平成28年2月 第330回臨時県議会
2月補正予算(緊急経済対策等)に対する質疑項目
質問日 :平成28年2月1日(月)
質問者 : 越田謙治郎 政務調査副会長
質問方式:一括質問・一括答弁方式
1 地方創生加速化交付金について
昨年策定された地域創生戦略を具体化した初めての予算として、地域創生加速化事業など約11億円が計上されているが、交付金の概要は、1都道府県あたり4~8億円を目安に、官民協働、地域間連携、政策間連携等の先駆性などの要件を満たしていると認められた事業に配分されるということである。
本県では「ものづくりひょうご」の創出、「ひょうごで働こう」プロジェクトなどの事業を、別枠事業を除き満額8億円を申請するということです。
県から提案した事業自体に異論はないものの、国が認めたら配分という仕組みは、交付金と言いながら、まるで補助金である。
国によるこの「地方創生」の進め方、すなわち地方版総合戦略に基づく事業の具体化まで、国に了解を得なくてはならないという仕組みに疑問を感じざるを得ない。
地方創生加速化交付金について、交付金の趣旨でもある自治体の「自主的、主体的取組みの支援」を行うためのものなら、もっと自由度の高い交付金であるべきであり、実効ある地域創生の取組みとするため、今後も含めて自由度の高い交付金とするよう国に対して意見、要望を述べていくべきと考えるが、知事の所見を伺う。
2 各種資金貸付事業について
今回の補正予算では、「ひとり親家庭高等職業訓練促進資金の貸付」、「児童養護施設の退所者等に対する自立支援資金貸付事業」など、厳しい環境に置かれた若者や家庭を支援するための資金貸付事業が提案されている。
ただ気になる点をしていするならば、各貸付の返還免除要件が「2年または5年間の就業継続」となっていることである。この要件は、一定の就業継続への励みにはなると思われるが、一方で、やむを得ず就業継続困難となる場合も多く想定されると考える。このような場合、就労を継続した人に比べ、より厳しい環境におかれた方々にとっては、貸付資金の自力での返還は極めて困難と言わざるを得ない。
生活困窮者の生活支援対策の一つとして、資金貸付事業が有効な部分もあることは認識するが、それだけでは複雑多様化している雇用を巡る課題に対応できないと考える。今回の補正を機に今後も含めてソフト対策をさらに強化して取り組むべきではないかと考える。
そこで、資金貸付事業がより効果的な対策となるよう、就業継続をサポートする取組みなどきめ細かくサポートする仕組みを検討していくべきと考えるが、所見を伺う。
3 TPP関連対策における産地パワーアップ事業の効果について
昨年10月5日に大筋合意したTPPについて、本県の農林水産業への影響額は、政府の試算を基に算定すると5億円から8億円とされています。たた、TPPのあるなしにかかわらず、今後、経済活動のグローバル化が一層進展する中で、本県としては持続可能な農業を確立していく取り組みを継続して行っていく必要がある。
こうした中で、今回の補正予算では、TPP関連対策として「神戸ビーフ等輸出対応施設整備事業」30億円、「産地パワーアップ事業」7億円など、48億円の農林水産関係予算が計上されている。財源としては、財源は国庫が約30億円など特定財源が中心とはいえ事業に対する効果を明確に県民に示していくことが重要である。
たとえば農協、営農組合への支援を通じ、意欲ある農業者等の高収益な作物等への転換を図る「産地パワーアップ事業」を予算計上しているが、県民の関心も高いTPP対策ということもあり、将来の地域農業の姿を見据えた目標設定が必要である。
そこで「産地パワーアップ事業」では、生産者に対してどのような効果が、また消費者にとってもどういうメリットがあるのか。事業の推進にあたって期待される効果に対して所見を伺う。