議会の動き

芝野照久議員が質問(予算審査・農政環境部)を実施

第308回2月定例会 予算特別委員会質問(農政環境部)
2011年3月7日(月)

1 但馬牛・三田牛の消費拡大策等について

 現在、農政環境部では、世界に誇る「但馬牛」の生産基盤を強化するため、地域ごとに増頭計画を策定し、①新規参入と規模拡大の促進、②生産体系の効率化による経営安定、③技術支援とブランドの強化を図り、平成27年度末までに但馬牛繁殖雌牛20,000頭の達成を図る「但馬牛20,000頭増頭対策」を推進しており、計画には達していないが徐々に増頭が進んでいると聞いています。
 しかしながら、これらの増頭の対策を推進するには、これまでの体制や設備では不十分であり、体制の整備や牛舎などの生産基盤の強化が必要であると考えます。
 また、但馬や淡路に限らず、地元三田市でも展開する必要があると考えます。
 その一方で、但馬牛を処理し食肉とする食肉センターの経営は苦しいと聞いています。
 私の地元、三田食肉公社は、全国でも有名な「三田牛」も処理する食肉センターですが、設立時には国や県・市の補助はあったものの、運営については独立採算となっており、設立当初は、年間6,100頭処理していたが、年々、処理頭数は減少し、現在では年間3,800頭しか処理する需要がなく、経営は厳しい状況に陥っています。
 そこで、「但馬牛20,000頭増頭対策」を推進するために、生産基盤の強化についてどのように取り組むのか、また、食肉センターの経営を支援するためにも、三田牛・但馬牛をはじめとする牛肉の消費拡大策が必要と考えますが、どのような対策を講じていくのかご所見を伺います。

2 森林及び林業の再生について

(1) 涵養機能を有する森林の整備の促進について

 平成21年12月に、森林・林業の活性化へ向けた「森林・林業再生プラン」が策定され、「コンクリート社会から木の社会へ」をテーマに、行政や森林組合などの役割を明確にして、森林経営の計画づくり、施業の方法、人材育成などを改革の柱に挙げて、10年後の木材自給率50%以上を目指すとしています。
 このプランの3つの基本理念の一つに、森林の有する多面的機能の持続的発揮が掲げられております。
 これは森林の適切な整備・保全を通じて、国土の保全、水源の涵養、地球温暖化防止、生物多様性保全、木材生産など森林の有する多面的機能の持続的発揮を確保することとしております。
 特に近年、森林の荒廃が進み、緑が大きく損なわれ、国土の保全、水源の涵養機能の発揮に支障が生じており、その再生が喫緊の課題であります。
 兵庫県では、林業採算性の悪化により、伐採されずに放置される高齢人工林(46年生以上)が急増する見込みであり、同じ流域に大きな面積で同林齢、同樹種の高齢人工林が増加すると、気象災害や病害虫により壊滅的な被害を受ける恐れがあることから、県民緑税を活用して、46年生以上のスギ・ヒノキ等の高齢人工林の部分伐採を促進し、広葉樹等を植栽することにより、樹種・林齢が異なり、水土保全能力が高く公益的機能を発揮する森林に整備しておりますが、十分とは言えない状況にあります。
 そこで、森林が持つ災害防止などの国土保全機能や水源涵養機能の発揮のためにも、針葉樹林と広葉樹林の混交林整備をさらに推進する必要があると考えますが所見を伺います。

(2) 林業の再生に向けたフォレスター等の人材養成について

 このプランの中で、森林・林業に関する専門知識・技術や実務経験など、一定の資質を有する者をフォレスターとして認定し、市町森林整備計画の策定等に市町行政を支援する仕組みを創設するとともに、森林施業プランナーへの指導・助言を行うこととしております。
 フォレスターとは、ドイツでは、公務員として任命され担当地域の施業の指導や森林伐採に対する法令遵守状況を監視する活動を行っており、森林の保全、林業の振興に大きく寄与しています。
 日本でも、森林の管理や経営を現場でリードする技術者として、平成25年からの資格認定をめざしております。
 昨年11月に発表された「森林・林業の再生に向けた改革の姿」で、国は、当面の間、県の職員のうち、一定の研修等を受けたものが代行を行うとしているが、林業の再生が本格化する中で、このような人材養成は喫緊の課題であります。
 そこで、地元雇用を進め地域振興を図るためにも、地域林業の確立に向けた地域林業を指導するフォレスター及びフォレスターを現場で支える人材育成が必要と考えるが所見を伺います。

3 農地の集積化及び農業生産法人の参入について

 新たに農業をやりたいと希望を持つ人たちに立ちふさがる問題として、利用できる農地がなかなか見つからないといことがあります。
 また、競争力強化を図るために、農地の集約による経営の大規模化や効率化も必要であります。
 これまでの農地法が新規参入や農地集約の障害となってきたが、平成21年12月に農地法が改正され、食品メーカーや流通業者等の株式会社は農家と共同出資して設立する農業生産法人、の出資制限が25%以下から50%未満に緩和され、農業生産法人が設立しやすくなりました。
 国では、経済成長や雇用創出を担う産業分野の一つとして農業をあげて、競争力強化に取り組む姿勢をしめしており、また、農地法改正に併せ、農地を面的にまとめて行くような仕組みとして、新たに農地利用集積円滑化事業を創設し、農地の賃借・売買を支援しているところです。
 そこで、県として農地の集約化や株式会社からの出資制限の緩和による農業生産法人の参入の状況について、どのように把握し、またどのように支援して行くのか方針を伺います。