質問日 令和6年3月12日(火)
質問者 小西 ひろのり(ひょうご県民連合)
1 「第5次病院構造改革推進方策(案)」における県立病院の役割について
現在、病院構造改革委員会において、「第5次病院構造改革推進方策」が検討されています。「県民と地域から信頼され 安心できる県立病院」を基本理念に、「医療の質の更なる向上」、「変革する医療への的確な対応」、「収支構造の最適化」、「運営基盤の強化」の4つの柱を基本方針とし、令和10年度までの5年間の計画となります。
第5次方策における県立病院の役割について2点、お伺いします。
(1) へき地医療の充実について
兵庫県は県土が広く、県立病院のない地域におけるへき地医療のニーズはますます高まっています。第5次方策では、姫路・丹波・淡路をへき地医療拠点病院とし、様々な工夫のもとで遠隔医療を行い、医療の維持、医師の要請・派遣に貢献するとしています。
地元の病院や医療・介護施設等との連携が必要不可欠となりますが、特に医師の人材確保、一人ひとりのきめ細かなケアがどこまでできるのか等の課題もあると思います。
そこで、へき地医療の充実には県立病院も一定の役割を担うことになると思いますが、第5次方策を踏まえた取組について、当局の所見をお伺いします。
(2) 地域医療構想・地域包括ケアシステムへの対応について
近年、人口減少と高齢化が急速に進んでいます。厚生労働省によると、今後、高齢者しかいない世帯が増加することが見込まれ、2025年には世帯数全体に占める割合が4分の1を超える見込みとなっています。このような状況を踏まえ、厚生労働省は、2025年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域の包括的な支援・サービス提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進しています。
県立病院には、地域性・専門性に応じた高度急性期・急性期医療を提供する役割があります。地域包括ケアシステムを円滑に機能させるためには、後方病院や保健・福祉等の関係機関との連携、患者の家族等との関係づくりが重要な取組と考えますが、当局の所見をお伺いします。
2 病院DX推進事業について
病院現場で働く職員は、職種を超えた連携のもと、それぞれの専門性を十分に発揮しながら、良質なチーム医療の提供をめざし、日々奮闘されています。しかし、医療現場では超過勤務が常態化しており、病院で働くすべての職員にとって、働きやすく、魅力的な職場環境づくりは喫緊の課題です。
このような状況を踏まえ、病院局としては、ICTを用いた医療の質向上や医療従事者の働き方改革、患者の利便性向上に向けた病院DXを推進することで、持続可能な病院経営に臨まれようとしています。
働き方改革の具体的な内容としては、勤怠管理システムの拡充、薬の院内搬送や食事の配膳等におけるロボットシステムの導入検討、実証実験の項目などが挙げられています。ロボットシステムは職員の業務縮減にもつながることも想定されますが、同時に、ロボットシステムを介することで、スタッフ間のコミュニケーションが困難となり、薬の受け渡し等において、トラブルにつながらないか懸念する場面も想定されます。
人口減少など社会の変化に対応するためにDXを推進することが必要であることは理解します。そこで、こうした課題を踏まえ、どのように病院DXを進めていくのか、当局の所見をお伺いします。
3 西宮総合医療センター(仮称)で働く職員の勤務条件等の調整について
「兵庫県立西宮病院と西宮市立中央病院の統合再編基本計画」にもとづき、令和8年度の開院をめざし、西宮総合医療センター(仮称)の整備がすすめられています。感染症対応機能の充実・強化、災害に強い病院の整備等をすすめることで県民が安心して受診することができ、職員にとっても働きやすい新病院の整備が期待されています。
一方で、新病院については、西宮市立中央病院で働く職員と、県立西宮病院で働く職員が、今後は同じ病院で働くこととなり、給与や福利厚生をはじめとした勤務条件の違いなどについての調整が必要であると思われます。
両病院で勤務する優秀な医療スタッフを確保するため、円滑な移行にむけた調整が行われていると思いますが、調整にあたっての基本的な考え方や調整の状況についてお伺いします。