議会の動き

予算特別委員会◆17年02月定例会

理  事 迎山 志保 議員(加古川市)

委  員 石井 秀武 議員(神戸市西区)

委  員 竹内 英明 議員(姫路市)

迎山 志保 議員

企画県民部② | 産業労働部 | 総括審査

石井 秀武 議員

健康福祉部 | 病院局 | 農政環境部 | 県土整備部 | 教育委員会

竹内 英明 議員

財政状況 | 企画県民部① | 公安委員会 | 県土整備部 | 企業庁

●企画県民部②

1 兵庫県・新長田合同庁舎整備事業について

(1)新長田南地区のにぎわい創出への効果に関するこれまでの議論の内容について

(2)区分買い取りをする理由と積算根拠について

(3)行政サービスの向上や業務の効率化等への寄与について

2 知事選挙について

(1)公職選挙法等改正による追加措置及び新たな取り組みについて

(2)知事選挙に向けた取り組みについて

全文

予算特別委員会(部局審査・企画県民部②)

質 問 者   迎山 志保 委員(ひょうご県民連合)

1 兵庫県・新長田合同庁舎整備事業について

この度、新長田駅南地区に県市関係機関が共同移転するための合同庁舎の整備に関して、約30億円程度を県が負担するという方向が打ち出された。
来年度にビルの工事に着手し、神戸総合庁舎の県民交流室と神戸県税事務所、西神戸庁舎の西神戸県税事務所、公社館の住宅供給公社神戸事務所、神戸クリスタルタワーに入居している神戸生活創造センター所属の約300名が、平成31年度から新たな庁舎で勤務するということになる。

(1)新長田南地区のにぎわい創出への効果に関するこれまでの議論の内容について

この事業については、一昨年、県議会神戸会から、新長田南地区への県の関係機関の立地の要望を行ったことは承知しているが、事業費の予定額が約30億円に上ることがその後明らかとなった。目を引く数字であるため、総合事業等審査会などにおいても議論がなされたと思うが、今回の県関係機関の移転が新長田南地区のにぎわい創出にどのような効果を与えるのかを問う。

(2)区分買い取りをする理由と積算根拠について

今回移転予定の組織のうち、賃料を支払っているのは神戸クリスタルタワーであり、その費用は年間約5,200万円ということである。
今回の事業費はこの賃料の実に60年分に該当するが、賑わいづくりという目的から言えば、賃貸で入居するということの議論もあったのではないかと思われる。そこで、区分所有買い取りということに落ち着いた理由と、この約30億という金額の積算根拠を問う。

(3)行政サービスの向上や業務の効率化等への寄与について

平成27年の知事、市長の共同会見では、知事は移転の目的として、賑わいづくりに加え、行政サービスの向上、業務の効率化等を強調されている。
今回の移転により、税務部門、住宅部門の県・市の事務所が一つの建物に入るわけだが、行政サービスの向上、業務の効率化等の面において、具体的にどのような効果が見込めるのか伺う。

2 知事選挙について

今年は知事選挙の年である。昨年は東京都のおかげで知事、地方議会がこれまでになくフォーカスされた1年となった。しかし、あれだけ連日メディアに取り上げられ話題になった東京都知事選挙、同日には4選挙区の都議会議員補選も同時に行われたわけであるが、その次票率は59.73%と6割を切っている。

翻って、わが兵庫県知事選挙。過去の投票率をみてみると、直近の4年前は参議院議員選挙と同日で53.47%、8年前は36.02%、12年前は33.33%。1986年(貝原知事1期目)からは、参議院選挙と同日投開票であった2001年(井戸知事1期目)、直近の2013年をのぞけば投票率はすべて30%台という低さである。この傾向はわが県だけではなく、最近行われた岐阜、岡山、富山、栃木の4県における知事選挙をみても同様である。

ただ、総務省もこの状況を看過していたわけではなく、平成26年5月には「投票環境の向上方策等についての研究会」を立ち上げ、ここでの議論、問題意識が昨年4月の公職選挙法及び国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の改正へとつながった。

この改正により、自治体に住む誰もが投票できる共通投票所の設置が可能になったほか、期日前投票で最大2時間の開始時刻前倒しや終了時刻延長が可能になった。また同行可能な子供の年齢も、幼児から18歳未満へと大幅に拡大された。

(1)公職選挙法等改正による追加措置及び新たな取り組みについて

今回の法改正により、期日前投票所経費の充実等のため、市町交付金のうち投票所経費の算定方法の見直しも行われたわけであるが、具体的にどのような追加措置がなされたのか伺う。
また、法改正後初の国政選挙となった昨年の参議院議員選挙で、県内自治体において、投票率向上に向け、これまでになかった新たな取り組みがあった場合は挙げて頂き、その実績や効果などについてあわせて伺う。

(2)知事選挙に向けた取り組みについて

昨年の選挙における課題なども踏まえ、今夏の知事選挙における投票環境向上にむけて県選挙管理委員会として、市町にどのような働きかけを行っていくのか伺う。

●産業労働部

1 ターゲットを明確にした観光施策について

(1)ひょうごツーリズムガイドについて

(2)ひょうごの魅力の発信について

2 ひょうごの酒のブランド化について

3 女性起業家支援事業について

全文

予算特別委員会(部局審査・産業労働部)

質 問 者   迎山 志保 委員(ひょうご県民連合)

1 ターゲットを明確にした観光施策について

(1)ひょうごツーリズムガイドについて

先日、16年の外国人の延べ宿泊者数の推計が8%増、7000万人に上るという新聞報道があった。近畿府県では和歌山県が22.4%の増加とめざましい伸びとのことで、最近の観光情報の収集のメインツールであるスマホでWAKAYAMAを検索すると、The Official Wakayama Travel Guideというサイトがヒットし、外国人観光客ニーズに特化した、かなり洗練されたデザインのものが構築されていた。京都、大阪はもちろんであるが、奈良、滋賀のサイトについてもスマホ専用サイトで外国語対応がされている。

一方、兵庫県は先の報道によると昨年は10.6%外国人のべ宿泊数が減ったということだが、同じようにローマ字で検索してみた。すると県の観光ポータルサイトであるひょうごツーリズムガイドについては英語版での対応はなく、トップ画面は開催中の直近イベント、「中播磨地域 越知川名水街道春物語」というサイクリングイベントはじめ一覧で並んでおり、その内容をよく見てみると、姫路城の案内があると思えば、プレミアムフライデーの神戸市内でのワークショップ開催のお知らせなど生活情報的なものも掲載されているなど、正直、誰を対象にしているのか分からないHPとなっている。オールインワンの情報発信を目指されているのかもしれないが、かえって利用者にとって知りたい情報を入手しにくいものになっているのではないかと危惧している。また多言語対応出来ているのはPC版のみで、それをスマホで見ようとするとこの上なく見づらい。そこで、現在の兵庫県の観光サイトに対する認識について伺う。

(2)ひょうごの魅力の発信について

ひょうごの魅力として、県行政においてはさまざまな場面で「五国の多様性」がアピールされている。ひょうごツーリズム戦略においても、策定にあたっての基本的な考え方となっている。ただ、私が住民の方に「ごこくって何を思い浮かべますか?」と聞くと、一番多いのは五穀米。ついで神社。ひょうごの五国といってもピンとこない人の多さに、行政の中で慣れ親しんでいる言葉が巷間そうとも限らないことを思い知る。折しも県政150周年が近づく中、今回の予算特別委員会においても、兵庫県の成り立ちに関わる議論も出たところである。

「五国」について、県民に知ってもらうことは必要で意義あることだと思う。しかしながら、ターゲットを絞らずに、県外、海外へ五国の兵庫をベースにPRを行っても効果的な観光施策とは言えないのではないか。その点、このたび五国から絞り込んだゴールデンルートの設定により、インバウンド客を誘致するという施策を打ち出されていることについて、明確なターゲットを設定している点を、私は大変評価している。インバウンド客とともに、国内観光客、県内交流人口の増加も大きな課題だ。ひょうごの魅力をより効果的にそれぞれターゲットへ届ける取り組みの必要性について、当局の所見を伺う。

2 ひょうごの酒のブランド化について

先日、ウグイス色のラベルに、35.037,135.024という数字が刻印された日本酒をいただいた。この数字は緯度経度を示しており、航空写真を選んでネット入力すると、そこに広がるのは黒田庄町の田んぼである。名古屋の萬乗醸造「醸し人九平治 黒田庄に生まれて」という海外でも名が通っているというお酒である。九平治は兵庫の山田錦を高く評価しており、契約農家の高齢化を機に農業法人アグリ九平治を設立し今は約4ヘクタールの土地で若い醸造家が酒米作りに従事している。彼らは半年をこの黒田庄で過ごし、半年は名古屋で酒づくりをしているという。

兵庫は全国の醸造家が所望する酒米の王様山田錦の一大産地であり、水にも恵まれ、高い技術をもった丹波、但馬杜氏もいる。まさにワインで言うところのブルゴーニュ地方のような価値があると思う。ところが酒造りの環境としてこれほど恵まれながら、ブランド化、価値の最大化が出来ているとはいえず、清酒消費に関する資料を見ると、全国に占める出荷量が33%なのに対して出荷額の割合は26%と低い。

現在県では日本酒の振興のため酒造組合に対して補助金を支出しており、その多くが、国内、国外への見本市出展などに使われている。しかしながら比較優位のある地域固有の産業としてひょうごの酒の価値を改めて定義づけし、さらに価値を高めて多くの人に選ばれる取組が必要であると思う。日本酒は国酒と呼ばれる割には、平成26年度の調査では全国で酒類全体に占めるシェアは6.7%にとどまっており、本県の場合も同様である。酒所としては寂しい数字である。そこで様々な機会を通じ地元の酒を知ってもらい、県内消費の拡大につなげていくべきではないか。当局の所見を伺う。

3 女性起業家支援事業について

兵庫県では女性が県内での起業や第二創業を行おうとする際に、事務所開設費や初度備品費、広告宣伝費等の必要経費への補助を行う「女性起業家支援事業」を行っている。

この事業は平成25年度に始まり、4年で申請は579件に上り、補助対象として採択された件数は123件と、大変人気を博している。

私も女性起業家の方と話す機会があるが、生きがいを持って活動され、バイタリティを感じさせる方が多い。しかしながら経営上の知識が不足し、自転車操業に陥っている場合が多い上、シニアの起業に比べ、人脈が限られている場合が多いことから、そのときどきの課題を相談できる相手がおらず、問題解決が進まないケースも見受けられる。

そこで、県としては、起業を持続可能なものとするため、研修の機会や相談窓口への円滑な案内、人脈づくりのためのシニア起業家や企業関係者との情報交換の場づくりなどにより、さらに支援していく必要があると思うが、当局の所見を伺う。

●総括

1 財政運営の考え方について

2 県と市町の関係について

3 待機児童問題への県の取り組みについて

4 地域活力向上につながる女性の起業支援について

5 ひょうごアドプトの活性化について

6 病院局の予算編成の考え方について

7 優秀な教員の確保について

8 大規模災害発生時における災害警備態勢の確保について

全文

予算特別委員会(総括審査)

質 問 者   迎山 志保 委員(ひょうご県民連合)

1 財政運営の考え方について

本県の実質公債費比率は、新行革プランを開始した平成20年度単年度で21.0%であったが、平成28年度見込みでは15.1%と大きく改善した。一方、将来負担比率は同じく20年度で360.1%であったのが、28年度の見込みで329.2%とそれほど改善せず、残念ながら全都道府県の中でワースト1位のままの見込みである。

一体何が原因で、この2つの指標に差が生じたのか。これは、実質公債費比率が一定期間内の予算における公債費の占める割合、つまり県債償還に充てた比率を示すフロー指標であるのに対し、将来負担比率はある時点における負債の量を示すストック指標であるという、指標の性質の違いによる。

また、フロー指標である実質公債費比率とストック指標の将来負担比率は、その指標の算出方法、特に負債の補足範囲が異なるため、一定の差違が出るのはやむを得ないが、それにしても差が大きい。

我が会派ではこれまで、将来に負担を先送りしない財政運営を繰り返し求めてきた。その結果、このたび実質公債費比率にも今後影響する一般会計と企業会計の貸借関係の公表や整理、土地・美術品の県債管理基金計上の解消などが、知事の判断により実現されることとなった。これは負債解消に向けた取り組みの前提条件となる、より正確な財政状況の明示につながるものとして評価するが、いまだ県有環境林等特別会計の活用などの課題があることは部局審査でも指摘したところである。

そこで、将来人口の減少が確実な中、負担の先送りにさらに厳しく対処するため、ポスト新行革プランにおいてはこれまで以上にストック指標を重視し、高い目標を設定することが必要だと考えるが、所見を伺う。

また、ポスト行革での本県は、震災から20年以上の時を経て、一定の財政目標を達成した状態、つまりある程度の体力を回復して次なる課題に臨む状態といえる。その際、「震災関連県債は、県が償還しなければならない負債であるというのは、厳然たる事実である」という認識を示すとともに、今後はその償還にあたって、より健全な財政マインドで取り組むという強い決意を示す必要があると考える。ついては、同じくポスト新行革プランではこれまでプランの財政運営の目標に記載してきた、「震災関連県債残高を除く」という表記をとりやめることを提案するが、あわせて所見を伺う。

2 県と市町の関係について

県は広域的自治体、市町は基礎的自治体として、それぞれの役割を果たす。この考え方は、今回の最終2カ年行革プランの中でも、鳥獣被害対策事業やバス対策費補助等の見直しを通して、県の考え方として明らかとなっている。

一方で県は地方自治法において、「広域にわたるもの、市町村に関する連絡調整に関するもの及びその規模又は性質において一般の市町村が処理することが適当でないと認められるものを処理するものとする」と規定されているとおり、広域的な政策課題への対応が求められるとともに、市町へ一定の支援を行うことが期待されている。そして、その市町への対応や支援の実施にあたっては、県民の納めた税金を使うという意味でも、また各市町の事情を考慮しつつも県内でバランスの取れた施策効果を発揮させるためにも、ある程度の「合理的な公平性」が必要であると考える。

このたび県は、新長田駅南地区や兵庫津の賑わいの拠点づくりに積極的に関与していこうとしている。神戸の賑わいが、県全体の賑わいにつながることへの期待も大きいことから、例えば、商店街空き店舗対策事業の拡充や、県政150周年記念にかかるソフト事業の展開・推進については理解する。しかしながら神戸の街の賑わいづくりのため、新たに30億円を庁舎整備に充てることには、税の使途や他の市町とのバランスの面からして、合理的な公平性についての懸念を感じざるを得ない。

そこで、県が市町に財政的支援を行うにあたっての考え方について、当局の所見を伺う。

3 待機児童問題への県の取り組みについて

待機児童問題が解消しない。今や多くの自治体が血道を上げて取り組む事業の一つとなっているが、実はこの問題はここまで大きな社会問題になる相当以前から課題と捉えられてきた。

しかし本当に困っている当事者も、困りながらもその数年を何とかやり過ごし我が事でなくなれば、また新たな子育て課題が待ち構えていることもあり、待機の問題に意識を持ち続け声を上げ続けることもなかったことから、長きにわたって進展がなかったのではないかと思う。

県でも平成21年度から安心こども基金を活用して待機児童対策に取り組んできた。そのうち保育所緊急整備事業に限っても、当初予算と補正予算の総額は平成21年度~28年度で333億円であったが、各年度2月補正で減額され、その減額の合計額は104億円であった。皮肉にも今後、少子化がさらに進むことで施設の余剰が見込まれることから、市町や事業者が簡単に事業に乗り出せないという事情があることも一定理解する。

しかし、この保育所待機、学童待機は、これから結婚しようという人や子供を持とうと考えている夫婦にも非常にネガティブな影響を与えているということは看過できない。マスコミなどで、炎天下、生れたばかりの子供を抱えて、10か所、20か所と保育園をまわる母親の姿や不承諾通知に打ちひしがれる姿、子どもが小学生になるや退職・転職を余儀なくされる姿が取り上げられるのを見るにつけ、この国の子育て環境の厳しさを実際以上に大きなものとして捉えている。これだけ少子化による社会への影響が指摘され、人口対策が最大の課題であると認識されているのに、手をこまねいている今の状況を歯がゆく感じる。

待機児童対策が難しい理由として、女性の社会進出が進む中、保育所や学童が整備されると、さらに子どもを預けて働く母親が増えるという、供給と需要がいたちごっこになることへの指摘もあるが、人口減少社会が進む中、県は女性の労働力へも大きく期待しており、互いを言い訳にすることなく両輪で進めていくほかない。

県はまさにその覚悟が問われている。少子化対策としては、待機問題の他にも働き方の変革による長時間労働の是正、父親の家事育児共有、さまざまな側面から考えていかなければならないが、これらの環境整備は価値観の問題でもあり、どのような状況になれば問題が解決したと言えるのかが難しい。

また意識変革は家庭や企業の働きかけによる部分が多く、行政だけの取り組みでは、効果が限定的である。その点、待機児童解消は目標が明確である上、取り組みの主体が行政であることもはっきりしている。そこで、子育て施策の本気度の物差しともなる待機児童対策への県の所見を伺う。

4 地域活力向上につながる女性の起業支援について

日本政策金融公庫総合研究所の2013年度新規開業実態調査の結果をみると、起業直前の仕事について男性の6割が「会社や団体の常勤役員」や「正社員・管理職」であるのに対し、女性は3割程度で、「専業主婦」や「非正規社員」も同程度の3割を占めている。

女性の起業をめぐっては、ビジネス経験や人脈が不十分なため意気込みとはうらはらにスタート地点にさえ立てなかったり、起業直後に資金繰りなどで挫折するケースも少なくない。そこを支援する県の「女性起業家支援事業」は先の部局審査でも大いに評価し、事業継続につながる持続的なサポートについても来年度以降積極的に取り組んでいかれるとの答弁を得た。

加えて、先の同調査では女性には「年齢や性別に関係なく仕事がしたい」という特有の開業動機がみられ、組織の枠にはまらずチャレンジしたいという姿勢がみてとれる。特に、最近では男性と同様に組織で鍛えられたキャリア女性の層が厚くなり、自分の望む生き方をしようとする中で起業が選択肢の一つと捉えられ始めていることを周辺でも感じる。日々の暮らしで向き合う社会的な課題を解決しようとする社会起業家も増えているが、ビジネスとして軌道に乗せることの壁は想像以上に厚い。

女性特有の自身への過小評価も事業拡大の手枷足枷となっている。「女性ならでは」のきめ細かい支援をすることで、女性それぞれが望む形で活躍できるものと考える。生活に密着した小商いも、女性視点の課題解決型起業も、海外を視野に入れた展開も、地域活力向上へ寄与する部分が大きい。ステレオタイプにはまらない女性活躍支援は地域創生の核にもなりうると考える。県のさらなる後押しを期待するが、所見を伺う。

5 ひょうごアドプトの活性化について

県土整備部の部局審査でも県管理の道路、河川、街路樹などの維持管理について質疑があった。安全に長期間にわたって公共物を利用するために欠かせない視点である。維持管理については、以前は行政によるメンテナンスが手厚く行われていたのに、近年回数が減ったり、その内容が満足いくものではなくなったというのはよく聞く話である。

以前の記憶が前提となり現状に不満を感じている県民が多いのが実情だが、厳しい財政状況やマンパワー不足から一定やむを得ないものと考えている。だからといって、植栽をコンクリートで埋め立ててしまったり街路樹を軒並伐採すればいいのかというと、それは違うというのもまた多くの県民の思いである。

そこで、維持管理の中でも、行政の手によって計画的な管理が必要なものと、市民による手入れが可能なものとに改めて整理し、適材適所の維持管理を進めていく中で、アドプト活動の推進、参画と協働のさらなる深化を目指してはどうだろうか。

今定例会の我が会派の代表質問でも、人口減少社会における社会の担い手づくりの必要性について指摘したところであるが、公共財の効率的な維持管理を県民一丸で担うという観点に立ち、個人の生きがいづくり、地域への愛着や連帯意識の醸成、企業の地域貢献、教育的効果なども期待できるアドプト活動のさらなる推進に向け、維持管理項目の整理を行い、県民の手で責任を持って担える分野については積極的に委ねていくべきであると考える。現状、高齢化や後継者不足などの課題を抱えているアドプト活動であるが、活動の方法を見直したり、価値を認識し直すことにより、新たな担い手を確保することができるのではないか。そこで、公共の財産を守る一翼としてのアドプト活動に、さらなる県民の参画と協働の可能性を広げることについての県の所見を伺う。

6 病院局の予算編成の考え方について

病院局の平成29年度予算では、経常損益で2億円の黒字を見込んでいる。実に3年ぶりの黒字予算となる。これは、建替移転に伴い一時的に収支が悪化した尼崎総合医療センターやこども病院の経営安定化を図るとともに、地域医療連携の推進や救急患者の積極的受け入れによる新規患者の確保による収益の確保や費用の抑制に努められた結果とのことで、評価できる。

ただ、我が会派が注目しているのは、この当初予算編成時の黒字が、補正予算を経て決算で赤字化しないかということだ。これは以前から指摘していることであるが、給与の改定や資産の減耗、土壌の汚染対策等、経営上の変動要素に対して、適切な予算計上が行われていないことにより年度途中に多額の追加負担が起こる問題である。予算は会計の実態により近いものを提案すべきである。

地方公営企業法では、独立採算制が原則とされているが、県立病院が果たす公共の福祉の役割を考慮し、収益的収支で155億円の一般会計からの繰入金、すなわち患者以外にも広く納税者負担を行った上での予算となっている。そのような状況下で、県立病院を持続的に経営していくためには実態に即した予算が大前提となると考える。

そこで、病院局の予算編成にあたっての考え方及び来年度の決算における黒字確保の見通しについて、所見を伺う。

7 優秀な教員の確保について

近年、教員という職業には、そのやりがいや崇高さよりも、勤務時間の長さに加え、保護者対応やいじめ不登校への対応といった業務の幅広さや難しさというネガティブな勤務環境のイメージが先行しているように感じる。以前と比べ当然のように尊敬される存在ではなくなり、保護者によって序列が付けられる「サービス」職的な色合いが強くなってきていることも、やりづらさを感じさせる原因になってはいないかと大いに懸念している。実際、保護者・地域との対応に起因している休職者も多いと聞いている。

このような状態が続けば、教員を目指す優秀な若者が少なくなってしまうのではないだろうか。現職の教員から自分の子供に自信を持ってこの道を薦められないとお聞きしたこともあり憂慮している。

しかし当然ながら教員一人一人は教育力の要であり、教員が子ども達に与える影響は大きい。優秀で幅の広い人間性を持った人物に、教員になってほしいと願うのは当然のことだ。県では平成27年度に実施した教員採用試験から出願資格を満45歳から満49歳に引き上げられたが、有為な人材の確保及び資質の向上方策にどのように取り組んでおられるのか伺う。

また、教員の中でも管理職は、学校運営に必要なリーダーシップを発揮するとともに、教職員全体の士気を左右し、学校の雰囲気づくりにも大きな影響を及ぼす存在である。最近ではその管理職、特に教頭の多忙化が著しく、勤務時間が非常に長くなっていることから、志願者が少なくなっていると聞いているが、県における管理職確保の状況、課題なども併せて伺う。

8 大規模災害発生時における災害警備態勢の確保について

近年の他県での大災害発生時の県警察の支援体制の立ち上がりの速さ、的確な応援は本当に誇らしく全国屈指のその活躍に敬意を払う。阪神・淡路大震災以降の様々な経験をふまえた、以降の支援の中でも災害に備えることの意義を十分に感じておられることと思う。

本定例会代表質問における、我が会派の「災害時のスムーズな交通確保」についての質問に対して「被害想定に基づいて警察官を配置すべき交差点や所要の人員を定めている」と答弁があった。緊急道路網の確保だけでも相当な数の人員が必要かと想像するが、県下での発災となると、救命活動、避難誘導、被害状況や危険箇所などの情報確認などその他にも大勢の警察官の活動が必要となる。

つまり、交通路をしっかり確保した上で、特に勝負と言われている72時間以内にどれだけの警察力を確保出来るのかが重要だ。他府県の支援が十分に得られないであろう大規模な南海トラフ地震や、自県での大規模災害時、まずは自前でどれだけの警察力を確保できるのか、災害レベルに応じた検証を行い、ハード面、ソフト面の整備を積み上げておくことが必要になる。

ハード面では、今議会の上程議案に警察待機宿舎の存置が記載されているが、その約7割は建設後40年を経過し老朽化が進んでいる状況である。現在約700世帯が住まわれているが安全性はどうなのか。必要に応じて整備を行っていかなければならない。

あわせてソフト面では、現場活動をする警察官を集合させる方法や、参集した警察力の効果的な運用、配分などにかかるマニュアルの整備が欠かせない。加えて、現場活動のための訓練の実施も必要となるが、大規模災害に備えた、警察の災害警備態勢の確保について、当局の所見を伺う。

迎山 志保
加古川市

●健康福祉部

1 本県の健康づくりの推進について

(1)健康づくり推進プランの改定について

(2)健康寿命の延伸に向けた今後の取組について

(3)ロコモティブシンドローム対策について

2 残薬問題対策について

3 ひょうご孫ギフトプロジェクトについて

全文

予算特別委員会(部局審査・健康福祉部)

質 問 者   石井 秀武 委員(ひょうご県民連合)

1 本県の健康づくりの推進について

(1)健康づくり推進プランの改定について

県民が健康で、元気に生活するには、食生活や運動など健康的な生活習慣が必要不可欠です。平成27年2月定例会の一般質問で、私は、「県民の健康増進等による元気な兵庫の実現」について質問し、金澤副知事から「個人のみならず、地域や職場で健康づくりの実践の輪が広がるよう、健康情報の積極的な発信と健康ひょうご21大作戦の展開により、健康寿命の1年延伸の実現を目指す」とのご答弁をいただきました。

県では、平成23年に健康づくり推進条例を制定し、翌24年には、健康づくり推進プランを策定し、県民の健康づくりを総合的に推進してきました。そして、今定例会で第2次プランが議決されました。この間、本県においても受動喫煙防止条例が施行されるなど、県民の健康づくりを推進するにあたり、その社会情勢は大きく変化しています。

そこでまず、健康づくりにおける現状と課題は何か、またそれらを踏まえ、今般の第2次健康づくり推進プランの改定にどう取り組んだのか、お伺いします。

(2)健康寿命の延伸に向けた今後の取組について

本県の平均寿命と健康寿命は、いずれも伸びていますが、その差は、縮まっていません。これは、全国的にも同様の傾向にあります。

(県  H22 男1.38歳/女3.07歳 → H25男1.42歳/女3.08歳)

(全国 H22 男1.47歳/女3.23歳 → H25男1.49歳/女3.24歳)

急速な高齢化に伴い、要介護状態の人も増加し、2025年には約39万人に達する、認知症高齢者も約30~35万人になると見込まれています。また、要介護に至る原因としては、生活習慣病と高齢に伴う認知症、身体機能の低下の割合が多くなっています。

平成29年度当初予算においては、新規事業として、医療ビッグデータを活用した健康づくり支援の事業が計上されていますが、健康づくり推進プランの改定を踏まえ、健康寿命を延伸させ、平均寿命との差を縮めるために、今後どのように取り組んでいくのか、ご所見をお伺いします。

(3)ロコモティブシンドローム対策について

ロコモティブシンドロームは、第2次プランの「運動習慣の定着」の中で方針が示されていますが、忙しい働き盛り世代は運動不足になりがちです。推計患者数は、予備群も含めると、全国に約4,700万人いると言われており、40歳以上の男女の5人に4人が、ロコモ及び予備群と推定され、将来的に要介護者になる可能性が指摘されています。加齢とともに忍び寄るため、体力の低下が始まるとされる40代後半を前に対策を講じることが有効とされており、健康寿命の延伸に極めて重要と考えています。

ロコモティブシンドローム対策については、平成25年度の予算特別委員会において、「メタボリックシンドロームに比べてその認知度が低いことなどから、認知度の向上も含めて、スピード感と危機感を持って取り組むべき重要課題である」と指摘しました。

そこで、指摘から4年が経過し、今回、第2次の健康づくり推進プランを策定されるが、ロコモティブシンドロームの予防に向けた働き盛り世代の運動習慣の定着について、これまでの取組の成果をどのように評価されているのかお伺いします。

2 残薬問題対策について

医師から処方された薬を大量に飲み残してしまう「残薬」は、患者の健康に悪影響を与えるとともに、医療費も無駄になります。飲み忘れや、自己判断での服用の中止など理由はいろいろ考えられます。処方どおりに服用せずに症状が回復しなければ、医師はその薬は効果がないものと判断し、より強い薬を出し、その結果、患者の健康を害する危険があります。日本薬剤師会の2007年の調査では、75歳以上の残薬の薬剤費は全国で475億円と推計されています。

残薬の確認は、薬剤服用歴管理指導料として、従来から保険調剤報酬の対象業務とされています。加えて、今年度から、「かかりつけ薬剤師・薬局」には、かかりつけ薬剤師指導料が保険調剤報酬で創設され、患者が自分の担当の薬局薬剤師を選択できるようになりました。さらには、健康サポート薬局の届出も始まっています。これらの制度が定着すれば、複数の医療機関からの処方せんをかかりつけ薬局で、一元的に管理することでき、調剤の重複防止に繋がると大いに期待しています。

厚生労働省の発表によると、昨年度末現在の全国の薬局の数は、5万8千軒を超えており、依然として、コンビニエンスストアの店舗数(日本フランチャイズチェーン協会加入の大手8社の店舗数の合計数(28年12月現在54,501軒))を上回っています。このように非常に身近な存在である薬局が、「かかりつけ薬剤師・薬局」として十分に機能を発揮するよう、例えば、在宅患者の服薬状況に応じた処方の変更等の医師への提言や、訪問による服薬指導などが推進されるよう取り組んでいただきたい。

そこで、残薬問題についての県の現状認識と、今後の薬局薬剤師を活用した残薬問題に対する取組方針をお伺いします。

3 ひょうご孫ギフトプロジェクトについて

本県では、平成28年9月から、「ふるさとひょうご寄附金」に5万円以上の寄附をした方の孫や子どもに、県内企業が作った子育てギフトを贈るとともに、その寄附金で県内の私立保育所等に、県産木材の玩具を贈る「ひょうご孫ギフトプロジェクト」を行っています。

その実績を見ると、2月までの半年間に39人から2,344,000円の寄附があり、内訳は、県外からは5人、350,000円と少なく、県内からは34人1,994,000円と約9割を占め、これらは本来税として入ってくるべきものです。そして、寄附金の約1割が返礼品の購入に充てられます。

そもそもふるさと寄附金の本質は、経済的な見返りを求めない寄附金であり、過度な返礼品は制度の趣旨に合わないというのが県の考え方で、私もそのように考えています。

「ふるさとひょうご寄附金」は、応援メニューとして、平成29年度からは16プロジェクトを設けていますが、そのほとんどが、児童養護施設等で育つ子どもの応援や県立学校の環境充実のように、県が行う事業を財政的に後押しするものです。

しかしながら、「ひょうご孫ギフトプロジェクト」は、寄附をした人の孫や子どもを対象に、子育てグッズではありますが、税を使ってギフトを贈るという内容であり、どのような効果が期待できるのか。一部の自治体が、多くの寄附金欲しさに返礼品を贈呈し、それを目当てにふるさと納税を行う寄附者が増えていることが問題視されていますが、これと変わらないのではないでしょうか。

さらに、県下900の保育園等に玩具を贈るとのことですが、返礼品代やPR経費等を考えると、各施設へ届ける玩具は微々たるものです。また、県として実施すべき事業か疑問です。

そこで、「ひょうご孫ギフトプロジェクト」は、来年度も実施する方向ですが、事業効果をどのように考えているのか。また、今後とも事業を継続していく意義について、ご所見をお伺いします。

●病院局

1 神戸陽子線センター(仮称)について

2 県立こども病院の跡地利用について

3 新県立病院改革プランについて

(1)プラン策定にあたっての考え方とビジョンについて

(2)医師確保対策について

全文

予算特別委員会(部局審査・病院局)

質 問 者   石井 秀武 委員(ひょうご県民連合)

1 神戸陽子線センター(仮称)について

ポートアイランドにおいて整備が進められてきた新たな粒子線治療施設、「神戸陽子線センター(仮称)」の開設が今年12月と、いよいよ近づいてきている。平成27年10月に着工した建設工事は着実に進んでおり、当初計画どおり、今年8月の竣工が見込まれている。

県内では、地方公共団体初の粒子線治療施設である「県立粒子線医療センター」が、平成13年にたつの市に開設され、これまでに7,000例以上の治療を行っている。今回開設される神戸陽子線センター(仮称)は、その附属施設として、豊富なノウハウを活かし、小児から成人まで、あらゆる年代の患者に治療を提供する予定とお聞きしている。

粒子線治療は、がん細胞にピンポイントで照射するものであり、周辺の正常な細胞へのダメージが少ないことから、身体への負担が少ない治療法と言われる。

特に、発育・発達障害や二次がん等、生活を脅かす副作用リスクが高い小児がん患者にとっては、極めて有効な治療法であり、昨年4月からは「小児腫瘍に対する陽子線治療(粒子線治療の一種)」が保険適用となった。また、小児腫瘍への治療を特徴とする本格的な施設としては西日本初ということもあり、神戸陽子線センターへの期待はかなり高いと思われる。

そこで、隣接する県立こども病院との連携も含め、がんに苦しむ幼い患者及びその家族の期待にどう応えていくのか、当局の所見を伺う。

2 県立こども病院の跡地利用について

神戸陽子線センターとともに小児がん患者の治療を行う県立こども病院は、去年5月にポートアイランドへ移転しているが、今回は、須磨区のこども病院跡地について質問したい。

旧こども病院の跡地利用については、平成27年4月に、医療の提供等を行う事業者の公募を実施したが、同年9月には、「条件を満たす提案が得られなかった。」「今後、跡地の周知や、募集条件の見直し等を検討した上で、再度公募を実施する予定」と公表されており、その再公募は、現時点でまだ行われていない。

医療の提供等、前回公募時の要件は、地域の要望を踏まえ決定されたものと認識しており、今後行われる再公募の際の要件も、地域の意向を十分に踏まえたものとしなければならないが、一方で、医療関係事業者と限定すると、圏域内のベッド数(許可病床数)の制約があり、また、診療報酬改定等、医療独自の、経営見通しが立てづらいという要素があることから、事業者を跡地に呼び込むことのハードルが高くなると思われる。

新行革プランでは、「移転跡地については、資源の有効活用を図るため、基本的には売却する。」と明記されており、跡地管理の問題上、出来る限り早期に売却を図る必要があると考える。

そこで、「医療の提供」等前回の公募要件に反映される地域の意見・要望と、早期の跡地売却を両立させていくため、今後どのような再公募を行おうとしているのか、当局の所見を伺う。

3 新県立病院改革プランについて

(1)プラン策定にあたっての考え方とビジョンについて

県立病院が果たすべき役割を継続的に担うことができるよう、この3月に新県立病院改革プランが策定される。

今回のプランの対象年度は、平成29年度から32年度となるが、この期間中には、全国共通の事象である高齢化のさらなる進行、現在平成31年度10月に予定されている消費税増税、平成30年度の保健医療計画の改定に加え、本県独自の要素として、先ほど質問した神戸陽子線センター(仮称)の開設、柏原病院の統合再編整備が控えている。病院施設の新設、再整備となると、収支面で、尼崎総合医療センターの開設時ほどには影響は出ないかもしれないが、人件費や移転等の経費の増に加え、患者調整による減収等が予想される。

そこで、このような条件を見据え、現在どのような考え方で、プランを策定されているのか伺いたい。あわせて、このプランの先にどのような県立病院としてのビジョンをお持ちなのか、伺う。

(2)医師確保対策について

県民に選ばれる県立病院となるためには人材、特に優秀な医師の確保は大前提である。前回のプランでも、医師確保対策の推進は一つの柱と位置づけられている。しかしながら、平成25年度からの3年間を見ても、毎年30名以上の医師が他病院への流出や開業等により退職している。

このような事態を少しでも防ぐため、私は魅力ある環境の整備が重要であると考える。前回のプランでは、マグネットドクターの確保や医療秘書の配置拡大、給与の見直し等が対策として記載されているが、これまでの取り組みに対する評価とあわせ、新プランではどのような取り組みを新たに検討されているのか伺う。

●農政環境部

1 養殖経営の強化について

(1)新たな養殖業の現状と課題について

(2)今後の養殖業の振興について

2 都市近郊の立地を活かした施設野菜の生産拡大について

(1)県が開発したオリジナルイチゴの普及状況について

(2)低コスト環境制御技術の開発・普及について

3 農地の有効活用につながる農協の取り組み支援について

4 五色沖の洋上風力発電の導入について

(1)洋上風力発電の導入支援について

(2)洋上風力発電導入に係る課題への対応について

全文

予算特別委員会(部局審査・農政環境部)

質 問 者   石井 秀武 委員(ひょうご県民連合)

1 養殖経営の強化について

(1)新たな養殖業の現状と課題について

瀬戸内海に春を告げるイカナゴのシンコ漁が3月7日に解禁されました。今年は県水産技術センターが不漁傾向を予測していますが、釜揚げやくぎ煮が季節の味として、また、文化として沿岸地域で定着しており、資源管理が重要と感じています。

本県は、近畿地方の生産額の約3分の2を占める漁業の盛んな県でありますが、漁獲量の減少や魚価の低迷、燃油や資材の高騰など経営環境は厳しい状況にあります。

このような中、経営安定をめざし、従来からノリやカキの養殖に加え、アサリ、サーモン、さらにはアカウニなど新たな品目へ積極的にチャレンジされていると聞いており、先頃も淡路島サクラマスのご当地メニューのお披露情報が報道されていました。

そこで、まず、最近の新たな養殖への取り組み状況についてお伺いします。

(2)今後の養殖業の振興について

魚貝や藻類は、まだまだ生態がよく分からない場合や、育成技術の開発が研究途上のものも多く、新たな養殖業が確立するためには、優良品種の育種、種苗の生産、養殖の技術開発など、技術面で研究機関との連携が不可欠です。

また、新たな養殖業をビジネス化していくためには、生産のみならず、流通形態、食べ方、価格帯、客層のターゲットなど、流通・消費まで見通した方針を持って取り組むことが重要で、その方針のもとで、経営への取り組みを誘導し、その普及を図っていく必要があります。

このような観点に立って、今後、養殖業の振興にどのように取り組んでいくのか、当局のご見解をお伺いします。

2 都市近郊の立地を活かした施設野菜の生産拡大について

(1)県が開発したオリジナルイチゴの普及状況について

施設野菜の生産拡大を進める、つまり儲かる経営を実現していくためには、①付加価値の高い商品の生産で売り上げを拡大する、②生産コストの低減や生産性の向上を図る、などが考えられます。

付加価値の高い商品としてオリジナル品種の開発がありますが、兵庫県では、農林水産技術総合センターがイチゴの新品種を開発し、2015年2月に「あまクイーン」、「紅クイーン」の愛称を決定するとともに、2020年に7haの栽培面積をめざしています。

この品種の開発は、本県農産物のブランド化を図るためにも重要で、応援してきた者の一人として大きく期待しているところですが、愛称決定から早2年が経過しました。

その後、「あまクイーン」、「紅クイーン」の生産拡大が進んでいると思いますが、その状況と今後の取り組みをお尋ねします。

(2)低コスト環境制御技術の開発・普及について

生産コストの低減や生産性の向上を図る点から、環境制御技術の導入が注目され、本県でも、2015年7月、加西市にオランダ式の大規模環境制御温室が完成し、1年余りが経過しました。

約4ha規模で事業費は20億円を超えており、10a当たり投資額は5千万円、30a規模では1億円を軽く越えてしまいます。施設野菜は露地に比べて投資額が高くなりますが、施設園芸のモデルとしても投資額が大き過ぎないか。

大規模温室ほどでなくても、もう少し少額投資で生産性が向上するなら、既存の多くの農業者にも取り組みやすいものとなり、経営改善につながる可能性があります。

そこで、既存の施設に簡単な改善を行い、生産性を向上させる方法が工夫できそうに考えるがどうか。

3 農地の有効活用につながる農協の取り組み支援について

農地の集積・集約化を進める農地中間管理事業においては、集落営農法人や大規模農業経営者を中心に約3,000haの農地が貸し付けられていますが、新たに農業を始めたい、規模を拡大したいという方の借り受け希望は1万ヘクタールを超えています。

一方で、耕作放棄地面積は農林業センサスベースで2015年は6,908haで、5年前より約1,000ha増えており、農地の流動化、有効活用がまだまだ進んでいません。

このような中、農協が出資して法人を立ち上げ、組合員の農作業の受託や経営の受託、さらには直接農業経営にまで乗り出す動きが目立ってきました。県下に9法人あり、今後の活動に大いに期待するところでありますが、経営体力が弱く、また、組合員から条件不利農地の利用を余儀なくされているような状況もあります。

折しも農業委員会改革や農協改革が進められていますが、農地の有効活用についても、地域の耕作条件や作付け事情に精通した農業者の協同組織である農協がさらに役割を果たしていく必要があります。

そこで、農業の担い手の一翼として、農地の有効活用に取り組む農協の活動をさらに支援していく必要があると考えるがどうか。

4 五色沖の洋上風力発電の導入について

(1)洋上風力発電の導入支援について

本県では、2030年度の温室効果ガス削減目標と再生可能エネルギーの導入目標などを盛り込んだ兵庫県地球温暖化対策推進計画を検討しているところです。

こうした目標を実現するため、特に再生可能エネルギーの導入拡大のためには、太陽光発電に偏らず、風力・小水力・バイオマス発電など多様な再生可能エネルギーの導入が必要であることは理解できます。

一方、この2月定例会に「太陽光発電施設等と地域環境との調和に関する条例」を上程し、太陽光発電施設による景観、眺望の阻害、太陽光パネルの反射光による住環境の悪化等によるトラブルを防ぐため、一定の規制をかけることとしています。

来年度、洋上風力発電の導入促進として、環境省公募事業における洋上風力発電の適地抽出モデル地域に選定された洲本市五色沖の洋上風力発電について、具体化に向けた検討調査事業を支援するとしています。

そこで、いま、なぜ、この地域での導入支援が必要なのか、県として導入の意義をどのように考えているのか。また、県が支援する以上、今後、他の地域への導入の可能性はあるのか、ご所見をお伺いします。

(2)洋上風力発電導入に係る課題への対応について

五色沖の洋上風力発電の導入により、温室効果ガス削減に効果があること、また、それにとどまらない波及効果が期待できることは一定理解できますが、洋上風力発電には、景観との調和や地域の理解、特に漁業者との調整などが不可欠であることや、洋上ゆえに津波に対する安全性確保など、多くの課題があると考えます。

そこで、このような課題に、どのように対応するつもりなのか、当局のご所見をお伺いします。

●県土整備部

1 県立明石公園について

(1)明石城築城400周年を迎える公園のあり方について

(2)県立明石公園球技場兼自転車競技場について

2 大規模自転車道について

(1)大規模自転車道の維持管理補修について

(2)大規模自転車道の利用促進について

全文

予算特別委員会(部局審査・県土整備部)

質 問 者   石井 秀武 委員(ひょうご県民連合)

1 県立明石公園について

(1)明石城築城400周年を迎える公園のあり方について

県立明石公園は、来年の平成30年に県立公園開園100周年、平成31年には明石城築城400周年という大きな節目を迎えます。

この節目を控え、県では来年度、明石城千本桜の若返りに着手し、新たな桜の見どころづくりを進めるとともに、明石城築城400周年記念のPRを実施することとしています。しかし、私は、もっと根本的な公園のあり方を検討すべき時であると考えています。

明石公園は、文化財保護法に基づく史跡の指定を受けている城跡、野球場や第一種公認の陸上競技場、自転車競技場などの運動施設が共存する都市公園として、どうあるべきかを考えていかなければなりません。

とりわけ、史跡内の公園で、照明施設等に制限がかかっている等の課題があり、スポーツ施設も近年高度化しており、改修や更新時期を迎えるにあたり、今後どのようにしていくかについて、考えなければなりません。

また、公園内にある県立図書館は、現在耐震補強工事中のため、仮施設で業務を行っていますが、その隣の明石市図書館は、1月に明石駅前の再開発ビルに移転しており、空き施設のあり方が課題となっています。

私は、9年前の平成20年2月定例会において、10年後に明石公園が大きな節目を迎えるにあたり、「公園全体のあり方を、現在までの経緯は経緯として十分に踏まえた上で、後世の県民にも引き継がれる都市公園としての今後のあり方を検討する時期に来ている」と指摘した上で、今後の取り組みについて質問したところ、当局から、「今後、新行革期間を経て、築城400年などを迎える時に一定の方向性が得られるよう、地元関係者や学識経験者などとともに着実に検討を進める」との答弁があったところです。

そこで、平成31年に明石城築城400周年を迎えるにあたり、次なる50年、100年先を見据えた全体的なグランドデザインを持たなければならないと考えますが、これまでの検討結果とともに、当局のご所見をお伺いします。

(2)県立明石公園球技場兼自転車競技場について

明石公園内にある自転車競技場は、現在、本県で唯一自転車競技が開催できる施設となっています。

この自転車競技場ですが、バンク内のスペースは真砂土と芝の球技場になっており、自転車競技を行っていない時は、球技場として利用されています。このため、スパイクでバンク内に入ることで表面が傷ついたり、風等で吹き飛ばされた砂がバンクの表面に付着し、スリップの危険性があるなど、自転車競技場と球技場の複合施設として存在することで多くの課題を抱えることとなっているのが現状です。

本年9月には、日本スポーツマスターズ2017兵庫大会の自転車競技を、この競技場で行う予定ですが、2日間の大会を行うために、球技場部分を仮設で養生する必要があり、来年度約2,000万円の予算を計上しております。これは、10年前ののじぎく兵庫国体の時も同様で、国体終了後は即撤去し、原状回復させています。

私は、自転車競技場と球技場を複合施設として存在させることによる弊害や、大きな大会があるたびに多額の経費が必要となること等を踏まえ、この施設のあり方を検討する必要があると考えます。平成23年の条例改正後は、球技場の利用料が無料となっており、球技場のグランドとその周辺の芝の維持管理にかなりの経費を要しています。

そこで、本県で唯一の自転車競技場であることを重視して、自転車の利用を核とした施設として見直すのはどうでしょうか。バンク内のスペースについては、全国に先がけて自転車保険を創設するなど県が率先して自転車安全対策に取り組んでいることを踏まえ、練習や大会が行われていない時には、従来からも指摘していますが、自転車安全教室などの場として活用されるように工夫することで、より多くの県民に利用していただけるのではないかと考えます。

以上のことを踏まえ、明石公園内の球技場兼自転車競技場のあり方について、当局のご所見をお伺いします。

2 大規模自転車道について

(1)大規模自転車道の維持管理補修について

近年の健康志向やライフスタイルの変化に伴い、サイクリングがさらに身近になり、多くの人々の関心が向けられています。これを後押しする意味で、今回、大規模自転車道について、改めて質問したいと思います。

本県には、サイクリストに魅力的な大規模自転車道が整備されています。姫路明石自転車道約35.0㎞、加古川右岸自転車道約22.5㎞、播磨中央自転車道約13.6㎞の3路線で、全線71.1㎞です。また、大規模自転車道ではありませんが、例えば淡路島でも、一周コース150㎞をはじめ、シーサイドからマウンテンまで変化に富んだコースが設けられています。地域創生が本格化する中で、大規模自転車道は、交流人口の拡大に大きな役割を担っており、地域の活性化に向け、いかに活用していくかが大きな鍵となっています。

このたび、私は、久しぶりに大規模自転車道すべてを走ってきましたが、場所によっては、段差やひび割れ等で安心してサイクリングできない状態となっている所も出てきており、非常に残念に思っています。維持管理補修の必要性については、これまでも指摘してきましたが、今後とも事故につながることがないよう、万全な対応をお願いしたいと思います。また、横断交通の部分は、自動車側にもカラー舗装するなど、注意喚起表示も必要ではないでしょうか。

これからは、常連のサイクリストだけではなく、サイクリング初心者の家族連れや日本の道路事情に不案内なインバウンドの入り込みも想定されるなど、状況が変化しています。だれにも分かりやすい案内板や誘導サインが必要であると、今回のサイクリングで実感したところです。

そこで、地域創生などに大きな役割を担えるように、大規模自転車道の維持管理補修をすべきと考えますが、当局のご所見をお伺いします。

(2)大規模自転車道の利用促進について

大規模自転車道をできるだけ多くの人々に活用していただくためには、県内外のサイクリストはもとより、家族づれ、インバウンドに兵庫の大規模自転車道の魅力を伝えていくことに努力を払い、利用してみたいと思わせるような取り組みを行っていくことが不可欠です。そのためには、積極的な仕掛けが必要です。

例えば、奈良県では、「奈良県自転車利用総合案内サイト」を立ち上げ、京都府と連携して、奈良・飛鳥から京都・嵐山までをつなぐ約90㎞のサイクリングルートの詳細なデータ、つまり、距離、最大標高差、平均斜度、想定所要時間のほか、マップ、パンフレットの入手方法、観光情報等を掲載するなど、積極的にPRしています。私も、このホームページを見て、郵送でパンフレットを入手しましたが、コースを走ってみたいと思わせるような工夫が凝らされています。

本県でも、大規模自転車道ごとにパンフレットを作られていますが、アピール度に欠け、せっかく作るのであれば、単にルート案内にとどまらず、パンフレットを見た人に、兵庫の大規模自転車道を走ってみたいと思わせるようなものにしなければならないと考えます。

また、単に自転車道を整備・管理するだけでなく、自転車道と一般道を組み合わせたコースの提案など、利用者の興味や利便性の向上に向け、市町への働きかけが重要です。

そこで、交流人口の拡大を図るため、大規模自転車道を少しでも多くの方々に利用いただく仕掛けが必要と考えますが、今後どのように取り組まれようとしているのか、ご所見をお伺いします。

●教育委員会

1 県立学校の空調整備について

(1)空調稼働のための対策について

(2)空調整備の今後の方針について

2 兵庫型「体験教育」について

(1)神戸市への教職員給与負担事務の移譲への影響について

(2)兵庫型「体験教育」の検証について

3 競技スポーツの振興について

(1)若い選手の育成について

(2)オリンピック対象競技の強化について

4 神戸マラソンの魅力向上について

全文

予算特別委員会(部局審査・教育委員会)

質 問 者   石井 秀武 委員(ひょうご県民連合)

1 県立学校の空調整備について

(1)空調稼働のための対策について

私のもとには、学校では夏の暑い時や、冬の寒い時でも空調をなかなかつけてくれない、生徒の体調管理が第一なのではないのか、との相談があります。先ほど、島山委員からも同様の質問がありましたが、各学校によっては学校運営費総額として予算を配分されていることから、どうしても他の経費を優先してしまい、空調代に回せないという状況も想定されます。

そうであれば、空調代を受益者である生徒から徴収するというものひとつの考えとしてあるのではないかと思います。特に、夏休みなどの補習においては、空調がついていないと学習自体進まないのではないかと懸念されます。

しかしながら、多額の空調代をとられることになれば、折角、補習に参加しようと思ってもできなくなってしまいます。

そこで、一般的に学校の空調代はどの程度かかるのか。また、生徒からの空調代の徴収について、教育委員会としてどのように考えているのか、お伺いします。

(2)空調整備の今後の方針について

近年の夏の暑さは昔と比べ、非常に厳しいものとなっています。普通教室の空調の稼働については概ね分かりましたが、夏場は普通教室だけではなく特別教室を使用する授業もあります。普通教室における来年度末の空調整備率は96%程度になると見込まれていますが、私は、普通教室だけではなく他の教室にも空調整備をしていくべきではないかと考えます。

そこで、県立学校の空調整備について、今後どのように取り組んでいこうとされているのか、お伺いします。

2 兵庫型「体験教育」について

(1)神戸市への教職員給与負担事務の移譲への影響について

平成29年度から教職員の給与負担事務が神戸市へ移譲されることとなっていますが、最終2カ年行革プラン(一次案)においては、兵庫型「体験教育」の神戸市への交付金については、県費負担教職員制度の見直しにより学級編成基準や教職員定数の決定など義務教育についての全ての権限が政令市へ移譲されることを踏まえ、政令市の負担での実施に見直す。また、留意事項として、権限移譲に伴う地方財政措置において、権限移譲前の県独自財源が引き続き県に措置される場合は、現行制度の継続を検討する、とされていました。

そこで、権限移譲に伴う地方財政措置はどのようになったのか、また、平成29年度当初予算案には、神戸市立学校の兵庫型「体験教育」の予算はどのようになっているのか、お伺いします。

また、来年度以降も同じような議論が繰り返されては、学校現場は混乱する。来年度以降の地方財政措置はどのようになる見込みなのか、併せてお伺いします。

(2) 兵庫型「体験教育」の検証について

兵庫型体験教育については、昭和63年度に自然学校がはじまり、その後平成10年度から「トライやる・ウィーク」、平成18年度からわくわくオーケストラ、平成19年度からは環境体験事業と、順次充実してきました。

しかしながら、最初の自然学校の開始からは既に30年近くが経過しています。兵庫型「体験教育」は当初の理念を充分に継承されず、漫然と行われているのではないか、との声も聞こえてきます。

30年経過を機に一度、体験教育が学校教育の中でどのような影響を与えているのか検証してみる必要があると考えるが、ご所見をお伺いします。

3 競技スポーツの振興について

(1)若い選手の育成について

来年度は日本スポーツマスターズ2017兵庫大会が開催され、本県選手団の活躍を期待するところであります。ここで活躍する選手も、若い世代から競技スポーツに取り組み、それなりの成績を上げた方々が中心となってくるのではないかと考えます。

かつての兵庫県の高校といえば、野球や駅伝、バレーボールなど全国大会での優勝した学校が多くありました。

しかしながら、ここ数年、兵庫県の高校が優勝したという報道を耳にすることが少なくなり、また、国民体育大会においても、本県で開催された平成18年には優勝をしたものの、最近の5年では入賞もしていない状況であり、若干寂しい気がします。

本県の競技スポーツ振興のためには、やはり若い世代からの強化を充実していくべきではないかと考えますが、来年度、どのように取り組んでいこうとされているのか、お伺いします。

(2)オリンピック対象競技の強化について

競技スポーツの競技力向上を目指した「世界にはばたけ兵庫プロジェクト」の一つのメニューとして、近年まで国体競技になかったオリンピック競技を支援するメニューがあります。どのような競技かというと、自転車女子、ラグビー女子、レスリング女子、ウエイトリフティング女子、トライアスロンの5競技となっています。

しかしながら、高校の部活動で、自転車女子やラグビー女子を行っている学校は、ごくわずかではないかと思います。

こういった状況の中で、どのように選手を見つけて強化していくのか、強化した結果本当にオリンピックを狙える選手に成長していくのか疑問が残ります。例えば、埋もれた能力や他の競技での新たな可能性を発掘し、育成していくことも積極的に行っていくべきではないか。

そこで、オリンピック対象競技の、今までの取組み実績を伺うとともに、来年度以降、オリンピックに向け、どのように取り組んでいこうとされているのか、お伺いします。

4 神戸マラソンの魅力向上について

神戸マラソンはこれまで6回開催し、すっかり定着しています。私は過去4回参加しましたが、これからも参加者や応援者の皆さんに楽しんでいただくために、さらに魅力あるコースづくりに取り組んでいただきたいと考えています。

さる2月26日、東京マラソンが開催されましたが、昨年、10回目を迎えたことを機に、「東京の素晴らしさを内外に一層アピールする」「記録をねらえる高速コースにする」という視点からコースを変更されたところです。併せてゴール地点を東京ビッグサイトから交通の便がよい東京駅前へ変更し、参加者や応援者の利便性を向上させ、好評だったと聞いています。

そこで、神戸マラソンも、神戸という地形的な制約があるものの、ニーズを的確に踏まえながら、コース等の見直しを検討する時期に来ているのではないかと考えますが、ご所見をお伺いします。

石井 秀武
神戸市西区

●財政状況

1 県債管理基金の保有資産対策について

(1)神戸市中央区下山手通5丁目等の土地の一般会計による取得について

(2)県債管理基金への他の目的基金等1100億円の集約解消について

2 一般会計と企業会計との貸借関係の整理について

3 県外郭団体の財政健全化について

(1)オーバーナイト融資の解消について

(2)(公財)ひょうご豊かな海づくり協会について

①外国債券運用について

②同財団の投資への県の関わりについて

4 歳入対策について

(1)軽油引取税、自動車税の納期内納付率が低い理由について

(2)自動車税の差押等滞納処分コストについて

(3)宿泊税の創設について

全文

予算特別委員会(部局審査・財政状況)

質 問 者   竹内 英明 委員(ひょうご県民連合)

 1.県債管理基金の保有資産対策について

(1)神戸市中央区下山手通5丁目等の土地の一般会計による取得について

私が県議1期目で初めて決算特別委員会で財政状況の質問に立ったのが平成21年。そして、県債管理基金の中に含まれていた「土地」「美術品」を見つけて問うてからはや7年が経過した。

国の実質公債費比率という新たな財政指標導入に対して窮余の策として他の特定目的基金を集約した際、平成18年度の補正予算で措置されていたものだ。私が当選する前年度だ。

昨年の12月定例会で再び取り上げたところ、適正化に着手するという知事の答弁があり、実際に先週末の3月3日に補正予算として可決成立した。実施から11年目、私が議会で指摘して7年半後。新行革プランの実施に伴い、少しずつではあるが財政が健全化していることで一部現金化で対応できた。

私に対して、もうこれで役割は終わったという議員がいたが、それは違う(笑)。土地87億円、美術品29億円の合計116億円が現金化されたものの、県債管理基金に集約されたままである。一歩前進ではあるが、財政的には大きな話ではない。これらのことは順次質問で明らかにする。

まず、その前に、今回は、基金から買い戻した土地のうち、「神戸市中央区下山手通5-7-1等(397㎡/16億円)」について確認したい。現に建物が建っている土地で、県施設もあり、売却意思もないと聞いており、これを基金によく算入していたなと改めて思うが、近隣の公示価格を調べると、神戸市中央区北長狭通5-7-20の直近、平成28年の国の公示価格をみてみると 1㎡あたり377,000円。買い戻す下山手通5丁目の土地はすぐ近くだか、1㎡400万円、10倍以上となっている。

そこで、土地取得の経緯はどうなっているのか。また、帳簿価格=簿価というのは、取得価格+利子+管理費等=帳簿価格(簿価)となると思うが、それぞれどうなっているのか。

(2)県債管理基金への他の目的基金等1100億円の集約解消について

さきの「県債管理基金の保有資産対策」、つまり現金化よりも本質的ではるかに大きな課題がこの「他の特定目的基金等の1100億円の集約解消」である。総務省自治財政局の財政健全化法の課題整理(H27.5.28)では、『年度を超えた 基金の繰替運用』を課題としてあげており、毎年、総務省から地方自治体に発せられる「地方財政の見通し・予算編成上の留意事項等について」の中でも、「基金から一般会計に会計年度を越える繰替運用を行うという事例が見受けられるが、地方自治法第241条及びそれぞれの基金設置条例の趣旨を逸脱したものとなることのないよう、必要なものについてはその適正化を図ること。」とされている。

「基金から一般会計に収支不足の解消のために、年度を超えて貸し付ける」のは駄目と解釈されるが、「他の基金を県債管理基金に年度を超えて資金集約して、その積立不足を解消している」ことは、直接間接かの違いがあるにせよ財政指標的には同じ結果をもたらすことである。知事が「基金集約を実質公債費比率対策と率直に認める」と答弁した以上、少なくとも新行革プランに課題として記載し、その解消のための条件や目標年度の設定をすべきだと思うがどうか。

 2.一般会計と企業会計との貸借関係の整理について

H28年度補正予算の可決により処理されるのは先の「土地、美術品」の処理以外のもう一つが、一般会計と企業会計との貸借関係の整理である。

一般会計「播磨科学公園都市造成事業貸付金」100億円

企業会計「青野運動公苑県有地信託事業貸付金」106億円

差額は企業債の一般会計での引受けや事業配当金の活用で埋める。106億円が整理されることとなった。

しかし、これは同額の債権債務の解消であり、実質公債費比率や財政指標には影響しないもので、影響するのは一般会計の債権で実質公債費比率の算定に含まれている企業会計への貸付金、具体的には、320億円の北摂開発事業旧住宅金融公庫債繰上償還貸付金である。

債権債務の順次整理が進むと一般会計の債権が420億円、企業会計の債権が512億円であることから差し引き、92億円の一般会計の債務が残ることになる。一般会計側に県債の償還に充当できる財源はないということだ。

さきの総務省の文書にも「基金から一般会計に会計年度を越える繰替運用を行うという事例が見受けられる」とあったが、これも元をただせば地域振興基金とCSR基金の合計320億円で企業会計を介しているとはいえ当然県債の償還に使える財源ではない。

県として、これら債権債務の存在を公表した以上、県債管理基金にある320億円の一般会計の貸付金は企業庁との債務で相殺されることが明らかなことから、県債管理基金から除外して実質公債費比率を算定すべきと考えるがどうか。

 3.県外郭団体の財政健全化について

(1)オーバーナイト融資の解消について

神戸市が外郭団体のオーバーナイト融資を28年度末に実施しないとして解消する方針を公表した。オーバーナイトとは、外郭団体等が3月末の年度末に数日間だけ市中の金融機関から資金を借り、4月の年度開始後すぐに金融機関に返済するという資金繰りの方法である。県が外郭団体等に貸し付けていた資金を年度末の3/31に一旦回収し、翌年度4/1に再び貸付をすることから、団体側は毎年市中金融機関から年度末のその2日間の短期融資を受けなければならないということである(土日を挟む場合は最大4日)。

H28.8.22付朝日新聞の一面記事に神戸市の事例を含めた全国調査の報道があり、すぐさま神戸市長本人もブログで解消の方針を掲げた。久元神戸市長は総務省の財務調査課長の経験もあり、そうしたことに指導的立場であったことから当然と言えば当然だが、いずれにしろ新聞報道が端緒となり解決されることになった。

私は、兵庫県の外郭団体のオーバーナイト融資について、神戸市が指摘される前から、本会議などで解消を求めている。大きいところでは300億円を超える兵庫みどり公社の例を指摘したが、私に対する答弁では、解消しないと言っていたのに、半年後、総務省が研究会で是正の方向性を出すと、兵庫県は動いた。しかし、昨年度末にもまだオーバーナイト融資を実行している団体がある。(公財)ひょうご産業活性化センター、新西宮ヨットハーバー(株)である。平成27年度にはそれぞれ32.6億円、2.6億円の融資を県から受けていたが、年度末にいったん返済し、民間金融機関から年度をまたぐオーバーナイト融資を受け、28年度に入るとすぐそれを返済し、再び県から32.2億円、2.6億円を借りていた。これも今年度で解消すべきだと思うがどうか。

(2)(公財)ひょうご豊かな海づくり協会について

①外国債券運用について

公表されている同財団の27年度決算書類を見たところ、外国債券運用で多額の評価損が出ていることがわかった。為替が円高に振れ、損失が膨らんだようだ。

「財務諸表に対する注記」では、「重要な会計方針として額面金額による償還が予定されていない債券は「その他有価債券」で会計処理し、債権の評価は、取得価格から時価評価に変更する」との記載があった。調べてみると、満期保有の債券は、帳簿価格913,709,000円で、時価は1,021,733,236円で、評価損益は108,024,236円の黒字となる見込みの一方で、時価評価が導入された「その他の有価債券」は、評価前帳簿価格が3,128,885,000円、評価後帳簿価格は、2,245,274,000円で△883,611,000円の評価損が出ている。取得価格から28%下落している。

「あらかじめ定められた償還日において額面金額による償還が予定されていない」これらの有価債券は、決算時点で8億円以上の減損処理が行われたということだ。事実関係の確認と現在の状況について伺う。

②同財団協会の投資への県の関わりについて

県内自治体では、過去に朝来市が円ドル為替レートの影響を受ける仕組み債で多額の運用を行い、一時は15億円の含み損を抱え、金融商品を紹介した金融機関を訴える等していたが、円安に振れたところ一気に赤字が黒字に転換し、訴えも取り下げたという事例があった。

同財団の資金運用については、平成27年11月25日開催の兵庫県公社等経営評価委員会において、時価評価の必要性が指摘された。当財団の業務報告書には、独自に簿価のままでよいという解釈をしていたなど、リスクのある債券運用についての認識が薄いのではないかと感じさせる記載も見られた。県として、出資の他、会長に井戸知事、理事に農林水産局長を出している。県として、同財団の投資について、どのように関わっているのか。

 4.歳入対策について

(1) 軽油引取税、自動車税の納期内納付率が低い理由について

県税各税について現年分の納期内納付額やその比率を調べたところ、H27年度において、ワースト2は59.1%の軽油引取税と82.6%の自動車税であった。  最終的な現年分の徴収歩合はそれぞれ99.4%、99.2%となっている為、県財政に与える影響は大きいとは言えないが、期限内に納めないことで、催告の必要が出たり、差し押えなど滞納処分が必要になるなど、他の納税者以上に余計なコストがかかり、県に損失を与えかねない。

軽油引取税、自動車税の納期内納付率が低い理由について、他府県との比較も含めて教えてほしい。

(2)自動車税の差押等滞納処分コスト

一方、H27年度に差押え等を行い徴収した全3094件の差押え等の滞納処分件数のうち、自動車税の差押等滞納処分は2201件と71 %を占める。1件あたりの差押等滞納処分にかかるコストはいくらぐらいか?

(3)宿泊税の創設について

大阪府が1月から宿泊税を導入している。この宿泊税は、「法定外目的税」であり、「世界有数の国際都市として発展していくことを目指し、都市の魅力を高めるとともに、観光の振興を図る施策に要する費用に充てるため」として総務大臣の同意を得て導入された。

歴史

東京都 H14.10~ 旅館業法上のホテル又は旅館

1泊税抜10000以上の素泊まり~15000未満100円

15000~20000          200円

20000~(大阪府)        300円

※民泊も対象だが1万円以上ない

H29.1.1~大阪  3ヶ月 約1.7億 平年10.9億円

徴税費用         約2.9億    0.7億円

大阪では約11億円の特定財源として、観光地のWi-Fi提供などの新年度予算を計上しているとの報道があった。

東京や大阪だけに観光客がくるわけではなく、宿泊単価もさほどかわらない。兵庫県でも観光地のWi-Fi提供や公共交通機関ターミナル等の整備に費用はかかる。そうした費用確保のため東京・大阪同様の宿泊税を導入すべきと考えるがどうか。

●企画県民部①

1 県政150周年記念事業について

(1)初代県庁(旧兵庫勤番所=尼崎藩兵庫陣屋跡)を復元することの意義について

(2)ソフト事業中心の展開への切り替えについて

2 地域祖父母モデル事業について

3 県内でテレビ東京系チャンネルが放映されない地域があることについて

4 消費生活相談対応力の確保について

全文

予算特別委員会(部局審査・企画県民部①)

質 問 者   竹内 英明 委員(ひょうご県民連合)

1 県政150周年記念事業について

(1)初代県庁(旧兵庫勤番所=尼崎藩兵庫陣屋跡)を復元することの意義について

勤番所とは大阪町奉行出張所のことである。

最初に歴史的事実の確認をする。

天正8(1580年)池田恒興が兵庫城を築城

元和3(1617年)尼崎藩が支配し、兵庫陣屋とする

明和6(1769年)上知令により幕府直轄領となり勤番所が置かれる。

慶応4(1868年)5月23日(新暦では7月12日)

新政府、兵庫裁判所を廃し、兵庫県を設置(伊藤博文知事)

明治元(1868年)9月8日 明治に改元

同年  9月   坂本村(神戸市中央区橘通)新庁舎完成、移転

なお、旧暦新暦の転換は、明治5年12月3日付(明治6年1月1日)である。

このように、初代県庁は約4か月しか設置されず、すぐに新築の庁舎に移転したとの事実がある。それでも再現するつもりなのか?

(2)ソフト事業中心の展開への切り替えについて

慶応4(1868)年閏4.21に政体書公布=府藩県三治制となった。

これは、江戸幕府の直轄地に置かれていた裁判所を廃止し、城代、京都所司代、奉行の置かれていたところを府、その他を県として、藩はそのまま残すものである。

廃藩置県前の府県設置日について調べたところ、

近隣府県では、日付順に

1京都府  慶応4.閏4.24

2大津県  慶応4.閏4.25

3大阪府  慶応4.閏5. 2

4倉敷県  慶応4年 5.16

5奈良県  慶応4. 5.19

6兵庫県  慶応4. 5.23

7堺 県  慶応4. 6.22

8度会府  慶応4. 7. 6

9摂津県  明治2年 1.20

10生野県  明治2年 8.10

となっている。その他主な府県では、

箱館府  慶応4.閏4.24

江戸府  慶応4. 5.11

飛騨県  慶応4. 5.23

越後府  慶応4. 5.29

神奈川府 慶応4. 6.17

長崎府  慶応4年 5. 4

兵庫県が設置された時点で関西では京都府、大津県(滋賀県)、大阪府、奈良県が既に設置されていた。そして3年後には、廃藩置県があった。

明治4(1871)年7月 廃藩置県(直前に府3、県40、藩261)

このように、近隣の他府県に兵庫県政150周年の優位性があるとはいえないことは明らかである。政調会でも多くの議員から質問があったようだが、ハコモノには否定的な意見が多いことを踏まえ、県民に対するソフト事業を中心に実施すべきと思うがどうか?

2 地域祖父母モデル事業について

子育て世帯がちょっとした困りごとを他者に相談したり、手助けを求めたり

することができるよう、今年度から始まったこの事業だが、なかなか難しい点があるのではないかと感じる。

そもそも親が、保育園・幼稚園や親しい友人以外の他人に、自分の子どもを安心して預けられるに至る信頼感の醸成をいかに図るのか。また預けられる方も、ふだんどのような家庭環境で過ごしている子どもなのかという情報をあまり知らないまま預かることになっても、大いに戸惑うだろう。

さらに、一時預かり時等に、故意ではないにしても子供がケガ等をすることもあるかもしれない。そのように考えると、預けるときに不安も出てくる。そのような不安を解消する方法をどう考えているのか。来年度も引き続きこの事業を実施していくにあたり、今年度の課題を踏まえ、いろいろと検討されていることと思うが、考え方を伺う。

3 県内でテレビ東京系チャンネルが放映されない地域があることについて

地上波で、妖怪ウオッチやポケモンなど子どもに人気のある番組を放映するテレビ東京系チャンネルが放映されない地域が県内にある。神戸の人に話すと嘘でしょと笑われるのだが、実は姫路も大半の地域がそうである。民間放送なのでそもそも事業者が進出しなければならない話であるし、ケーブルテレビ等の有料事業者と契約することで視聴することも可能であるが、無料で視聴したいという声もある。どうにかならないか。

4 消費生活相談対応力の確保について

徳島県に消費者庁の機能の一部として、「消費者行政新未来創造オフィス(仮称)」の開設が決まったことで、徳島県が消費者行政のトップランナーであるかのような印象を持つが、実は兵庫県は、昭和40年に全国で初めて県立の「神戸生活科学センター」を設置するなど、消費者行政先進県と評価されている。市町でも相談体制の整備が進み、全国に先駆けて、平成22年にすべての市町に消費生活相談の窓口が設置されたこと等により、県下7地域で行われている県の相談機能の集約も含めた検討を行っていると聞いている。

市町は基礎的自治体、県は広域的自治体という本来の役割に沿って、相談機能の集約を行うことは必要であると考えている。しかし一方で、市町の相談体制の整備が進んだといっても、都市部と郡部では相談員の数や質に差がある状況の中、体制移行を円滑に行うには、多くの課題があるのは事実である。

そこで、消費生活相談対応力の確保のため、消費者行政先進県たる兵庫県が市町との関係において、今後、どのような役割を果たしていこうとしているのか、考え方を伺う。

●公安委員会

1 暴力団対策の装備強化等について

2 県内高速道路における逆走発生について

3 逆走自転車の取締強化について

全文

予算特別委員会(部局審査・公安委員会)

質 問 者   竹内 英明 委員(ひょうご県民連合)

1 暴力団対策の装備強化等について

去年の暑い夏、暴力団事務所前でずっと立って抗争に備えている若い警察官を見た。

折しも、山口組から神戸山口組が分離独立を果たし、それを認めない山口組との抗争が全国で本格化している最中だった。20代の若者だったので親のような気持ちになって、心配した。

もし、銃器を使用した抗争事件がそこで起きた時、防弾チョッキなどの身を守る装備は十分だろうか、捜査車両の老朽化で機動力が落ちていないか。張り込みをするにしても、ある暴力団では捜査車両の車種やナンバーを把握し、検挙されない対策を立てていると聞いているが、同じ旧式の車種の車両ばかりでは、覚束ない。また、裁判等に備えた証拠収集の為のビデオ撮影機器など十分な装備も不足気味だと聞く。このような現場の装備の強化について、対立が深まっている現在のような時にこそ、他の部局に優先して手当てするなど、平時よりも重点化した対応が必要である。また国、警察庁としても、山口組・神戸山口組の抗争については注視していると思う。

そこで、国からその対応・装備等について、予算措置を含めてどのような支援があるのか、また、暴力団対策に必要な現場からの予算要求に対して、緊急時としての対応をしているのか、伺う。

2 県内高速道路における逆走発生について

最近ニュースで取り上げられることが増えてきた高速道路での逆走だが、平成27年、28年のそれぞれの県内での発生件数と、そのうち65歳以上の高齢者が運転していたのは何件だったのか問う。また、年齢に関わらず、逆走につながる勘違いを招くような箇所もあると思うが、逆走を防止するため、どのような対策を講じているのか、あわせて伺う。

3 逆走自転車の取締強化について

2車線以上の整備された道路では本来、自転車は、自動車同様左側通行しなければならないところを、堂々と右側通行をしている人、特に若者が多い。警邏中のパトカーと一緒に並んで車を運転していても、とり立てて注意することもなくそのまま見過ごされている。衝突の危険があり非常に問題である。今後、こうした交通ルールに反した自転車に、パトカーからスピーカーで注意するなどの対応をとることで、ルール違反ということを知らせる必要があると思うが、所見を伺う。

●県土整備部

1 県道石倉玉田線の歩道設置について

2 国道312号の渋滞解消について

3 県道大江島太子線下太田交差点の改良について

全文

予算特別委員会(部局審査・県土整備部)

質 問 者   竹内 英明 委員(ひょうご県民連合)

1 県道石倉玉田線の歩道設置について(道路保全課)

29年度予算に新規事業として、県道石倉玉田線の歩道設置が盛り込まれた。

具体的には、書写山のふもと、夢前川にかかる横関の書写橋から東洋大姫路中高へと向かう基幹道路の一部で、曽左小学校等へ通う児童生徒らが通学でも利用している。

私自身も、この道路を自動車で通行することがあるが、道路に隣接する家屋等との間が狭く、歩道もない区間が多く、大変危険であると感じてきたし、これまで歩道等の設置がなかったことが逆に不思議なくらいである。この度地域自治会等からの要望もあり、早期の事業着手となったが、事業内容についてスケジュールも含めてご説明願いたい。

2 国道312号の渋滞解消について(道路街路課)

国道312号は、姫路の中心部から朝来市和田山を経由して、京都府宮津市までの県管理国道である。国道312号は、姫路の中心部では4車線の道路だが、北上すると砥堀交差点で同国道と平行している県道砥堀本町線と合流し、その北の播但連絡道路砥堀ランプと接続する砥堀北交差点から以北は、2車線となる。但馬方面への交通は、播但連絡道路が有料道路ということもあり、多くは、2車線の国道312号に流れていく。砥堀交差点、砥堀北交差点周辺でボトルネックとなっている。

特に早朝、姫路市内から福崎町の工業団地をはじめ北上して通勤する方々の渋滞にかかる苦情を聞く機会が多く、出勤時は通常なら30分かかるところを1時間程度かかるということで、出勤時間に間に合わないとの話があるなど、この周辺の渋滞解消は喫緊の課題である。このため、今年度から、砥堀北交差点以北の3車線化及び歩道設置に着手している。

また、マリア病院前交差点以北の仁(に)豊野(ぶの)駅周辺の狭あいな箇所で対向車が大型車同士の場合、すれ違いに時間がかかることもある。現在の事業区間が終了したあかつきには、国道312号の拡幅などを通して、住民の利便性向上をはかる必要があると考える。現在、仁豊野駅周辺については、都市計画決定はなされているものの、社会基盤整備プログラムにも記載されておらず計画のみにとどまっているが、一度、朝の渋滞の状況などを確認いただくとともに、適切な対応を取っていただく必要があると思う。

そこで、砥堀北交差点以北の3車線化の見通しと仁豊野駅周辺の対応について伺う。

3 県道大江島太子線下太田交差点の改良について(道路保全課)

H25年度に社会基盤整備プログラムに基づき、何十年にもわたり渋滞箇所であった姫路市内の県道大江島太子線勝原橋交差点が改良され、スムーズな交通が確保されたことによって、近隣の宮田北交差点、下太田交差点の渋滞解消の必要性が増してきた。

宮田北交差点については、2年前の当予算委員会でもとりあげ、事業着手となって、現場で地権者の理解を得る為に鋭意努力頂いているが、もう一方の下太田交差点については、渋滞箇所でありながら、社会基盤整備プログラムにも記載されておらず、しびれをきらしたドライバーが、交差点にあるコンビニ敷地を赤信号にも関わらず横断し、大変危険な状況を生んでいる。

当該交差点については、地元自治会からも危険性を指摘する声が上がっており、姫路土木事務所にも届けられていることから、把握されていると思うが、この際、社基プロに位置づけ、右折レーンの設置を含めて取り組むべきと思うがどうか。

●企業庁

1 企業庁の独立採算維持について

(1)進度調整地の338億円の借入金対応について

(2)県有環境林特会の活用回避について

2 地域整備事業「神戸三田国際公園都市」の分譲見込について

全文

予算特別委員会(部局審査・企業庁)

質 問 者   竹内 英明 委員(ひょうご県民連合)

1.企業庁の独立採算維持について

(1)進度調整地の338億円の借入金対応について

今議会に提案されている「最終2カ年行革プラン」の中で、企業庁・地域整備事業に含まれる「播磨科学公園都市及びひょうご情報公園都市の中で、未だ土地造成を行っていない、いわゆる進度調整地については、(中略)長期的には環境林としての活用も含め、引き続き事業進度を調整する」としている。この進度調整地は28年度末現在1379ha496億円である。うち今後借入金への対応を要するのが、338億円ということである。この土地を取得する際に起債した企業債の償還に充当する現金が不足する見込みがあるということだろう。

企業庁が昨年10月に発行した「兵庫県企業庁五十年史」という記念冊子を読ませて頂いた。その中で発足当初の職員の方の苦労や高度経済成長時代の企業誘致などの成功、バブル崩壊時の対応などOB職員の座談会など興味深い内容もあり、特に、播磨科学公園都市に関して、「あの山の中になぜ都市を作ったのかという素直な質問」「あの位置に全域2000haの計画をしたのは東急電鉄です。

レクリエーション都市を造るという提案で、当時の地元の三日月町と新宮町と上郡町が賛同され、用地買収を3町の職員が担当しました。しかし、昭和48年のオイルショックが大きな契機になり、東急電鉄が事業から撤退してしまいました。」(中略)「三日月町長を筆頭に、県政として応援してほしいと県知事に強く要請されました」

その後のSPring-8の立地決定や現在の県の関わりや状況は、もう皆さんのご存知の通り。

座談会当時の荒木管理者は「(SPring-8の周辺に)研究機関が張りつかなかったのは、情報発信手段の進歩ではないかと。あそこに行かなくてもSPring-8などの先端科学技術基盤は使えるということです。そうだとするならば、交流人口を増やすことが効果的だと考えています」としている。

29年度の予算には交流人口を増やす施策も盛り込まれているところです。

この冊子には、企業庁の前段の企業局創設S41年以来の全職員の名簿も掲載されている。関わってこられた職員にも思い入れのある事業だと思う。

私がこれまで企業庁の審査にあたってきた中で一番印象に残っているのは、岡田 元公営企業管理者の『企業庁は財政的には誰にも迷惑をかけていません。独立採算でやってきました。』という言葉だ。先に述べた「長期保有土地の県有環境林特会への移管」は、自らによる資金手当を断念すると共に、これまでの企業庁の独立採算という金看板を降ろすことになる話であり、避けるべきだと考える。まず確認したい。進度調整地に関して338億円の借入金対応が必要となるのはいつなのか?

(2)県有環境林特会の活用回避について

企業庁が管理する全公営企業会計を調べ、特に潤沢な資金がある企業資産運用事業会計を調べた。ここには約240億円の資本があり、これに対応する資産として185億円の貸付金や50億円の現金を有している(H29末B/S)。企業資産運用事業の240億円の資金を活用する他、一般会計との債権債務の解消、他の会計等の資本を活用しても尚、県有環境林特会を活用しなければ資金繰りに窮するということなのか教えてほしい。

2.地域整備事業「神戸三田国際公園都市」の分譲見込について

最終2カ年行革プランでも地域整備事業のうち「神戸三田国際公園都市」はH32年度末に分譲率100%と記載されているが、これでいいか。

竹内 英明
姫路市