれば、刑務所出所者支援がいかに必要なことかは明白です。

そこで、県は、この満期出所者に対し、どのような支援をされようとしているのか伺います。

和歌山県では、女性刑務所の受刑者の高齢化が進み、住居と福祉支援を強化し

た対策に取組みました。その結果、支援を受けた人の再犯が大幅に激減したという事例があります。

兵庫県でも、観察所、県、市町がもっと連携して、知恵を出し合い、縦割り行政を乗り越えて出所者支援をする必要があります。行政の縦割りを乗り越え連携を図り、刑務所出所者支援を推進してもらいたいです。更に満期出所者には、住宅・就労・福祉支援など総合的にコーチングする専門家を置き、生活が安定するまでの間、せめて半年くらい寄り添うことが出来れば、再犯は半減すると思いますが、如何でしょうか?

小池 ひろのり
神戸市中央区

●福祉部
1 新生児里親制度の充実について
2 県立総合衛生学院介護福祉学科について

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1 新生児里親制度の充実について

2018年に養子縁組あっせん法が施行され、民間事業者が養子縁組の斡旋を行う場合は、届出制から許可制になりました。それに伴い、養子縁組の仲介は営利目的ではない許可基準を満たした民間事業者と行政が行っています。

私は、全国で最も早くから里親制度に取組んでいる熊本県の赤ちゃんポストと愛知県の取組みを視察しました。

そして、両県の担当者から「里親になるのは、早ければ早いほど愛情も深まり、良い結果が出る」と聞き、愛知県では生みの親の出産時に、里親が病院に立ち会い、名前の申請も里親がする場合もあると聞きました。また、赤ちゃんポストに託された命は、一旦乳児院等の施設へ、出生5ケ月後には里親に引き継がれます。そして、施設より里親、里親より養子縁組を模索しています。

この視察から学び、私は5年ほど前から何度も、兵庫県の特別養子縁組の取組みを促進して欲しいと要望してきました。しかし、昨年度の0歳で成立した特別養子縁組は1件のみで、何ら改善されておりません。

厚生労働省も里親:グループホーム:施設の割合を、1:1:1になるように努力目標を決めています。しかし、現在の兵庫県の里親と施設の割合は、2:8と聞きます。もっと積極的に里親制度を推進しなくてはなりません。

兵庫県は、国の里親制度推進政策の面からも、極めて遅れをとっているように思われます。特に、子供にとっても良いと考えられる特別養子縁組制度を促進する必要があると思いますが、当局は現状をどのように認識し、特別養子縁組を増やすためにどのような対策に取り組もうとしているのかお伺いします。

2 県立総合衛生学院介護福祉学科について

高齢化社会に入り、介護人材不足はますます喫緊の課題となってきています。そこで、兵庫県では介護人材を確保するために、2019年に県立総合衛生学院に介護福祉学科を創設し、介護人材を育成することになりました。

しかし、2019年同学院の入学試験では、15名の不合格者を出し、定員の半数20名しか入学しませんでした。不合格の主な理由は、外国人受験生が志望動機を日本語で説明できなかったとのことでした。

その後、定員の半数しか入学していないということは、大いに問題であるという議会の指摘に対し、「受験者を増やして、定員を満たす努力をする」という回答でした。

しかし、その後の3年間、いずれも定員割れ、しかも、それでも不合格者を出し、定員の約6割しか合格させていません。議会の改善要求に対して、全く改善されていないのは、議会軽視も甚だしいと思います。

少子高齢化が進む中、都会の特別養護老人ホームでは、入所希望者や待機者が多くなっていると聞いています。需要があるのに介護人材不足の為、入所定員を増やせない現状があります。このような社会の要望に応えるためにも、介護人材の育成は県の喫緊の課題です。

県総合衛生学院介護福祉学科の入学状況は、県の方針にも合致していないと思われますが、県当局のお考えを伺います。

●農林水産部
1 食料自給率の向上に向けて
(1)食料供給力の強化について
(2)県民の食生活の見直しについて

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1 食料自給率の向上に向けて

(1)食料供給力の強化について

現在、日本の食料自給率はカロリーベースで38%と言われており、先進国の中でも極端に低い数値にまで落ち込んでいます。単純には比較できませんが、我が国と同じ島国のイギリスでは、食料自給率が1965年当時45%であったものが、自給率向上を国策として取り組んだ結果、2019年には70%にまで上昇しています。しかし、日本は全く逆で、1965年に73%であったものが、現在は40%未満にまで低下しています。

ちなみに本県の食料自給率は15%で、国の自給率を大幅に下回っており、県として取り組むべき喫緊の課題として考えなければならないと思います。

国連によれば、2021年地球上の約7.7億人が餓死に直面している状況で、飽食の日本では、現在、破棄されている食べ残し等は、年間522万トンもあり、世界中の食料援助を大幅に上回っています。その一方で、食料全体の約6割を海外からの輸入に頼っているという現状です。豊かさがもったいないという感覚を麻痺させた食生活の変化と、行政としての対策が十分でなかった結果だと言えます。

現在、世界人口の増加にともない穀物需要はますます増加している中、ロシアのウクライナへの侵略で飼料や原料穀物の供給に支障が出てきており、価格も高騰しています。更に、地球規模での気候変動で、砂漠化や水資源不足の要因も増し、食糧問題を真剣に考え直さなければならない時代に入ったと思われます。

政府は、国を守るため「敵基地先制攻撃」のための軍備増強を謳っていますが、食料安全保障の観点から、食料自給率向上はもっと深刻な問題と考えるべきです。

世界の穀物価格の変動は大きく、国内での食料の安定生産を実現することは、大変重要な課題です。兵庫県においても、遊休農地の増加、農家の高齢化などにより、生産力の低下が進んでいます。そこで、本県の食料供給力の強化が重要であり、生産面だけでなく、生産地と消費地との結びつけを強化する必要があります。そして、信頼できる食品づくりの支援と、その付加価値のついた作物を消費地に提供し、県産農産物の県民への安定供給を図るなど、消費面との両面から食料自給率の向上に努めて頂きたいと考えます。食料自給率の向上は国策でありますが、県にも役割があろうかと思います。そこで、農林水産部は食料自給率をどのように認識し、対策を取ろうとしているのかをお伺いします。

(2)県民の食生活の見直しについて

2つ目の質問は、「県民の食生活の見直しについて」です。

食料自給率を向上させるためには、県民の食生活の見直しも必要不可欠であると考えます。本県では、「おいしいごはんを食べよう県民運動」を全国に先駆けて展開されていますが、これまでの米の消費拡大に対する取り組みはもとより、米飯学校給食を始め、米を中心とした日本型食生活の啓発運動への展開や小中学校の給食での地産地消を一層進めて頂きたいと考えますが、当局の所見を伺います。

●土木部
1 神戸空港の活用による兵庫県の発展について

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1 神戸空港の活用による兵庫県の発展について

昨年9月、関西3空港懇談会で、神戸空港の国際化が合意されました。関西空港の需要予測によると、2025年の大阪・関西万博時に24.3万回、2030年には29.7万回が見込まれています。その航空需要の増大に対応するため、神戸空港については、国内線が1日80便から120便に、国際線については、2025年の万博開催時に国際チャーター便、2030年前後に国際定期便の就航が可能となりました。神戸空港の需要予測では、2030年度に国内線で512万人、国際線で190万人の合計702万人の利用を想定しています。この数は、これまでの神戸空港利用客のピークだった2019年度329万人の倍以上となります。そして、関西3空港全体で年間50万回の発着容量を確保し、今後の関西の成長の一翼を関西3空港で担っていくものです。

この懇談会の提言を待つまでもなく、利便性の高い神戸空港の活用は開港当時から言われてきました。海上空港のため、伊丹空港のような騒音問題も少なく、新幹線に近く関西空港よりも遥かに交通アクセスも良い神戸空港の活用を、更に積極的に進めるべきと考えます。また、神戸市以西の新たな市場開拓等で、国内線の需要拡大を働きかけ、アジア等のインバウンドの誘客で、兵庫県の発展と、関西の浮上に大きく貢献することを期待するものです。

2025年の万博、2027年のワールドマスターズゲームズ等を積極的に捉え、兵庫への誘客に更に力を注ぐべきです。そして、この機に兵庫の魅力を世界に発信し、兵庫の発展に結びつけなくてはなりません。

幸い、神戸には、国際大会・国際会議・国際的なイベントを開催できる素地があり、これまでにもユニバーシアードやフェスピック、ラグビーワールドカップなど数々の国際大会の実績もあります。このような国際的なイベントを待つ姿勢ではなく、神戸空港の更なる積極的な活用を図るため、神戸での観光振興のためのイベント開催で誘客が拡大するよう取り組んでもらいたいものです。もちろん神戸空港の施設整備等は、設置者である神戸市に期待するものの、兵庫県の顔でもある神戸市の需要や誘客拡大には、県市協調で支援をして、神戸空港の受け入れ態勢の強化を図って頂きたいと思います。

具体的には、県内各地からのバスネットワークの整備、空港アクセス強化、国際大会、スポーツイベント等に積極的に関わり、国に提言していくことを求めるものです。そして、このような大型イベントを活用しながら、絶好のタイミングで神戸空港の国際化を活かし、関西全体の経済発展にまで高めていくべきです。そして、そのためには、兵庫県・神戸市などの行政の積極的な支援が不可欠だと考えます。

7年先の神戸空港の国際定期便就航を待つのではなく、今すぐにでも前述のような取組みを検討して頂きたいと思います。震災以降、これまで復興に力を入れてきた兵庫県・神戸市が、ずいぶん取り残されてきたような気がします。地域経済が伸び悩む兵庫県・神戸市が、この機に大きく前進するためにも、『元気な神戸をなくして兵庫の発展はない』との考えの下、県市協調で神戸空港の活性化を支援し、兵庫県の発展へ結びつける事を提言するものです。当局の基本的な考え方をお聞きします。

●病院局 
1 県立病院の無料Wi-Fi設備について
2 こども病院のシャワー増設について

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1 県立病院の無料Wi-Fi設備について

「こども病院に無料Wi-Fiの設備をつけて欲しい!」。これは、入院する子供の母親から私に、切実な思いとして要望されたことです。

2021年9月の新聞記事によると、全国に、がん診療連携拠点病院等は563カ所あり、その内、約20%の病院が、全室に無料Wi-Fiの設備を整えているそうです。残念ながら、県内のがん診療連携拠点病院等を含む県立病院で、その時点では、全室に無料Wi-Fiを整備している病院はゼロ。Wi-Fi設備の面では、大変遅れているのが現状です。

東京都の銀座では、公衆電話ボックスにまで無料Wi-Fiの設備があります。規模が違うので、単純に比較はできませんが、余りにも差があり過ぎる現状に驚きです。兵庫県では、命を預かる病院においてさえ、その大半はWi-Fiの設備がないのは残念としか言いようがありません。

同じ県立の建物でも、初代県庁館にはあります。部局が違うと言えばそれまでですが、県民にとっては理解できない事だと思います。一見、立派な初代県庁館には、Wi-Fiの設備はお似合いかもしれませんが、病院に入院している子供の親から見れば尚更、理解に苦しむことだと思われます。どちらの利用度が高いかは、歴然としていますし、貴重な税金の使い方や費用対効果の面からも、どちらにつけるべきか、誰が考えても答えははっきりしています。県民にとって、縦割り行政は関係ありません。県民の素直な疑問に耳を傾け、行政を進めることも大切なことだと思います。

病棟にWi-Fi設備が整えられれば、コロナで面会が制限された家族の会話が可能となります。入院中の生徒がリモートで授業に参加できます。療養中の患者がテレワークで仕事が出来ます。手術前夜に不安がる幼な子に家族が励ます会話が出来ます。これらの人にとって、無料Wi-Fiの設備は、大変有難いものとして感じるに違いありません。

厳しい県財政であることは、理解しています。しかし、スクラップ&ビルドで、“県民の命と暮らしを守る”という県の意志を示すためにも、県立病院に無料 Wi-Fiの設備を是非つけてもらいたい。しかも、Wi-Fiは一度つければ、多くの人が有効的に長期にわたって使用することが出来ます。

これは、病院に入院するこどもの親からの強い要望でした。特に、子供の命を守る最後の砦として活躍しているこども病院には、必須なものと考えました。そのような思いから、私は数年前から、こども病院やがん拠点病院に、Wi-Fiの設備を要望してきました。

そして、ついに令和5年度、県立病院におけるWi-Fi整備が予算化されました。患者や家族の切なる思いに応えていただき、私としても感謝を申し上げます。

そこで、Wi-Fi設備における当局のお考えを改めて伺うとともに、各病院への今後の導入スケジュールについてお聞かせください。

2 こども病院のシャワー増設について

これも入院中の幼な子に付き添っている親からの切実なる願いとして訴えられたことです。

こども病院は、290床あり、小さな子供には多くの親が付き添って励ましています。そして、何日間も病院に寝泊まりしている親もいます。

こども病院には、現在シャワーは1台しかありません。従って、利用希望者は、順番待ちの状態です。せめてもう2~3台、つけてもらえないでしょうか?!

これもそんなに費用がかかる事でもないし、一度つければ多くの人が助かります。是非シャワーの増設をお願いしたいのですが、如何でしょうか?

切実な県民の要望に対し、心あるお答えをお願いします。

<前田 ともき 議員>
●総務部・財務部・危機管理部
1 県庁再整備~延べ面積は現行比減少で聖域なき費用削減へ~

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1.県庁再整備~延べ面積は現行比減少で聖域なき費用削減へ~

凍結した計画は行政面積は22%増、議会9%増の計画だ。

しかし、建築費の大幅な上昇、業務の断捨離と職員減少、テレワーク・新しい働き方を踏まえ、建築面積は原状比減少で決断し、総コスト削減に最大限努力するべきだ。

幹部個室は極力削減、フリーアドレスとテレワークの浸透、低利用率の会議室、本会議室や委員会室でも業務可能とするなど議会エリアと共有化を図ることで、職員の執務環境改善と面積削減の両立は可能だ。

耐用年数70年の間に職員数は大幅に減少する。

DXによる効率化と人口減少に比例した業務量の減少が要因だ。

総務省の「自治体戦略 2040 構想研究会」は、2040 年頃にはAI、ロボティクス等の活用により職員数の半分で提供するスマート自治体へ転換すると提言した。RPAやchatGPTなど現状でも進化は止まらない。築後10年は手狭な面積でも、民間オフィスや県民局・市役所との共同利用、県立高校跡地へ入居などで対応すべきだ。

また、高コストにつながる独立議会棟は不要だ。建物に独立性や象徴を求める必要はない。議員休養室、議運委員長室・議運委員会室、7階の知事控室も専用部屋は不要であり他の空いてる会議室を使えばよい。委員会室も午前・午後で運用すれば半減できる。他の都道府県より倍以上広い議長・副議長室の面積は7割減させ、専用応接室も不要だ。ほとんど利用されていない会議室・スペースが多すぎる。

傍聴席も減少させるべき。傍聴エリアの拡大は開かれた議会というイメージにはいいかもしれない。しかし、議事録、動画で情報提供しており、移動時間・費用をかけて生で県議会を見たいという県民は極わずか。一番便利なユーチューブですら視聴回数は数十回。あれも欲しいこれも必要と皆がいうが、県庁1㎡あたりの70年間費用は土地・建築・管理費で約110万円。

費用に見合う必要性はあるのか。意識が足りない。

未利用容積率はオフィス・ホテルなどに転用・売却で財源確保。

延べ面積は増加ではなく、減少。という大原則のもとで再設計すべきと考えるがどうか。

前田 ともき
神戸市東灘区

●保健医療部
1 公衆浴場・サウナの規制改革
(1)価格・距離規制について
(2)混浴規制について
(3)サウナ規制について

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1 公衆浴場・サウナの規制改革

 (1)価格・距離規制について

一般公衆浴場は1975年1.9万店から2008年には1/3の6000店と大幅減少している。

兵庫県は2月から銭湯の料金上限を小人では1986年以来の37年ぶりに引き上げた。

多くの住居で風呂設備が完備された現代において公衆衛生上、価格統制は必要か?

公衆浴場の原価を占める燃料費。A重油は2年で2.5倍に上昇、電力料金は1.5倍~2倍と上昇している。急速な価格変動にたまに開催する公衆浴場入浴料金協議会で機敏に対応できているとは思えない。

上限価格は大幅に引き上げて民間の自由な経営に任せるべきだ。

また、酒類販売で撤廃されている新設距離規制も兵庫県は直線距離を最低220メートル。

1955年の判決は乱立、競争激化、経営悪化から国民衛生悪化につながる趣旨。

既存業者の経営安定をなお必要とするなら、価格決定権の拡大が必要だ。

構造不況の業種で新規参入が増加するとは思わないが、新しい考え、プレイヤーを受け入れる下地作りは必要だ。

これら公衆浴場に対する規制緩和の必要性を伺う。

(2)混浴規制について

混浴規制について問う。「11歳と混浴できて穴場」こんなsns投稿が話題となった。

混浴が性被害を受けうるリスクとして顕在化した。

​​兵庫県は以前に6歳から10歳へと引き上げた。

子供たちを性被害から守るうえで年齢制限を引き下げるべきではないか。

厚労省の委託調査では、成人の考える子どもの混浴禁止年齢は「6歳から」

子どもがはずかしいと思いはじめた年齢も6歳と7歳。

事業者が考える年齢は7歳が最も高い。

これらを踏まえ、令和2年の厚労省通知は「おおむね7歳以上の男女を混浴させないこと。」とした。無自覚な親から子供を守るためにも、混浴は7歳以上は禁止すべきでないか。

一方で家族風呂においては夫婦などだけでなく、カップルも利用できるようにすべきだ。

兵庫県は免許提示を求め、家族とカップルを区別するように指導し、風紀の乱れを防ぐ措置をとっている。が、福原のソープランドがある中で、健全な事業者、県民には大きな迷惑だ。

アイスランドのブルーラグーンから酸ヶ湯温泉の1000人風呂まで大型混浴にもいったが素敵な観光資源だった。

残念ながら、新しく混浴を設けることが事実上できないともきく。

子供を性被害から守る混浴規制、家族以外でも健全に楽しめる混浴を楽しめるルール作りが必要ではないか。当局の所見を伺う。

  (3)サウナ規制について

新しいニーズへの柔軟な対応も必要だ。

サウナが再ブームとなり、サウナ単独型やアウトドア・プールでのイベントも多く開催されている。都市部だけでなく、山や川などのアウトドアで地方にニーズも高いサウナ。

2021年には鳥取県がとっとりサウナツーリズムを掲げ、山梨県はサウナ購入に助成。

昨年には国会議員連盟ができた。

公衆浴場法や建築基準法、消防法、下水道法など多岐にわたり、サウナ単独を想定しない規制で高コスト、新設不可をまねている現状がある。

兵庫県でも条例・要綱・運用面で改善の必要性はないのか?

サウナの規制改革について伺う。

●産業労働部・労働委員会
1 ゼロゼロ融資~1兆58億円のリスク~
2 コロナ協力金の不正対策
3 防衛産業の誘致・支援

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1 ゼロゼロ融資~1兆58億円のリスク~

コロナ対策でゼロゼロ融資。

実質無利子で保証料ゼロ、融資期間最長 10年、据置最長 5年の大盤振る舞い。

政治屋は「企業を守るために、どんどん貸し出せ!」というが、不正・乱脈融資・焦げ付きは国民負担となる。

コロナ禍で休業や休職など様々な給付金・助成金メニューが用意されたが、続々と不正が発覚している。数値改ざんによるゼロゼロ融資の不正受給に対する対応・調査はどのようになされているのか。

また、反社が合同会社を設立し、不振企業を買収。その後、代表者はそのままでゼロゼロ融資助成金などを最大限引っ張って計画倒産も十分ありうる。

また、金融機関にとっても、リスクゼロで融資額を増やすチャンスだった。

かつて指摘したが、プロパー融資からゼロゼロ融資への実質的な変更による保証協会へのリスク移転を金融機関が行うインセンティブがある。

指摘後、金融機関による不正も発覚した。

中日信用金庫では行員がゼロゼロ融資の認定を受けるために、コロナ禍で売上が減少したと申請書類を改ざんする不正が発覚した。コロナ融資3735件のうち、3割程度に申請と実態に売上高に食い違いがあるなど、発覚したのは氷山の一角。

企業ではなく、金融機関。驚くべきことだ。

財務局の検査だけでなく、信用保証協会による審査、検査は厳正に行われているのか。

これから始まるゼロゼロ融資の返済。新設された借り換え融資。

兵庫県が有する保証残高は7900億円であり、いかに減損を防ぐかが重要である。

減損のつけは債権放棄で県民が払うことになる。

ゼロゼロ融資の不正対策、発覚時の厳格な対応を求めるがどのような状況か。

2 コロナ協力金の不正対策

令和2年度だけで77兆円の膨大なコロナ予算。東日本の復興に10年で32兆円であり異次元。

雇用調整助成金や休業補償、PCR検査やコールセンターの委託、病床確保など多様な支援が実行された。

しかし残念かつ当然に不正が発生している。

会計検査院の検査では、雇調金について抜き打ち調査をしたところ1割で不正が発覚した。

県予算が大きい事業は、新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金3325億円だ。

資金繰りからくる緊急性、行政の負荷もあるため、申請は簡素化。

それは仕方ない。しかし、不正は許さない。

厚生労働省の雇用調整助成金の場合は、不正受給を行った事業所名を積極的に公表。

事前予告なしの現地調査。不正“指南役”の氏名も公表などを表明している。

2割のペナルティと延滞金も返還請求し、捜査機関に対し刑事告発を宣言している。

本県が実施した新型コロナウイルス感染症拡大防止協力金について、ランダム調査や抜き打ちの立ち入り検査、不正発覚時の厳格な対応についてどのような状況か。

また、厚労省など他の助成金実施機関とも情報共有を行い、芋づる式で不正を暴く体制が求められるがどうなっているのか。

3 防衛産業の誘致・支援

産業条例の改正案。対象5分野には半導体やドローンなど近接分野もあるが、重点支援業種に加え防衛産業も含めるべきではないのか。防衛産業は安全保障であり、成長産業にもなっていく。

これまで日本の防衛産業は赤字部門、企業の防衛売上比率が極めて少なく、レピュテーションリスクもあるため、企業の矜持に頼ってきた日の目を見ない存在だった。

これから、世界各国が防衛費の増加へと動き、日本も輸出強化や発注形態の見直しによる利益率の改善が見込まれる。韓国はK防衛で海外受注倍増の2兆円と加速しているが日本も輸出拡大へ本腰をいれる。また、戦車は1000社、護衛艦2000社の企業が関連するなど裾野が広く、中小企業にも恩恵。日本の防衛産業の再編は不可避であり、ロッキードマーチンやレイセオン、BAEのような巨大企業も誕生するだろう。

また、防衛は技術開発・イノベーションの肥沃な土壌だ。

古くはインターネットや音声アシストsiri、手術ロボットのダヴィンチに至るまで。

最近ではAI、量子、無人機などで軍民両用(デュアルユース)の強化に動いていく。

これら技術は防衛だけでなく、民間へも派生し、新しい技術・サービス・スタートアップへとつながるのは過去の歴史、人口あたりのVC投資額がダントツ1位のイスラエルを見ても明らかだ。防衛産業は様々な産業へと波及し、総合的な産業振興にも好影響。 各自治体は様々な産業振興・企業誘致をする。

しかし、半導体は基幹となるTSMCが九州、ラピダスが北海道に決まり勝負あり。

バイオ誘致は競合自治体が多数。

一方で、正面から防衛産業の誘致・強化を図る自治体はおらずチャンスだ。

防衛産業や兵器工場は軍事攻撃を受けるリスクや感情面で住民の反対懸念もあり、自治体の積極的な支援が必要と考える。これらを踏まえた防衛産業の誘致・集積に向けた兵庫県の見解を問う。

●公安委員会
1 信号機の大規模更新に合わせた高機能化(5G・カメラ・センサー)
2 武力攻撃事態の警察の役割と対処能力

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1 信号機の大規模更新に合わせた高機能化(5G・カメラ・センサー)

我が会派は信号機のLED化を訴えてきた。100億の投資で大更新。

メーカー都合とはいえ、喜ばしい。

設置費用を考えると、機能強化はLEDだけでいいのだろうか?

信号機を交通整理だけではなく、データ・通信の収集基地として再定義できないだろうか。

まずは、5G基地局。

スマホ・ネットは県民の必須インフラであり、5Gエリアの拡大が必要。

しかし、地価の高い都市部や高所がない郡部には基地局の適地がない。

信号機にJタワーや住友商事のインフラシェアリングを設置することで、兵庫県下で低コストに爆速で5G化が進むのではないか。また、信号機部分の賃貸で収益も獲得できる。5G機能は高度な交通制御、画像転送にも活用でき、未来を見据えて積極的に整備していく分野だ。兵庫県は5Gアンテナ基地局等設置ワンストップ窓口を設置したが、実績はまだない。更新予定の信号機も掲載し、事業者への積極的な情報提供・協定締結などにより、更新時に5G基地局を設置するようすべきではないか。

次にネットワーク対応型防犯カメラ。

交差点状況がリアルタイムで把握でき、交通効率の向上や事故の半数を占める交差点事故の防止に向けた取り組みに活用できる。画像認識による見当たり捜査の支援、エッジ処理が進み、ネットワークコストも相当安くなった。都市部を中心にカメラ機能も合わせて搭載すべきではないか。

最後に自動運転のインフラ。

自動運転の技術的課題に信号認識がある。車載カメラでの認識がメインで進むが、天候などで不安定さが残る。交通量の多い都会では信号からの配信による二重系統での信号認識が必要だ。また、盲目の人にも交通状況を音以外で通知する仕組みも可能だ。

信号機を新しい公共財として再定義し、今後の様々な利活用を図っていくためにはこの大規模更新に合わせて機能を追加していく必要があると考えるかどうか。

2 武力攻撃事態の警察の役割と対処能力

ロシア侵攻に台湾有事。日本が武力攻撃を受けるリスクを1段階上げる必要がある。

兵庫県国民保護計画。

県警が担う役割が薄い、大規模、多発攻撃を受けるリスクを過小評価しているのではと感じる。武力攻撃事態等における警察の役割は交通規制や避難が中心となっている。しかし、自衛隊だけで対処できない場合、大規模に武力で即応できる県警の役割は大きい。小規模な武装勢力であれば、銃器対策隊やSATで対応できるかもしれない。

しかし、海外の軍隊も想定し、訓練しているのだろうか。対物ライフル、マシンガンなど特殊銃などは十分に配備されているのか。神戸空港に侵入され、SAT、自衛隊が即応できない場合、県警による具体的な作戦立案や十分な練度まで訓練等行っているのか。原発では銃器対策か部隊がサブマシンガンや防弾車両などで24時間警備に当たる。有事発生時には発電所だけでなく、水道、鉄道にダムなど生活関連等施設にも拡大させて警戒に当たる必要性が出てくるが人員は十分かつ柔軟に対応できるのか。

SATは8都道府県に配備されているが、港湾・電力など重要インフラの多い兵庫県で大阪SATだよりで対応できるのか。

国民保護計画における、海上保安庁、消防との共同訓練は十分な水準の練度に達しているのか。

これら指摘を踏まえた、武力攻撃事態の対処能力と改善点について伺う。

●まちづくり部
1 県営住宅の入居改善
(1)優先入居 高齢者の定義
(2)優先入居 子育て世帯は18歳未満へ拡大、多子世帯は政令月額を増額へ
(3)当選辞退率の改善

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1 ​​​​​​県営住宅の入居改善

(1)優先入居 高齢者の定義

優先入居できる世帯は裁量階層として様々な要件、世帯年収上限の緩和をしている。

時代や価値観の変化に合わせて改善させる必要がある。

まずは、年齢層。

高齢者世帯を60歳以上としているが、最低でも65歳以上へと引き上げるべきではないのか。長寿命化、人生100年時代。

2013年の法改正で定年は60歳から65歳へ引き上げ、2011年の法改正で70歳まで努力義務となった。2018年に閣議決定された「高齢社会対策大綱」では、65歳以上ですら高齢者ではない。健康寿命も男性で72歳を超えた中、

a.裁量階層の高齢者区分は最低でも65歳以上とし、真に必要な世帯へ公営住宅を届けるべきだ。

(2)優先入居 子育て世帯は18歳未満へ拡大、多子世帯は政令月額を増額へ

裁量階層の政令月額が粗すぎる。役所の都合であり、不公平感が生まれる。

収入分位25.9万円と21.4万円では二人世帯で年収換算67万円の差。

もっときめ細かく設定すべきだ。

また、​​全国的にも高い政令月収25.9万円、二人子無しだと世帯年収が約503万円。

これを兵庫県は新婚、若年世帯で合計80歳を対象にしている。

例えば、60才の再婚と20才も対象。ここまで優遇する必要ありますか?

一方で養育費がかかる3人以上の多子世帯は531万円、ワンオペで大変な母子・父子は436万円。他の所得制限や税引後で支払う養育費を考えると明らかに逆転する。

どちらの世帯を優遇すべきかは明らかだ。

また、子育て世帯の優先入居は中学を卒業するまで。

ほとんど高校まで進学し、まだまだお金がかかる世帯。

せめて、高校卒相当の18歳未満としませんか。

これら指摘を踏まえた裁量階層の改善方針を伺う。

(3)当選辞退率の改善

県民が希望をもって応募し、抽選を経てようやく手にした県営住宅への切符。

しかし、当選者の辞退率は毎年3割以上で推移しています。

辞退理由の多くは実際の部屋や外装など管理状態に対する理想とギャップが要因。

車椅子常用者向住宅でも段差など説明と実態のギャップから9回目の応募で当選しながらも断念された車椅子の方の声もありました。

再抽選の手間、空室日数の増加、本当に必要とする人にいきわたらない問題など改善の余地を残す。

民間賃貸ではVR、動画内覧などを実施しているが、県営住宅は写真すらない。

全部屋詳細な写真を提供する必要はないが、部屋や共有施設、外観などの雰囲気が分かる情報提供は必要ではないか。当選辞退率を改善させる方策について伺う。

●教育委員会
1 高校の始業時間は原則9時以降!~睡眠不足を解消せよ~
2 県立高校の入試特別枠~帰国子女から外国人まで~
3 ギフテッド特化型 県立小中一貫校の創設

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1 高校の始業時間は原則9時以降!~睡眠不足を解消せよ~

ランド研究所によると日本の睡眠不足による経済損失は15兆円でGDP2.9%。

睡眠時間はOECD最下位の7時間22分。平均より1時間近く短い。

朝、駅で県政報告をしていると眠そうな高校生の通学を目にする。

高校生に必要な睡眠時間は8~10時間だが、平均起床時刻は「6時36分」、

就寝時刻「23時50分」と睡眠が足りていない。

児童期から思春期にかけては生体リズムが一生の間で最も夜型化するという。

つまり、大人の朝7時と子供の朝7時は全く異なっており、気合で早起きせよは拷問。

睡眠不足は成長不足、学業の効率、ストレスと百害あって一利なし。

また、学区の拡大で遠距離通学への対応、始業時間が遅くなれば遠距離の高校でチャレンジしたい子供の増加も予想され、学びの選択肢を増やすことにもつながる。

そこで提案したいのが始業時間は原則9時以降とすること。

現状、県立高校で一番早い始業時間は豊岡高校の8時15分、遅いのは西宮北9時開始。

概ね8時半前後が多い。ショートホームルームや部活の朝練を含めるとさらに早まる。

米国小児学会は中高の始業時間を8時半以降とするよう提唱したそうです。

アメリカの社会実験では1時間遅らせたことで、睡眠時間が平均34分延び、成績も4.5%上昇。イギリスでも6万人を対象に始業時間を10時にする取り組みがなされています。漫然と登校時間を決めていないか。科学的知見に基づいて、生徒たちに最適な始業時間をゼロベースで検証すべきだと考える。

県教委は高校の始業時間を原則9時以降とし、そのうえで学校長が実情に応じて決定すべきでないか。

2 県立高校の入試特別枠~帰国子女から外国人まで~

兵庫県には153ヵ国・地域、約11.2万人の外国人県民が居住し、外国人労働者の受け入れ拡大やグローバル化により、今後も拡大する。

日本人の高校進学率がほぼ100%である一方で、外国人の進学率は、60%前後。

このテーマは藤井訓博議員や山本知恵議員が提言し、外国人生徒向け入試特別枠が平成27年度に創設された。

日本人生徒の帰国子女も含め、日本語が得意でない生徒にとって一般入試は容易でない。問題文に平仮名のルビを振る、国語は「基本的な日本語能力」などの特別入学枠は県立高校5校、15名である。

しかし、更なる改善が必要だ。

文部科学省は指針で自立には「高校教育が重要」と指摘。特別枠の設定や試験教科の軽減などを求めている。例えば、試験教科の変更や面接・作文の導入、特別枠の対象者は最低でも外国語の表現を十分理解するに必要な来日5年以内へと拡大すべきでないか。

更に受け入れる高校数も少ない。

広島県や岐阜県などでは全県立高校に外国人枠を設定しているが、兵庫県はたったの5校。

受け入れ体制や費用の観点から全校ではなく拠点校方式で運用するとしても、高校数はもう少し増加させるべきだ。また、本制度に対する認知度についても懸念が残る。

現在の県立高校は外国人からみて、SDGSの誰一人取り残さないとは言い難いのではないか。

これら指摘を踏まえた入試特別枠の検証と今後について伺う。

3 ギフテッド特化型 県立小中一貫校の創設

2021年の本会議でギフテッド教育について大きな方向性を提言した。

その後、国の有識者会議は、教師への研修、学校外の機関の情報提供、事例の蓄積など五つを提言した。なんだそれ。国の予算は8000万ぽっち。

インクルーシブ型というが、35人学級で対応できるのか。

多忙を極める数多くの教師に研修程度で実効性はあるのか。

学校生活の一部だけを取り出し型で対応してもギフテッドの悩みは解消されず、飛躍に足枷。社会実装を考えた場合、課題は山積。

重要政策提言で知事に申し上げたが、国の動向を注視するのではなく、注視される存在になれ。

兵庫県が選抜型の英才・エリート教育で突き抜けよう。

100人に1人ではなく、数千人に1人レベルを対象に県立ギフテッド小中一貫校を創設しよう。世田谷区は学ぶ意欲や才覚がありながら学校に通わない児童生徒むけに、芸術や科学など個々の適性に合わせた教育を行う新たな区立校をつくる方針。大東市も不登校生徒を対象とするオンライン主体の中学校を構想するなど、小中学校でも特色ある学びが試行されていく。数少ない選抜型ギフテッドを対象とするなら、広域の県が実施主体となるべきだ。

特異な才能が芸術なら芸術文化観光専門職大学との連携でインクルーシブ型はいけるかも。しかし、知力・想像力などの分野では難しい。

5歳で地球温暖化を憂うような子供が小学校に入って一斉授業は才能がつぶされるだけ。わずかな時間だけ外部に取り出しても誤差。

また大きな方向性としてインクルーシブとしていくにしても、教師の研修や事例の蓄積には選抜型を核とした研究も必要だ。

このような観点から、県立のギフテッド小中一貫校を創設すべきと考えるがどうか。

●総括審査
1 寄附金獲得の拡大へ
(1)ファンドレイザーの採用
(2)遺贈寄附の提携先拡大
2 信用金庫の再編~中小企業の支援力強化へ~
3 ひょうご首長ピッチ~新たな公共調達×オープンイノベーション~
4 インターナショナルスクール、ボーディングスクールの誘致
5 近代五種障害物レース「通称SASUKE」の誘致
6 自衛隊との連携強化と県警の役割~武力攻撃に備えた方針~
7 マギーズ誘致 公設民営がん患者相談支援センター
8 県営住宅局長の創設と民間採用

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1 寄附金獲得の拡大へ

(1)ファンドレイザーの採用

来年度予算について、財政基金の透明化が図られ、県民から見えやすくなった。県立学校の施設整備を300億円投資するなど、選択と集中に意を持ち得ていることは評価をする。積極的な自主財源の確保が求められるが、もっと工夫ができるのではないか。その点も踏まえ、以下質問する。寄付金獲得については、10年前から提言してきた。ふるさと納税では、資金使途の選択型・オーダーメイド、クラファン活用。遺贈寄付、寄付型私募債、ファンドレイザー採用など具体、かつ多様に。

渉外活動とマッチングサービス活用で新予算6.7百万円も第一歩として評価したい。

ファンドレイズに必要なのは名簿整備、富裕層を顧客に持つ組織との連携、寄附者のニーズに合わせた寄附使途の提案。そして、ひたすら営業だが、営業は公務員には向いてない。だからファンドレイザーを採用せよと提言している。これまで民間採用を提言してきた情報監や広報監、後述する県営住宅でも同じ理由。

高校に300億の投資は卒業生名簿をAlumnoteなどで整備されていれば卒業生から数億は集まったかもしれない。病院Wi-Fiやダヴィンチ導入は遺贈寄付の連携や病院内広報がもっと出来いれば。​​プレミアム芸術デーは企業版ふるさと納税で楽天やユニクロと連携。県美で大口寄付者向けにパーティーを開催し、キュレーターの解説やネットワーキングなど非日常な体験を提供すれば、県費負担ゼロで実施できていたはず。お金の集め方は属性ごとに、資金使途別に多様なアプローチが必要だ。

事業への納税者の支持が寄附金として定量的に結果。すなわち直接民主主義の実現と2015年に申し上げた。しかし、毎年数万円しか集まってないプロジェクトを維持している。寄付者の意向を無視した傲慢さ。ジャムの法則的にも問題だ。見せ方、伝え方、立地、期限切る。ナッジ、行動経済学、心理学、色彩学なども考慮しないといけない。

外から非常勤でどれだけ指摘しても、無駄。常勤でプロが実務を回しながら行わないと結果がでない。県庁にノウハウがない中では、始動段階は民間採用で考え方、ノウハウを導入していくことが結果を出すには必要と考える。国立大学の7割はファンドレイザーの設置と急速に進んだ。1大学レベルでこれなら都道府県でも当然必要だ。

ファンドレイジングに取り組むにあたって、プロの視点とノウハウを持つ人材の採用が必要と考えるが、当局の所見を伺う。

(2)遺贈寄付の提携先拡大

2018年の本会議で遺贈寄付について提言した。年間相続額は52兆円、遺贈してもよい人は約5割。遺贈理由の1位は、遺産使途の自己決定が46%、社会へ恩返しが37%。期待値は膨大。その後、三井住友とみなと銀行と協定を締結したが、遺贈寄付の金額は4年で9件、6900万円に留まる。全く足りていない。

銀行経由の遺贈寄付はふるさと納税のように手数料、返礼品も不要で寄付金額も大口が期待できる。つまり事業採算がよく、注力すべきファンドレイズ先。締結後は如何に現場の行員へ浸透させるか。

遺贈寄付の意向は「寄付白書2010」で14.7%、「2021」で42.4%。認知度は大幅拡大するも、提案し、働きかけを行うべき自治体がやるべき打ち手を打っていない。提携先の拡大と行員向け研修、サポート、遺贈寄付者のニーズ把握とそれに合わせた提案活動が必要だ。

メガバン・信託・PB、県下信金、都市圏有力地銀、大手証券会社とは全て締結すべく県から提案すべきだ。金融機関が複数の自治体と協定を結んだ後では、兵庫県の遺贈寄付について行員への浸透度が弱まるので遅い。自治体最速・最多の締結が必要。

最低でも、2023年中に3割、2024年中に7割、2025年までに全行との提携締結を求めるがどうか。

2 信用金庫の再編、中小企業の支援力強化へ

小規模・家族経営の企業支援は地銀・信金の役割が大きい。銀行法の改正で融資以外にも業務範囲が緩和され人材・ICT・マーケ・コンサルと多岐にわたり、金融機関の経営支援力の向上と収益源の多角化が実現。また、金融業は規模の経済が効くビジネスモデル。オーバーバンキングが指摘される中、再編規制の緩和や資金交付制度、優遇金利などの政策支援など、金融庁を中心に地銀再編へ向けた地ならしが進む。

金融庁の有識者会議では兵庫は「2行での競争は困難だが1行単独であれば存続可能地域」だ。システム投資や店舗重複、営業・管理コストの削減へ、一県一行が妥当とも言われる中、兵庫県は信金が群雄割拠する状態。更に小規模融資は組み込み型金融・エンベデッドファイナンスに喰われていく。

例えばECのshopifyは取引データをもとに高度与信管理で小規模・迅速融資を手がけ、個人向けにはBNPL。数百万レベルの小口金融はこれらフィンテックに取られていく。役所や政治家は金融機関に伴走型支援を求めるが、融資額4000万円、金利2%マイナス調達金利となると年間80万円以下の金利収入では採算割れ。融資額を増やすか、株保有をしなければ金融機関による経営支援のインセンティブは薄くなる。

ゼロゼロ融資で膨らんだ過剰債務。デットエクイティスワップやメザニンなど株主として参画せねば利回り向上、b/s改善、伴走型支援はできない。大阪投資育成のように、小規模企業を対象に、株式、転換型社債、資本性融資メザニンに投資する会社を広域連合レベルで作ることも必要だ。

信金は非営利・相互扶助が基本といえど、一定の経営効率は持続性から必要だ。地銀は上場企業も多く株主によるガバナンスや金融庁の指導も熱が入るが信金はどうだろうか。地銀の再編事例を見ていても、戦略面、株主圧力だけでなく、

多分に頭取同士の人間関係や些細なキッカケで統合に至る事例を目にする。

兵庫県の中小企業・個人事業主への支援・収益拡大にはデッドガバナンスの強化、信金再編による経営効率と経営支援力の向上が必要であり、県が率先して再編に向けた取り組みを行うべきと考えるが。

3 ひょうご首長ピッチ、新たな公共調達×オープンイノベーション

お役所ルールを民間がアップデートする規制改革推進会議の創設、自治体VCファンドはGovTech特化と提言してきた。

これに続く3本目の矢、それがひょうご首長ピッチ。

知事をはじめ兵庫県下の首長が居並ぶ中で、ベンチャーを中心に民間企業が新技術・サービスをプレゼン。首長が評価して、随意契約。

他の自治体でも有識者会議を経て認定・随契はあるが、本制度は行政向け営業にはないスピード感と多数の首長に直接プレゼンが魅力。

有識者では技術評価できても、ニーズ評価できない。首長は行政ニーズを一番よく知っている。ひょうごテックイノベーションはよい取り組みで発展させてほしい。しかし、役所内で課題認識と要件定義を正しくする必要性があること。役所の認識外の課題や知らない技術・サービスで改革できるテーマは外からの提案が必要。残念ながら、斬新かつ実績少ない技術が保守的なお役所でボトムアップで採用されるとは思えない。また、​​大企業有利な入札資格も是正が必要だ。

東京都の元ヤフー社長が推進するスタートアップ支援は強力で同じ仕組みでは勝てない。今回の予算化されている協業支援やコミュニティ作りはVC、大手企業、経済団体が十分すぎるほどやっている。city tech tokyoには勝てない。。

スタートアップには箔付と発注が一番の支援。新しい技術・サービスのピッチを受けることは首長も勉強になる。ひょうご首長ピッチ。この3本目の矢で兵庫にイノベーションを、民間と共創を、全国で突き抜けろ。

ひょうご首長ピッチで新たな公共調達とオープンイノベーションを推進させることに関する、当局の所見を伺う。

4 インターナショナルスクール・ボーディングスクールの誘致

部局別ではギフテッド特化型の県立小中一貫校の創設を提唱した。

多様な学びを提供する前田案の二つ目が海外インター校・全寮制ボーディングスクールの誘致だ。私立比は小学校1.2%、中学校8.7%とごく僅か。高校26.7%、大学78.2%であり、小中学校は多様な学びの場が提供されているとはいいがたい。

首都圏では中学私立受験が17%以上、公立小初のバカロレアの初等教育プログラム校が誕生するなど萌芽はある。私立が何でも優れているとは言わないが、公立は小規模特認校や区域外通学を利用しない限り、学校の選択肢はない。インターは高度外国人の獲得、外資企業の誘致にも必要な要素。担税力ある人材には、住環境と教育だ。

最近では、英国マルバーンが東京小平市に、ハロウは岩手県八幡平市、千葉県柏市にラグビーなど海外名門校の進出が続出している。

いまや上海、ソウルより学費・生活費が安い日本。安全、医療、文化を考慮すると外資系の進出意欲は高いのではないか。

インター数​は​上海169、シンガポール122、東京ですら20校であり、拡大余地は大きい。田村こうたろう氏「中堅インタの時価総額は650 億円」投資、出店意欲はありそうだ。

本来は兵庫県というより広域連合レベルで出店候補地の情報提供、自治体所有地や廃校跡地の活用、私立校の事業承継による運営体制への支援などを行うべきだ。

また、神山まるごと高専やキャピタルインターなど企業経営者が学校設立に動いている。

ゼロイチで学校法人や学校の新設手続きは新規参入者に非常に負担であり、慣れている行政で支援することも一案だ。大規模な資金ニーズが発生するため、保証協会による保証融資も検討の余地がある。シンガポールや香港では低利融資や土地提供など行い、誘致している。外国人学校の設置基準も最低生徒数が過大となっていないか。校地を自己所有と規制し投資負担を招く状態になってないか。改善の余地がある。そして、これら支援の見返りに兵庫県民向け格安枠を進出校には求め、家計に関係なくチャンスを提供する。

​​ これらの指摘を踏まえた海外インターナショナルスクールやボーディングスクールの誘致について知事の所見を伺う。

5 近代五種障害物レース「通称SASUKE」の誘致

私は10年前にスポーツを教育委員会から知事部局に移管せよと提言した。本年4月から知事部局の所管となる予定。障害物レース施設の誘致は総括としては小さいが、部局移管の必要性を再認識する契機と考えるのでここで伺う。

TBSテレビで人気を博すSASUKEは世界160以上の国と地域で10億人に視聴されている。オリンピック競技の近代5種は人気低迷や馬術の高額費用による競技者不足・動物虐待問題から馬術を廃止し、SASUKEを参考にした障害物レースの採用を検討。2022年11月には国際近代五種連合がIOCに種目変更を提案し、採択されれば2028年ロス五輪でお目見えする。​​TV発の五輪種目という話題性、世界に刺さっている面白さ、視聴者獲得はIOC収支改善のための課題であり、大きな目玉・ブームとなりうる。

日本初であり、忍者競争とも呼ばれる同競技。近代常設施設を設置すれば、そこが世界の聖地となる。世界一の五種アスリート養成地域となり、合宿誘致につながる。

また、学生向けにはSASUKE甲子園の企画、4万人を動員するX GAMES Chibaのような国際イベントの開催にもつなげていく。アイススケートのように運営費用は高くなく、野球場のように広大な敷地も不要で低コスト。高校再編後の跡地で活用できるのではないか。正式に五輪採用が決定してから誘致の検討・行動したのでは遅い。他の自治自体が動いていない今から動くことが結果につながる。

そこで、近代五種の新候補である障害物レース施設の整備と、通称SASUKEの誘致について伺う。

6 自衛隊との連携強化と県警の役割、武力攻撃に備えた方針

検討使とも揶揄される岸田政権が極めて迅速に決断しているのが軍事・防衛関連だ。台湾有事はある。そして時間軸は数10年先レベルではなく、2027年にも侵攻との噂もあり緊張感は高まるばかり。

県は自衛隊との連携をこれまでの大規模事故・鳥インフル・防災から上げる必要がある。

ミサイル配備や基地設置など首長の反対で頓挫してきた事例が散見される。個々の事例で合理的に認められないものから、首長の思想から認めないものまで様々だ。斎藤知事はどうなのか。今後予想される基地拡張やミサイル部隊、弾薬庫などの増設、共同訓練・演習に賛成ですか。空港や港湾での自衛隊の訓練利用には首長許可が必要だが許可するのか。現職自衛官と県庁職員の人事交流は防災のみならず、武力攻撃時を見据えた人事交流や連携が必要ではないでしょうか。必要な際、躊躇なく自衛隊の部隊等の派遣(国民保護等派遣)を要請するのか。

また、兵庫県警の役割も薄く感じる。兵庫県国民保護計画では国民保護対策本部を県警本部長が本部員、防災監が副本部長。副本部長にしたからなんだというのはあるが、県警が担う役割の認識が薄い、大規模な攻撃を受けるリスクを過小評価しているのでは。武力攻撃事態等における警察の役割は交通規制や避難が中心となっている。マシンガンなどの特殊装備や練度は十分か、SATは大阪府警頼みでいいのか、自衛隊のノウハウ、連携、支援も必要ではないか。これら指摘を踏まえ、県民の命と財産を守るため、自衛隊との連携強化や県警の役割について知事の所見を伺う。

7 マギーズ誘致、公設民営がん患者相談支援センター

私はこれまで、治療だけでなく妊娠可能性温存やアピアランスなどがんと共生する社会に向けて、実体験も踏まえ県議会初の提言を重ね、実現することができました。しかし、今回、未だ改善の余地がある部分、それががん患者相談支援センターです。

認知度が2018年度、66.4%。2014年度の56.0%から上昇している一方で、利用率の14.4%は、非常に少ないと感じております。

2022年8月「がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針」では、がんと診断された方に、がん相談支援センターを案内する仕組みを拠点病院の義務としましたが、十分に活用されていないのは、何故でしょうか。

令和元年の議会でも指摘致しましたが、「デザイン・立地・雰囲気」等のハード作りの足りないことが患者目線ではなく、認知度が高くとも、活用、相談されないのです。県当局は当件に対する様々な議員の提言に対して、周知・相互連携・スキルアップ支援等、積極的ではなかったと感じています。私は「マギーズ」共同代表の鈴木さんと知り合いですので、「マギーズ」個別名は避けてまいりました。しかし、県民から頂戴する声や看護師たち、神戸市会を含めた他議員との議論からも「マギーズ」指名の声が強く、やはり兵庫に誘致すべきだと考えております。

それが関西圏での、がん患者相談支援センターのモデル・研修機能として活用され、真に寄り添ったがん患者支援、公民連携型として先進県を担う兵庫県の役割であると考えております。「がん条例」の目玉施策としても、県立がんセンター建て替え整備を期に、マギーズを誘致するべきです。

兵庫県と神戸市が協力、適地を確保し、企業版ふるさと納税等を活用して県予算0で建設。無償貸与、運営をマギーズに任せる等、公設民営が理想だと考えております。

知事のご見解をお伺いします。

8 県営住宅局長の創設と民間採用

これまで県営住宅の改善点について数多く提言してきた。

容積率・建蔽率のフル活用、借上げ型の採用、優先入居要件の改善、入居率や当選辞退率の向上、駐車場の一般開放や公園設備、エレベーター保守費用は私の提言で年間2.9億、従来比54%削減、70年とすると約210億円の削減。深江の県住では廃止決定から廃止完了まで10年、廃止完了後に利用希望を照会する手際の悪さから、更に2年後に売却手続き。保有する土地の逸失利益を認識しないから、平気でこんなに時間をかける。他にも指摘したい点はあるがもうキリがない。

それはなぜか?

県営住宅の運営、すなわち不動産投資・大家業を素人がやっているからだ。

県住4.7万戸×建築1700万円+土地=総資産は軽く1兆円。

ご存じワコーレで1000億、上場不動産165社で資産1兆円以上は12社しかない。

ローテーションの素人課長が経営できるレベルではない。

これまでの質疑を通じて身に染みた。

民間経験者を採用して、より洗練された経営とすべき。

プロの不動産事業者でも営業利益率=経営効率で数%の差はザラ。

1兆円を1%改善すれば100億分のメリットが生み出せる。

県職員が全部ダメだとはいってない。向き不向きがある。

ただ、不動産投資・運営は向いてない。

1兆円の資産額に見合った洗練された運用体制にすべく、県営住宅局長職の創設と民間採用をすべき。