決算特別委員会 [ 10月8日(水)企画県民部①・岸口副委員長 ]
1 地域の夢推進事業費について
(1)これまでの事業評価について
県では平成13年4月に地方機関の組織の再編を行い総合事務所化した県民局について、約150項目の事務、権限を委譲し機動的な組織にするとともに、平成14年度に1県民局あたり3,500万円の地域戦略推進費を創設し、地域の課題に的確に対応できるよう機能強化が図られた。
この地域戦略推進費は、平成15年度には1県民局あたり5000万円に、また平成18年度、19年度には国体の開催等もあり8000万円に増額され、平成22年度まで各県民局でさまざまな事業が実施された。私の地元である東播磨では、いなみ野ため池ミュージアム創設に向けた取り組みが展開された。
平成23年度からは、これまでの地域戦略推進費から新たに地域の夢推進事業費へと改変され、1県民局あたり平均額1億5000万円を県民局ごとの事情を勘案し傾斜配分し、これまでのソフト事業からハード事業にも用途が拡大され、東播磨では明石公園内の桜のトンネル、加古川のみなもロードなどが整備された。
昨年度の各県民局での取り組みを見ると、おやじジャズトレインの運行はじめそれぞれ地域のニーズに応じた事業が行われているが、一方でひょうご防災ネット整備費を各県民局が負担し本庁執行となっていることや、自治賞、こうのとり賞、くすのき賞の表彰など県民局対応とするかどうか悩ましい事業が見られる。
折角の県民局の独自予算、事業であり一般会計予算の延長上のような事業では大変惜しい。ハード事業についても、事業内容からすると本来の公共事業で行うべきものが含まれてはいないか、これらを踏まえこれまでの成果についてどのように評価されているのかお尋ねする。
(2)各県民局の情報共有について
地域の夢推進事業費は地域特性を生かした地域ならではの事業が多くあり、これらの独自の取り組みは県民局の大きな刺激になっている。各県民局の取り組み、ノウハウなどは県民局長会議などで互いに情報共有を図っているとは思うが、これら成果と課題は県民との情報共有も重要である。
特に県民の地域活動団体を応援・支援する事業、県民との参画と協働による事業も多くみられるが、その受け手の側である県民の皆さんにも今年度新たに創設されたふるさとづくり推進事業費への理解を求め、地域活動団体の自立を促すことも時には必要。そこで、地域課題の解決に向けたより有効な事業とするため、地域住民が自主的・主体的に取り組む事業へ発展したような事例をモデルケースとして各県民局で共有し、幅広く県民の参加を促すべきと考えるが如何。
2 宗教法人について
先の一般質問で竹内議員が質問したが違った視点で質問。
(1)県下の宗教法人の活動状況について
人口減少、限界集落、地域から人が消えていくことにより空き家対策など新たな行政課題がみられる。
同じように人口減少による檀家の減少、後継者不足や宗教に対する価値観の変化など宗教法人の運営が成り立たなくなる事例が今後増加すると思われる。
一方で宗教法人は詐欺事件、脱税など事件の温床となる事例があることや、本来売買ができないが、インターネットなどで売買を目的とした情報が掲載されるなど休眠法人への対応を急ぐ必要がある。
宗教法人に活動の実態を示す宗教法人事務所備付書類の提出状況をみると、先日の一般質問で答弁があったが直近の平成24年の県所管法人数8729法人に対し提出数が8437法人の提出率96.7%となっており、この10年間を見ても95~98%と概ね同様の傾向にあるが、同一の代表者が複数の法人の代表者となるなど活動の実態が外部からは見えづらい。
また過去10年間の県所管宗教法人の推移をみると、平成16年の宗教法人数は8798法人から平成24年の8729法人まで減り続けてきたが、平成25年、26年ではそれぞれ5法人、計10法人増えている。
そこで、平成25年、26年に宗教法人が増えた事例など、県所管宗教法人の活動状況についてお尋ねする。
(2)不活動宗教法人に対する対応状況について
本会議答弁にもあったが一方の宗教法人事務所備付書類の未提出法人は、2~3%とは言え平成23年は202件、24年は292件と相当数に上っている。未提出法人は不活動宗教法人と過料事件通知とに分けられ、不活動宗教法人は平成23年度75法人、24年度100法人、また過料事件通知は平成23年127件、24年192件と急増している。不活動宗教法人と認定された場合は、他法人との合併や自主解散督促、裁判所への解散命令請求を行うことができるとされ、文化庁では実態が不明な宗教法人を整理するために年間約300万円の調査費用を都道府県に支出委任する事業を行っているが進んでいないとの報道がある。
そこで、県では未提出法人に対しどのように取り組んできたのか、とりわけ不活動宗教法人に対しどのように対応していくのか、国の制度の活用状況を含めお尋ねする。
3 はばタンの活用状況について
今では兵庫県のマスコットとして定着している「はばタン」は、もともと平成18年に本県で開催された「のじぎく兵庫国体」のマスコットとして、愛嬌のあるデザインで大会を大いに盛り上げた。
その高い人気ぶりから、国体後も「ひょうご観光大使」や「フェニックスサポーター」などとして県政をPRするほか、着ぐるみについては、現在、本庁と県民局・県民センターに保有する23体のうち、22体が一般に貸出しされているなど活躍の場が広がっている。
普段は屋外のイベントで「はばタン」に出会うことが多く、つい先日明石公園で開かれたひょうごまちなみガーデンショーの関連イベントでも出会うことができた。
この「はばタン」について忘れられないことがある。本年5月、知事も出席された明舞団地まちびらき50周年記念オープニングセレモニーである。「はばタン」はスペシャルゲストとしてテープカットを行うとの設定でさっそうと登場した。
しかしながら、普段屋外で見慣れていた「はばタン」と室内で見た「はばタン」とは大きく違っていた。色が褪せ、足元が汚れていた。
またあるイベントで、大きな「はばタン」を見たとの声を聞いた。内容を確認すると、「はばタン」が民間の団体に貸し出され、その中に背の高いバスケット部の学生が中に入り大きくなり、また動きも俊敏で活発であったとのこと。
マスコットはキャラクターイメージが大切である。室内で行われるセレモニーにはきれいな「はばタン」を使用することや、中に入る人の身長や基本的な動作などを簡単なマニュアルが必要ではないかと感じる。貸し出しに際しては簡単な注意事項を伝えるなど、イメージを壊さない取り組みが必要ではないか。これまでの活用方法について問う。