決算特別委員会 [ 10月16日(金)(農政環境部・上野 英一委員 ]
1 ひょうごの農業の再構築について
地域創生戦略が策定されましたが、地域が元気になるには農林漁業の再構築が絶対的な条件だと考えます。また、ひょうご農林水産ビジョン2020では、産業として力強い農林水産業を再生するには、経営能力に優れた担い手が必要としており、地域の他産業従事者並みの所得等を確保できる経営体へ発展するよう育成する認定農業者の認定を進めているとあります。
そこでまず、ひょうごの農業の再構築についてお伺いします。
私は、再構築に向けたひょうごの農業の在り方として、イ)野菜を中心とした大都市圏近郊型農業、ロ)稲作を中心とした大規模・効率化農業、ハ)中山間地、高原での有機・無農薬をはじめ、付加価値の高い農業だと考えます。さらに、農業の六次産業化も必要です。そしてそれを担うのが、認定農業者、新規就農者、集落営農組織や企業の農業参入です。
そこで、1点目として、(1)担い手の開拓と育成支援について 伺います。
まず、新規就農者についてでありますが、新規就農促進ファーム設置事業、就農スタートアップ支援事業、国の青年就農給付金など様々な取組みの成果もあり、昨年度は農林水産ビジョンに掲げる60歳未満の年間育成目標の300人を達成しました。ただ、今後、本件の農業を産業として力強く再生させるためには、これらの新規就農者の中から、本県農業の再生の一翼を担っていく人材を数多く育成し、認定農業者等さらなる重要な担い手へと育成していくことが重要であることは言うまでもありません。
一方、認定農業者についても、平成32年度に3,000人を目標として育成に取り組んでいますが、ここ数年、新規認定者数と、廃業や再認定をしない者の数が、ほぼ同数で推移しており、その結果、認定者総数も2,500人程度で伸び悩んでいます。
そこで、認定農業者が伸び悩む要因をどう分析しているか伺いますとともに、その現状を踏まえ、新規就農者を定着させ、認定農業者への育成を図る取組みの充実が必要と考えますが、現状と今後の考え方をあわせて伺います。
(答 弁)
2点目として、(2)集落営農組織の法人化、企業参入等について 伺います。
その1として、①実績と評価について であります。
認定農業者等担い手が不足する集落では、土地、労働力、営農用機械等を地域に最も適した形で組み合わせ、もちろん地元合意のもと、集落リーダー等を中心として、集落営農組織を育成しています。また、中間的人材もおらず耕作放棄地が問題となっているような地域では、企業等の農業参入を促進し、農地の集積・集約による農業経営の効率化を図り、力強い産業への再生を目指しています。
そこで、集落営農組織化とその法人化、企業の農業参入について、それぞれの目標値と実績、評価についてお伺いします。
(答 弁)
その2として、②法人化の推進について であります。
集落営農組織及び企業の農業参入とも、本県は全国トップ水準と理解しますが、集落営農組織の法人化は、全体の10分の1程度であり、なおかつ、本格的な企業経営の域に達している組織は少数であります。TPP妥結を踏まえ、農業が力強い産業へと再生を図ることが不可欠であり、それに向けては法人化などにより集落営農組織の継続性・安定性の強化を図ることが重要であります。
そこで、今後、いかに集落営農組織の法人化推進を進めていいこうと考えているのかお伺いします。
(答 弁)
3点目として、(3)再構築への展望について お伺いします。
先に述べた農業の六次産業化に関しても、県下各地で画期的な取り組みも含めて進んできたと思いますが、ここでは、時間の関係で六次産業化と酪農・牧畜・養鶏などの畜産については省略し、それ以外の部分でのひょうごの農業の再構築について伺います。
先に述べたように、昨年度、新規就農者の年間目標300人を達成しました。さらに、その就農状況をみると、作物別就農では野菜が多く、地域別就農では、淡路、神戸、北播磨県民局管内が多い状況にあります。また、就農区分では、新規参入が74.9%、就農形態では、独立就農を雇用就農が上回り、53.1%となっています。これが本県農業の特徴かと考えます。
これらのことから、はじめに述べましたとおり、今後のひょうごの農業の在り方として、イ)野菜を中心とした大都市圏近郊型農業、ロ)稲作を中心とした大規模・効率化農業、ハ)中山間地、高原での有機・無農薬をはじめ、付加価値の高い農業、の方向で進みつつあるのではないかと考えます。私は、新規就農者の状況等も含め、本県農業の再構築に向けて、明るい兆しが見え始めていると感じます。
そこで、今後の本県農業の再構築にいかに取り組んでいくのか、ご所見をお伺いします。
(答 弁)
2 ひょうごの林業の再構築について
(1)(協)兵庫木材センターと優良な林業事業体の育成について
ひょうごの林業の在り方として、利用可能な46年生以上の人工林の材積59百万立方メートル、面積14万ヘクタールの活用、森林の持つ多面的機能回復・向上、すなわち、広葉樹林の拡大、手入れ不足の森林の整備等があります。ここでも、省力化、機械化、効率化のための林内路網整備、低コスト原木供給団地の設定、森林作業員の確保等です。さらにそれらを連動させ原木から製品化、販売促進へと進めなければなりません。
そういう中で、本県では、安定した原木供給の川上対策として整備に取り組んできた低コスト原木供給団地の数、林内路網1,000㎞整備のいずれも平成25年度末で目標を達成し、平成26年度から新計画に基づく推進を行っています。川上対策での順調な推進を受け、川中では、兵庫木材センターが稼働から5年を経過し、順調な成果を上げ、県産木材の供給量拡大につながっています。先日、木材自給率が27年ぶりに3割を超えたと報道されました。円安が大きな要因とは言われていますが、このような本県林業の取組みも少しは貢献したのではと考えます。
この良い兆しを好循環に変えて行くには、先に述べた農業同様、優良な事業体の育成強化が重要と考えます。そういう中、本県では、林業事業体における経営者の企画能力、具体的な森林施業を提案する森林施業プランナーの実践力、現場作業者の生産能力を高める、「林業三つ星経営体」の育成に今年度から取り組んでいます。兵庫木材センターを核とした供給体制の確立の取組みとあわせて、本県林業の振興につながっていくことを期待します。
そこで、兵庫木材センターの稼働状況を伺うとともに、兵庫木材センターに参加する事業体も含めて、兵庫県の林業事業体の現状と今後の育成見込みについて伺います。
(答 弁)
(2)広葉樹林の活用と森林ボランティアの育成について
兵庫木材センターに続いて、ここ数年における本県林業を巡る明るい兆しが感じられる新たな動きが、木質バイオマス発電施設の設置であります。発電施設は、赤穂で既に稼働しており、朝来でも稼働準備中と聞く。業績好調な兵庫木材センターへの供給も含めて、原木確保やチップ確保において、しっかりと役割分担して取り組まれており、林業経営の安定化、兵庫全体の林業振興に大きな成果が出てくるものと考えます。
ひょうごの林業の再構築を進めるに当たって、50万ヘクタールを超える本県民有林面積の約40%程度を占める人工林への対策は、前に述べました兵庫木材センター、バイオマス発電施設など様々な林業を巡る明るい兆しも見えてきましたし、概ね大丈夫と私は認識しています。今後は、残りの約60%を占める広葉樹を中心とした天然林の活用・管理が重要となってくると考えます。
ただ、林業を巡る情勢は厳しく、兵庫木材センターや木質バイオマス発電施設など、新しい動きのある本県であっても、新規就業者の確保が農業のように進んでいないのが現状であります。
そういう中にあって、森林は県民共通の財産であり、県民全体で管理していくという考えのもと、本県では森林ボランティア1万人作戦を展開し、平成22年度に1万人の目標を達成しました。今後、課題となる広葉樹林の活用も含め、森林ボランティアをさらに積極的に育成するなどして、森林管理にたずさわるマンパワーを確保していく必要があると考えます。
そこで、広葉樹林の活用をいかに進めていこうと考えているのか伺いますとともに、その担い手としての森林ボランティアの育成などのマンパワーの確保に、いかに取り組んでいくかあわせてお聞きします。
(答 弁)