決算特別委員会 [ 10月18日(金)病院局・前田委員 ]
1 県立病院における治験の取り組み状況について
はじめに、県立病院における治験の取り組み状況についてお伺いします。
我が国では、新開発の薬を患者に投入できるまでの時間差、あるいは海外での新薬を国内承認できるまでの時間差であるドラッグ・ラグや先端医療機器の承認が遅れ、使えるようになるまでのデバイス・ラグが他国に比べて長くなっており、治験体制の未整備がそのボトルネックの1つとされています。
国では、その充実・強化を図ることを目的として、「臨床研究・治験活性化5か年計画2012」を2012年3月に発表されました。そこでは、早期・探索的な段階の臨床研究・治験の実施体制の整備、企業主導治験以外の医師主導治験や臨床研究に対する更なる支援についても、その必要性が指摘されています。
また、県立病院においても、病院構造改革推進方策の中で、県立病院の医療水準を向上するため、各種の臨床研究を推進するとともに、医薬品等の安全性を高めるとともに、医療の質の向上を図るため、臨床治験を推進することを基本方向としていますが、人口あたりの大学病院や国立病院が全国的にみても少ない本県においては、治験拠点医療機関の指定を受けているがんセンターを拠点病院として、神戸医療産業都市との連携や「早期・探索的臨床試験拠点」・「臨床研究中核病院」の指定も視野に入れながら、ぜひとも積極的に臨床治験に取組んでいただきたいと思っています。
そこで、これまでの県立病院における治験及び臨床研究の実績について、今後の臨床治験の取組みの見通しとともにお伺いします。
(答弁 ①)
2 経営形態の検討状況について
次に、病院事業の経営形態の検討状況についてお伺いします。
県立病院改革プランの終期である平成25年度までは、地方公営企業法の全部適用を維持し、経営改善や診療機能の充実など病院構造改革に取組むとしており、平成23年度の決算特別委員会においても小田議員の質問に対して、その旨の答弁がありました。
病院構造改革推進方策の実施計画においては、独立行政法人化した他府県の事例等を調査・検証など、本県病院事業にふさわしい経営形態のあり方を検討するとしています。具体的には独立行政法人化した他府県の事例等を調査・検証とあります。また、独立行政法人化により、業績や職責に応じた弾力的な人事給与制度による医師・看護師確保対策の推進や予算の複数年主義への移行、診療時間や組織の弾力化や業者選定の柔軟性確保など多くのメリットがあります。その一方で、独法化にあたってシステムの改修や規程類の策定などのイニシャルコストがかかることや新たな機関の増加による意思決定の複雑化、理事長による専断等のデメリットも考えられます。更なる、病院改革の推進のためにも医療サービスの低下を招かないよう、本県の県立病院の状況を踏まえた抜本的な経営形態の改善を検討していく必要があると考えています。
そこで、今年度終了まであと半年を切る状況となりましたが、他府県の事例調査・検証の結果など、病院事業の経営形態の検討状況について、今後の見通しと併せてお伺いします。
(答弁 ②)
3 認定看護師・専門看護師の養成について
最後に、認定看護師・専門看護師の養成についてお伺いします。
認定看護師は、21分野の熟練した看護技術及び知識を用いて水準の高い看護が実践できる看護師で、高度化・専門分化が進む医療現場において、実践、指導および相談の3つの役割を果たし、看護ケアの広がりと看護の質の向上を目的として制度化されたものであり、日本看護協会が策定した資格認定制度の資格の一つであります。今年の7月現在全国で12,522名の登録があり、うち560名が本県の登録となっています。
一方、専門看護師は、より複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して、水準の高い看護ケアを効率よく提供するための知識や技術を備えた特定の専門看護分野において卓越した看護実践能力を有する看護師で、実践・相談・調整・倫理調整・教育・研究の6つの役割を果たし、認定看護師と同様に、日本看護協会が策定した資格認定制度の資格の一つであります。昨年12月現在全国で1,048名の登録があり、うち94名が本県の登録となっています。
資格の取得には、通算5年以上の実務研修、うち3年以上は認定看護分野の研修があることに加え、認定看護師は6ヶ月以上の教育課程を、専門看護師については看護系大学院修士課程修了者で所定の単位の取得をそれぞれ経て、日本看護協会の試験に合格しなければならないこととなっており、非常にハードルが高いものとなっています。
看護師不足への対応も重要な課題となっておりますが、採用した看護師の資質向上を図っていくことは、医師を含めた医療チームの質の向上につながることから、より良質な医療を提供していくにあたり欠かすことができないものであるとともに、看護師自身のキャリアアップにも繋がっていくものであります。
そこで、県立病院における認定看護師・専門看護師養成に向けた取り組みとその実績・評価とともに、資格取得者に対する処遇についてお伺いします。
(答弁 ③)