予算特別委員会部局審査(公安委員会)
質 問 者 石井 健一郎 副委員長(民主党・県民連合)
1 緊急事態を想定した警察署署長公舎の整備について
警察は、いざという時に執行力を最大限に発揮して、県民の安全安心を全力で確保しなければならない。特に緊急事態があった時、組織として十分な力を発揮しなければならず、警察署長等の指揮が不可欠であると考える。
このようなことを念頭に、県警では、大規模災害や重大な事件事故など緊急事態が発生した時、すぐさま指揮にあたることが出来るよう、警察署長は警察署の近くに構えられた「署長公舎」に居住し、もしもの時に、いつでも対応も図れるようにしていると認識している。
しかし、県内の各警察署の署長公舎について、見てみると即応体制がとられているとは必ずしも言い難い。尼崎北署をはじめ、何カ所かの署長公舎が警察署から遠方にあり、緊急事態が発生した時、いち早く、陣頭指揮をとらなければならない警察署長の役目を十分に果たせるのか不安である。
そこで、県警として、署長公舎の設置場所については緊急事態に備えて警察署に隣接するところに設置することが望ましいと思われるが当局の見解を伺う。また、公舎には老朽化が進んでいるところも多くあり、日常生活に不便を来している場合もあると思われるため、あわせて老朽化対策の方針についても伺う。
2 警察官採用にかかる広報のあり方について
昨年の12月の定例会の代表質問において私は「力強い警察活動を支えるための警察署の適正な定員について」を質問させていただいた。この質問の趣旨は、力強い警察活動を効果的、かつ継続的に持続していくためには、マンパワーである警察官の定員充足が必要ということであった。
しかしながら、現在、県警察の定員数は、約350人の欠員を抱えている状態であり、この欠員状態が続けば、力強い警察活動が維持できるのか不安に感じる。
県警察では、採用シミュレーションをしっかり持って、数年後には、欠員を解消することができるということであるが、定数の確保もさることながら、そのための優秀な人材を確保できるかということに不安を感じる。
応募者数をもっと増やすには、兵庫県警察の魅力をアピールする広報が必要不可欠である。
小学生・中学生・高校生がなりたい将来の仕事のアンケートでは小学生では比較的上位に位置するものの、中高生では順位が落ちている。ましてや、女の子ということになると上位には入っていない。
優秀な警察人材を確保するためには警察官になりたいという層を増やさなければならない。
そのためには「警察官になりたい」という思いや警察が「正義の味方」であるという気持ちをしっかりと醸成させる長期的視野に立った採用広報を実施してもらいたいと思う。
例えば、警察の様々なキャンペーンをイベントで見かける。そこには、「白バイ」「パトカー」があり、ミニ制服を着て写真撮影をする親子連れが多くいる。また先日兵庫県警察音楽隊の震災20年特別演奏会を観に行ったが、その演奏に心動かされた。こういったイベントを拡大することや、もう一工夫して、災害警備訓練を実施する際、訓練参加者に加え、見学者も同時に募り、訓練を披露する、災害警備で使う装備資機材を展示する、機動隊のキッチンカーで子どもたちの大好きなカレーを振る舞うなど、「警察はこんな装備があるのか」「実際にあんな活動をして人の命を救いたい」といった警察官になりたい気持ちを、幼い子どもの時から沸き立てるような採用広報をしてほしいと考える。それは、長年わたって警察に憧れを持つ人材を増やすとともに、高倍率の中で念願がかない警察官になった人材は、警察官としての規範意識を十分にもち得るからである。
そこで、将来の人材確保も見据えた魅力ある警察官採用広報について、県警としてどのように考えられているのか、所見を伺う。
3 総務・地域・交通警察等の課題と今後のあり方について
昭和50年前後に奉職された、ここに出席されている3人の部長が、春、退官される。警察官となられた時から、現在に至るまで、警察を取り巻く情勢は、犯罪の複雑多様化、広域・スピード化のほか、警察改革など、様々な対応を迫られながら、県民の安全安心の実現に取り組んで来られた。しかしながら、県警としての「県民の安全安心の実現」の取組みは、これからも変わらぬ課題であり、県警各部門の課題は今後とも続いていくものと考える。
特に、総務、地域、交通の各分野においては、私が気になる課題を抱えており、長年、警察官として県民のため、汗を流していただいてきた経験も踏まえ、各部門における課題と今後のあり方について、各部長の考えを伺いたい。
(1)総務部門について
まず、総務部門については、限られた予算のなかで、警察活動を支える施設・装備の充実、予算の獲得などにおいて課題があると思うが、総務部長の考えを伺いたい。
(2)地域部門について
続いて、地域部門だが、長田区の事件等で身近な地域の安全が再々度問われており、地域の安全対策が大きな課題と認識するが、地域部長の考えを伺いたい。
(3)交通部門について
最後に交通部門だが、昨年末にかけ交通死亡事故が多発し、交通死亡事故抑止対策に関しては、我が会派の他の議員も本会議等で指摘している。交通部長の考えを伺いたい。