決算特別委員会 [ 10月22日(木)(病院局・前田 ともき委員 ]
1 粒子線医療センターの収益改善と外国人の受け入れ
粒子線医療センターの医業収益は、平成25年度25億円から平成26年度22億円と悪化し、経常損益も、平成25年度決算の9100万の黒字から、平成26年度決算は3100万の赤字に。主な要因は患者数が入院で約600人、外来で約2,200人減少したこと。
本センターのPL構造は、そのほとんどが箱モノ代、減価償却費が中心であり患者数は他の病院と比較してもインパクトが大きい重要なKPIである。
しかし、現在稼働中の粒子線治療施設は全国で13施設、近隣府県でも大阪、岡山などで開設が予定されるなど供給数は増加の一途をたどる。
広報による潜在患者の掘り起こし、適応疾患の拡大による需要増加もあるが、前立腺は既存治療法に対して優位性を示せず、先進医療から外れる方向にある。乳がんもIMRTと比較して優位性を示せるか懸念をしている。
本センターは症例数で優位性があるとはいえ、立地は劣後しており、5年・10年先を見据えると国内だけでなく、外国人も受け入れていくことは本センターの損益維持の観点からも必要である。
本年6月の日本再興戦略では、外国人患者を受け入れる意欲と能力のある病院を「日本国際病院(仮称)」に位置付け、同リストには本センターも入っている。
神戸市も神戸医療先端都市において、外国人患者受け入れの専門窓口を設置した。3年前の本会議では本センターを活用したメディカルツーリズムについて指摘をした。
当センターの患者数拡大に向けた取り組みを伺う。
また、外国人受け入れの態勢整備の第一歩として外国人向けの料金設定する必要性があるかと思いますが、ご所見を伺う。
2 チーム医療の評価について
チーム医療は、医療の質の向上や医療従事者の負担軽減などを通じて、医療従事者が高い専門性を活かして患者に適切な医療を提供するもの。
そのために、医療従事者の専門性向上や役割の拡大、連携などが求められる。
今後のチーム医療の核は看護師が担うと考え、平成24年度決算委員会で認定・専門看護師の育成を指摘した。本年10月からは看護師の特定行為に係る研修がスタートするなど、専門性の向上や役割の拡大は徐々に進みつつある。
現在は急性期で、個別の課題に応じて必要な専門職を集めた「専門部隊型 のチーム医療」が行われ、県立病院では栄養サポートや呼吸ケア、緩和ケアなどが運営されている。
医師・看護師の不足など様々な課題に対応しつつ、適切な医療を提供していくためには今後更なるチーム医療の推進が求められてくると考える。
そこで、県立病院における、チーム医療の評価と課題について伺う。